裏稼業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 18:39 UTC 版)
晴らせぬ恨みを金銭で晴らす殺し屋。三味線の三の糸(一番細い糸)を悪人の首に投げ付けて巻き付け、窒息死させる。登場初期は裏稼業の時も服相は普段と変わらない地味めの格好であったが次第に白い着物に黒の羽織の派手な着物を着るようになり、最終的には紫の羽織が定着する。『必殺仕事人IV』第23話より、仕事の際に「南無阿彌陀佛」と背中に刺繍された羽織を着用している。 元々は仕事人だった藤兵衛の子で、おりくとの血の繋がりはない。金欲しさに仲間を奉行所に売った藤兵衛を始末した、おりくが当時、三歳の勇次を引き取り、自分の子供として育てていた。おりくはそれを隠し、それまでは父を失い、道で泣いていたところを拾ったことにしていたが、主水との出会いを機に、その事実を明かした。おりくは勇次に殺されることを覚悟していたが、勇次はその後も変わらず、おりくを「おっかさん」と呼び、母として慕っている。 秀とは特になかなか打ち解ける事が出来ずに、口数の少ない関係であったものの、次第に秀の孤高な心境を理解するようになり、秀がなにも言わずとも気持ちを察して先回りして気遣ったりするようになり、自然と兄貴分な関係へと変わって行く、禁欲的な秀に対して快楽主義な勇次と性格は正反対ではあり、打ち解ける事はないものの、裏稼業では秀と息のあった殺し技を披露するようになり、「主水と鉄」に続く名コンビと言われるようになる。 『新・必殺仕事人』から『必殺仕事人IV』までの間は中村主水(藤田まこと)、飾り職人の秀(三田村邦彦)、何でも屋の加代(鮎川いずみ)、西順之助(ひかる一平)、おりくとともに裏稼業を行っていた。それ以前は主におりくと組んでおり、百花の竜という仕事人と組んでいたこともあるという(『必殺仕事人III』)。『仕事人IV』で、仕事人グループが解散し、秀やおりくが江戸を去った後も江戸に残り、大奥中老頭のお役御免となったお国(京マチ子)らと組み、裏稼業を行っていた。特に年代の近い仕立ての新吉(小野寺昭)とは、裏稼業の掟や殺しについて意見の食い違いが起きたり衝突していたが、そのたびにお互いの絆を深めていった。また、脱寺の坊主 日増(山本陽一)に対しては気さくなその性格上、同じようなキャラクターの順之助以上に友好的に接する場面も見受けられた。最終回で、自身たちの偽物「百化け一味」を仕留め、素晴らしい仲間たちに出会えたことに喜びつつ、江戸を出奔する(『必殺仕切人』)。 『仕切人』以降は劇中に登場しなかったが、江戸で主水、秀、おけいと組んで、仕事人に復帰。江戸城 大奥の派閥争いに巻き込まれ、最後は主水の壮絶な爆死を見届けた(映画『必殺! 主水死す』)。 主水の死から数年後、外道に殺された仕事人 髪結いの弥助の仇を討つべく、弥助の師匠 伝兵衛と組み、スリだった孤児の譲吉を三味線屋、裏稼業の使い走りとして仕事を行った。ただし、この作品がテレビ シリーズと比べ、どのような時間軸であるかは明らかにされていない(映画『必殺! 三味線屋・勇次』)。 『必殺仕置長屋 一筆啓上編』第1話では名前のみ登場し、同作の時点で存命中であることが明かされている。 遠い将来の世界ではピアノの調律師をしている勇次の子孫 山田勇次が登場。三味線の糸に代わり、ピアノ線を用いた殺し技で暴走族を仕置した(『(秘)必殺現代版』)。
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裏稼業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 18:25 UTC 版)
