Fate/stay night 登場キャラクター

Fate/stay night

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 02:50 UTC 版)

登場キャラクター

の項は特筆しない限りテレビアニメ第1作、[Réalta Nua]、テレビアニメ第2作のもので共通。相違する場合は特筆する。PCゲーム版はバーサーカーの咆哮を除きボイスは存在しない。

主人公

衛宮邸(のワンシーン)のモデルとなった織田家長屋門
衛宮士郎(えみや しろう)
声 - 杉山紀彰(幼少期 - 野田順子
  • 身長:167cm / 体重:58kg / イメージカラー:赤銅
本作の主人公。穂群原(ほむらばら)学園2年C組に在籍。
10年前に冬木市で起きた大火災の数少ない生存者[注 8]。その際に魔術師である衛宮切嗣に助けられ、養子となる。切嗣に命を救われたことと、助かった(と思っている)のが自分だけであることが非常に強烈な心象として残っており(俗に言うサバイバーズ・ギルト)、切嗣への憧れから、正義の味方となってみんなを救い、幸せにするという理想を本気で追いかけている。養父からの「借り物の理想」を追いかけて正義の味方を目指し、人助けのためなら自らを省みないその生き方は、シナリオ原作者の表現によれば「一生懸命人間のふりをしているロボット」あるいは「人間になろうとしているロボット」。言峰綺礼が先天的な異常者であるとすれば、彼は冬木大火災に狂わされた後天的異常者である。
弓道部員であり、その腕は文字どおり百発百中であったという。人助けが生き甲斐であり、他人から頼まれたことに対して基本的に嫌と言わない(言えないのではなく)ため、都合よく利用されることも多い。学園では「穂群原のブラウニー」の異名を持つ。得意とするのは物を修理することと、家庭料理をはじめとする家事全般。身長が低いことと、童顔であることを気にしている[注 9]
運命のその夜、サーヴァント同士の戦いを目撃してしまったために殺されそうになった彼は、偶然召喚したセイバーに窮地を救われ、以後彼女のマスターとして聖杯戦争に参加することになる。
養父に無理に頼み込んで魔術の指導を受け、今も欠かさず鍛錬を続けてはいるものの、本来魔術師の家系ではなく指導の内容はあえて誤った鍛錬を教授されていた上、養父亡き今となっては完全な独学であり、初歩的ではあるが、極めるのは至難とされる「強化」(物体に魔力を通し、その物体がもともと持っている性質の一部を強化する魔術)しか使うことができず、しかも成功率は低い(本人曰く「0.5%を切るかもしれない」)。また、魔術回路は一度造って蓄積されたものを起動させれば良いだけという魔術師の常識すら知らず、毎晩行うことを日課にしている魔術の鍛錬のたび、一から魔術回路を造るという死と隣り合わせの危険を犯している。魔術師にはあまり役に立たない類のものだが、物体の構造を把握することにかけては一流[注 10] で、この才能ゆえか凛にも不可能だった学園内に張られたライダーの結界である、「他者封印・鮮血神殿」の結節点の特定を易々とこなしている。
魔術を使わない純粋な喧嘩をした場合、それぞれの試合形式では専門家に劣るが“どっちが音を上げるかが勝負みたいなケンカ”なら学園最強だとされる[13]
魔術師としては知識も技量も半人前だが、彼にとっては「強化」よりも遙かに高度な魔術であるはずの「投影」(イメージを元に、魔力で無から一時的に物体を作り出す魔術)の方が楽に扱えたり[注 11]、さらに彼が「投影」した物体は時間経過では消滅しない[注 12] など、特定の魔術に関しては普通の魔術師にはありえない特異な才能を発揮する。これは彼の身体が、一時的かつ限定的ながら術者の心象風景によって世界そのものを塗り潰してしまう大魔術「固有結界のみに特化した異端であるため。その異端ぶりは、一流の魔術師である切嗣や凛が、士郎の魔術の異常さは感じながらもその正体を見極めるに至らず、的確な指導を行えなかったほどである。彼の固有結界「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)」は「視認した剣(および剣と認識できるもの)の構成や本質を捉え、複製し内部に蓄える」という能力を持つ。彼が普段用いている「強化」や「投影」、物体の構造の把握、結界の存在に敏感であることなど、全てはそこから漏れ出たただの副産物に過ぎない。特に彼の「投影」に関しては、物体を自身の固有結界の内側から取り出す作業であるため、本来の「投影」とはその出自からして全く異なっている。通常の「投影」では器を生成する分の魔力に加えて、その物体が内包する分の魔力も必要となり、はなはだ非効率[注 13] な上、肝心の効果も瞬間的なのだが、士郎の場合は心象世界から引き出す際のわずかな魔力消費だけで成立する。ただし、第五次聖杯戦争時点での士郎に投影できるのは武具、それも主に剣に限られ、近代兵器や機械は外見だけで中身が伴わない。鎧や盾など防具などに関しては瞬間的な効果で代償も大きい。それ故に彼が「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」を投影した際は4枚になっている(ただし、凛ルートでは7枚と完全に投影している[注 14])。また、魔術師として未熟なために魔力が足りず、自力で固有結界を展開することはできない。ただし、命の危機に瀕すると、自覚がないまま固有結界が体内で暴走を始める。最悪の場合には、無数の剣を生み出して体の内部から彼を串刺しにし、命を奪うこともある。
彼は知らなかったが、切嗣に命を救われた際、体内にエクスカリバーの鞘である結界宝具「全て遠き理想郷(アヴァロン」を埋め込まれており、それが縁となってセイバーが召喚された。セイバーと契約していれば、セイバーとの距離に応じた強度の回復能力が発動する。セイバーがじかに接触すれば、宝具の恩恵によってほぼ致命傷に近い傷からでも回復できる[注 15]。長年体内に宿していたために、上記のような契約や接触もなく自力で恩恵を作動させられるなど容易に投影可能であり、「真名開放」も可能。だが、それはセイバーとのライン(契約ではなく因果線)がつながっているからこそであり、鞘単体では彼の魔術特性と起源を「剣」に変えていくものでしかない。そのため、固有結界に大きく関係している。そして本編の10年後に大聖杯が解体された時にはセイバーとのラインが切れ、鞘のイメージを失い投影できなくなる。"Unlimited Blade Works"のシナリオでは身に宿したままだが、原作者曰く、のちに意味を失い、肉体から抜け落ちるように星の内海へと還るとのこと[11]
"Heaven's Feel"のシナリオでは中盤の戦闘で左腕を失う重傷を負ったが、同じく瀕死の重傷を負い消滅寸前だったアーチャーの発案により彼の左腕を移植[注 16] され、彼の魔術や戦闘経験・技術を引き継ぎ[注 17]、黒化したバーサーカーやセイバーオルタとも対等に戦えるほどの力を得た。しかし、英霊であるアーチャーの腕は人間の身で到底扱えるものではなく、一度でもアーチャーの腕を解放すれば、その魔術行使に肉体が耐えられず内部から崩壊を始め、さらにアーチャーの記憶に侵食され、次第に士郎の人格、意識、記憶を破壊してしまう[注 18]。そのため、魔力殺し(マルティーン)の聖骸布を巻いて封じることになるが、それでも生きている限り魔力は肉体に通るものであるため、腕からの侵食は完全には止められず、10年ほどで完全に侵食されてしまう。それまでに腕と拮抗するほどの魔術師に成長しなければならず、少なくとも生活的に聖骸布を巻き直せるくらいにはと凛は述べている。また魔術回路のオンオフはかえって危険と判断して従来のままである。結局は聖骸布を解いて戦うことを選んだ士郎は、記憶が次第に薄れて廃人と化していき、また投影のたびに体の内側で暴走する固有結界から生み出された剣で串刺しにされる状態となってゆく。

メインヒロイン

セイバー(Saber
セイバーのラッピングが施された車両(中国上海 淞虹路駅
声 - 川澄綾子
  • 身長:154cm / 体重:42kg / スリーサイズ:B73(B)[14]/W53/H76
  • 誕生日:不明 / 血液型:不明 / イメージカラー:青 / 属性:秩序・善
  • パラメータ(士郎): 筋力:B / 耐久:C / 敏捷:C / 魔力:B / 幸運:B / 宝具:C
  • パラメータ(凛):筋力:A / 耐久:B / 敏捷:B / 魔力:A / 幸運:A+ / 宝具:A++
  • スキル:対魔力:A / 騎乗:B / 直感:A / 魔力放出[注 19]:A / カリスマ:B
本作のメインヒロインの一人。士郎と契約した剣士のサーヴァント。容貌は見目麗しい華奢な少女だが、「最優のサーヴァント」と謳われるセイバーのクラスで召喚されるほどの英霊。ただし、未熟なマスターである士郎との契約が原因で魔力の供給が十分ではなく、思うままに力を振るえずにいる。性格は良く言えば実直で生真面目だが、悪く言えば融通の利かない頑固、そして負けず嫌い。凛とした表情を滅多に崩さないが、怒ると怖い。その一方で時折、年相応の少女らしさを見せることもある。
かなりの健啖家であり[注 20]、またの名を「腹ペコ王」。他作品で多くのセイバーのサーヴァントが登場するようになって以降は「青セイバー」とも呼ばれる。
人気投票では第1回、第2回共に1位に輝いた。そしてTYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票でも1位に選ばれた。Fate派生作品では様々なセイバーが登場。2013年エイプリルフール企画「路地裏さつき・ヒロイン十二宮編」ではほかのセイバー系ヒロインを討とうと画策した。
