鉄道ファン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 15:09 UTC 版)
鉄道趣味の分野
この節の内容の信頼性について検証が求められています。 |
以下は鉄道趣味とされる趣味の例である。それぞれの分野に熱中するファンは、カッコ内に示すような愛称・俗称で呼ばれることがある。
車両研究
鉄道写真
録音・音響研究
鉄道模型
コレクション
旅行・乗車
時刻表・駅研究
施設設備・運転業務研究
- 鉄道業務・設備の研究
- 鉄道無線の受信や研究
鉄道関連法規・規則研究
- 『鉄道要覧』の研究(法鉄)
- 鉄道会社の発行する有価証券報告書の研究
- 旅客営業規則や旅客営業取扱基準規程研究
- 鉄道事業会計規則研究
- 鉄道に関わる法規の研究
その他
- 鉄道ソフトウェア
- 運転シミュレーションゲーム(例:電車でGO!、Train Simulator、BVE Trainsim)
- 経営シミュレーションゲーム(例:A列車で行こう、Simutrans)
- 創作
- 鉄道を題材とした漫画・小説・随筆等の制作。鉄道研究会の会誌や個人の同人誌では研究成果(ノンフィクション)と並んで発表される。
- 鉄道絵画(描き鉄) - 車両や駅舎の絵画を描く。絵画の技量が必要なこともあり少数派だという[2]。
- 架空鉄道[3] - 想像上の鉄道路線や時刻表、車両を創作する。
- 鉄道会社への株式投資 - 株主優待券や限定グッズの入手が主目的だが応援目的の者もいる。
日本の学校鉄道研究部・研究会
学校のサークル活動・部活動の一つとして鉄道研究部・研究会などが存在する。全国的な学校・サークルの連合組織は日本には運動系以外は少ない。神奈川県には、神奈川県高等学校文化連盟の一組織として、神奈川県高等学校鉄道研究部連盟(神奈川県高鉄連)があり[4]、神奈川県内の高校の鉄道研究部等が加盟している。また、毎年行われる神奈川県高等学校総合文化祭において鉄道研究発表会を実施している。
大学生においては、「関西学生鉄道研究会連盟(関西学鉄連)」が存在している。この種の組織はかつて日本各地にあった。各サークル自体の人数が非常に少ないためにサークル自体が廃部になり、連盟も事実上解散している場合がある。2010年12月には、千葉県にある5大学が加盟する「ちば学生鉄道研究会連合」が新たに発足し、2013年には関東学生鉄道研究会連盟(関東学鉄連)が再起した[5]。
鉄道研究部の活動は各校異なるが、おおむね以下のようなものがある。
- 例会
- 部誌制作およびそのための取材活動
- 合宿・旅行(この旅行記を部誌の中心に置いている場合もある)
- 学園祭・文化祭における出展・研究発表
学校レベルでの部誌の中には、一般書店の鉄道コーナーで販売されるものもある。部誌は白黒の単色刷りのものが多いが、一部にカラー刷りのものもある。研究発表活動は、取材の成果(写真・データなど)や鉄道模型の展示などが基本である。
特に長い歴史と多大な活動実績を持つ鉄道研究部の中には、鉄道趣味雑誌から記事執筆の依頼を受けるものもある。
一般鉄道サークル
ある一つの学校の学生・生徒だけで構成される学校鉄道研究会だけではなく、一般に入会希望者を募り、活動している鉄道サークルもある。代表的なもので鉄道友の会や鉄道資料交換会(RSEC)、Rail-On(JR東日本公認のファンクラブ・2008年に解散)など。
これらは貸切列車を仕立てた大規模な懇親イベントや鉄道模型の運転会、あるいは貴重な歴史的鉄道車両の保存・維持管理など、個人では不可能な活動を実現することを活動の目的としていることが多い。
鉄道高校(鉄道学校)
鉄道について学ぶ学校(鉄道学校)がある。東京都には昭和鉄道高等学校、岩倉高等学校など鉄道関係の学科を持つ高等学校が存在する。高校の授業として鉄道が学べることや、在学中にJR・私鉄駅での実習やアルバイト(私鉄のみ)までできること、鉄道関係各社局への就職率が高い等の理由で鉄道ファンの生徒も多い。東京近郊から遠く離れた地方から受験し入学する生徒もいる。ただし、これらの学校に入学できたからといって必ずしも鉄道事業者等へ就職するわけでなく(希望が叶わなかったり、もしくは逆に本人希望で)、卒業後に鉄道以外の分野の職業に就いたり、大学や短期大学、専門学校に進学したりする者も多い。
注釈
