グローリアス (空母)
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グローリアス (HMS Glorious, 77) は[2]、イギリス海軍の艦船[3]。 日本語ではグロリアスと表記することもある[4][注釈 2]。 グロリアスとは[6]、栄光ある、名誉ある、栄光に輝く、といった意味[注釈 3]。
注釈
- ^ しばしばカレイジャス級航空母艦と表記することもある[1]。
- ^ 航空母艦“ハーミーズ Hermes”[5] 全要目{排水量10,850噸 速力25節 備砲13.8糎砲6門 10糎高角砲3門 搭載機數20機 起工1918年1月 竣工1923年5月 建造所不詳} 此艦は英國海軍が航空母艦として計畫した最初のものである。全長182.26米、幅21.33米、平均喫水5.50米、飛行甲板の幅27.43米。上記の兵装の外に小砲計26門を有す。
航空母艦“カレツヂアス Courageous” 全要目{排水量22,500噸 速力30.5節 備砲13.8糎砲10門 10糎高角砲6門 巡洋戰艦より改造せるもの 搭載機數36機 起工1915年5月 竣工1917年1月 建造所アームストロング會社} 尚英國には以上の外に“アルガス Argus”14,450噸、20.2節。及び“グロリアス Glorious”22,500噸、30.5節の2隻の航空母艦がありこの艦種に於ては列強中特に整備充實されてゐる。 - ^ イギリス海軍の非公式な渾名は“やかましや”[7]。
- ^ 〔英國〕航空母艦カレヱジアス[11] 全長786呎 幅81呎 吃水22呎 排水量18,600噸 備砲(4.7吋-16門 外に小口徑砲-18門) 速力31節 本艦は姉妹艦グローリアスと共に1917年竣工の巡洋艦を1924年に至り航空母艦に改装さるゝことゝなつたものである。竣工1928年4月 グローリアスの改装工事は1930年1月完成せり。
- ^ 〔英國〕航空母艦フューリアス[14] 全長786呎 幅90呎 吃水22呎 排水量19,100噸 速力31節 備砲(5.5吋-10門 4吋高角-6門) 本艦は舊カレヂアスおよびグローリアスと大型巡洋艦として起工せられたるものを途中航空母艦に改造したものである。
- ^ a b c 大正七年十月 英國駐在海軍造船大技士 藤本喜久雄 英國巡洋艦驅逐艦「グロリアス」ニ就テ[15]
本艦ハ前述ノ通リ開戰後ニ計画サレ特ニ“Cruiser Destroyer”ト稱セラルヽ新艦型ニシテ(海軍省ノ発表デハ戰闘巡洋艦中ニ編入)“Courageous”及ビ“Furious”ノ二姉妹艦ヲ有ス。
其ノ特点ハ高速力(約31浬)ト大口径主砲(「グロリアス」及「カレジアス」ハ15吋砲4門マタ「フュリアス」ハ18吋砲1門)トニアリ。然レドモ其ノ防禦弱キト(3"HF)大口径砲数ノ少ナキトノ為メカ兎角失敗ノ評スラ一部ニアリ。特ニ「フュリアス」ノ18吋砲ノハ結果面白カラザリシ為メカ此レヲ取外シ飛行機母艦ニ改造セリ。本年三月「グロリアス」及「カレジアス」ヲ改造シテ水上21吋水雷発射管(固定)12門ヲ据付ケタレバ更ニ“Torpedo Cruiser”トモ稱シ得ル様ニ変形セリ。(改造前ニハ水中発射管二門ヲ有セリ)。
本艦型ノ實戰上ノ價値ハ別問題トシテモ近時各艦型ヲ通ジテ著シク速力ヲ増加スルニ至リシ結果本艦ノ如キ速力ノ大ナル大型艦ハ研究ノ價値アルモノト信ズ。 - ^ 航空母艦“フューリアス Furious”[22] 全要目{排水量22,450噸 速力31節 備砲 13糎高角砲10門 10糎高角砲4門 搭載機數33機 起工 1915年6月 竣工 1917年 1918年改装 建造所 アームストロング會社} 英國海軍の誇る三大航空母艦の一つで、その全長239.63米、幅27.13米、平均吃水6.40米。飛行甲板の長さ213.36米でその幅24.34米に達す。速力31節の軸馬力は90,000馬力で巡洋戰艦を改造したものである。
