仮面ライダーバルカン
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「仮面ライダーゼロワン」の記事における「仮面ライダーバルカン」の解説
不破諫が変身する仮面ライダー。 諫は、唯阿の初変身を見てからは彼女に正しい変身方法を教えられたという流れだったが、キーをこじ開けるのが「ゴリライズ」と話題になったため、そのままキャラクターとして定着してしまったという。 名前はローマ神話の火の神バルカンに由来する。 アーマーやヘルメットなどのパーツ構成は、ゼロワンのシルエットとの差別化のために従来通りとなっており、AIの力を利用したアンドロイドのようなアーマーを装着するというコンセプトとなっている。右半身のみ動物の力が機械化されたアーマーに置き換わるというイメージとなっている。ゼロワンの蛍光色に対してメタリックな色となっている。頭部はモチーフの生物そのものの顔を表したマスクに能面のようなモチーフがない白いマスクを上から覆っている。ゼロワンが仮面がモチーフの動物によって変えているのに対し、こちらは仮面自体を変えていない。ガンメタで塗られた下側の面のラインがブラックアウトすることで小顔化の印象を与えている。パキパキとした面構成のゼロワンのマスクに対して仮面はおおらかな曲面で構成されている。繊細な表情のゼロワンとの対比からツリ目にすることで荒々しいイメージの怒り顔に見えるようになっている。 形態 シューティングウルフ シューティングウルフプログライズキーで変身するバルカンの基本形態。基本カラーはメタリックブルー。 変身音声は「シューティングウルフ!The elevation increases as the bullet is fired.」。 ゼロワンのパワードスーツに対してこちらは強化アーマーとなっている。右半身と左半身で異なる機能を持ち、左半身は俊敏性や命中精度など装着者の身体能力を向上し、右半身は射撃時や格闘時の反動を相殺するハウリングキャンセラーや、走行姿勢やあらゆる姿勢での射撃を安定させる胸の射撃統制システムシューティングリーダーによって正確かつ有効な超精密射撃を可能とする機能を搭載し、エイムズショットライザーなどの銃火器による戦闘を得意とする。上述のコンセプトと、ゼロワンとの差別化からアシンメトリーとなっている。側頭部は鬣をアレンジしたものになっている。仮面の下にオオカミの顔があるイメージのため、実際に白い仮面を取った状態の顔を一度描いて、仮面をその上に乗せて隠すアプローチとなった。 左腕手甲部分の黒い部分はカーボンファイバー調のシートを貼っている。 パンチングコング パンチングコングプログライズキーで変身するバルカンの派生形態。 変身音声は「パンチングコング!Enough power to annihilate a mountain.」。 打撃力と防御力が重視され、両前腕部の150kgの質量を持つ打撃戦用武器ナックルデモリションによる物理破壊を得意とし、エネルギーをチャージして噴射することで運動エネルギー弾としても射出が可能なことで中距離戦にも対応可能なほか、戦車砲の直撃にも耐えられる胸部の特殊装甲を持つ。両肩のパワーユニットに内蔵された6基の超電導サーボユニットによって軽々と4tの重量物も持ち上げることが可能。またアタッシュショットガンの反動を自重で抑え込むことができる。バルカンは左右非対称のデザインとなっているが、この形態のみシンメトリーな配置となっている。スーツは上半身のアーマーが新規造形のほか、右足もシンメトリデザインのものに換装されている。シューティングウルフのオオカミの部分をゴリラそのものの顔に置き換えたのみで、仮面は変えていない。顎の下はゴリラの屈強な輪郭を表現している。ブースターを前腕に付け、パンチが飛んだり加速するイメージとなっている。パワー系のフォームは大きい一体型の腕部となっているが、ガントレット型で素手が露出しているため、銃器の使用が可能となっている。 第8話で滅に倒されて立ち上がる時に一瞬クラっと倒れるシーンは『仮面ライダークウガ』のクウガ ドラゴンフォームを演じた富永研司を意識している。第12話の変身シーンは『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE』の上城睦月が仮面ライダーレンゲルに変身する際のシーンの岡元次郎を真似している。 アサルトウルフ アサルトウルフプログライズキーで変身するバルカンの強化形態。