真名はアルトリア・ペンドラゴン、つまり世界的に有名なイングランドの伝説的英雄アーサー王である。作品中の設定では、選定の剣(カリバーン)を岩から引き抜いた「アルトリア」という少女が性別を男と偽って「アーサー」を名乗り、王になったとされる。肉体の成長はその瞬間から止まってしまった。聖杯に賭ける願いは"王の選定のやり直し"。生前の彼女は自国ブリテンを救済するため選定の剣を引き抜き、その達成に向けて人生の全てを国に捧げた。そこに間違いや後悔の念は抱いていなかったが、選定の剣を抜く以前から「自分より王に相応しい人はいて、その人なら平和な国を長く築けたのではないか」という思いがあり、カムランの戦いを経てその思いが聖杯に賭ける願いへと至った。
実はほかの英霊たちと違ってまだ死んでおらず、死の寸前で「聖杯を手にすること」を求めて霊長の抑止力と契約し、生きている状態のまま様々な時空間に呼び出されている。聖杯を手にし、霊長の抑止力との契約が達成された暁には本来の時間に戻り、願いを叶えた後にそのまま死を迎え、はじめて正式に英霊となることになる。そのため、生者である彼女は霊体化することができない。また、敗退しても英霊の座には行かず元の時間軸に戻るのみであるため、聖杯戦争の真の目的である「根源」への到達は容量不足になる為に行う事が出来ない。つまり彼女が召喚された時点で「根源」に到達する儀式は失敗していることになる[注 21]
生前の時点で、選定の剣「勝利すべき黄金の剣(カリバーン」は折れてしまっており、また、使用者を妖精郷に隔離することであらゆる物理干渉や魔術干渉、さらには魔法や平行世界・多次元からの干渉すらも遮断し、傷や病に老化をも癒す、ランクEXの結界宝具「全て遠き理想郷(アヴァロン」も手元からは失われている。しかし、サーヴァントとしての彼女は、風を纏わせることで光の屈折率を変化させ武器を不可視にすることで間合いを測らせない第2の鞘「風王結界(インビジブル・エア)[注 22]、使用者の魔力を“光”に変換し究極の斬撃として放つ星の鍛えた聖剣「約束された勝利の剣(エクスカリバー」の2つの宝具を持つ。また、前述の「全て遠き理想郷」も、士郎の体内に埋め込まれる形で第五次聖杯戦争に存在しているため、ルートによっては士郎からセイバーに返還され、第3の宝具となる。宝具以外にも多数の精霊の加護を得ている[注 23]
テレビアニメ第1作では監督である山口がTYPE-MOONと綿密な打ち合わせを繰り返した結果、奈須による「小柄な女の子が頑張っている」「爽やかな水」というイメージに集約された。また、彼女の玉座は原作ではデザインされていなかった為、キャラクターデザインの石原恵がドラゴンをモチーフに描き起こしたものである[12]
セイバーオルタ[注 24]
  • 属性:秩序・悪
  • パラメータ:筋力:A / 耐久:A / 敏捷:D / 魔力:A++ / 幸運:C / 宝具:A++
  • スキル:対魔力:B / 騎乗:- / 直感:B / 魔力放出:A / カリスマ:E
"Heaven's Feel"シナリオにおいて黒化した姿。容姿も属性も完全に変貌し、半ば殺人マシーンじみた強敵として士郎の前に立ちふさがる。存在しないはずの8人目以降のサーヴァントのうち10人目とする解釈もあるが、手段を選ばなくなっただけで本質はセイバーと同じものであり別人ではない。
宝具『約束された勝利の剣』は、本作では通常時のセイバーと同じく「エクスカリバー」表記であるが、通常時と区別して「エクスカリバー・モルガン」としている作品もある[注 25]。なお、Fate/Grand Order内でのセイバーの宝具「エクスカリバー」が大上段からの唐竹であるのに対し、オルタの「エクスカリバー・モルガン」では構えが違い、左腰に構えて切り上げる、抜刀術の雰囲気を彷彿とさせるものになっている。同ゲームのArcade版ではより分かりやすい(構えのカットが入る)。
遠坂家のモデルとなった『風見鶏の館(神戸市)』
遠坂凛(とおさか りん)
声 - 植田佳奈
  • 身長:159cm / 体重:47kg / スリーサイズ:B77/W57/H80
  • 誕生日:2月3日[注 26] / 血液型:O型 / イメージカラー:赤
本作のメインヒロインの一人。士郎と同じ穂群原学園(2年A組)に通う女生徒で、魔術師。アーチャーのマスター。亡き父の遺志を継いで聖杯戦争に臨む。家訓「どんな時でも余裕を持って優雅たれ」を実践する。学校では容姿端麗な優等生として男女問わず生徒たちからの人気があり、[15]士郎も1年生の頃から彼女に憧れを抱いていたが、実態は猫をかぶっており、その本性は士郎によると「あかいあくま」。魔術師としての誇りや元来のプライドの高さゆえに誤魔化しているが、実はかなりお人好しな性格であり[注 27]、アーチャーからは「凛は戦いには向いていない。魔術師ならば志より結果を取るべきだ。」と指摘されている[注 28]
アベレージ・ワンと呼ばれる五大元素使いの魔術師として高い実力を誇るも、先祖代々の遺伝で肝心な所でミスをする悪癖がある。遠坂家の魔術である「力の転換」によって魔力を込めておいた宝石を用いる宝石魔術や、相手を指差すことで人を呪う北欧の魔術「ガンド」を得意とする。また、言峰から指南されていた影響で八極拳も用いる。
料理の腕前は、少なくとも得意の中華料理に関してなら士郎より上。ただし和食に関しては味噌汁の作り方すら知らない。趣味は士郎いじりと宝石磨き。寝起きはかなり悪い。遠坂の魔術の性質上、高価な宝石を多用する必要があるため、お金に細かい。士郎と共同戦線を張り、彼の魔術を指導するために衛宮邸へ居候するが、家主の士郎よりも権力を振るう。
人気投票では第1回、第2回共に2位に入った。TYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では4位。
間桐桜(まとう さくら)
声 - 下屋則子
  • 身長:156cm / 体重:46kg / スリーサイズ:B85/W56/H87
  • 誕生日:3月2日 / 血液型:O型 / イメージカラー:桜(黒)
本作のメインヒロインの一人。間桐慎二の妹。穂群原学園に通う士郎の1年後輩で、士郎にとっても妹のような存在。弓道部所属。穏やかな性格の美少女。ある出来事をきっかけに、1年ほど前から毎日士郎の家に朝食と夕食を作りに来ている。実は人間らしい感情を持てるようになったのは最近のことで、士郎や大河の影響で随分と明るくなり、笑顔を見せるようになった。今や洋食に関しては料理の師である士郎よりも上。士郎は気付いていないが、彼のことを恋い慕っている。内罰的で自己評価が極度に低い。日常をこの上なく尊く思っており、そのために彼女なりに懸命に耐え切ろうとする。
実は彼女も魔術師であり、ライダーの正式なマスターである。凛の実の妹でもあり、旧姓は遠坂。幼い頃間桐の家に、養女として迎えられている。遠坂の魔術刻印の継承者にして姉である凛に対しては、憧れと同時に強いコンプレックスを感じている。
元々聖杯戦争に関わる意志が無かった為、"Fate"・"Unlimited Blade Works"ルートではマスターとしての権利を最後まで義兄の慎二に委ねている。
身体に合わないマキリの魔術に無理矢理馴染ませるべく、長年にわたり蟲による調整を受け続けてきた。そのため、元は凛と同じだった髪や瞳の色が一変するほど体質が変化した。常人なら数日もたずに発狂するほどの蟲による凄惨な陵辱や、義兄である慎二による虐待など、過酷な境遇に長年置かれていたために、その精神は極限まで追い詰められているが、生来の我慢強さにより発狂には至っていない。幼い頃の出来事については『Fate/Zero#バーサーカー陣営』を参照。
前回の聖杯の破片から作られた刻印蟲を心臓に植え付けられているため、今回の聖杯戦争におけるもう一つの聖杯でもある。ただし不完全であり、本来なら完成に至ることはないが、Heaven's Feelルートにおいて、士郎と恋人となったことによって「士郎を失いたくない」という恐怖心や間桐臓硯の策略もあり、鬱屈していたネガティヴな感情が噴出することで中身の成長を促し完成する。第三次聖杯戦争の時から大聖杯内に留まる「この世全ての悪(アンリマユ」と接続した影響で黒化反転した事により、根底から人格が一変した禍々しい姿(俗に「黒桜」と呼ばれる)となり、心ならずも冬木市で大虐殺を行うこととなる。
テレビアニメ第1作では、キャスターに拉致されて聖杯降霊の拠り代にされかける、というオリジナルエピソードがある。その際に奈須が「空気の読めない桜らしい格好」として発案し武内がデザインした桜のボンデージ衣装が登場した。この衣装はファンの間でたびたび物議をかもし、奈須は「空気を読めないのは僕だった」と述懐している。一方、武内はこの衣装が気に入っている旨のコメントを残している[16]
人気投票第1回は6位、第2回は5位。『まほうつかいの箱』女性キャラ投票では4位、TYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では8位を獲得し、奈須きのこから「ついに時代が桜に追いついた」と評された。


作品内で度々登場する公園のモデル地『ポートアイランド北公園

サーヴァント

アーチャー(Archer
声 - 諏訪部順一
  • 身長:187cm / 体重:78kg / イメージカラー:赤 / 属性:中立・中庸
  • パラメータ: 筋力:D / 耐久:C / 敏捷:C / 魔力:B / 幸運:E / 宝具:???
