《概ね》の正しい読み方
「概ね」の正しい読み方
「概ね」は「おおむね」と読む。なお、「概」という漢字は普通、音読みで「ガイ」「カイ」「キ」「コツ」などと発音されてきた。「概」の訓読みは「おおむ」だけである。「概ね」の意味解説
「概ね」とは物事を曖昧に伝えるときに用いられる副詞である。「全体を見渡せば、そのように感じられる。ただ、それ以外の可能性も残されている」とのニュアンスも含む。ちなみに、「概ね」の示す曖昧さについては、明確な基準がない。一般的には、「十中八九間違いがないものの、例外もありえる」といった状況で「概ね」は使用されている。なぜ「概ね」と読むのか・理由
「概」という漢字を「概ね」と読むようになった理由には諸説ある。なぜなら、「概ね」はもともと、「大体の主旨」という意味で「大旨」と書かれてきたからだ。「大旨」が変化し、送り仮名を用いて誤読を防ぐために「概ね」という書き方になったと考えられる。もともと「概」には「全体の」「まとまっている」という意味があったので、「大旨」の代用に相応しかったといえる。「概ね」の類語・用例・例文
「大体」「おおまか」「ざっくり」「ほとんど」など、「概ね」には類語が多い。いずれも「確定的ではないものの、間違いの可能性は低い」といった意味を持つ。「概ね」をこれらの語句に置き換えても、日本語としては誤用といえない。ただ、「概ね」はやや形式的な表現である。ビジネスシーンや公的な文書であれば、「概ね」を使用するのが無難だろう。そのほか、「総じて」という語句も似た文脈で使われてきた。「総じて」は「全体を見渡して述べれば」という意味で、「概ね」と同じく形式的な言葉である。そのかわり、「総じて」には少し断定的なニュアンスが含まれる。「概ね」はむしろ、断定を避けたいときに用いる語句だ。以下、「概ね」を使った例文を挙げる。「新商品の売上につきましては、概ね好調だといえそうです」「概ね話は聞いたつもりだが、君の方が悪いと感じたよ」「失敗した経緯の概ねは、私から説明させてもらおう」「概ね」の英語用例・例文
「概ね」に近い英単語としては、「generally(一般的に)」「largely(ほとんど)」「in common sense(常識的に)」などがある。ただし、いずれも日本語の「概ね」のように「間違いではないが例外の可能性もある」といった細かいニュアンスまで含んでいるわけではない。以下、これらの単語を使った例文を示す。Generally, if you don't eat vegetables, you will be unhealthy.(野菜を食べないなら、概ね不健康になるだろう。)The population of this city is largely Chinese. 「この地域の人口は概ね中国人が占めている。」In common sense, you will catch a cold after sleep with light clothes.(薄着で寝た後は概ね風邪をひくだろうね。)- 《概ね》の正しい読み方のページへのリンク