基本カラーは浅葱鼠色、黒、深縹色、銀色。 変身音声は「レディーゴー!アサルトウルフ!No chance of surviving.」。 腕部のAWガントレットに装備された機関砲や両肩のウェポンベイに装備されたマイクロミサイルなど射撃能力が強化され、また胸部に装備されたアークやゼアと同様のディテールを持つ戦闘補助装置オービタルバインダーは人工知能と同期させることで、作戦成功率と戦闘力を向上させている。しかし、本来は滅亡迅雷.net用の装備で同ユニットによって生命維持などの安全装備を省いているため装着者の安全は考慮されておらず、諫の肉体にも変身のたびに過度の負担が掛かり、多用すると生命の危険に陥る。また、使用するプログライズキーにはアサルトグリップが取り付けてあるため、ゼロワンがシャイニングアサルトホッパーになるとこの形態に変身できなくなっていたが、第18話でゼロワン用にアサルトグリップが複製されたため、同時変身が可能となった。コンセプトは悪側の力によって生み出された、武器を全身に仕込んだ重武装バルカンというもので、腕に機関砲、肩に小型ミサイルをつけている。デザイン段階では胸の丸い意匠はエネルギー弾を放つ砲撃システムというイメージであった。メカ感を強調するため、トラスフレーム風のアーマー部分にしている。赤い差し色を左眼の外周に入れたり、右片側の耳のみをロッドアンテナ風の意匠にして左右非対称にすることで無理やり後付けで機械化したかのような印象を狙っている。ゼロワンとの差別化を図るため、平成ライダーのようにゴテゴテと持っていく方向のパワーアップとなった。 撮影用スーツはアップ・アクション兼用の1着のみ制作された。各カラーリングを、ベーススーツは浅葱鼠色、プロテクター類は深縹色と黒、シルバーのウェザリング塗装を施すことで兵器感を強調したものとなっている。メタルクラスタホッパーに破壊された腕部分も制作されている。バルカンのスーツアクターの浅井は、硬い素材のため、構えようとすると甲冑が当たって姿勢が上手く取れず、初期のころはアクション時に甲冑が飛んでしまったことから修理に出したが、より強化されたため、動きたい方向に動けず肩を壊したという。 シューティングウルフの変身ユニットのデータを改造した複数の衛星がパーツを生成して変身するという構成となった。 仮面ライダーランペイジバルカン ランペイジガトリングプログライズキーで変身するバルカンの強化形態。基本カラーは明るい薄浅葱色。 変身音声は「フルショットライズ!Gethering Round! ランペイジガトリング!Mammoth! Cheetah! Hornet! Tiger! Polarbear! Scorpion! Shark! Kong! Falcon! Wolf!」。 サウザーがジャックライズした10種のライダモデルが左半身の装甲に宿っているため、各アビリティを自由に発動することが可能。さらにランペイジガトリングプログライズキーのセレクターマガジンを回すことでアビリティを合成・発動することができる。強化モチーフらしい鮮やかさを意識するため、それぞれモチーフの触覚や耳の意匠をマスクにレイアウトしているが、それらのパーツがない動物はヒレやツメなどの10種類のパーツを装着している。コンセプトは2号ライダーで平成ライダーで定番であった全部乗せフォームをやるというもので、プログライズキーを全身に装備した案もあったが、スタイリッシュにしたいということから、シューティングウルフのイメージを踏襲し、各ライダモデルのモチーフを左半身に詰め込んだ左右非対称となった。プログライズキー時に描かれているメカ動物をモチーフにして、全てをメタリックスカイブルーに統一した10種類のメカ動物にすることで、半分機械となった全体のビジュアルにまとめている。ただし、ごちゃごちゃしないように動物の目のみに各モチーフの色を入れて調整している。ボディの肋骨部分がシューティングウルフの肋骨と重なるようにしている。背中のフライングファルコンの部位はエネルギーの羽根が片翼のみ出るようになっている。 撮影用スーツはアップ・アクション兼用の1着のみ制作された。シューティングウルフ同様、メタリックブルーとクリアな質感を基調とした体の左半身に、10種のライダモデルのモチーフが意匠化が奢られているため、かなりの重量があるが、スーツアクターの浅井はアサルトウルフより動きやすいという。眼はシーンに応じてパンチングメタル状のアクション用の複眼を換装している。