外に機銃其他小砲實に54門を有す。搭載機は戰闘機1個中隊(ニムロツド、フライキャッチャー9機) 哨戒偵察機1個中隊(フェアリーIII F12機) 雷撃機1個中隊(リツボン12機)と發表されてゐるが、今日では更に新鋭機を搭載してゐることだらう。ほゞ同排水量の二段甲板の母艦に“カレヂアス Courageous” “グロリアス Glorious”の大型航母がある。 - ^ ドイツ海軍はユーノー作戦を発動してノルウェー沖に展開しており、ヴィルヘルム・マルシャル中将直率の高速戦艦2隻(グナイゼナウ、シャルンホルスト)がグローリアス等を捕捉した[24]。
- ^ カレイジャスとグローリアスは15インチ(38センチ)連装砲塔2基(合計8門)、フューリアスは18インチ(46センチ)単装砲2基(竣工時は単装砲1門)を装備した[30]。
- ^ 海防艦(海防戦艦)と表記する二次資料もある[39]。
- ^ 本級の建造時、インド洋ではドイツ帝国海軍の軽巡エムデン (SMS Emden) が活動し、シーレーンを脅かしていた[45]。
- ^ 第1巡洋艦戦隊(カレイジャス〈旗艦〉、グローリアス)、第1軽巡戦隊、第6軽巡戦隊、第1巡洋戦艦戦隊(ライオン〈旗艦〉、プリンセスロイヤル、タイガー、ニュージーランド、レパルス〈副旗艦〉)、駆逐艦19隻[18]。
- ^ アメリカ海軍はレキシントン級巡洋戦艦を[56]、日本海軍は天城型巡洋戦艦を(関東大震災により天城は戦艦加賀に差し替え)[57]、フランス海軍はノルマンディー級戦艦を改造対象に選んだ[19]。
- ^ 世界的に見ても、カレイジャス級3隻に匹敵する性能の大型空母は、アメリカ海軍のレキシントン級航空母艦2隻(レキシントン、サラトガ)、日本海軍の赤城と加賀しかいなかった[64]。
- ^ 11月、グラーフ・シュペー(艦長ラングスドルフ大佐)はアフリカ大陸南部を航行してインド洋に進出し[66]、短期間マダガスカル南方海域で活動した[67]。12月初頭の時点では、南大西洋に戻っている[68][69]。
- ^ 本作戦中の4月9日、ウィットワース提督のイギリス巡洋戦艦レナウン (HMS Renown) がリュッチェンス提督指揮下のシャルンホルスト級戦艦2隻と遭遇し、グナイゼナウに損害を与えた[78]。だが撃沈できないまま逃げられている[79]。
- ^ 第二次世界大戦が勃発すると、英艦船には直ちに迷彩塗装がなされたが、海軍省指定迷彩の策定は1941年にまでもつれ込んだ[80]。そのため、その間における『非公式』な迷彩塗装は各艦の艦長にその裁量が委ねられていた[80]。
- ^ グローリアスが連合軍輸送船団から遠く離れ、先行してイギリス本土へ急いでいた理由は、現在でも結論が出ていない[26]。
- ^ ドイツ側記録では、17時38分に最初の命中弾を確認した[90]。不思議なことに、グローリアスは上空に1機を警戒機もあげておらず、また飛行甲板にも機体を並べていなかった[91]。またドイツ艦と遭遇しながら、なかなか救援の無電を発信しなかった[91]。
- ^ イギリス側3隻の合計戦死者は、約1,500名と記録されている[95]。グローリアスに便乗中の空軍兵士41名も戦死した[91]。
- ^ 正規空母アーク・ロイヤル、改造空母フューリアス (HMS Furious, 47) 、改造空母イーグル (HMS Eagle) 、軽空母ハーミーズ (HMS Hermes, 95) 、軽空母アーガス (HMS Hermes, 95) である[81]。
- ^ 本艦の姉妹艦カレイジャス (HMS Courageous, 50) は、第二次世界大戦開戦直後にU-29の雷撃で撃沈されている[96]。
脚注
- ^ a b 福井、世界空母物語 2008, pp. 265–267第二次世界大戦前夜に用意された各国空母
- ^ #英独前進部隊戦闘(1) p.44〔 巡洋艦「グロリアス」型 艦型畧圖(「カレッヂアス」モ大同小異) 〕
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 89–90英国の超々軽巡(1)機密の計画
- ^ ヨーロッパ列強戦史 2004, p. 41グロリアス沈没状況
- ^ ポケット海軍年鑑 1935, p. 93原本168-169頁(航空母艦 ハーミーズ)
- ^ a b 英国軍艦勇者列伝 2012, p. 15.
- ^ a b 壮烈!ドイツ艦隊 1985, p. 32.