  • スキル:対魔力:D / 単独行動:B / 千里眼:C / 魔術:C- / 心眼(真):B
凛と契約した弓兵のサーヴァント。キザな皮肉屋で現実主義者だが、根底の部分ではお人好し。アーチャーのクラスでありながら、弓よりも2本1対の陰陽の夫婦剣「干将・莫耶(かんしょう・ばくや)」による白兵戦を好む。ステータス自体は平均的だが、それでも剣戟は音速を超える。
弓兵として弓を取ることもあり、ケルト神話に登場するカラドボルグの名を冠した「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」などを矢として番える。さらには、ギリシャ神話のトロイア戦争にてアイアスが使用した盾で、投擲に対しては無敵とされる概念武装「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」なども使用する。凛による乱暴な召喚のせいで記憶が混乱し自分が何者か分からないと言い張り、マスターである凛もその真名を知らない。士郎を個人的に敵視しているようだが、その一方で彼に対して的確な助言を送ることもある。またセイバーに対しても彼らしくない行動をとり、出合い頭の奇襲に対応しきれなかった点や、表面的には挑発的な物言いをしながら、その実叱っていたことなどから、凛は正体を察しつつも、セイバーに関係した英霊ではないかとカマをかけたこともある。人気投票では第1回、第2回共に3位に入り、TYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では再び総合3位に入り、男性キャラクターとしては1位となっている。
第5次聖杯戦争で唯一の、未来の時代の英霊。真名はエミヤ。とある未来の世界において、死す運命にあった百人の命を救うため「霊長の抑止力(アラヤ)」と「救命の奇跡の対価として、死後に英霊となる」という契約を交わした、主人公の衛宮士郎である。優れた才能を持たない彼が、それでも自分の理想を貫き通し、厳しい修練と戦いをただひたすら耐え抜いて正義の味方に成ろうとした、そのなれの果て。皮膚や髪の色が作中時点の士郎と異なるのは、固有結界の魔術による反動である。この変色は士郎にも見られ、"Fate"のシナリオで「勝利すべき黄金の剣」を投影した際に皮膚の一部が変色している。本来ならサーヴァントの過去を見ることが出来るのは、契約によって魔力のラインが繋がったマスターだけだが、士郎は元が同一人物のため、「自分が辿るかもしれない未来の可能性」であるところの彼の過去を幾度か幻視している。
理想を追い続けたその生涯は報われることなく、自分が助けた相手の裏切りによって幕を閉じるが、それでも彼は誰一人恨まず、後悔はなかった。それどころか死後にその魂を英霊としてまで、見ず知らずの人々のために正義の味方になることを切望した。だが、英霊としての彼に与えられた役割は、一部の人々を抹殺することで人類全体を破滅から救う「霊長の守護者」であった。拒むこともできないまま、その手で永遠に望まぬ殲滅を繰り返し、かつそれを通して人々の醜い面を延々と見せつけられた結果、彼の信念も遂には摩耗して、抱き続けた理想に絶望し、自分のかつての生き方を憎むまでになった。そして、生前の自分と同じ時代に召喚された際に、士郎を自らの手で抹殺することで自分殺しの矛盾を起こし自分を消滅させることを思いつく。しかし実際には、英霊となった時点で因果を外れ、既に「衛宮士郎」とは別の存在となってしまっているため、望みが叶えられる可能性はまずない。彼自身も認めている通り単なる八つ当たりに近く、また、何らかの変化があると信じないと自身を許容できないとも語っている。奈須きのこ曰く、召喚されたこの世界で、正義の味方の名の下に生まれる殺人者を自らの手で断つことが、命を奪ってしまった者達への最低限の償いと考えている、とのこと。結局、何度もチャンスがあったにもかかわらず、士郎を一方的に殺そうとはせずに聖杯戦争の最善の終結を優先しており、むしろ士郎に対して助言を与えたり手助けをしたりしている。"Unlimited Blade Works"のシナリオで士郎の殺害を実行に移したのも、凛とセイバーとで勝ち残る算段が付いたと判断したからであり、そこに、彼が絶望してもなおやめられなかった正義の味方としての生き方、彼の信念を窺うことができる。ギルガメッシュも、彼に対しては「理念自体は俗物ではない」と一定の評価を与えている。
召喚の触媒になった品は、凛が父親から譲り受けた宝石のペンダント。凛が士郎の命を救うために用いたそれを、彼は生涯大切に持ち続けていたため、召喚者である凛との縁となった。つまり、召喚の触媒を召喚者でなく英霊の側が所持していたことになる。
召喚時の暴走のせいで記憶喪失というのは全くの嘘ではなく、生前の記憶自体が摩耗しているため、召喚直後の記憶は実際に曖昧で、現状を把握、推測することで急速に記憶を取り戻している状態だった。その中で覚えていたことは、自身の真名と冬木の大災害の光景、切嗣に正義の味方になると誓った夜の思い出と、セイバーを召喚したときの光景だけである。なお、作品のプロローグの独白は、実は士郎ではなく彼のもの。
彼がどのような聖杯戦争を歩んだかは本編では明確にされていないが、発言を総合すると"Fate"ルートのシナリオに近いと推察できる。なお、原作者の奈須きのこ曰く「士郎は作中のどのルートでもエミヤにはならないが、可能性自体はある」とのことである[17]。また、テレビアニメ第2作の放送後には、奈須きのこがより明確に歩みを語っており、「聖杯戦争開始時の条件がほぼ同じではあるものの、何かが欠けていた世界」において、セイバーの心を救えないまでもセイバーのことを理解し、聖杯を破壊したのちに別れた、とのこと。作画担当の武内崇は「"Fate"ルートのグッドエンドみたいなもの」と述べている[11]
錬鉄の英霊」の異名を持つ。今回の聖杯戦争において、未来の英霊である彼には知名度による恩恵が一切なく、特定の宝具も持たないため一番不利だが、鍛え上げた戦術と必勝の戦略、そして、固有結界「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)」を自在に操れることが彼を強者たらしめている。詳細は当該項目を参照。
並大抵の武器では傷一つつかないサーヴァントにとって、彼の固有結界の能力そのものは大した脅威ではない。相手の宝具や技術を単純に複製・模倣しただけでは、それを極限まで使いこなす本来の担い手に到底及ばないためである。したがって、他の英霊の宝具をいくつも記憶した上でそれらを効果的に運用することにより、初めて他のサーヴァントに対抗し得る力となる。ここに、「心眼(真)」を初めとする、修練と経験によって培われてきた技量が活きてくる。
テレビアニメ第1作では、原作で省略されたバーサーカー戦が描かれており、敗れはしたものの、全サーヴァント中最強と謳われたバーサーカーを5回殺害(原作では6回)するほどの実力を発揮した。ただし描かれたのは、「無限の剣製」を発動してバーサーカーに挑みかかるところまでで、その後場面は暗転し、アーチャーの最期が暗示される。
彼が万全の状態で全力を出すことは作中においてなく、戦略的にわざと見逃すことや、マスター不在などで不利になる場面が多く、純粋に勝利することはなかった。また敵といえど身内(セイバー、凛、イリヤなど)に対し非情になりきれない節があり、直接的に傷つけることはしなかった。
彼を象徴する赤い外套[注 29] は「赤原礼装」と言い、ある聖人[注 30] の聖骸布から作られた概念武装[注 31] で、外敵ではなく外界からの守りである。
テレビアニメ第2作では、メルトダウン寸前の原子炉を止めるためにアラヤと契約したことなどが断編的に描かれている。また、守護者としての召喚時のことも描かれ、様々な時代の紛争地に召喚され対象の殲滅を続ける。そのときは、"Fate/hollow ataraxia"で語った通り「自分の戦い」ではないため、彼を象徴する赤い外套は着用せずに白いマントを羽織ったスタイルであり、弓による狙撃が主体である。
『Réalta Nua』追加エピソード"Réalta Nua"における士郎は、独白の内容や固有結界内の風景などからエミヤであるとも解釈できる。
バーサーカー(Berserker
声 - 西前忠久[注 32]
  • 身長:253cm / 体重:311kg / 誕生日:不明
  • 血液型:不明 / イメージカラー:鉛 属性:混沌・狂
  • パラメータ: 筋力:A+ / 耐久:A / 敏捷:A / 魔力:A / 幸運:B / 宝具:A
  • スキル:狂化:B / 戦闘続行:A / 心眼(偽):B / 勇猛:A+ / 神性:A