マスクには牙のようなディテールが付加された。背中のファルコンの翼はプロテクターから外すことが可能で、CGの翼を描き加えている。 10個のモチーフがあることから、ハヤブサの羽根をアンカーにして撃ったり、滑りながらマンモスの足で止まるなどしている。 仮面ライダーオルトロスバルカン ジャパニーズウルフゼツメライズキーで変身するバルカンの最終形態。ベースカラーは中縹色、銀色。 変身音声は「オルトロスバルカン!Awakening the instinct of two beasts long lost.」。 両腕に装備された鉤爪クローアサルトで戦う。諫に埋め込まれた脳内チップの削除されたデータの空白部分に、強制的にジャパニーズウルフのロストモデルデータを上書きすることで変身可能となる。滅亡迅雷.netが使用する対仮面ライダー戦用強化アーマーにバルカンの全形態と仮面ライダー亡の能力が各部に埋め込まれているが、ヒューマギアが変身することを想定されて作られているため装着者の諫には激しい負荷がかかる。また変身システムそのものにも大きな負荷がかかり、第44話ではショットライザーが自壊し強制的に変身が解除された。終盤でバルカンとバルキリーがパワーアップするという前提だったが、話数短縮によって変更となった。だが、暴走する或人を止める存在が急遽必要となったことから、アークによって変身機能を失った諫に亡の技術を与えたものとなった。 バルカンと亡、双頭の狼の要素を取り入れているため、双頭の犬オルトロスをモデルとする。デザインはアサルトウルフの色替えで、シックな印象にするため、亡の無彩色のコンセプトや意匠を取り入れている。亡のグレーベースに青を配したカラーリングという要素をアサルトウルフに入れたものではあるが、青をベースとしたアサルトウルフであることから、かなりシックな見た目にするため、抑えた雰囲気の青にしている。亡のマスクのコンセプトを再現しており、グレーのニホンオオカミが左目の周囲を噛み付いているように見立てて配色しているため、キバのペイントを左目に追加している。 撮影用スーツはアサルトウルフの色替えで、手甲のみ新規造形。同様のディテールではあるが、塗り分け処理によって眼から左の触覚にかけてオオカミの顔に見えるように処理されている。4連の爪はパーツ換装によって対応している。 スペック 名称身長体重パンチ力キック力ジャンプ力(ひと跳び)走力(100m)初登場シューティングウルフ197.2cm 95.6kg 10.5t 27.0t 16.2m 2.9秒 第2話 パンチングコング192.0cm 461.8kg 47.3t 22.9t 8.5m 3.1秒 第4話 アサルトウルフ199.7cm 119.6kg 25.7t 57.8t 32.4m 2.0秒 第14話 仮面ライダーランペイジバルカン199.9cm 112.2kg 46.5t 97.7t 61.2m 0.9秒 第29話 仮面ライダーオルトロスバルカン199.7cm 121.3kg 38.2t 76.7t 45.3m 1.4秒 第44話 ツール アサルトウルフプログライズキー アサルトウルフに変身するためのプログライズキー。 滅が復活したアークの力を利用して迅用に製造したが諫が奪い取った。諫はキーを無理矢理こじ開けて使用している。グリップは武装化したバルカンの武装の操作用というコンセプトで、そのスイッチがトリガーとなり、エネルギーがボディの砲面から発射されるイメージであった。キーが閉じた状態の際には狼の前足、展開時には狼の下アゴに見えるようなディテールとなっている。 ランペイジガトリングプログライズキー ランペイジバルカンに変身するためのプログライズキー。 サウザーがサウザンドジャッカーによって抽出した10種のライダモデルの特性を取り込んで製造された。キーの名称やアビリティが刻印されていない。パワーアップアイテムとしては多くのメカ動物がグラフィック部にいるだけでは楽しさが足りないため、ガトリング砲のようなパーツを付け、勢いよく回すことで変身したり、技を選択するアイテムにしている。エイムズショットライザーに装填時に全体でガトリング砲に見えるように、キーの展開時に先端にガトリングの銃口が来るように構成し、デザインされた。 必殺技 括弧内は使用するプログライズキー。バレットシューティングブラスト(シューティングウルフプログライズキー) シューティングウルフ時の必殺技。オオカミ型の4つのエネルギーを撃ち出し、それを敵に噛みつかせて拘束した後、最大威力の光弾で敵を粉砕する。 