オブザーバ
「オブザーバ」とは・「オブザーバ」の意味
「オブザーバ」は英語の「observe」に由来しており、「陪席者」「監視員」などと日本語訳されている言葉で、ゴルフでは「審判員の補佐」という役割を持ち、ビジネスの世界では会議の場での円滑な進行を促すことなどを目的に、「obs」などの略称でアドバイザーなどとともに出席することがあるが、通常は発言権を持たず、重要性のある事案についてのみ発言を求められるといったケースもあるため、社内の中でも地位が高く偉い立場にある人を対象として任命されることが多い。オブザーバは、その意味の上から基本的に2種類に分けられる。すなわち、ある目的のために会議などに出席するものの、発言権や議決権がなく参加することが目的の「陪席者」と、取り決め通りルールに沿って正しく進行されているかをチェックする「監視員」である。ビジネスの世界では陪席者の意味で用いられることが多く、会議の平等性を見守り、公正でスムーズな進行を促すことにその役割がある。オブザーバの参加により会議に緊張感や積極性が増したり、重要案件では例外的に意見を求められたりするケースもあるため、社内での役職上位者が任命されることが多いが、研修などの目的で新人を参加させる場合などもある。
正式な参加者の資格は持たないが、オブザーバと同様に会議に出席する役職にアドバイザーがある。アドバイザーとは助言者のことで、専門的な立場から提言を行う人をいう。税理士やコンサルタントなどがこれにあたり、一線を退いた相談役などもその役割を果たすことがある。個別の事案について意見を述べるアドバイザーに対して、オブザーバは会議の進行全体を通してかかわりを持つという点で両者の役割が異なる。
国連関係では「国連オブザーバ」という地位もある。正式な加盟国ではないので投票権はないものの、討議に参加したり議事案の作成などにもかかわったりすることができるもので、国としてはバチカン市国やスイスなどがオブザーバの常駐を認められているほか、複数の政府間機構などが総会活動へのオブザーバ参加を認められている。
「オブザーバ」の熟語・言い回し
オブザーバー参加とは
会議などに、議決権や発言権のない立場で参加すること。議事が適切に運営されているかを第三者の視点で監視し、公平な議事進行を促進したり、会議の参加者の士気を高めたりすることを目的に、新規事業の方針決定といった比較的重要な案件や、議事進行に遅れが生じている議案、若手だけからなる組織で取り扱われる議案を対象とする会議などに参加するケースが多い。
「オブザーバ」の使い方・例文
「オブザーバ」の使い方や例文については、たとえば次のようなものが考えられる。「次回の会議に名誉会長がオブザーバ参加すると聞いて、参加者の間に緊張が走った」「国際会議には、傍観者ではなく監視者としての役割を持つオブザーバが参加することになっている」「この案件の当事者であるあなたが、このようにオブザーバ的な態度を貫かれるのはいかがなものか」「本日はオブザーバとして参加しているので、どうか私のことは気にしないでいただきたい」「事件が明るみに出ると、関係者は一斉にオブザーバ的態度をとるようになった」などである。ほかにも「レギュラーの発言に偏りが生じないよう、オブザーバを呼ぶことにしよう」「次回の会議は重要案件を扱うので、相談役にはぜひオブザーバとして参加してもらわなくては」「日本は核兵器禁止条約に批准はしていないが、オブザーバとして参加している」「発言権を持たないオブザーバが、このようなかたちで議決内容に口をはさむのはルール違反だ」「研修の意味を込めて、今回は新入社員全員をオブザーバとして参加させ、知見を高めてもらうようにしよう」などを挙げることができる。
オブザーバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 01:41 UTC 版)
「2009年欧州議会議員選挙」の記事における「オブザーバ」の解説
以下に挙げる18名はリスボン条約が発効すればオブザーバとして議席を得ることになっている。オブザーバは全加盟国において付属議定書が批准されれば正式な議員となる。 国国内政党院内会派 オーストリアSPÖ S&D オーストリアBZÖ NI ブルガリアSK EPP フランスSP S&D フランスE-É Greens/EFA イタリアUdC EPP ラトビアPS EPP マルタPL S&D オランダPVV or PvdD NI ポーランドPSL EPP スロベニアSDS EPP スペインPP EPP スペインPP EPP スペインPSOE S&D スペインUDC EPP スウェーデンS S&D スウェーデンPP GREENS/EFA イギリスCon ECR
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オブザーバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/01 20:59 UTC 版)
欧州連合への加盟が内定している国では、実際の加盟に先立って多くのオブザーバを欧州議会に派遣している。オブザーバの数と選定方法(通常は国内議会が選定する)は加盟条約に定められている。 オブザーバは議論に出席しまた招聘されて参加することもあるが、投票やそのほかの権限は行使できない。出身国が正式に欧州連合に加盟したのち、オブザーバも次回の選挙が実施されるまで正式に欧州議会議員となる。 このため一時的に定数が基本条約等で合意された上限である750を上回ることが起こりうる。実際に2004年には、5月1日に10か国が欧州連合に新規加盟し、これらの国からの議員を受け入れた結果、欧州議会の議席数が788まで増えたが、翌月に実施された選挙で732に削減されている。 2005年9月26日から2006年12月31日までブルガリアが18人、ルーマニアが35人のオブザーバを送っている。このときのオブザーバは各国議会が合意したうえで、与野党から選定されている。2007年1月1日、一部の入れ替わりがあったものの、オブザーバは正式に欧州議会議員となった。 リスボン条約の発効時は、暫定的に定数が754となった。2009年6月の選挙ではリスボン条約の発効を見込んで、ニース条約の下での定数の736に加え、18名のオブザーバを選出したが、リスボン条約の発効によってこのオブザーバは正式に議員となったためである。 近い将来に予測されるオブザーバにかんする議論は、北キプロスからのオブザーバ派遣を認めるかについてのものである。これはトルコ系キプロス人を受け入れ、また対話の開始と孤立の緩和を目的としたものである。これが実現すればトルコ語を欧州連合の公用語とすることについても議論となる。北キプロスからのオブザーバ受け入れについてはまだ正式に提案されていないが、欧州人民党・欧州民主主義グループ (EPP-ED) はこれに反対している。現在キプロスに配分されている議席数はキプロス全島の人口に基づいているが、欧州議会にはギリシャ系キプロス人しか議席を持っていない。
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