イリヤと契約した狂戦士のサーヴァント。身の丈2m半ばを超える巨漢。巨大な岩の剣を軽々と振り回す。第五次聖杯戦争で召喚されたセイバーが最優のサーヴァントなら、バーサーカーは最強のサーヴァントと評されており、肉弾戦では敵無しとされる。バーサーカーのクラスの固有スキルである「狂化」により、理性や一部の技術を失う事を代償に、全ての能力が引き上げられており、[15]その破壊力は圧倒的である。通常、バーサーカーのクラスは制御や維持の難しさから、「弱い」英霊を狂化し能力を高めて使役するが、今回のバーサーカーは元の英霊としての格も非常に高く「神話級」であり、剣を叩きつければ衝撃で乗用車が跳ね上がる、地面が陥没するなど手のつけられない怪物となっている。狂化してなおマスターであるイリヤを護ろうとする意志を感じさせる描写がある[注 33]
テレビアニメ第2作では、狂化に似合わない太刀筋や、武器を封じられるや否や瞬時に俊敏な格闘に切り替えるトリッキーな戦術を披露している。
真名はギリシア神話における大英雄・ヘラクレス。神の祝福(呪い)によって肉体そのものが常時発動型宝具「十二の試練(ゴッド・ハンド)」と化している。この宝具はBランクに満たない攻撃(宝具ランクで加算するとCランク以上になる。)を無効化し、11回までの自動蘇生を行うことができる。さらに一度受けた殺害方法では二度と殺せないため、完全に倒すにはAランク以上かつ12種の攻撃か、強力な一撃で複数回殺す必要がある[注 34]。ただし、消費する魔力は桁違いで、凡庸な魔術師ならば一生かかって蘇生1回分の魔力が用意できるかどうかである。逆に充分の魔力があれば、消費したストックも回復できる。
なお、英霊ヘラクレスにはキャスター以外の全てのクラスに該当する資質があり、数々の試練を知恵と機転で乗り越えたヘラクレスにはレンジャーでもあるアーチャーが特に相性が良く、バーサーカー以外のクラスだった場合には、生前に培った武技と「十二の試練」(自身の技能で一度見た技は見破れるため、より完璧になる)に加えて、状況・対象によってカタチを変える万能宝具「射殺す百頭(ナインライブズ)」も用いる。この宝具はヒュドラを射殺した彼の弓の宝具(対幻想種用のホーミングドラゴンレーザー九発同時発射)を模した独自の流派であり、剣や盾などを用いた用途がある。その中の大剣による対人用の「射殺す百頭」は本編でアーチャーの腕を用いた士郎が斧剣共々投影し、九つの急所を瞬時に斬りつける「是・射殺す百頭(ナインライブズ・ブレイドワークス)」を黒化したバーサーカー自身に対して使用している。関連作品では士郎の大技にされている。関連作品において彼自身が放った場合は、名の示すとおり100回斬りつける演出がなされる。同じ剣を用いた利用法として、地面を叩いてマルチレーザーを発射する対軍仕様がある。これらを犠牲にしてまでヘラクレスをバーサーカーとして召喚したのは、過去に幾度となく裏切られてきたアインツベルンにとって「無駄な知恵を付けず自分の言うことだけを聞く忠犬」のほうが制しやすかったためである。召喚に持ち得た触媒は、彼の武器である斧剣である。
Fate/strange Fake』ではアーチャークラスで登場。アヴェンジャークラスの性質も有しており人としての幼名であるアルケイデスと名乗る。この時は「十二の試練」を使えなくなる代わりに 生前の試練をねじ伏せた証の数々を具現化させる「十二の栄光(キングス・オーダー)」を宝具として取得。さらに 他人の逸話由来の宝具を奪い取る 「天つ風の簒奪者(リインカーネーション・パンドーラ」をも取得している。
ランサー(Lancer
声 - 神奈延年
  • 身長:185cm / 体重:70kg / イメージカラー:青 / 属性:秩序・中庸
  • パラメータ: 筋力:B / 耐久:C / 敏捷:A / 魔力:C / 幸運:E / 宝具:B
  • スキル:対魔力:C / 戦闘続行:A / 仕切り直し:C / ルーン:B / 矢除けの加護:B / 神性:B
槍兵のサーヴァント。高い瞬発力と白兵戦の能力を備え、セイバーを相手にしても一歩も引かなかった。マスターからは諜報に徹するように命じられており、決着をつけずに撤退する事が多いが彼自身の本意ではない。[15]紅い魔槍を持つ。マスターから偵察任務を命じられており、主に単独で行動する。根は実直で、口は悪いが己の信念と忠義を重んじる英霊らしい英霊と言える。物語の始まりにおいて、戦いを目撃した一般人として聖杯戦争の掟に則り士郎を殺そうとした。
真名はケルト神話における大英雄で、アイルランドの光の皇子・クー・フーリン。死力を尽くした戦いを求めて召喚に応じた。彼の本来のマスター(バゼット・フラガ・マクレミッツ)は言峰綺礼に騙し討ちされて令呪を奪われ生死不明になっており、現在のマスターは綺礼である。令呪により、主の鞍替えへの賛同の強制と、「お前は全員と戦え。だが倒すな。一度目の相手からは必ず生還しろ」との2つを命じられているため、全力で戦い得た機会は全ルートを通して1度だけである。
宝具は、必中必殺の呪いの槍を使用して因果を逆転し、「敵の心臓に命中している」という事実(結果)を作った後に攻撃(原因)を放つ対人宝具「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク」と、この槍の呪いの力を最大解放し助走から高々と飛びながら投擲し、炸裂弾のごとく使用する対軍宝具「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)」。前者(通称・刺しボルク)は魔力消費も少ない上に避けるには高い幸運が必要という、一対一の決闘で非常に効率がよい宝具である。本編によると、防ぐには純粋に槍の魔力を上回る防壁を用意するしかない。発動後の回避は不可能であり、アーチャーであろうと、発動されないよう間合いから「必死に下がるしかない」という。また、セイバーに使用した際は上記の令呪とセイバーの直感スキルや再生能力もあり致命傷とならなかったが、本来なら受けた傷を癒やすことすら許さない呪いも与える。心臓に命中した場合、呪いの棘が全身の血管と内臓を破壊し「槍+相手の最大HPダメージ」を与えて確実に死亡させる。これらの効果から、不死と言われる吸血鬼の真祖であろうと、「約束された勝利の剣」を耐える相手であろうと殺すことが可能である。後者(通称・投げボルク)は破壊力重視で本来の使用方法である。マッハ2の速度で放たれ、無数に鏃を撒き散らし標的の周辺を吹き飛ばす威力で、概念的に作用しないが因果を歪む呪いは健在で何度かわされようと標的を捕捉し続ける。その射程は40kmで、一度ロックオンすると地球の裏側まで追い続ける。本編では、アーチャーの「熾天覆う七つの円環」を完全に破壊し、アーチャーの片腕を負傷させた(劇場版では防がれている)。アーチャーによるとオリジナルであるグングニルを超えているとのこと。
魔術にも秀で、18の原初のルーンを習得しているが、直接的な戦闘を好むため、使用することは稀である。作中では火、探索のルーンのみを使用した。コメント[どこ?]によると石化の魔眼を無効化やパラメータの上昇、全ルーンを使用することで上級宝具すら防ぐことが可能となるなど多様な能力を持ち、その腕前はキャスターとして召喚可能なほどである。
なお、日本では知名度がないために恩恵は少ないが、本来ならセイバー、バーサーカーにも並び立つ存在らしく、地元なら城と戦車(チャリオット)の宝具と不眠の加護などのスキルが追加され、イングランドやアイルランドではセイバーを上回る強さを発揮できるとされる。
また、戦闘続行スキルの恩恵により、勝つよりも生き残ることに特化したサーヴァントとも称され、本人によると「セイバーとアーチャーの2人が相手でも、勝ちにいかなければ長時間は持ち堪えられる」とのこと。さらに"Fate"ルートではギルガメッシュ相手に半日にも及ぶ戦いを繰り広げ、それ相応のダメージを与えている。
Fate/Grand Order』ではキャスタークラスで登場。また『Fate/Grand Order Arcade』では少年期の彼がセイバークラスで登場。幼名のセタンタを真名とし、アルスターの戦士として認められた際にコンホヴォル王から授かった無銘の剣がクルージーンと同一化した宝具「裂き断つ死輝の刃(クルージーン・セタンタ)」を使う。
ライダー(Rider
声 - 浅川悠
  • 身長:172cm / 体重:57kg / スリーサイズ:B88/W56/H84
  • 誕生日:不明 / 血液型:不明 / イメージカラー:黒 / 属性:混沌・善
  • パラメータ(慎二): 筋力:C / 耐久:E / 敏捷:B / 魔力:B / 幸運:D / 宝具:A+
  • パラメータ(桜):筋力:B / 耐久:D / 敏捷:A / 魔力:B / 幸運:E / 宝具:A+
  • スキル:対魔力:B / 騎乗:A+/ 魔眼:A+ / 単独行動:C / 怪力:B / 神性:E
