オブザーバブルの定義域とは? わかりやすく解説

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オブザーバブルの定義域

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 08:40 UTC 版)

不確定性原理」の記事における「オブザーバブルの定義域」の解説

詳細は「量子力学の数学的定式化」を参照 不確定性原理定式化する準備として、オブザーバブルの定義域に関して述べる。後でみるように、不確定性原理厳密に定式化する際、オブザーバブルの定義域に関して細心の注意払わないと、反例がつくれてしまうからである。 まず運動量作用素位置作用素定義域に関して調べる。定義から分かるように、運動量作用素波動関数微分可能場合しか定義できないが、自乗可積分関数中には微分可能でないものもあるので、運動量作用素状態空間 H {\displaystyle {\mathcal {H}}} の全域では定義できず、 H {\displaystyle {\mathcal {H}}} の部分空間でのみ定義され作用素である。また位置作用素に関しても、 Q ^ j ψ ( x ) = x j ψ ( x ) {\displaystyle {\hat {Q}}_{j}\psi (x)=x_{j}\psi (x)} が常に自乗可積分関数になるわけではないので、 Q ^ j ψ ( x ) = x j ψ ( x ) {\displaystyle {\hat {Q}}_{j}\psi (x)=x_{j}\psi (x)} が自乗可積分関数になるような ψ ( x ) {\displaystyle \psi (x)} に対してしか位置作用素を定義できないそうしないと Q ^ j {\displaystyle {\hat {Q}}_{j}} の値域が H {\displaystyle {\mathcal {H}}} からはみ出してしまうので、 Q ^ j {\displaystyle {\hat {Q}}_{j}} が H {\displaystyle {\mathcal {H}}} 上の自己共役作用素ならない)。こうした事情から量子力学ではオブザーバブル A ^ {\displaystyle {\hat {A}}} が H {\displaystyle {\mathcal {H}}} の部分空間でのみでしか定義されていないケースをも許容し代わりに定義域 D o m ( A ^ ) ⊂ H {\displaystyle \mathrm {Dom} ({\hat {A}})\subset {\mathcal {H}}} が H {\displaystyle {\mathcal {H}}} で稠密になる事を要請するオブザーバブル A ^ {\displaystyle {\hat {A}}} が H {\displaystyle {\mathcal {H}}} の部分空間でのみでしか定義されない事を許容した事が原因で、2つオブザーバブル A ^ {\displaystyle {\hat {A}}} 、 B ^ {\displaystyle {\hat {B}}} の交換子 [ A ^ , B ^ ] ψ := A ^ B ^ ψ − B ^ A ^ ψ {\displaystyle [{\hat {A}},{\hat {B}}]\psi :={\hat {A}}{\hat {B}}\psi -{\hat {B}}{\hat {A}}\psi } も常に定義できるとは限らない実際、積 A ^ B ^ ψ {\displaystyle {\hat {A}}{\hat {B}}\psi } は ψ ∈ D o m ( B ^ ) {\displaystyle \psi \in \mathrm {Dom} ({\hat {B}})} かつ B ^ ψ ∈ D o m ( A ^ ) {\displaystyle {\hat {B}}\psi \in \mathrm {Dom} ({\hat {A}})} のときしか意味を持たないし、 B ^ A ^ ψ {\displaystyle {\hat {B}}{\hat {A}}\psi } にも同様の制約課せられる結局 [ A ^ , B ^ ] ψ := A ^ B ^ ψ − B ^ A ^ ψ {\displaystyle [{\hat {A}},{\hat {B}}]\psi :={\hat {A}}{\hat {B}}\psi -{\hat {B}}{\hat {A}}\psi } が意味を持つのは、 ψ ∈ D o m ( A ^ ) ∩ D o m ( B ^ ) {\displaystyle \psi \in \mathrm {Dom} ({\hat {A}})\cap \mathrm {Dom} ({\hat {B}})} 、 B ^ ψ ∈ D o m ( A ^ ) {\displaystyle {\hat {B}}\psi \in \mathrm {Dom} ({\hat {A}})} 、 A ^ ψ ∈ D o m ( B ^ ) {\displaystyle {\hat {A}}\psi \in \mathrm {Dom} ({\hat {B}})} が全て成り立つときのみである。

※この「オブザーバブルの定義域」の解説は、「不確定性原理」の解説の一部です。
「オブザーバブルの定義域」を含む「不確定性原理」の記事については、「不確定性原理」の概要を参照ください。

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