アメリカ国外での普及
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 07:21 UTC 版)
ソ連海軍では、1980年代に入るとタラワ級に似た11780型揚陸艦を設計したが、スキージャンプ勾配を設置するか否かなどの点で海軍総司令官と参謀本部とが対立し、ソビエト連邦の崩壊もあって結局は実現しなかった。その後を引き継いだロシア海軍は、2011年には下記のミストラル級 2隻の建造契約を締結したが、2014年ウクライナ騒乱およびクリミア危機に伴って引き渡しを受けられなくなり、竣工直前だった艦はエジプト海軍に引き渡された。その後、独自設計の全通甲板型強襲揚陸艦として23900型の計画を進めている。 イギリス海軍は、アメリカとともに早期から水陸両用作戦でのヘリボーン戦術の活用を試みてきた海軍であり、従来は航空母艦をもとにヘリコプター揚陸艦へと転用ないし兼任させたコマンドー母艦を運用してきたが、フォークランド紛争でのヘリコプターの活躍を踏まえて、専用のヘリコプター揚陸艦として「オーシャン」を建造した。また、フランス海軍はさらに大型でLHA/LHDと同様に全通飛行甲板とウェルドックを兼ね備えたミストラル級を建造したが、これらはいずれも固定翼機の運用は行っていない。 一方、スペイン海軍は、ミストラル級よりもさらに大型でスキージャンプ勾配も備えるなど航空運用能力が高い「フアン・カルロス1世」を建造したが、これは軽空母「プリンシペ・デ・アストゥリアス」の代艦も兼ねることになっている。また、イタリア海軍の「トリエステ」でも、サン・ジョルジョ級と「ジュゼッペ・ガリバルディ」の代艦を兼用できるように全通飛行甲板とウェルドックを兼ね備え、空母としての運用も想定されている。 中国人民解放軍海軍は、これらの艦よりもさらに大型の全通甲板型強襲揚陸艦である075型を建造しており、後継艦では空母としての運用も検討されている。 主な強襲揚陸艦の比較 アメリカ級フライト1 075型 トリエステ フアン・カルロス1世 ミストラル級船体満載排水量50,000 t以上 40,000-47,000 t 38,000 t 27,082 t 21,500 t 全長257.3 m 240 - 245 m 245 m 230.82 m 210 m 全幅32.3 m 36 m 32 m 機関方式CODLOG CODAD CODOG+電気推進 CODAGE ディーゼル・エレクトリック 出力70,000 hp 65,000 hp 102,000 hp 29,500 hp 19,040 shp 速力22 kt 25 kt 19.5 kt 18.8 kt 兵装砲熕ファランクスCIWS×2基 H/PJ-11 CIWS×2基 76mm単装砲×3基 20mm機関銃×4基 30mm単装機関砲×2基 12.7mm連装機銃×7基 25mm単装機関砲×3基 12.7mm機関銃×2基 12.7mm機関銃×4基 ミサイルESSM 8連装発射機×2基 HHQ-10 18連装発射機×2基 VLS×16セル(アスターまたはCAMM) - SIMBAD 2連装発射機×2基 RAM 21連装発射機×2基 航空運用機能搭載機数F-35B×6機 ヘリコプター×30機 F-35B×4-8機 AV-8B×10機※将来はF-35Bも考慮 ヘリコプター×16機 ヘリコプター×20機以上 ヘリコプター×6-9機 ヘリコプター×12機 飛行甲板全通(STOVL対応) 全通 全通(スキージャンプ式) 全通 輸送揚陸機能舟艇LCAC-1級×2隻 LCAC×3隻 70 t LCU×4隻またはLCAC-1級×1隻 LCM-1E型×4隻と複合艇×4〜6隻またはLCAC-1級×1隻 LCM×8艇LCU×2艇またはLCAC-1級×2隻 上陸部隊約1,900名 約1,600名 1,043名 902名 短期:900名長期:400名 同型艦数9隻予定 3隻(5隻計画中) 1隻 1隻(準同型3隻) 3隻(準同型2隻)
※この「アメリカ国外での普及」の解説は、「強襲揚陸艦」の解説の一部です。
「アメリカ国外での普及」を含む「強襲揚陸艦」の記事については、「強襲揚陸艦」の概要を参照ください。
- アメリカ国外での普及のページへのリンク