桜がマスターとして召喚されるも戦闘を拒否したため、偽臣の書を通して慎二を代理マスターとして仮契約した騎兵のサーヴァント。女性の英霊で、その名のとおり高い騎乗能力と機動力を持つ上に豊富な宝具を用いる。また、後述する神性に由来した魔術を扱うことも可能である。無口であまり自己主張をしないタイプで常に目隠しを装着している。[15]武器は鎖の付いた短剣である。長身で女神にも喩えられる妖艶な美貌と、それに似つかわしくないミステリアスな印象を与えるために人気は高く、専用ルートがないにもかかわらず人気投票では第1回、第2回共に4位に入る健闘を見せた。
真名はギリシャ神話に登場するゴルゴーン3姉妹の末妹・メドゥーサ。怪物に貶められたが本来の彼女は地母神の一柱であり、その名残りとして神性Eのスキルを所持している。最高クラスの石化の魔眼「キュベレイ」を有するが、普段は、強力な幻術結界であると同時に、相手の能力発露を封じる対人宝具「自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)」によって自ら封じている。石化の魔眼は常に魔力を消費するが、相手がサーヴァントであろうと高ランクの魔力や加護がなければ問答無用で石化し、またたとえ石化が防がれても全ステータスを1ランク下げる重圧の効果を及ぼすという、非常に強力な武器である。この効果は距離を置くと薄れるが、ライダーが認識せずとも相手がライダーを認識しただけで石化が始まる。そのほかに、内部の人間を溶解し魔力として使用者に還元する赤い結界を張る対軍宝具「他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)」と、騎乗できるものなら幻想種をも御し、更にその能力を向上させる「騎兵の手綱(ベルレフォーン」といった、合計3つの宝具を扱う。また、彼女の仔とも言える天馬を血の魔法陣から召喚し騎乗することで戦う。特にベルレフォーンは攻守ともに破格の宝具であり、バーサーカーが相手であろうと1回は確実に殺すことができる。純粋な火力系ではなく、体当たりであるゆえに「突き穿つ死翔の槍」などとの相性が良くないとされる場合もあるが、どんな物量を相手にしても安全かつ瞬時に突破可能な点で破格の対軍宝具である。マスターの魔力量によっては、これらの宝具を同時発動させることも可能である。
触媒はエトルリアの古い神殿で発掘された鏡だが、実際にはサーヴァントを召喚する縁としては弱い。しかし、触媒を用いずに召喚した場合は特に召喚者と精神的、存在的傾向が近い英霊が選ばれるという法則があり、メドゥーサが喚ばれたのは、召喚者である桜と「周囲の悪意による被害者であるゆえに次第に怪物へと歪んでゆく」境遇が似ていたためである。そのため、マスターである桜に対してかつての自分を見るかのような感情を抱き、彼女を常に気遣いその運命を案じている。ルートによっては士郎と協力し、アンリマユと契約した桜を救うために奮闘する。
『Fate/Grand Order』では女神としての側面が強く出た幼少期の姿で「不死殺し」の大鎌を振るうランサークラス(通称アナ)、怪物の側面が強く出たアヴェンジャークラス(真名:ゴルゴーン)、クリューサーオールら怪物達の母としての側面が強く出るとともに、アテナの要素を取り込んだ少女姿であるセイバークラスが登場している。セイバークラスの場合クリューサーオールが所持していた黄金の剣を対軍宝具「怪物の黄金剣(クリューサーオール)」として保持する。また2016年12月31日に放送されたアニメ版『Fate/Grand Order -First Order-』や漫画版の『Fate/Grand Order -mortalis:stella-』及び『Fate/Grand Order -turas réalta-』ではライダークラスと同じ成人の姿ながらランサークラスで登場している。
キャスター(Caster
声 - 田中敦子
  • 身長:163cm / 体重:51kg / スリーサイズ:B82/W57/H84
  • 誕生日:不明 / 血液型:不明 / イメージカラー:紫 / 属性:中立・悪
  • パラメータ:筋力:E / 耐久:D / 敏捷:C / 魔力:A+ / 幸運:B / 宝具:C
  • スキル:陣地作成:A / 道具作成:A / 高速神言:A / 金羊の皮:EX
魔術師のサーヴァント。ローブに身を包んだ女性の英霊で、魔法こそ習得していないものの、魔法に近いレベルの神代の超高等魔術を平然と扱い、魔術師としての能力は魔法使いと同等、もしくは上回るというレベル。現代で魔術師として比べるなら最強で、対人間では最大最悪の戦果を上げるサーヴァント。しかし大抵のサーヴァント、特に三騎士のクラスに召喚されたものは対魔力を備えているため、魔術が主な攻撃手段となるキャスターは全サーヴァントの中でアサシンと並んで最弱とされているが、戦略はほかのサーヴァントにはないほどの最高クラスである。そのため、得意である策略を巡らして着実に力を蓄えており、凛からも「一番厄介なサーヴァント」と評されている。そのため聖杯戦争を戦い抜くために手段を選ばない一面がある。[15]
人気投票では第1回、第2回共に10位に入るなど高い人気を誇っている。
真名はギリシャ神話に登場する裏切りの魔女メディア。宝具は裏切りの魔女である自身の象徴が具現化した、あらゆる魔術による生成物を初期化する短剣である対魔術宝具「破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)」。自身を召喚したマスターと性が合わず、下らぬ命令で令呪を消費させ殺害した[注 35]。その後、ランサーに襲われて辛くも大聖杯が眠り、霊脈としても優れる柳桐寺の近くまで逃げ果せるも現界を保てず消滅してしまう危機を葛木宗一郎に救われ、柳桐寺に連れ込まれる事で消滅を回避した。現在のマスターである葛木に寄せる想いは、単なるマスターとサーヴァントの関係以上である。
柳桐寺を自分の神殿とし、街中の人々から生命力を吸い上げて自分の魔力にしている。また、ルール外にアサシンを召喚することで、正規のマスターとなるはずだった人物からサーヴァントの権利を奪っている。
ルートによっては、真アサシン(後述)でもない限り感知されずに侵入することが不可能である衛宮邸の結界を掻い潜って魔力の糸を通した上、士郎の行動を操って殺す寸前に至ったり、結界自体を強引に断ち切ったりという芸当をやってのける。ローブを蝶の羽のように変化させて浮遊することができ、接近戦しか攻撃手段を持たない者に対してはかなりのアドバンテージを得ることができる。ファンディスクでは、ヘカティック・グライアー[注 36] という、宝具に匹敵する威力の直径数mのビーム魔術を披露した。
金羊の皮(アルゴンコイン)」というドラゴン召喚触媒(精霊つき)を所持しているが、竜を召喚・使役するスキルがないため、無用の長物と化している。仮にコルキスの竜とタッグを組んだ場合であっても、コルキスの竜はあまり強くないらしく、中堅がせいぜいだという。
「破戒すべき全ての符」はキャスター本人が使用すればサーヴァントとの契約を無効にすることはおろか、令呪諸共契約の主導権自体を奪い取ることすら可能であり、それによってキャスターはセイバーとアーチャーを支配下に置いた。
『Fate/Grand Order』では幼少期の姿、メディア・リリィが登場。あらゆる呪い、魔術による損傷を零に戻す治癒宝具「修補すべき全ての疵(ペインブレイカー)」を所有する。
アサシン(Assassin
声 - 三木眞一郎
  • 身長:176cm / 体重:63kg / 誕生日:不明
  • 血液型:不明 / イメージカラー:群青 / 属性:秩序・悪
  • パラメータ:筋力:C / 耐久:E / 敏捷:A+ / 魔力:E / 幸運:A / 宝具:なし
  • スキル:気配遮断:D / 心眼(偽):A / 透化:B+ / 宗和の心得:B / 燕返し:-
暗殺者のサーヴァント。アサシンのクラスでありながら侍姿をしており、剣技でほかのサーヴァントと真っ向から渡り合う。得物は5尺余りの備中青江。何事にも動じないクールな性格の持ち主だが、花鳥風月を愛でる雅な一面もある。
キャスターのルール違反によって召喚されたサーヴァント。英霊であり、既に死んでいるキャスターがマスターとなってサーヴァントを召喚することは、「生者のみが死者を甦らせられる」という原則に違反するため、強引に土地を依り代にして「マスターが存在しない」状態で召喚した。その影響で、本来「アサシン」のクラスに呼び出される「ハサン・サッバーハ」以外の架空の英霊が「アサシン」のクラスに憑依してしまった[注 37]
英霊としての真名は佐々木小次郎であるが、これは作中世界においては架空の人物であり、彼を演じるのに最も適した無名の剣士の亡霊が、佐々木小次郎という架空の英霊の殻を被った存在である。召喚の際の触媒にして依り代となった柳桐寺の山門を離れることができないため、もっぱら山門の護りを命じられている。キャスターからは余り当てにされずに最初から捨て駒扱いされており、アサシンも彼女のやり方が気に入らずに何かと突っかかることがある。
