『朝日新聞』論壇時評との関係
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「正論 (雑誌)」の記事における「『朝日新聞』論壇時評との関係」の解説
辻村明による『朝日新聞』論壇時評(1951年10月 - 1980年12月)の量的分析は以下のようになる。「雑誌別言及頻度」は、1位『世界』(1390)、2位『中央公論』(1072)、3位『朝日ジャーナル』(注:1959年3月15日号創刊、556)、4位『文藝春秋』(467)、『正論』は後発(1973年11月号創刊)であるから言及は少なくなるが、創刊されてから絞っても『潮』・『エコノミスト』よりもはるかに少なく、辻村明は以下のように評している。文中の「自由」は自由 (雑誌)のこと。 『中公』も現実主義路線として批判されることが多かったので、このような悪い評価が比較的高くなるのであるが、『文春』『自由』となると、反左翼的、あるいは右翼反動的な雑誌として、悪い評価が一層高くなっている。『自由』が目の仇にされている様子が窺われる。(中略)『諸君!』『正論』も『自由』とほぼ同じ傾向の雑誌であり、ほとんど論壇時評にとりあげられないが、(中略)編集方針が論壇時評の担当者の意に添わないことの結果でもあろう。それはやはり比較的若い『現代の芽』や『現代の理論』がベストテンに入っていることと対照的である。 — 「朝日新聞の仮面」『諸君!』1982年1月号 1981年1月(高畠通敏)〜2009年2月(松原隆一郎)まで論壇時評者14人の言及した上位15誌は以下となる。 朝日新聞論壇時評言及頻度(1981年1月〜2009年2月)順位雑誌名総数肯定的言及否定的言及1世界 460 93.7% 6.3% 2中央公論 355 85.6% 14.4% 3エコノミスト 222 95.5% 4.5% 4文藝春秋 143 90.2% 9.8% 5朝日ジャーナル 91 98.9% 1.1% 6Voice 80 86.3% 13.8% 6諸君! 80 82.5% 17.5% 8論座 73 89.0% 11.0% 9現代思想 51 94.1% 5.9% 9週刊東洋経済 51 92.2% 7.8% 11月刊現代 46 93.5% 6.5% 12月刊Asahi 39 94.9% 5.1% 13アスティオン 34 97.1% 2.9% 13潮 34 85.3% 14.7% 15正論 33 84.8% 15.2% 『諸君!』『Voice』の言及率は、『世界』を100%とするなら17%、『正論』は7%となり、論壇時評者は2年間担当するが、3誌に一度も言及しなかった論壇時評者、3誌のうち1誌だけ言及した論壇時評者もいる。さらに、取り上げられた場合でも否定的な言及が多く、その割合は、『諸君!』(17.5%)、『正論』(15.2%)、『潮』(14.7%)となる。
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『朝日新聞』論壇時評との関係
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「世界 (雑誌)」の記事における「『朝日新聞』論壇時評との関係」の解説
辻村明 や竹内洋は『朝日新聞』の論壇時評が『世界』掲載論文をいかに多く取り上げ、しかもそのほとんど全てが好意的に取り上げられたかについて指摘している。八木秀次は、『朝日新聞』の論壇時評は『世界』ばかり取り上げていますもんね、と皮肉を言っている。 辻村明による『朝日新聞』論壇時評(1951年10月〜1980年12月)の量的分析は以下のようになる。 雑誌別言及頻度 『世界』1390 『中央公論』1072 『朝日ジャーナル』(注:1959年3月15日号創刊)556 『文藝春秋』467 否定的に取り上げられた割合 『改造』19% 『自由』15% 『文藝春秋』13% 『中央公論』10% 『世界』5% 朝日新聞論壇時評言及頻度(1951年10月〜1980年12月)順位氏名肯定的言及否定的言及1中野好夫 49 2 2小田実 40 1 3清水幾太郎 39 7 4加藤周一 38 0 5坂本義和 36 1 6日高六郎 35 4 7都留重人 34 3 8大内兵衛 33 2 9竹内好 30 0 10久野収 29 1 11松下圭一 29 3 12篠原一 26 2 13蠟山政道 25 2 14関寛治 24 1 15林健太郎 23 6 16鶴見俊輔 23 0 17高坂正堯 23 0 18大江健三郎 23 0 19桑原武夫 22 1 20福田歓一 22 2 21西川潤 21 0 22菊地昌典 21 0 23丸山真男 20 0 24長洲一二 20 1 25永井陽之助 20 0 26武者小路公秀 20 0 竹内洋は、上位26人のうちのほとんどが『世界』の常連執筆者の岩波文化人で独占、岩波文化人以外では、15位林健太郎、17位高坂正堯、25位永井陽之助など極少数となり、「『世界』は、『朝日新聞』論壇時評での言及頻度がもっとも多いだけでなく、そのほとんどが好意的に取り上げられ」、結果「『世界』のプレゼンスを大きくさせるに大いに与った」と述べている。 1981年1月(高畠通敏)〜2009年2月(松原隆一郎)まで論壇時評者14人の言及した上位15誌は以下となる。 