いじめ・自殺・暴行・性的暴力等の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:11 UTC 版)
「大韓民国国軍」の記事における「いじめ・自殺・暴行・性的暴力等の問題」の解説
韓国軍では1980-04年に約8700名が兵役中に死亡し、年間死者数は100名以上であり、約50%が自殺とされている。国防部資料『軍死亡事故現況』によると、2004-14/8/11の自殺将兵数は合計820名。 苛烈ないじめや体罰は自殺者や徴兵逃れの増加の理由の一つであり、韓国では主に男性教員による学校での体罰が問題となっているが、これも軍隊生活で体罰や私的制裁を受けた影響と考えられる。海外進出した韓国企業での韓国人管理職による部下への暴力が進出先の国で問題となることがある。 韓国全軍は「過酷行為」と言われる暴力などを部下に行使しないように国防部から命令として暴力禁止を掲げており、多少の改善は見られるが、根本的な解決には至っていない。2005/1には陸軍の中隊長が便所の水を流していない訓練兵らに立腹し、全員を集めて指を大便につけるよう強要し、それでも誰も自首しなかったため大便つきの指を口に入れるよう命令した「食糞事件」が発生し、6/19には北朝鮮とのDMZ(非武装地帯)に隣接する最前線警戒所で任務に当たっていたGP(Guard Post)部隊所属の兵士(22歳)が日常的な上官からの言葉の暴力に耐えかね、手榴弾を投げ爆破させた後に大宇K1A自動小銃計1個44発を乱射し、同僚兵士8人を射殺・爆殺)するという「漣川軍部隊銃乱射事件」(その後の裁判で、この兵士に対して「社会から永遠に隔離せざるを得ない」という理由により死刑判決が下された)などが発生しており、国民に対して不信感を植え付ける結果となった。職業軍人たちは徴兵制度で来る兵士達が自殺・他殺・自傷・他傷などの軍事事故を起こした場合に懲戒免職される規定があり、軍隊生活は幹部達にとっても過酷である。 2014年には集団いじめ・暴行によって兵士が死亡した「漣川後任兵暴行致死事件」が発生し、前代未聞の大事件として報道された。その約2ヶ月後には、いじめに遭っていた兵士が銃を乱射し、5名が死亡した「江原道高城郡兵長銃乱射事件」が発生。 2021年には海軍艦にていじめに遭っていた兵士が自宅にて自殺した「韓国海軍姜邯賛艦一等兵自殺事件」が発生し、韓国国内で韓国軍隊におけるいじめなどの暗部を描いたドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』が話題となっていた時期でもあり、事件は大きく報道されることとなった。同年にはトランスジェンダーの陸軍女性兵士が死亡し、空・海・陸軍でそれぞれ性的被害を受けた3名の女性兵士が相次いで死亡する事件も発生。 性的暴力については、人権活動家らは韓国軍内部での女性兵士に対する性的暴行は絶えることがないとして問題視している。2016年に議会に提出された資料では5年間に111人の女性兵士が上官から性的暴行を受けたと報告されている。
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