《欠伸》の正しい読み方
「欠伸」の正しい読み方
「欠伸」は、一般的に「あくび」と読むのが正しい読み方になる。また同じように「欠伸」と書いて、「けんしん」と読むケースも見られる。同じ漢字を使っていても、読み方によってニュアンスが少し異なるので、意味も合わせて使い分ける必要がある。また「欠伸」を「けっしん」と読む場合もあるが、「けっしん」という読みは医学用語に見られるため、一般的な形で使われることは少ない。実際に「欠伸」を「けっしん」と読むと、一般的に間違った読み方とされる場合が多いため注意が必要だ。「欠伸」の意味解説
眠かったり疲れたりしたとき、口を大きく開いて息を深く吸い込み、息を吐き出す呼吸運動をすることがある。この一連の行為のことを指すのが「欠伸」で、意識しなくても誰でも自然に行ってしまう可能性がある行為だ。また「欠伸」を「あくび」ではなく、「けんしん」と読む場合には、あくびをすることだけではなく、あくびをして伸びをすることを示している。読み方を意図的に変えているという場合には、違ったニュアンスで使われているという点も把握しておく必要がある。なぜ「欠伸」と読むのか・理由
「欠伸」を「あくび」と読むのは、熟字訓の読み方が採用されているからだ。熟字に訓読みを当てて読む読み方のことを示す熟字訓では、漢字単体の読み方にはない読み方をする場合がある。そのため「欠伸」で「あくび」と読むといっても、「欠」を単体で「あく」と読むこともなければ、「伸」を「び」と読むこともない。「欠伸」の類語・用例・例文
「欠伸」の類義語には、「深呼吸」「呼気」「息吹」などがあげられる。類義語は同じように呼吸運動を示す言葉ではあるものの、欠伸と同じ意味で使われるものではない。深呼吸は意図的に息を大きく吸って吐くものなのに対し、欠伸は意識せずに大きく口を開けて行う呼吸運動となっている。同じ呼吸運動でも、どのように行うかで使われる単語が異なることを理解して、状況に応じて使い分ける必要がある。また欠伸は眠い時に出ることが多いもので、日中の眠くないときに出てしまう場合は「生欠伸」と呼ぶこともある。「欠伸」は、欠伸をしたいもしくはしたときに使う単語である。例えば「欠伸が止まらない」、「昨日は寝るのが遅かったので欠伸が出た」、「欠伸をかみ殺す」、「退屈で欠伸が出た」などの形で使うことが可能だ。眠いときだけではなく、疲れているときや退屈しているときにも欠伸が出ることもあるため、眠い場面以外でも使われることがある単語だ。日中に眠いのではなく疲れから欠伸がでる場合、「生欠伸」を使った文章にすることもできる。
「欠伸」の英語用例・例文
「欠伸」は英語で「yawn」と表現する。「yawn」という単語は、名詞として欠伸の意味で使われるだけではなく、動詞の形で「欠伸をする」という意味で使われることもある。擬音として使われることもあるという場合も見られる。また欠伸をするは「yawn」と表現するほかにも、「give a yawn」とも表現できる。ほかにも「hide a yawn behind one's hand」で「手で欠伸を隠す」、「I bit my yawn」なら「わたしは欠伸をかみ殺した」という意味になる。また大あくびの場合には、「a big yawn」と表現することが可能だ。《欠伸》の正しい読み方
「欠伸」の正しい読み方
「欠伸」は「あくび」と読む字。まれに「けんしん」あるいは「けっしん」と読む場合もある。ちなみに「おくびにも出さない」とか言う場合の「おくび」は、漢字では「噯」または「噯気」と表記する。噯気とは要するにゲップのことである。
「欠伸」の意味解説
「欠伸(あくび)」は、口を大きく開いて深く長く呼吸する動作のことである。主に疲労・眠気・退屈さなどによって引き起こされる。欠伸は自らの意思とは無関係に(不随意に)催される。他者の欠伸するさまを見て自分も欠伸を催すこともある。「あくび」という字面を見ているだけでも欠伸が催されることすらある。なぜ欠伸が出るのか、正確なことは分かっていない。
なぜ「欠伸」を「あくび」と読むのか・理由
「欠伸」を「あくび」と読む理由は、漢語の語彙である「欠伸」に、ちょうど意味が対応する和語の「あくび」を読み方として充てたからである。いわゆる熟字訓である。「欠伸」という熟字は大陸から伝来した漢語である。現代中国語にも「欠伸」という語彙がある。なお中国語の「欠伸」は「大きく息をする」という(一般的な「あくび」の)意味に加えて「身体を伸ばす」という意味合いをも含む。
「あくび」は和語である。もともとは古語における動詞「欠くぶ(あくぶ)」の活用形だったとされる。「欠くぶ」は「あくびをする」という意味の動詞。つまり古語においては動詞が基本形で、名詞がその派生形だったわけである。現代では名詞「あくび」が基本形であり動詞は「あくびをする」という派生形になっている。
なぜ「欠伸」を「けんしん」と読むこともあるのか
漢文・文語・学術分野などでは「欠伸」を音読みして「けんしん」と読む場合がある。「欠」の字は、今日では「ケツ」および「か-ける(欠ける)」と読み、主に「部分的になくなる」「足りていない」さまを意味する字として用いられているが、これは元々は「缺」と表記される字の意味や読み方である。
今日では「欠」が「缺」の略字・代用字として用いられているが、「欠」と「缺」はもともとは別の字である。漢字の成り立ちからいえば「《欠》は《缺》の省略形」というわけではなかったわけである。
そして「欠」の字はもともと「ケン」と読む字であり、そして「あくびをする」さまを表す象形文字だった。
後に「缺(ケツ)」が「欠(ケン)」の字で代用されるようになり、「欠(ケツ)」と読まれるようになったのである。
- 《欠伸》の正しい読み方のページへのリンク