相手の攻撃の受け流しや、「全てが首を落とすための攻撃」と評されるほど鋭い一撃必殺の斬撃を主眼に置いた戦法を得意とする。サーヴァントとしては珍しく防御タイプであるが、その防御方法は相打ち狙いの一撃必殺による牽制である。英霊ではないため宝具こそ持たないものの、ひたすら磨き抜かれたその剣技は「多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)」と呼ばれる魔法域(第二魔法の一種)の事象にまで高められ、「魔力を使わず」「まったく同時に」3つの斬撃を繰り出して敵を斬るという必殺の「燕返し(つばめがえし)」を編み出すに至った。彼の剣の技量は、半ば身体が消えた状態でなお、万全の状態のセイバーと互角以上に渡りあうほどである。公式で人類最強剣士の1人とされる。生前には山で修行をし続けて人間に剣を振るう機会がなく、老年にして燕返しを取得して間もなく息を引き取った。そのため、聖杯戦争においては強者相手に剣技を振るうことを期待している。
本来の「アサシン」ではない彼は、暗殺者としての技能がないため、生前同様あくまでも剣士としての戦闘しかできないが、佐々木小次郎の高い知名度の恩恵からか、五次サーヴァント随一の敏捷性を誇る。今回の聖杯戦争のサーヴァント中では最高の剣技を誇るも、「それが全て」なのが彼の弱点であるため、「殺し合い」が苦手とされる。もっとも、これを補うかのように相手が剣の間合いに入るまでは気配遮断で姿を現さず、山門にはキャスターによる魔術や宝具の威力を削減する強力な結界が施されている。そもそも特殊な地形もあいまって、バーサーカー戦ではキャスターによる援護があったとはいえ、全サーヴァント(ギルガメッシュと真アサシンは除く)を一度は撃退した。
"Heaven‘s Feel"ルートでは既に現界していたが、士郎とセイバーが柳桐寺に乗り込む直前に臓硯によって真アサシン召喚のために媒介とされ、真アサシンが彼の腹を食い破る形で召喚され、セイバーと出会うことなく消滅する。
テレビアニメ第1作では、彼の代わりにシールダーと呼ばれる盾のサーヴァントが登場する予定があった。また、「美形に描いて欲しい、とにかく美形、全キャラクター中一番の美形」と要望されていたという[12]
ギルガメッシュGilgamesh
声 - 関智一
  • 身長:182cm / 体重:63kg / 誕生日:不明
  • 血液型:不明 / イメージカラー:金 / 属性:混沌・善
  • パラメータ:筋力:B / 耐久:C / 敏捷:C / 魔力:B / 幸運:A / 宝具:EX
  • スキル:対魔力:E / 単独行動:A+ / 黄金率:A / カリスマ:A+ / 神性:B(A+)
黄金色の魂を持つ、存在するはずのない8人目のサーヴァントで、正体が判明していない序盤では黄金のサーヴァントと仮称されている。前回の聖杯戦争での「アーチャー」であり、いかなる手段によってか、そのまま現界し続けていた。一人称は"我(オレ)"。前回の聖杯戦争の折、セイバーを我が物にしようとして拒絶されているが、諦めていない。
人気投票では、第1回、第2回ともに10位以下だったが、TYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では9位を獲得し、奈須きのこから「なんでZeroと別枠なのかと言うと、そりゃ別キャラだからだよ。」とコメントされた。
「王」を自称し、この世の全ては自分の所有物だと言って憚らないその言動は、まさに傍若無人の一言につきる。本来なら英霊1人につき多くて数個という宝具を無数に所有しており、それらを雨あられと射出するスタイルで戦う。ただでさえ一撃必殺の威力と厄介な効果を持つ宝具が無数に襲い掛かってくるため、その攻撃力は強力無比であり、サーヴァント5体以上の破壊効率を発揮して「戦闘」ではなく「戦争」で敵を圧倒する。
古代メソポタミアギルガメシュ叙事詩など多くの神話で、人類最古の英雄王として収められており、10年前の聖杯戦争では言峰綺礼と組んで戦った(その際の詳細は『Fate/Zero』を参照のこと)。その最終局面において聖杯の「中身」を浴びてしまうが、圧倒的な魂の強さを持つ彼は、本来なら汚染されて自我を失ってしまうというその強力な呪詛を逆に「飲み干す」ことにより受肉、現界し続けるための肉体を手に入れている。
自身の宝具として扱われる物は2つのみだが、かつて世界が1つであった時、世界の全てを手に入れた彼は、後の世に伝わる宝具の元になった「宝具の原典」を全て自分の宝物庫のなかに保管しており、それらを自身の宝具「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン」を通して空間から自由に取り出して扱うことができる。また、彼が「乖離剣・エア」と呼ぶ無銘の剣の宝具によるEXランクの一撃「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ」は空間を切断し、セイバーの「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」と衝突した際は相殺されながらもこれを凌ぐ威力を見せた。
好んで使う対神宝具「天の鎖(エルキドゥ」という神を律する鎖で、相手の神性が高いほど制約・拘束力が高まる。逆に神性を持たない存在にとっては少々頑丈な鎖程度になる。これをはじめ、全ての宝具の原型を有することから、ほぼ全ての英雄の弱点に付け入ることができる。また、最強の剣をも有するためにサーヴァント中最強の存在であり、油断や慢心が足を引っ張ることさえなければ敵無しとされている。
ギルガメッシュ本人にもいくつかの武勇はあるが、それでも戦士としての技量という意味では高名な戦士であるセイバーやランサー、アサシン、バーサーカーには到底及ばない。しかし、「王の財宝」でそれを補って余りあるために対英霊という意味で最強のサーヴァントと認知されている。ただし、彼はあらゆる宝具の原型の「所有者」であり「使い手」ではないので、「真名解放」は言わずもがな宝具を「使いこなす」真似はできない。アーチャー並びに士郎が彼の天敵と呼べるのは、ギルガメッシュが担い手ではないということ、また彼らの固有結界「無限の剣製」がその特性上、宝具を取り出すというタイムラグの必要な「王の財宝」よりも早く剣を用意でき、常に先手を取ることができるなどのアドバンテージがあるためである。本編や劇場版第1作及びテレビアニメ第2作では「無限の剣製」展開後は技量の複製ゆえに剣技についてゆけず、自身の宝具を破壊もしくは相殺され、放とうとする宝具もこちらよりも先に追撃され、自由に宝具を出せずに防戦一方の戦いに追い詰められていき、自身の敗北を認めている。ただし「乖離剣・エア」については「無限の剣製」をもってしても複製することができず、対界宝具である「天地乖離す開闢の星」の一撃は固有結界を破壊できるため、本編で士郎はこれを非常に危険視して決して抜かせていない。
前回の「この世全ての悪(アンリマユ)」の泥を飲み干したのに対し、"Heaven's Feel"シナリオで桜の影に呆気なく飲まれるが、それは本体から切り離された泥と本体につながった影の威力の差によるものである。それでも彼の強靱な魂を汚すことはできず、黒化できないどころか逆に影を飲み込もうとしたほどである。
前回の聖杯戦争からの10年間、何も問題を起こさなかったのは、ある宝具で性格と姿を変えて過ごしていたからである。その詳細は『Fate/hollow ataraxia』を参照。なお、シルエットモデルは旧ナムコのゲーム『ドルアーガの塔』の主人公ギルガメスであり、所有している財宝の入手経路にも同作のパロディが盛り込まれている[注 38]
テレビアニメ第2作では、作り物という点で生前の友エルキドゥと似通っている、ホムンクルスのセラとリーゼリットの純粋さを評価して、イリヤに尽くそうとするセラの首を自らの手ではね、「十二の試練」を全て失って尚イリヤを守るために向かってきたバーサーカーを「最後の最後で己が神話を乗り越えた」と賞賛するなど、『Fate/Zero』でも見せた王の器量や本人なりの慈悲や美学を見せている。
『Fate/Grand Order』では不老不死を求める旅から帰還した後の姿であるキャスタークラス、『Fate/Samurai Remnant』ではルーラークラスの彼が登場。
真アサシン(しんアサシン)
声 - 稲田徹
  • 身長:215cm / 体重:62kg / 誕生日:不明
  • 血液型:不明 / イメージカラー:白(月光)/ 属性:秩序・悪
  • パラメータ:筋力:B / 耐久:C / 敏捷:A / 魔力:C / 幸運:E / 宝具:C
  • スキル:気配遮断:A+ / 投擲(短刀):B / 風除けの加護:A / 自己改造:C
"Heaven's Feel"シナリオのみで暗躍する、真の暗殺者のサーヴァント。直接的な戦闘能力ではほかのサーヴァントに劣る分、暗殺者としての特殊能力を駆使して戦う。作中では単に「アサシン」と呼ばれ、「真アサシン」という名称はシーンタイトルなどで用いられている。
