インターネットによる人違いデマ中傷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:04 UTC 版)
「大津市中2いじめ自殺事件」の記事における「インターネットによる人違いデマ中傷」の解説
加害者の親や親族であるとして、大津市内の元警察官と女性がインターネットで氏名が公開され、それらの元にも中傷が殺到した。のちほど人違いであると判明し、滋賀県警は東京都目黒区内の男性 と兵庫県川西市の男性2人を名誉毀損の疑いで書類送検した。目黒区の男性は2012年7月8日頃、自身のブログに何者かが書き込んだ、いじめ問題と関係のない大津市在住の60代女性が関係者であるかのような事実無根の内容を別のサイトに貼り付けて拡散させた疑いがもたれた。大津警察署と草津警察署は2012年9月下旬、この2人の自宅を家宅捜索し、パソコンなどを押収。大津市では2012年7月、市内の女性団体会長の女性が同級生の母親だと事実とは異なる書き込みがされ実名も掲載された。団体の事務所に不審な電話が相次ぐなどの被害もあった。また、草津市の元警察官も同級生の祖父だと誤った情報とともに実名や勤務先がインターネット上に掲載され、職場に無言電話などが多数寄せられる事態になっていた。女性と元警察官は2012年7月、それぞれ大津、草津両署に被害届を出していた。なお、目黒区の男性については大津地検は2012年12月25日までに不起訴処分にした。処分は12月21日付で、詳しい内容と理由は明らかにされていない。 滋賀県栗東市の病院職員の男性を加害者の祖父であるとする事実無根の内容をブログに掲載したとして、兵庫県西脇市の男性が名誉毀損罪で略式起訴され、大津簡易裁は罰金30万円の略式命令を出した。本件については民事で慰謝料165万円を請求する提訴も大津地裁になされた。 タレントのデヴィ夫人が2012年7月10日に自身のブログで、加害者及びその関係者と当人が思い込んだ人物らの実名や顔写真を公開する中で、加害少年母親の実名(正確には加害少年の姓と写真女性の名前のミックス)と共に女性の写真を公開して、加害者の関係者らを強く批判したが、加害少年母親については人違いであった。加害少年母親と誤認された人物は少年の父親とみられる男性が一緒に写った社員がネット上で流れていたとされる。人違いが判明したため翌日この写真などは削除されたが、デヴィ夫人から謝罪の意思が見られないことより、この女性はデヴィ夫人を相手に1100万円の損害賠償などを求める訴訟を神戸地方裁判所伊丹支部に起こした。デヴィ夫人は「写真の女性が加害少年母親であると述べてない」「加害者少年親族の写真を掲載する趣旨で掲載し、女性が加害少年母親と言及する意図はないです」と主張していたが、2014年2月17日に神戸地方裁判所は「普通の読み方をすれば、女性が加害少年母親であると誤信させる可能性が高い」と判断され、デヴィ夫人の行為を「非常に軽率な行為」とし、165万円の支払いを命じた。
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