裏の仕事の遂行時は、黒装束に身を包む。初期の殺し技は細工用の鑿(のみ)を使用し、悪人の急所に素早く突き刺して、死に至らしめる。『必殺仕事人』第18話で、所持品検査が厳しい場で仕事を行うために、代わりに焼き入れ加工した簪を用いた。後に簪が定番の武器となり、殺しの他に威嚇として投げ付けることもある。初仕事は『新・必殺仕事人』最終回によると、上州・高崎における贋医者殺しである。 登場初期は、若さゆえにしばしば感情的に暴走しがちな熱血漢で、中村主水(藤田まこと)、畷左門(伊吹吾郎)、おとわ(山田五十鈴)といった落ち着いたキャラクターとは対照的な立場で描かれていた。若い時は仕事人の自覚に欠け、主水、左門、おとわから鉄拳制裁や叱責を受ける時もあったが、自身も、後輩の西順之助(ひかる一平)などに行い、継承して行くことになる。時を経るごとに角が取れていき、やがて主水とも対等に話せる大人の男へと成長していった。『必殺仕事人・激突!』では、夢次(中村橋之助)を若造、ガキ扱いする台詞もあった。しかし、その反面で、さだに対し、同じ仕事人である夫と娘を死なせてしまった後ろめたさで悩む一面もあった。 『仕事人IV』の一件から、しばらく経った後、真砂屋に奉公していたおゆみと関係を持つも逃げられ、自暴自棄になりつつも、彼女の恨みを晴らすために真砂屋徳次との激しい死闘を繰り広げたり(映画『必殺! III 裏か表か』)、神楽坂宗右衛門配下の仕事人として、吉原の遊女見習い 若紫を身請けする金を稼ぐべく奔走したり(『必殺まっしぐら!』)、奉行所を狂わせた奥田右京亮の一味と闘うために主水たちと再び組む(映画『必殺4 恨みはらします』)など、断続的に江戸に帰郷し、大役を果たしている。 TVスペシャル『必殺スペシャル・春 世にも不思議な大仕事 主水と秀 香港・マカオで大あばれ』では依頼する女性への想いから、自身の意思で主水に協力を求め、二人で香港において仕事を組んだ。 『必殺仕事人・激突!』で、再レギュラー出演。主水、お歌、夢次、山田朝右衛門と組み、裏稼業を再開。その際、仕事人仲間だった男の妻と関わりを持つ。映画『必殺!5 黄金の血』では裏稼業から足を洗っていた政が地獄組の悪事によって死んだ恋人 お浅の仇討ちで、裏稼業へ再び足を踏み入れようとしたところを諭す。その後、地獄組との激戦で駆け付けた政に外道の不意打ちから救われたものの、その代償で、政は致命傷を負う。外道を間一髪で仕留め、政の最期を看取った。『仕事人・激突!』最終回で、最後の大仕事を終え、江戸を去っていった。 映画『必殺! 主水死す』で、江戸城 大奥の派閥争いに巻き込まれ、主水、三味線屋の勇次(中条きよし)、おけいとともに仕事に向かうが、主水が過去の仲間との複雑な関係の果てに爆発に巻き込まれるのを勇次、おけいと共に目撃する。その後、江戸を去っていった。それ以降は登場していないが、『必殺仕置長屋 一筆啓上編』第1話では名前のみ登場し、同作の時点で存命中であることが明かされている。
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裏稼業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 13:17 UTC 版)
加藤 安達の下で詐欺店舗を運営する、業界屈指のスーパー番頭。「加藤」は偽名で、本名は武藤翔。 裏切りに厳罰で処する一方で面倒見が良く、下の者から慕われている。 貧困に苦しむ地元の後輩を救うために上京して裏稼業人になったが、優秀であるほど足抜けできず使い潰される番頭という境遇に苦悩していた。自身の店舗に潜入したカズキが内偵であると感付き、正体を探るために泳がせていたが、全てが明かされてからはカズキの理想に共感して仲間となった。 その性格で洋介、来栖、アゲハを筆頭に多くの人間を惹き付け、地元の後輩たちからは英雄視すら受けていた。カズキとの対決の場面では、洋介の片腕を落としたことを悔い、自ら片目を潰して詫びた。 