真名はハサン・サッバーハ。山の翁、アサシンという言葉の語源となった人物[注 39] である。ただし、この「ハサン・サッバーハ」とは特定の個人ではなく、その名を継いだ歴代の山の王たちから成る英霊候補の亡霊の群れを指しており、本来なら毎回の聖杯戦争においてアサシンのサーヴァントには、19人いる「ハサン・サッバーハ」のうちの一人が召喚される。歴代のハサンたちにはそれぞれ通称が存在するが『Fate/Grand Order』において明らかにされたこのハサンの通称は「呪腕のハサン」。
"Heaven's Feel"シナリオ開始後まもなく、間桐臓硯により、アサシンとして現界していた佐々木小次郎の肉体を利用して召喚された。召喚当初は知性も低くたどたどしい口調だが、ランサーを破ってその心臓を取り込んだことで知性と能力が大幅に強化された。心臓からランサーの人格の影響を受けており、認めた主に対しては厚い忠誠心を見せる。
聖杯に託す願いは、『本来の名前である「ハナム」と本来の顔』を取り戻し、初代ハサン「山の翁」に成り代わることである。
劇場版では侵入に気付いた葛木を戦闘不能にした後、まだ契約状態にあったキャスターと対峙するが葛木を人質に契約を解除させた後で二人を始末している。
戦闘力は強化されてもほかのサーヴァントに比べれば劣るのは変わらず、愛用する「ダーク」という投擲用の短剣を使った付かず離れずの戦法を取る。宝具は相手の本物の心臓と共鳴する偽りの心臓を作り、それを握りつぶすことで相手を呪い殺す右腕「妄想心音(ザバーニーヤ」。桜の影の存在によって、セイバーとバーサーカーすら敗れている。
アヴェンジャー(Avenger
復讐者のサーヴァント。第三次聖杯戦争の折、勝利に固執したアインツベルンがルールを破りエクストラクラスで召喚した、喚んではいけなかった「反英霊[注 40]」。
真名はこの世全ての悪(アンリマユではあるが、アサシンと同じく作中世界において創作された悪魔であり、その正体は拝火教を信じる古代のある村で、「この世全ての悪性をもたらしている悪魔を仕立て上げることで、人間全体の善性の証明とする」という身勝手な願いのために、この世全ての悪を体現する悪魔「アンリマユ」の名と役割を強制的に背負わされ、人々に心から呪われ蔑まれ疎まれ続ける中で「そういうもの」になってしまった、ただの人間である。
サーヴァントとしては宝具も持たず力も人間並みという貧弱さで、当然のように真っ先に敗れ去ったが、英霊としての彼の在り方が人々の“願い”そのものであったゆえに、敗れて聖杯に取り込まれた際に「願望機」がその願いを叶えてしまい、以後聖杯戦争は狂っていくことになる。
第四次、第五次聖杯戦争において、その「この世全ての悪」という“願い”は、大聖杯の中に留まりながら聖杯に満ちる「力」を養分に現界しようとしており、「器」に応じて「泥」、「肉塊」、そして「60億の人間を呪う宝具を持ったサーヴァント」として、それぞれ現われようとする。どのルートにおいても性質はサーヴァントと同じであるものの、殺すという目的と生まれ出たいという意志以外持たない出来損ないのサーヴァントであり、同じサーヴァントを核に出来ないことを分からずギルガメッシュを取り込もうとするなど、知性は皆無。
影という形で出てきた場合はあまりにも唐突に現れるためにサーヴァントも対応しきれず、呪いの力も半神の英雄であるランサーのルーンの結界すらたやすく破る上に劇場版『Heavens/Feel』ではアーチャーが投影した熾天覆う七つの円環さえ侵食され破られている。
Fate/hollow ataraxia』も参照のこと。

聖杯戦争に参戦したマスター

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(Illyasviel von Einzbern
声 - 門脇舞以
  • 身長:133cm / 体重:34kg / スリーサイズ:B61/W47/H62 / イメージカラー:銀
バーサーカーのマスター。愛称はイリヤ。「雪の妖精」を思わせる小柄な少女。基本的には素直で無邪気で天真爛漫な性格だが、聖杯戦争のためだけに育てられたため一般的な常識や倫理観が乏しく、殺人に抵抗がない(ただしあくまで敵として認識した相手に対してであり、無関係な民間人を手にかける残忍さはない)。夜に出会えば危険極まりないマスターであるが、昼の商店街に現れたときは人との触れ合い方を知らない臆病な面も見せる。魔術師としてはあまり洗練されていないが、肉体が魔術回路そのものであり特別製の令呪仕様のため、最高のマスター適正と魔力を持つ。士郎を「お兄ちゃん」と呼んで慕い、戦争開始直後より執着する。バーサーカーは最強の従者であると共に、冬の城で孤立したイリヤにとっての父親のような存在でもあり、普通のサーヴァントとは一線を画す絆がある。普段の立ち居振る舞いは幼いが、魔術師・貴族の姫として威厳のある一面もあり、「妹」ではなく「姉」としての顔を垣間見せる時もあるなど、様々な側面を併せ持つ。
衛宮切嗣とアインツベルンのアイリスフィールとの間に生まれた実娘で、実年齢は18歳であり、士郎にとっては非血縁の姉にあたる。母のアイリスフィールはアインツベルンの錬金術が生み出したホムンクルスであり、彼女もまた母の胎内にいる時からアインツベルンより様々な魔術的調整を施されており、その影響で肉体の成長が二次成長で止まっている。切嗣は第四次聖杯戦争終了後に何度かイリヤに会いに行こうとしたが、アインツベルンの結界に阻まれて会えなかったにもかかわらず、ユーブスタクハイトの偏った入れ知恵により、切嗣が自分と母を捨て最後の最後でアインツベルンを裏切ったと吹き込まれたことで切嗣を憎んでいるが、故人と知った時に悲しむなど内心複雑な模様である。士郎のことは最後の家族としても見ており、彼を失い再び孤独になることを何よりも恐れている。士郎を直接手に掛けないのは、自分自身で最後の家族を消すのが怖いためである。
今回の聖杯戦争の聖杯であり、同じく聖杯である桜をどことなく苦手としている。アインツベルンから失われた第三魔法「魂の物質化」、"天の杯(ヘブンズフィール)"に至るための器(願望機)の身体(正確には心臓部分)でもあり、魂を取り込むことで魔術は理論を省略して「結果」のみを現出でき、それがイリヤの魔力で叶うことならば、イリヤ自身はそのために必要な魔術理論を知らなくとも行使できる。
本来は専用ルートがあったが、時間の都合でカットされたという経緯がある。バッドエンド後のお助けコーナー「タイガー道場」の弟子一号「ロリブルマ」としても登場する[注 41]
テレビアニメ第2作では両親が冬木へ向かった後の過去やバーサーカーとの信頼の確立の過程が詳しく描写され、切嗣の帰りを待ち続けながらも母の殻を被った聖杯の泥から切嗣によって聖杯が破壊されたことを知らされ、更にユーブスタクハイトに吹き込まれた話を信じて切嗣への憎悪を募らせる。その後は器とマスター、両方のための調整に苦しむ中でこれまで破棄されたホムンクルス達からアインツベルンの妄執とも言うべき悲願と自分が負けたらユーブスタクハイトが研鑽を打ち切るという結末を聞かされ、自分というものが無いホムンクルスとしての出自や多くのホムンクルスを捨ててきたアインツベルンとユーブスタクハイトにも憎悪を向ける片鱗を見せた。
アインツベルンの妄執を知ってからはセラとリーゼリットにも気を許さず、当初はバーサーカーも只の道具としか見なしていなかったが、かつての母と同じく、ユーブスタクハイトによって狼と怨霊のいる吹雪の森に放り込まれ、狼に襲われたところをバーサーカーに救われてからは「世界で誰よりも一番強い」と絶対的な信頼を寄せる。
間桐慎二(まとう しんじ)
声 - 神谷浩史(幼少期 - 小市眞琴
  • 身長:167cm / 体重:57kg / イメージカラー:群青
間桐桜の兄で弓道部副部長。士郎とは同級生で、中学からの数年来の友人。一見秩序と公平を重んじる優等生であり、女生徒にも優しいので人気があるが、実際にはプライドが高く他人をすぐに見下す悪癖があり、口も悪い。士郎のことも何かと馬鹿にし、時には便利屋同然に扱うも、家に士郎を頻繁に招くなど彼なりの一本筋や友情を持っている。士郎は慎二の性格をそれなりに理解しており、交友関係が今に至るも続いているのは彼が「歪んではいても腐ってはいない」ためらしい。後輩部員をイジメで退部させるなどの問題を起こしているため、部長の美綴には悩みの種の一つである。漫画版の番外編では、士郎にこっそりと協力する形で、桜をいじめていた先代の弓道部主将を、取巻きを脅迫して懐柔するなどして追い込んでいる。