- ^ 特に朝鮮半島では、軍事境界線付近と北朝鮮となったエリアでは、鉄道が残っていても自由に旅行することはできない。
- ^ かつて多数運行されていた夜行列車では枕代わりにもなった。
- ^ 「てっちゃん」「みっちゃん」ともに、アクセントは「ちゃ」の場所にある。なお、「鉄ちゃん」の語は、一般のゲームプレイヤーにも人気を博した鉄道運転ゲーム『電車でGO!』のナビゲーション役キャラクターの名前としても用いられている。
- ^ なお、1995年に連載・刊行が始まった、山口よしのぶの漫画『名物!たびてつ友の会』単行本の、読者からの手紙を紹介するページに既に「鉄子」の語が見えることから、1990年代には「鉄子」の語が存在していたことがうかがえる。
- ^ 2007年4月から同年6月までTBS系で放送されていたテレビドラマ『特急田中3号』では主に「テツ」の愛称を用いていた。
- ^ (内容のほとんどは鉄道とは関係ない)オタク文化を扱うテレビ番組において「鉄道オタク」という言葉が使われ(実際はそうでないにもかかわらず)鉄道趣味者は全員「オタク」であるかのような解説がなされていることや、鉄道ファンにオタク文化の代表である二次元や萌えアニメを好む人が多いことも、この語を浸透させる要因にもなっている。
- ^ 「『ガラパゴス化した日本の鉄道』そのものに興味を抱く人」と、「海外の鉄道に比べて日本の鉄道同士だと類似点が多く、プラスアルファという形で追究しやすいと感じる人」の2パターンがある。
- ^ 例えば、『鉄道ジャーナル』1997年3月号において、ヨーロッパの鉄道に関する特集を約50ページにわたって特集したが、当該月号の読者の人気投票では、日本国内の記事が軒並み上位に入り、日本国外の記事はいずれも不人気だった、という事例がある。
- ^ 鉄道のみならず、道路橋、道路トンネル、通信施設(電波塔)、軍事基地ではない空港・飛行場・港湾、国によってはスラムなども撮影が禁止されていることが多く、身柄を拘束された場合、撮影済みフィルムの没収や画像データの消去という処分が下される。
- ^ 鉄道ファンに対するものではないが、テレビ番組『世界の車窓から』の撮影班がテロ事件後のロケーション撮影においてニューヨーク・ペンシルベニア駅での撮影時に「2度尋問された」という案件があり、沿線での列車撮影時には「3度捕まった」ほか、サスケハナ川橋梁での撮影のためにカメラを設置していた際には貨物列車の運転士により警察に通報された、と撮影日記に記している。[8]
- ^ エスカレートしすぎたゆえに、1976年(昭和51年)には小学生が写真撮影のために線路敷内に侵入し、列車に轢かれて死亡する事故(京阪100年号事故)が発生し、大都市近辺における蒸気機関車の保存運転が事実上不可能となる(事故防止の沿線の警備にコストが掛かりすぎるため)など、結果としてファン自身の不利益になるような事態もある。
- ^ 車両自体は無償譲渡の場合が多い(鉄道会社にしてみれば、本来必要な解体費用がかからないため)が、保存・保管のための用地の準備、輸送・補修等に莫大な費用を要する。
- ^ こうした行為は俗に撮り鉄にかけて盗り鉄などと揶揄されている。
- ^ 杵屋栄二も戦災にあいコレクションを失っている。
出典
- ^ a b 乗り鉄入門:第1回 そもそも「乗り鉄」ってどんな趣味? マイナビニュース(2013年7月29日)2022年10月19日閲覧
- ^ <杜の都のチャレン人>絵を通じ人と人連結 鉄道復興を支援する「描き鉄」[リンク切れ]河北新報
- ^ 一例として:弘前市に「空想」の地下鉄路線図 大学生が考案、話題に 朝日新聞デジタル(2020年1月30日)2022年10月19日閲覧
- ^ 神奈川県高鉄連
- ^ 関東学鉄連公式ブログより
- ^ 「貨物時刻表 人気じわり 一般販売30年、年2万部迫る 特集や写真で読者つかむ」日本経済新聞ニュースサイト(2021年5月13日)2022年10月19日閲覧
- ^ 愛用の時刻表はどれ?「西村京太郎」創作の秘密 誰もが知りたかった疑問を鉄子が直撃 東洋経済オンライン(2019年4月27日)2022年10月19日閲覧
- ^ テレビ朝日・テレコムスタッフ. “アメリカ編 撮影日記”. 2018年8月11日閲覧。
- ^ MATERFER
- ^ BOM SINAL
- ^ Frateschi
