シガテラ毒原因微細藻とは? わかりやすく解説

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シガテラ毒原因微細藻 [Ciguatera poisoning micro-algae]

 シガテラ(ciguatera)は熱帯・亜熱帯域の主としてサンゴ礁周辺生息する含まれるシガテラ毒として知られているシガトキシン(ciguatoxin)と、それに関連するマイトトキシン(maitotoxin)によっておこる食中毒である。その語源カリブ海生息するシグアとよばれる巻貝由来する。両毒ともにポリエーテル化合物で、その構造決定は困難を極め、ごく最近その複雑な構造安元ら(日本)によって明らかにされた。
この食中毒南方諸島住民にとって古くから食糧上、保険衛生上あるいは経済上、深刻な問題もたらしてきた。国連南太平洋委員会による統計では、現在でも年間2万人上の患者発生推定されており、自然毒による食中毒としては最大規模である。多種類のサンゴ礁中毒原因になることも考えられ有毒個体識別法もないので、漁業資源開発にとって大きな障害になっている
シガテラ毒による中毒症状下痢嘔吐運動失調腹痛脱力感倦怠感などさまざまであるが、手足口の周辺感覚異常になることも特徴である。これは冷たい水飲んだり、金属触れたりすると電気ショックのような刺激感じることで、俗に“ドライアイス・センセーション”とよばれている。症状中毒経験者のほうが最初経験者より重く軽症数日重症場合数カ月症状が続くが死亡率は非常に低い。
シガテラ毒をもつは多いが、海藻サンゴ礁状の付着物を食べと、これらを餌にする大型肉食魚限られる一般により肉食魚のほうが、また、小型より大型のほうが毒性が高い。組織内毒性内臓、とくに肝臓毒性が高い。これらの事実毒性の著し個体差地域差などから、毒成分食物連鎖を介して蓄積される考えられていた。その後原因生物一つ付着性渦鞭毛藻のガンビエルディスカス・トキシカス(Gambierdiscus toxicus)であることが明かにされた。この渦鞭毛藻熱帯域広く分布していて、日本では沖縄地方採取されている。また、浮遊生活をせずサンゴ礁生育している石灰藻など、ある種海藻表面死んだサンゴ破片上に着生する細胞円盤状で上下強く圧縮されており、上からみると円形または楕円形をしている。細胞長さは24-60μm、幅は42-140μmである。培養はできるが、培養細胞ではシガトキシンではなく類縁マイトトキシン産生する。この毒成分海洋生物毒の中で最も毒性が強いが、その産生メカニズムはまだ謎が多い。




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