《欲しい》の敬語
「欲しい」の敬語表現
「欲しい」という言葉を敬語で表現すると、「いただきたい」、「頂戴したい」となります。例えば、「議事録が欲しい」場合は、「議事録を頂戴したく存じます」と表現することができます。ほかにも、「けがは大丈夫ですか?絆創膏が必要でしたら差し上げます。」という問いかけに対して、「お気遣いいただきありがとうございます。いただきます」のように使うことができます。「いただきたい」、「頂戴したい」はいずれも、自分が何か欲しいものがある場合に使える表現です。「欲しい」という言葉は、「~して欲しい」と、相手に何かをお願いする場合にも使用します。「~して欲しい」という言葉を敬語で表現すると、「〇〇していただきたい」となります。例えば、「手伝って欲しい」は、「お手伝いいただきたく存じます」と表現します。
「欲しい」の敬語の最上級の表現
前述の通り、「欲しい」には、「いただきたい」、「頂戴したい」、「〇〇していただきたい」という敬語表現があり、これらは謙譲語になります。謙譲語は、自分や自分の行為に対してへりくだった表現を使うことにより相手を高め、敬意を表す敬語表現です。謙譲語は高い敬意を伝えることができる敬語表現ですので、「いただきたい」、「頂戴したい」、「〇〇していただきたい」のいずれも丁寧な表現であり、どれが最上位という明確な決まりはありません。より丁寧に「欲しい」、「して欲しい」ことを伝えたい場合は、質問の形にして伝えるのも一つの方法です。「欲しい」、「して欲しい」ことを相手に伝える場合、そのまま伝えるよりも質問の形にした方がより丁寧な印象を与えることができる場合があります。例えば資料のコピーを欲しいと思っている場合、「資料のコピーを頂戴したく存じます」では、「欲しい!」という一方的な意思表示とも受け取れます。「資料のコピーをいただけますか?」と質問の形にして相手に尋ねる言い回しにすることで、相手の意思を確認する配慮が感じられます。
「欲しい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
顧客に「画像を送って欲しい」旨を伝える場合のビジネスメールの例文をご紹介します。「〇〇様
平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
株式会社〇〇のカスタマーサポート担当、〇〇(氏名)でございます。
修理のご依頼を承りました。
見積もりをお出ししたいので、不具合の詳細を教えていただけますか?
エラー画面が出た際のスクリーンショットがありましたら頂戴したく存じます。
お忙しいところ恐縮ですが何卒よろしくお願い申し上げます。
署名」
続いては、取引先に「書類を送って欲しい」旨を伝える手紙の例文をご紹介します。
「株式会社〇〇
総務部〇〇様
拝啓
小寒の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度は必要書類のご送付ありがとうございました。
内容を確認しましたところ、大変恐縮ですが訂正頂きたい箇所がございました。
マーカーで囲った部分をご確認ください。
修正後の書類は、同封の返信用封筒にてご返送いただきたく存じます。
ご多忙の折恐れ入りますが何卒よろしくお願い申し上げます。
寒い日が続きますのでお身体ご自愛くださいませ。
署名」
「欲しい」を上司に伝える際の敬語表現
上司に「欲しい」、「して欲しい」ことを伝える際の敬語表現は、「いただきたい」、「頂戴したい」、「〇〇していただきたい」です。目上の立場である上司に対して「欲しい」、「して欲しい」ことを伝える場合は、「申し訳ございませんが…」などとクッション言葉を使うことをおすすめします。クッション言葉は相手への気遣いの気持ちを表した言葉で、文章全体をやわらかい印象にすることができます。ビジネスシーンでは、何かを断る時や反論する時など言いにくいことを伝える場合に、きつい印象にならないようクッション言葉を使用することが多いです。例えば食事会を断る場合ですと、ただ「食事会には参加いたしかねます」と伝えるよりも、「大変残念ですが…」というクッション言葉を前に置いて、「大変残念ですが、食事会には参加いたしかねます」とした方が、ネガティブな印象をやわらげることができます。部下である自分が上司に対して、「欲しい」や「して欲しい」ことを伝えるのは心苦しい、忙しいところ申し訳ないという気遣いの気持ちを込めながら、「恐縮ですが…」や「お忙しいところ申し訳ございませんが…」などのクッション言葉を使って、丁寧に伝えることをおすすめします。「欲しい」の敬語での誤用表現・注意事項
「欲しい」の敬語表現の一つである「頂戴したい」についての注意点をご紹介します。「頂戴したい」は「頂戴したく存じます」と使われることが多いですが、少し硬い表現であるようにも感じられます。ですが、「頂戴いたします」としてしまうのは間違いです。「頂戴いたします」は、「頂戴」と「いたす」という二つの謙譲語が使われている二重敬語になってしまいます。もし、もう少しやわらかい表現をしたいという場合は、「頂戴できればと存じます」とすることもできます。「できれば」という断定的ではない伝え方をすることによって、相手にお伺いを立てた気づかいの感じられる表現となっています。「欲しい」の敬語での言い換え表現
「して欲しい」ことが、例えば「教えて欲しい」、「アドバイスが欲しい」などの場合であれば、「ご教示」という言葉を使って言い換えることができます。社内で、仕事のフローについて教えて欲しい場合に、「経費精算フローについてご教示いただけますか?」などと伝えると丁寧な印象です。「ご教示」は目上の人にも使える言葉ですが、「ご教示願います」という表現では少し失礼です。上司など目上の人に使う場合は、「ご教示のほど何卒よろしくお願い申し上げます」と丁寧な表現を心がけましょう。- 《欲しい》の敬語のページへのリンク