シングルチップとマルチチップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 15:02 UTC 版)
「LED照明」の記事における「シングルチップとマルチチップ」の解説
シングルチップとマルチチップでは形態だけでなく特性や用途も異なってくる。 特性 シングルチップのラージサイズチップでは比較的高出力が得られるが、発光効率は低くなる。反対にマルチチップのノーマルサイズチップは1つずつは高出力は得られないが、発光効率は高くなる。マルチチップでは放熱設計が楽になる傾向がある。 用途 シングルチップは光源が1つであるため光学設計が単純でありレンズや反射鏡を使用する照明に向いている。マルチチップは光源が複数になるので集光する用途などには向かないが、面を照らす照明や人の目に触れる照明には点光源ごとの輝度が低いので向いている。強い光を放つ点光源では影が強く出て、用途によっては嫌遠され、導光板や拡散板を使って面光源とすることもある。 工程での差 半導体素子は同じプロセスを経ているものでも製造する度ごとに微妙に特性が変化する。シングルチップを照明用途で並べる場合を考えれば発光色の波長や光強度にバラツキがあると使用に差し支えるため、製造工程でチップの発光特性だけはなるべく均一に保つようにしなければならない。チップをパッケージに実装する前に電流を流して光を分析して分別を行い、それぞれの特性を調整する蛍光体を加える必要がある。マルチチップでの1つのパッケージ内のチップ同士でも同様の問題があるが、特性の異なる複数のチップを組み合わせることで解決でき、手間のかかる蛍光体による調整は必要ない。
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