- ^ a b 世界の艦船、近代巡洋艦史 2009, p. 26aイギリス/大型軽巡洋艦「カレイジャス」級 COURAGEOUS CLASS
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 152–157ハッシュ・ハッシュ巡洋艦の概要
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 90–93英国の超々軽巡(2)カレイジャスとグローリアス
- ^ 軍艦写帖 1930, p. 143(英國)航空母艦カレヱジアス
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 93–94英国の超々軽巡(3)空母となったフューリアス
- ^ 英国軍艦勇者列伝 2012, p. 28(COLUM空母ってものは……)始まりはジョブチェンジ
- ^ 軍艦写帖 1930, p. 145(英國)航空母艦フューリアス
- ^ #T08.07.01グローリアス p.3
- ^ a b 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 136–140巡洋戦艦か重巡か超大型軽巡か
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 140–143フィッシャー元帥の機密作戦の構想
- ^ a b 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 147–149第二次ヘルゴラント・バイト沖の海戦
- ^ a b c マッキンタイヤー、空母 1985, pp. 36–38軍縮条約と各国の実情
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 164–167大型軽巡の技術上の特長と特異性
- ^ 福井、世界空母物語 2008, pp. 276–277イギリス海軍と空母
- ^ ポケット海軍年鑑 1937, p. 77(原本136-137頁)航空母艦フューリアス
- ^ a b マッキンタイヤー、空母 1985, pp. 55–58ノルウェイ作戦で苦杯をなめた英海軍
- ^ a b 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 76–79ノルウェイ作戦おわる
- ^ a b 呪われた海 1973, p. 147地図5(1940年6月8日午後5時30分、北海における英独艦隊行動図)
- ^ a b ヒトラーの戦艦 2002, pp. 155a-158英空母撃沈
- ^ ジョーダン、戦艦 1988, pp. 36–41ドイツ シャルンホルスト級
- ^ 世界の艦船、近代巡洋艦史 2009, p. 27aイギリス/大型軽巡洋艦「フューリアス」 FURIOUS
- ^ a b Wright 2016, p. 109.
- ^ a b 世界の艦船、近代巡洋艦史 2009, p. 27b.
- ^ 英国軍艦勇者列伝 2012, p. 16.
- ^ 福井、世界空母物語 2008, p. 58.
- ^ a b 福井、世界巡洋艦物語 1994, p. 95b.
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, p. 95a英国の超々軽巡(4)強力な魚雷兵装
- ^ マッキンタイヤー、空母 1985, pp. 16–22空母の先駆をなした「フューリアス」
- ^ 福井、世界空母物語 2008, pp. 57–60◇フューリアス(Furious)
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 134–136軍機の特大型軽巡洋艦
- ^ 世界の艦船、近代巡洋艦史 2009, p. 26b.
- ^ マッキンタイヤー、空母 1985, p. 20.
- ^ #水雷見聞報告(2) pp.8-9、#水雷報告(3)付図 p.5(附図三 巡洋艦「グロリアス」発射管探照燈及無線電信装備畧圖)
- ^ 「6年7月10日 任務予定報告、大正6年 外国駐在員報告 巻7(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C10100830700 、「10年1月7日 帰朝届の件、大正6年 外国駐在員報告 巻7(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C10100831900
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 143–147フィッシャー構想の超軽巡
- ^ a b 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 159–160.
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, pp. 149–153設計者の回想
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, p. 150.
- ^ 福井、世界巡洋艦物語 1994, p. 157.
- ^ 福井、世界空母物語 2008, pp. 65–70◇フューリアスの大改装とアーク・ロイヤル(二代)
- ^ ジョーダン、戦艦 1988, pp. 74–77イギリス ヴァンガード級
- ^ #戦闘報告追補 p.32〔 附二.「グロリアス」飛行機搭載圖(航泊晴雨ニ拘ラズ圖示ノ位置) 〕
- ^ a b c d 宮永, 忠将 著、市村 弘 編『世界の戦艦プロファイル ドレッドノートから大和まで』大日本絵画、東京都千代田区、2015年、30頁。ISBN 9784499231527。
- ^ 「6年9月13日 着任及住所の件、大正6年 外国駐在員報告 巻6(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C10100828800
- ^ a b 「7年12月16日 宿所の件、大正6年 外国駐在員報告 巻6(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C10100829200
- ^ #戦闘報告追補 p.1
- ^ 「8年9月18日 帰朝届の件、大正6年 外国駐在員報告 巻6(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C10100829800
- ^ 「故海軍中佐山口熊平位階追陞ノ件、叙位裁可書・大正十年・叙位巻二十七(国立公文書館)」 アジア歴史資料センター Ref.A11112954600
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- ^ 呪われた海 1973, p. 146.
- ^ 呪われた海 1973, p. 31.
- 1 グローリアス (空母)とは
- 2 グローリアス (空母)の概要
- 3 艦歴
- 4 出典
- 5 外部リンク
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