《椿》の正しい読み方
「椿」の正しい読み方
「椿」は「つばき」と読む。「椿」の意味解説
「椿」はツバキ科ツバキ属の常緑樹で、アジア諸国の照葉樹林では普通に見られる樹木である。日本で知られている椿は中国から伝わった苗を品種改良したものであり、中国の椿とは花の姿や葉の形が異なる品種もある。椿は同じツバキ科でも品種によって花の姿や開花時期などの特徴が異なるので一概には言い切れないが、開花時期は12月から翌年の4月ごろの冬季である。樹高は15メートル以上になるが成長は遅く、害虫の食害も受けやすいことから自然界では椿の巨木は珍しい。椿の花は人の鼻ではほとんど感じないほど香りが弱い。また、枯れる際は花弁を散らさず、花が丸ごと落ちるのも大きな特徴である。椿の花が落ちる様が斬首される人の姿に見えるという理由で武士は椿を嫌っていた。椿は北海道から沖縄まで日本全土に広く分布している。生命力が強く、気温の急激な変化にも耐えられることから庭木として人気が高い。
なぜ「椿」と読むのか・理由
「椿」と書いて「つばき」と読む理由は諸説ある。葉に艶があることから「葉に艶がある木」を略して「つやき」と読むようになり、やがて読み方が変化して「つばき」になったと言われている。また、葉に厚みがあるので「厚い葉の木」と書いて「あつはき」と読み、次第に「つばき」になった説もある。椿は「木」に「春」と書き、日本では春の花のイメージがあるが、実際の開花時期は12月から2月ごろである。椿が咲くと春が近いという意味で春の花のイメージが定着した。「椿」の類語・用例・例文
「椿」の類語には「山茶花」「チャノキ」「ヒメシャラ」などがあり、いずれもツバキ科の植物である。「山茶花」は「さざんか」と読み、花や葉の形が椿とよく似ているのが特徴だ。開花時期や花の枯れ方は椿とは異なるが、それ以外の点については類似点が多く、植物の専門家でも見分けるのは容易ではない。「チャノキ」はいわゆる「お茶の木」であり、葉や茎から特有の風味が抽出される。「ヒメシャラ」はツバキ科ナツツバキ属の落葉高木で、椿よりも小ぶりな花と葉が特徴だ。それぞれの例文には「椿の花を生け花に用いる」「山茶花を垣根にしている」「チャノキの畑で雑草取りを行った」「自宅の庭にヒメシャラを植えている」がある。「椿」の英語用例・例文
「椿」を英語で書くと「camellia」になる。本来の「camellia」は桃色に近い紅色を意味する色名であり、西洋に伝わった椿の色が淡い紅色だったことから色名が椿の英語名になったとされている。例文には「庭で椿が咲いている」を英訳した「Camellia is blooming in the garden.」がある。英語表記には「Camellia japonica」もあるが、これは学名をそのまま英語名にしたものだ。- 《椿》の正しい読み方のページへのリンク