カズキ側に付いてからも安達資本の詐欺店舗を回し続け、カズキに情報を提供していたが、裏切りは安達に知られており、轢き逃げに見せかけて殺害された。 来栖 カズキが詐欺店舗に潜入した際の同期研修生。フルネームは来栖大樹。詐欺プレイヤーとしての名はチェリー。 前職は闇金の店長で、取り立てによって債務者を自殺に追い込んだことに苦しみ、別の道を見出そうと詐欺研修に参加した。 加藤の「金のあるヤツからその日払える分だけを奪う詐欺は決して最悪の犯罪ではない」という語りに強く共鳴し、加藤の信奉者となると共に、詐欺でも頭角を現した。 優秀な人材が揃った同期の中でも際立った能力とリーダーシップを発揮し、後に加藤の跡目を継いで新番頭となった。闇金時代の人脈で、裏稼業用の「道具」の調達にも長ける。 加藤の後継者であるため、番頭就任後は安達傘下で動いていたが、被災地住民をターゲットにした詐欺の非情さに苦しみ、さらに加藤の死の真相を知ったことで、詐欺屋の仲間ともどもカズキ達の協力者となった。 アゲハ 加藤の詐欺店舗の女性副店長。駆け出しのころ、みすぼらしい様子でドサ要員をやっていたところを加藤が救い出し、有能なプレイヤーに育てた。様々な年齢、職業の女性を演じることができる。 加藤とは相互に信頼を抱く仲である一方で、金主である安達にも信頼されており、加藤店舗から安達への収益金の受け渡しにも、加藤には知らせずに絡んでいた。 かつて父親が闇金の集金人だった安達の取り立てによって自殺したという過去を持ち、加藤に明かさず安達に接近していたのはその復讐のため。 加藤の死後、カズキには加藤の死の原因を作ったとして激しい怒りを向けるが、カズキが加藤から託された遺書と生活費を受けて涙し、仲間に加わる。 ゲーテ 加藤の詐欺店舗の副店長。壮年に近い年齢の男。経歴不明だが詐欺業界に広く通じ、「プロの詐欺屋」を自任する。 加藤の跡目は来栖に譲るが、カズキ達と手を結んだ後も、詐欺屋チームの中心人物として活躍する。 鰯田 カズキが詐欺店舗に潜入した際の同期研修生。詐欺プレイヤーとしての名はバナナ。長すぎる尖ったアゴがその由来。 妻子持ちでありながら風俗狂いで身を持ち崩し、遣い込みによって勤務先を追われ裏稼業に落ちた。 研修者の中ではカズキと並んで最も不出来だったが、「泣き」の演技だけは超一流であり、来栖やアゲハと共に「神店舗」を担う一人となった。 実は高田がカズキと並行して(カズキには知らせずに)送り込んだ内偵であり、加藤を捕えるために総合格闘技のトレーニングを積んでいた。カズキが「あいつらは人間じゃねえ」と恐れる残虐な海老名兄弟を一人で一蹴するほどの戦闘力を持つ。 また、風俗狂いではあるが非常な妻子思いであり、最終話には裏稼業の稼ぎを欠かさず家に入れていたことを示す描写がある。 剛力 カズキが詐欺店舗に潜入した際の同期研修生。詐欺プレイヤーとしての名はイチゴ。アバタ面が由来。 気性が荒く、詐欺店舗に入る前の職場は内装業者だったが、親方とトラブルになり、刺傷して賠償を請求されていた。 その気性から激昂する演技に適性があり、詐欺では「オレ役」を追い詰める「キレ役」を務める。
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裏稼業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 04:16 UTC 版)