朝日新聞論壇時評言及頻度(1981年1月〜2009年2月)順位雑誌名総数肯定的言及否定的言及1世界 460 93.7% 6.3% 2中央公論 355 85.6% 14.4% 3エコノミスト 222 95.5% 4.5% 4文藝春秋 143 90.2% 9.8% 5朝日ジャーナル 91 98.9% 1.1% 6Voice 80 86.3% 13.8% 6諸君! 80 82.5% 17.5% 8論座 73 89.0% 11.0% 9現代思想 51 94.1% 5.9% 9週刊東洋経済 51 92.2% 7.8% 11月刊現代 46 93.5% 6.5% 12月刊Asahi 39 94.9% 5.1% 13アスティオン 34 97.1% 2.9% 13潮 34 85.3% 14.7% 15正論 33 84.8% 15.2% 相変わらず、『世界』と『中央公論』が多く取り上げられ、『世界』を100%とするなら『諸君!』と『Voice』は17%、『正論』は7%になり、論壇時評者14人のうち9人は最も多く言及したのは『世界』であり、残りの論壇時評者の多くは『中央公論』を最も多く言及したが、その場合でも『世界』の言及頻度は2位である。 1985年1月〜1986年末まで論壇時評者だった見田宗介は、初回(1985年1月28日)に論壇誌よりPR誌、運動誌、ミニコミに「核心にふれる現代社会論をみることができることもある」として、「論壇の解体と変容」を論じ、文芸誌や中小メディアに言及したが、宮崎哲弥や竹内洋によると、当時は「画期的」「殻をやぶったユニーク」という評価がマスコミ業界にはあったが、竹内洋は、結果的には言及上位は、他の論壇時評者とさして変わらない『世界』(32)、『中央公論』(31)、『朝日ジャーナル』(17)の「御三家雑誌」であり、『諸君!』『Voice』『正論』は2年間で全く言及がなく、「読者数からして『世界』『中央公論』になんら見劣りしない保守系三誌の掲載論文を完全に無視して、論壇の解体や変容が論じられていたのが不思議というほかなかった」と評している。
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『朝日新聞』論壇時評との関係
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「諸君!」の記事における「『朝日新聞』論壇時評との関係」の解説
辻村明による『朝日新聞』論壇時評(1951年10月〜1980年12月)の量的分析は以下のようになる。「雑誌別言及頻度」は、1位『世界』(1390)、2位『中央公論』(1072)、3位『朝日ジャーナル』(注:1959年3月15日号創刊、556)、4位『文藝春秋』(467)、『諸君!』は後発(1969年7月号創刊)であるから言及は少なくなるが、創刊されてから絞っても『潮』・『エコノミスト』よりもはるかに少なく、辻村明は『諸君!』1982年1月号で以下のように評している。 『中公』も現実主義路線として批判されることが多かったので、このような悪い評価が比較的高くなるのであるが、『文春』『自由』となると、反左翼的、あるいは右翼反動的な雑誌として、悪い評価が一層高くなっている。『自由』が目の仇にされている様子が窺われる。(中略)『諸君!』『正論』も『自由』とほぼ同じ傾向の雑誌であり、ほとんど論壇時評にとりあげられないが、(中略)編集方針が論壇時評の担当者の意に添わないことの結果でもあろう。それはやはり比較的若い『現代の眼』や『現代の理論』がベストテンに入っていることと対照的である。 — 「朝日新聞の仮面」『諸君!』1982年1月号 1981年1月(高畠通敏)〜2009年2月(松原隆一郎)まで論壇時評者14人の言及した上位15誌は以下となる。 朝日新聞論壇時評言及頻度(1981年1月〜2009年2月)順位雑誌名総数肯定的言及否定的言及1世界 460 93.7% 6.3% 2中央公論 355 85.6% 14.4% 3エコノミスト 222 95.5% 4.5% 4文藝春秋 143 90.2% 9.8% 5朝日ジャーナル 91 98.9% 1.1% 6Voice 80 86.3% 13.8% 6諸君! 80 82.5% 17.5% 8論座 73 89.0% 11.0% 9現代思想 51 94.1% 5.9% 9週刊東洋経済 51 92.2% 7.8% 11月刊現代 46 93.5% 6.5% 12月刊Asahi 39 94.9% 5.1% 13アスティオン 34 97.1% 2.9% 13潮 34 85.3% 14.7% 15正論 33 84.8% 15.2% 『諸君!』『Voice』の言及率は、『世界』を100%とするなら17%、『正論』は7%となり、論壇時評者は2年間担当するが、3誌に一度も言及しなかった論壇時評者、3誌のうち1誌だけ言及した論壇時評者もいる。さらに、取り上げられた場合でも否定的な言及が多く、その割合は、『諸君!』(17.5%)、『正論』(15.2%)、『潮』(14.7%)となる。
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