パワーパンチングブラスト(パンチングコングプログライズキー) パンチングコング時の必殺技。ナックルデモリションをロケットのように運動エネルギー弾として打ち出す。第4話の必殺技時のポーズは、バルカンが本作品の2号ライダーであることから、仮面ライダー2号の変身ポーズの最後の構えをしている。 マグネティックストームブラスト(アサルトウルフプログライズキー) アサルトウルフ時の必殺技。オオカミの頭部型のエネルギーを発射させて敵に喰らいつかせ、爆発させる。 ランペイジパワーブラスト(ランペイジガトリングプログライズキー) ランペイジバルカン時の必殺技。ゴリラ、シャーク、マンモスのライダモデルの力を解放し、ラリアットで敵を吹き飛ばしてからマンモスの脚のようなエネルギー体を発生させて踏み潰し、敵をサメが噛み付くように両足で挟み込み投げ飛ばす。 ランペイジスピードブラスト(ランペイジガトリングプログライズキー) ランペイジバルカン時の必殺技。チーター、ホーネット、ファルコンのライダモデルの力を解放し、エイムズショットライザーから針状のエネルギー弾を発射し、高速で接近して連続キック、そしてアビリティウィングで飛行し頭上から急降下してキックを叩き込む。 ランペイジエレメントブラスト(ランペイジガトリングプログライズキー) ランペイジバルカン時の必殺技。タイガー、ベアー、スコーピオンのライダモデルの力を解放し、火と氷を放った後にアビリティガントレットから伸ばしたアシッドアナライズを突き刺す。 ランペイジオールブラスト(ランペイジガトリングプログライズキー) ランペイジバルカン時の必殺技。10種のライダモデルの力をエネルギー弾に変え、発射する。 パワーパンチングブラストフィーバー(パンチングコングプログライズキー) パンチングコング時の必殺技。ナックルデモリションで地面を叩いて地面を揺らして敵を翻弄し、とどめの一撃を決める。また、ナックルデモリション型のエネルギーで敵を粉砕する場合もある。 マグネティックストームブラストフィーバー(アサルトウルフプログライズキー) アサルトウルフ時の必殺技。体を空中でひねらせて足先に狼の頭部を模したエネルギーを纏い、右足の飛び蹴りを敵に浴びせる。 ランペイジガトリングブラストフィーバー(ランペイジガトリングプログライズキー) ランペイジバルカン時の必殺技。エネルギーを足に集中してキックを放つ。 オルトロスブラストフィーバー(ジャパニーズウルフゼツメライズキー) オルトロスバルカン時の必殺技。クローアサルトを展開し、高速でジャンプしてから上空から敵に襲い掛かる。 シューティングカバンショット(シューティングウルフプログライズキー) オオカミ型のエネルギーを発射する。 パンチングカバンショット(パンチングコングプログライズキー) 装填時には「コングズアビリティ!」の音声が鳴る。ナックルデモリション型の銃弾やエネルギーを発射する。 シューティングカバンストラッシュ(シューティングウルフプログライズキー) 装填時には「ウェアウルフズアビリティ!」の音声が鳴る。オオカミの形をしたエネルギーを飛ばし、それを敵に噛みつかせて磔にした後、刀身にエネルギーを収束して敵を斬り裂く。 ガトリングカバンショット(ガトリングヘッジホッグプログライズキー) 装填時に「ヘッジホッグズアビリティ!」の音声が鳴る。アタッシュショットガンから針のような弾丸を連射し、大勢の敵を一網打尽にする。 ガトリングカバンバスター(ガトリングヘッジホッグプログライズキー) 巨大な針を放ち、全方位から敵に突き刺す。 スパイダーズアビリティカバンショット(トラッピングスパイダープログライズキー) アタッシュショットガンから巨大なクモの巣を発射し敵を絡め取る。 バスターダスト オーソライズバスターガンモードにプログライズキーを装填し、「Progrise key confirmed. Ready for Buster.」の音声と共に引き金を引くことでライダモデルの能力の一部を加えた銃撃が発動する。パンチングコングプログライズキー ナックルデモリション型のエネルギー弾を放つ。 ゼロワンダスト オーソライズバスターガンモードの必殺技の1つで、ゼロワンドライバーにスキャンした状態でバルカンに貸与される形で使用。黄色のエネルギー弾を連続で発射し、敵を一掃する。
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