晴らせぬ恨みを金銭で晴らす殺し屋。同心(警察)の立場を利用して、標的の経歴や身分を調べ上げる「密偵」の役割と「殺し」の役割を両方担う。敵は主水が犯罪を取り締まる役人である為、殺し屋だと疑う事がほとんど無い為、大半が油断して殺されるパターンがほとんどである。また、仲間たちが殺し屋の疑いが掛からないように、捜査中に証拠を隠滅する重要な役割も担っている。『必殺仕置人』で棺桶の錠が持ち掛けて来た、百姓娘の父親の仇討ちを請け負ったのをきっかけに、裏稼業に足を踏み入れた。以降、「仕置人」や「仕事人」などと名乗りながら、長きに渡って裏稼業を続けてきた。 当初は参謀として登場し、殺しを行った仲間たちの撤収や、侵入が困難な大名屋敷の潜入の手配を主に行っており、『仕置人』は特にその傾向が強く、実際に殺しを行うのは鉄と錠だけで、サポートにすら関わっていないエピソードも存在する。その後、主に実働隊の一員、リーダーとして活躍し、なおかつ参謀として計画を立案することもある。殺し技は剣術(#剣術参照)。 なお必殺シリーズでは剣術の殺し屋は浪人が大半を占めるが、主水のような公務に就いている殺し屋は比較的珍しい例でもあった。(後に山田朝右衛門や渡辺小五郎と公務につく殺し屋は度々登場する) 『必殺仕置人』では日々の鬱憤を悪人にぶつけるように積極的に仕置に関わっていたが、『暗闇仕留人』で、糸井貢が仕留人としての生き方に苦悩し命を落としてからは極力感情を面に表わさず、佐渡金山以来の顔馴染みだった念仏の鉄や、中村家の端唄の師匠である三味線屋の勇次、奉行所の同僚である渡辺小五郎などを除き、裏稼業以外では仲間と会う機会があっても知らない者同士を装い、馴れ合いを避けて必要以上に親しく接することはなかった。 仲間が私生活のトラブルで捕まった時は特に敏感になり「お前に何かがあって捕まったら俺たち全員が獄門晒し首になる」と注意する事が多い。 仕置の狙いを定めた獲物に情けをかけることはないが、ごく稀に弱気になることもあった。仲間内では冷静で、念仏の鉄が頭の血がのぼって喧嘩沙汰になりかけた時は仲裁にまわり、なだめる事も多かったが、時折甘さや未熟さを見せた場合は叱咤し、感情が先走りがちだった飾り職人の秀や子供じみた正義感を振りかざす西順之助に対し、鉄拳を振るったこともあり。旧友が仕置きの対象になり主水を利用して暗殺を止めた鋳掛屋の巳代松にいたっては特にこっぴどく鉄拳制裁を振るっていた。チームが危機に瀕した場合は、その原因となったメンバーを容赦なく斬るとも宣言していたが、仲間が危機に陥った場合は自ら死地に飛び込む場面も多く、実際に仲間を粛清したり裏切ったことはない。 がめつい性格ではあるが、仕置する悪人が主水を買収しようとしても拒み、悪人の金には手をつけない。また損得勘定で動くため、仕置料が安かったり相手が旗本や幕府関係者の場合は割に合わないと断る場合もあるが、最終的には正義感や義侠心から引き受ける。 仲間からは主に「八丁堀」と呼ばれ(町役人達も自称する)、苗字や名前で呼ばれる機会は少ない。 『必殺仕事人2007』以降、主役の座を渡辺小五郎へ譲り、若手のサポート役に廻るようになる。だが血気盛んな仕事人たちを叱責したり諭すことも忘れなかった。 『新・仕置人』での重要な伏線として、前期シリーズでの主水は裏稼業の世界では知られておらず、主水も自分の正体を隠していた。特定の斡旋人(元締)に就かず、自身もそのような人物や組織については「人殺しの集団」「信用できない」と発言したこともある。シリーズを通して、寅の会や闇の会などに間接的に関わった例を除き、特定の元締から仕事を請け負ったのは『必殺仕事人』と『必殺仕事人・激突!』の時だけである。主水の名が仲間以外の裏稼業の人間に知られるようになるのは『江戸プロフェッショナル・必殺商売人』第22話以降である。 一方、後期シリーズ(仕事人シリーズ)では裏の社会に主水の名が知れ渡り、様々な同業者たちと面識があった。その中には有力な元締もおり、仕事を斡旋されたこともあるが、特定の元締の下で働くことは稀である。後期エピソードの中には、悪党が闇の世界を牛耳るために主水を懐柔しようとする回が多数ある(『必殺仕事人V・激闘編』第24話、最終回。『必殺仕事人V・風雲竜虎編』第1話など)。『仕事人』第82話のように、主水のことを知らない裏稼業の者たちも登場している。
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