コピーガードへの批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 01:56 UTC 版)
「コピーガード」の記事における「コピーガードへの批判」の解説
「デジタル著作権管理#DRMへの批判」も参照 複製・コピーがコピーガードにより制限される中、一方で「私のお気に入り」といった形でベスト盤を作ったり、テレビCMの部分だけをカットして編集するなど、音楽・映画ソフトを自分の好みに合わせて楽しみたいと思うことはごく自然なことであり、CD・DVDなどのメディアが破損した時のバックアップを取りたいと考えるユーザーも少なくない。この他、旧世代化や規格争いでの敗退により、その規格に対応する機器等が次第に入手・修理しにくくなることを考えて、より新しい規格などにデータを移行させたいと考えるユーザーも少なからず存在している。 それゆえ、合法的にお金・代金を払っている利用者に対しても過剰な使用制限をかけているのではないかと問題視する意見も多い。アメリカの「フェア・ユース規定」にあたるものが日本には無いため、今後は著作権者等の権利が過剰に保護され、ユーザが経済的な負担を強いられると共にユーザビリティも失われていくのではないかと懸念する声もある。仮に非正規の手段でコピーガードを回避する方法が発見された場合、もはや不正利用対策としての効果は期待できない一方で、正規の利用者は引き続き不便を強いられることとなる。 しかし、2004年末頃から各音楽メディア会社はユーザーからの激しい批判を受けたコピーコントロールCDの販売を縮小する方向に入った(一部の会社や著作者は、その効果に疑問を呈して当初から同技術を採用しない方針を取っている)。 行過ぎた著作権保護技術は、ユーザーの不信感を招き、放送や記録メディアなどにおける新技術も、コピーガードが足かせとなって普及を妨げかねない。例えば、DVDレコーダーは2006年の日本国内出荷台数が前年までと比べ著しく低下したが、この原因の1つに過剰な著作権保護技術の搭載によって、従来からのVHSやS-VHS等のアナログ規格に比べて使い勝手が悪化したことが挙げられている。過去には、デジタル記録方式のメディアについて、著作権管理団体からの過剰な著作権保護要求がネックとなって、結局ほとんど普及せず短命に終わった製品も多くある。 デジタルテレビ放送に関しても、2004年4月5日より始まった「コピーワンス」規制が、普及阻害の原因の一つに挙げられ、コピー制御の緩和(数回までのコピーを可能とするなど)を検討に入り、2008年には「ダビング10」という規制緩和策が生まれた。しかし、暗号化を伴う著作権保護が施されているため、合法的にメディアの孫コピーが作成できないなど依然として使い勝手が悪く、多くの消費者の間で不満の声がある。 なお、日本のデジタルテレビ放送におけるコピーガードについては、「B-CAS」の項目で、詳しく解説しているので、そちらを参照のこと。
※この「コピーガードへの批判」の解説は、「コピーガード」の解説の一部です。
「コピーガードへの批判」を含む「コピーガード」の記事については、「コピーガード」の概要を参照ください。
- コピーガードへの批判のページへのリンク