- ^ MINITRENES FERROMODELISMO ARGENTINO
- ^ amigosdeltren.cl
- ^ CazaTrenes
- ^ Centro-Oeste.Brasil
- ^ REVISTA FERROVIÁRIA
- ^ Todo Trenes
- ^ REVISTA RDI
- ^ Tren Rodante
- ^ Ferroclub Argentino CDP Escalada
- ^ Ferroaficionados argentinos
- ^ Grupo Ferroaficionados Uruguay
- ^ 齊藤 啓介 (2021年6月26日). “開館準備進む、過去と未来をつなぐ台湾の国家鉄道博物館”. 公益財団法人ニッポンドットコム. 2022年4月28日閲覧。
- ^ 行くぞ!最果て!秘境×鉄道「モンゴル 絶景列車[リンク切れ]NHK(2020年5月12日閲覧)
- ^ 高蕾 (2021年5月14日). “民政部公布中国教育服務行業協会等12家涉嫌非法社会組織名單”. 新華社 2022年7月28日閲覧。
- ^ 「“ワル鉄”暗躍? 廃線間近な三木鉄道で盗難相次ぐ[リンク切れ]」産経新聞(2008年3月19日)
- ^ 寄せ書きノート9冊なくなる 「秘境」で人気のJR坪尻駅(三好)[リンク切れ]徳島新聞(2009年4月24日)
- ^ 「秘境駅のスタンプまた受難 坪尻駅から盗難?8月下旬になくなる」徳島新聞(2018年12月18日)
- ^ 列車から車内放送用の機器盗まれる JR北「不届き者」朝日新聞(2016年5月20日)
- ^ 特急のヘッドマークなど134点盗んだ疑い 男を追送検 朝日新聞(2016年6月3日)
- ^ 「SL撮影の邪魔?鉄道標識なくなる 山口、窃盗容疑捜査」朝日新聞(2017年8月1日)
- ^ 「撮り鉄」侵入でJRに遅れ 関西線の線路脇に三脚 日本経済新聞ニュースサイト掲載の共同通信記事(2010年5月9日)
- ^ 「秘境駅」撮影、線路に入った会社員を書類送検 読売新聞(2012年2月21日)
- ^ 沿線で勝手に樹木伐採「刈り撮り鉄」の大問題 撮影の邪魔?他人の所有物なら器物損壊罪に 東洋経済オンライン(2021年5月8日)2022年10月19日閲覧
- ^ 「詐欺事件:鉄子と呼ばれる鉄道好きの女、JR西制服を詐取容疑」毎日新聞(2013年2月26日)
- ^ 東武6050系電車や東武10000系電車等の増解結を伴う運用をする形式には必ずその旨が車内貫通扉上に記載されている。
- ^ 「線路内の“撮り鉄”慌てて逃げるも……電車は緊急停止」ANN(2021年3月26日)
- ^ 『鉄道ファン』1986年11月号,p.132
- ^ 『鉄道ファン』1994年6月号,p.135
- ^ 坂上茂樹「高木 蒸気機関車技術論に対する疑問以上のもの」大阪市立大学大学院経済学研究科 Discussion Paper No.118, 2019年4月3日(PDF)
- ^ 「おいこら、どけぇ! 下がれ!」 迫る「Xデー」“葬式鉄”暴走を警戒する関係者(3/7)産経デジタルiza 2015年1月22日
- ^ 株式会社野村総合研究所広報部『NRIニュースレターVol.38 データ潮流:延べ172万人、4110億円規模の「オタク」市場』 (PDF) [リンク切れ](2005年10月20日)
- ^ (繁体字中国語)有社會關懷的熱愛 就不會變壞蘇昭旭老師的全球鐵道視野部落格
- ^ (繁体字中国語)[1]2015年11月20日,聯合報
- ^ (繁体字中国語)鐵道迷瘋「京急700」 闖淨空區3米近拍害列車急煞2016年12月12日,ETNEWS
- ^ (繁体字中国語)直接闖進軌道、禁入也硬擠! 鐵道迷搶拍光華號行為超脫序2016年10月30日,ETNEWS
- ^ 伊藤一郎「鉄道趣味のあゆみ」『鉄道ジャーナル』1972年10月号、P76
- ^ 「鉄道省令第17号 国有鉄道軍用資源秘密保護規則」『官報』1939年9月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 【TOKYO発】有料撮影会も次々 撮り鉄ブームのいま 日常の姿にも鉄道愛を/最長寿月刊誌1000号編集長に聞く『東京新聞』朝刊2022年6月15日26面(2023年8月15日閲覧)
- 鉄道ファンのページへのリンク