《此方》の正しい読み方
「此方」の正しい読み方
「此方」は「こなた」と読む。「こち」「こっち」「こちら」とも読む。「此方」の意味解説
「此方」は読み方によって意味に多少の違いがある。「こなた」と読む場合は「こちらの方」など場所や方角を示す意味がある。場所や方角を示す際、そのまま「こちら」と読むことも多い。「此方」の「此」には「以来」「今まで」「ここ」などの意味があり、方角や方向、二つあるうちの片側の意味を持つ「方」と組み合わせて「此方」という言葉が成立した。「江戸時代より此方、今日まで」などのように、過去から現在までの期間を示す意味でも用いられる。「こち」は「こっち」とほぼ同じ意味があり、話す者に近い場所や方角を指し示す際に用いる。また、「こち」は一人称の古い言い回しでもあり、現代語の「わたし」と同じ意味で使われていた。なぜ「此方」と読むのか・理由
「此方」は「こなた」と読むが、「方」だけでは「なた」「た」とは読まない。「こなた」は「このかた」が変化した読み方であり、「こちら側」や「こちらの方」などの意味で使われる。「こち」「こちら」も同様であり、漢字本来の読み方とは異なる当て読みである。「此方」の類語・用例・例文
「此方」の類語については言葉の意味で種類が変わる。位置や方角を示す際に用いる「此方」の場合は「こちら」「そちら」「あちら」などが類語になる。「此方」よりも丁寧な表現であり、目上の人に用いるのが一般的だ。また、話す者から見た際の距離で言葉も変わる。話す者から近い位置を示す際は「こちら」、やや遠い位置なら「そちら」になり、「そちら」で示す位置よりもはるかに遠ければ「あちら」と表現するのが適切だ。例文としては「大きな湖の此方の地域」「新規のお客様はこちらへどうぞ」「そちらの見慣れない人は誰ですか」「皆様はあちらへ向かいました」などがある。「此方様」「此の御方」も「此方」の類語であり、人に対して「こちら」と言うよりも丁寧な表現である。「此方様をご案内しなさい」「此の御方のお話なら信頼できます」などの例文がある。「此方」の英語用例・例文
「此方」を英語にすると「here」「this way」などになる。「here」は「ここ」、「this way」は「こちらです」という意味があるが、日本語の「此方」の意味である「こちらの方」「こちら側」と似ていることから多用されている。「this way」の方が丁寧な表現なので目上の人に用いることが多く、「here」は家族や友人など親しい間柄の人に用いるのが一般的だ。例文としては「こっちに来なさい」「こちらへどうぞ」をそれぞれ英文に直すと「come here」「this way, please」になる。- 《此方》の正しい読み方のページへのリンク