桜から偽臣の書(本の形をした仮の令呪)によってライダーへの命令権を借り受け、ライダーの仮マスターとして聖杯戦争に参加した。間桐の家は数代前に魔術師として枯れており、彼自身に魔術回路はないので、ライダーに命じて学校に結界を張らせ、無差別に生徒や教師から生命力を奪おうと画策する。偽臣の書で借りた桜の影を魔術として行使するが、威力は弱い。士郎や凛などの聖杯戦争参加者と比較すると実力や思慮深さは明らかに劣っていて、無茶な命令を令呪で強制してライダーを消滅させかけたりするほか、窮地に陥ると戦意喪失するなど、臆病な面も見受けられる。UBWルートでは、自身の脱落をライダーのせいにして、自分の非を全く認めない点を綺礼から内心呆れられ、更にセラからも小物扱いされている。もっとも、乗せやすい性格であったために綺礼からはギルガメッシュの上辺だけのマスターとして良いように扱われ、最終的には凛の代わりにイリヤの心臓を植え付けられて聖杯の器になる。その結果、「出来損ないの核による出来損ないのサーヴァント」が顕現する。
テレビアニメ第1作ではセイバールート同様にバーサーカーに殺害されたが、漫画版では生存する。
士郎と出会った頃は歪んでおらず、魔術回路を持たずとも由緒正しい魔術師の家系に生まれ、魔術に関する知識を持っていることを誇りにしており、義理の妹となった桜のことも気にかけていた。しかし、養子に来た桜こそが次期後継者だと数年前に知ってしまい、彼にない魔術素養を全て持っていたことと、彼が桜に向けていた憐みは実際は桜から向けられていたと思い込んで以降、強い劣等感や強迫観念を抱きながら歪んでいき、桜に虐待を行うようになった。
言峰綺礼(ことみね きれい)
声 - 中田譲治
  • 身長:193cm / 体重:82kg / 誕生日:12月28日 / 血液型:B型 / イメージカラー:黒
冬木の言峰教会の神父。今回の聖杯戦争の監督役を務め、神秘の隠匿や退場者の保護などを行い聖杯戦争を円滑に進める役目を持つ。聖堂教会の人間でありながら魔術師でもあり、凛の兄弟子かつ第2の師にしてその後見人である。不遜かつ余裕ぶった態度で、他人の心の傷を炙り出し、いたぶることを好む。心霊医術と八極拳の達人であり、以前は代行者[注 42] として活動していた。ゆえに代行者を象徴する概念武装、「黒鍵」と呼ばれる魔力で編まれたレイピア状の退魔の投擲剣を愛用する。近所の中華料理店「紅洲宴歳館・泰山」の激辛麻婆豆腐が好物である。
教会の思惑を受けて10年前の第四次聖杯戦争に参加しており、その最中に監督役の父から保有していた預託令呪と監督役を受け継いだ後、自らの師であり共闘関係にあった凛の父・遠坂時臣を裏切って殺害している。衛宮切嗣と最後まで争い、彼に心臓を撃たれるも、契約していたサーヴァントを通して流れ込んだ聖杯の中身を心臓代わりに蘇生した[注 43]。当時の出来事に関しては『Fate/Zero』を参照のこと。
物心ついた頃から善より悪を好み、万人が美しいと感じる事象を愛せず、万人が醜いと感じることにしか“幸福”を感じられない欠陥者であり、表に出ない部分では様々な悪行を行っている。かつては欠陥者でありながら道徳を信じ、善であることが正しいとする良識を持っていたため、常識から外れた自分を正し、人並みの幸福を得ようとひたすら苦行や試みを繰り返していたが結局どうあっても正すことはできず、主の教えに決別した時に悪しか愛せない自身を受け入れ、悪を行うことで快楽を求めながら、同時に悪である自身が生まれた理由を探すようになる。
表向きは真っ当な監督役を装っているが、前回の聖杯戦争でサーヴァントとなった[注 44] ギルガメッシュを今も現界させており、今回の聖杯戦争ではランサーのマスターは知人であり魔術協会所属の魔術師バゼット・フラガ・マクレミッツ(Fate/hollow ataraxiaを参照)と知り、魔術協会に聖杯の真実を知られるのが厄介という理由で騙し討ちによって令呪を奪い、2体のサーヴァントを使役して暗躍する。彼自身は聖杯にかけるべき願いを特に持ち合わせていないので、自分の嗜好にあった願望者が聖杯を使うことを望んでいるが、悪として生まれついた自身と「この世全ての悪(アンリマユ)」とを重ねて見ており、"Heaven's Feel"シナリオにおいては、自身や聖杯では出せない「答え」を「この世全ての悪」が出すことを願ってその誕生を見届けようとする。アーチャーとは違った方向から衛宮士郎の歪みを暴く人物である。
劇場版アニメHFの放送後には、奈須きのこは彼の歪みに「他人が堕落したり、足踏み外したりするところを見たいと思っているわけではなくて、それでしか生の実感ができない人。基本的には、正しい修行をしてまともな道徳観念や精神性を持ち合わせている聖人だが、彼の最大の傷は、世界が苦しまないと自分の実感が持てないことなんです。それに関しては、衛宮士郎も同じで。」と述べられている[18]
次回の聖杯の体現により絶命する。その状態は"Heaven's Feel"のラストで現れ、『hollow ataraxia』でどんなことをしても逃れられない絶対の事柄だと語られている。詳しくは『Fate/hollow ataraxia』を参照。
葛木宗一郎(くずき そういちろう)
声 - 中田和宏 / てらそままさき(テレビアニメ版第2作)[注 45]
  • 身長:180cm / 体重:70kg / イメージカラー:無色
士郎たちが通う学園の社会科教師。生徒会顧問。実直、寡黙な人物で生徒からの評判は悪くない。柳洞寺に居候している。
キャスターのマスター。魔術師ではなく、聖杯戦争に関係のない人間だったが、柳洞寺の前で行き倒れていたキャスターを助け、突飛な彼女の話を信じて自ら依り代を引き受け、それ以降は彼女に頼まれるままに力を貸すことになった。ただし彼は魔術回路を持たないために令呪は授かっておらず、正規のマスターというわけではない。余りに現実離れした話をする血塗れの女を助け、それを信じた上に自らマスターとなったその寡黙且つ誠実な有り様は、故郷へ帰ることを望むキャスターに「かつて得られなかった女としての幸せ」を思い出させた。
親はなく、とある暗殺集団にただ一度の暗殺だけのための凶器として育てられた。暗殺達成後は即自決するよう命じられていたがそれをせず、冬木市に流れてきたところを柳洞寺の住職に気に入られそこに居候し、暗殺のために与えられた教職という地位を利用して普通の生活を送っていた。しかし、訓練により「感動する心」はなくなっている。
特殊な軌道を描き幻惑する奇襲必殺の暗殺術・"蛇"の達人で、キャスターに魔術で拳を「強化」して神秘を付与してもらうことにより、サーヴァントであっても彼の技を初見する相手であれば互角以上に戦うことができる。ライダーのように個人の戦闘力が優れていない相手ならば殺すことも可能で、UBWルートではライダーをそれによって抹殺し、初見のセイバーすら戦闘不能にしている。ただし、あくまで通用するのは初見の相手に限られ、2度目以降は相手が達人クラスであれば容易に見切られてしまう。彼の背景や能力は、『月姫』と本作が同一世界であることを示す演出の一つである。
また、魔術回路こそ持たないが、彼の呼吸自体が魔術回路の役割を果たす特殊な呼吸法であり、外界と内界を接続して「オド(小源)」を生み出している。この呼吸法を後天的に身に付ける場合、通常ならば一生をかけて習得する必要がある。このことからも彼の生まれの特殊性が伺える。
只成り行きでマスターとなった身でありながらも、キャスターのことを真摯に案じ、故郷へ帰りたがっている彼女の心情を察すると共に、テレビアニメ第2作ではキャスターの願いや互いのあり方などについて問われたことでアーチャーに語っている。
衛宮切嗣(えみや きりつぐ)
声 - 小山力也
  • 身長:175cm / 体重:67kg / 誕生日:11月11日 / 血液型:AB型 / イメージカラー:灰色
故人。衛宮士郎の養父で、士郎は彼の雰囲気から「じいさん」と呼んでいる。大河とも親しかった。10年前に士郎を災害から救い、身寄りのない彼を養子に迎えた。その際に自分を魔法使いと名乗っている。実際に魔術師であり、士郎に魔術の知識を与えた。『Fate/Zero』で士郎を救出した際の「助ける事が出来た」と言う彼の安堵の表情は、士郎曰く「まるで救われたのは自分の方だ」というもので、その後の「正義の味方」についての士郎との会話などから、士郎に「自分が正義の味方になる」と決意させることとなる。
往時には名高い「魔術師殺し」で、機械文明を嫌う傾向のある魔術師としては珍しく、銃器を好んで自らの魔術礼装[注 46] とし、「固有時制御(タイムアルター)」という自らの肉体に流れる時間の速さを外界のそれと切り離して制御する特殊な魔術を駆使した殺し屋であり、己の正義のためには手段を選ばない「反英雄」的存在だった。
士郎は知らなかったが、10年前の聖杯戦争に参加した魔術師の一人である。アインツベルンに雇われる形でマスターとなり、セイバーのサーヴァントとしてアルトリアを召喚した。最終的に勝者となったが、聖杯の危険性に気付き、セイバーに令呪で命じて強制的に聖杯を破壊させた。セイバー召喚の際に使用した「全て遠き理想郷(アヴァロン)」を、火事で瀕死の重傷を負った士郎を救うために彼の体内へ埋め込んでいる。聖杯から溢れた泥を直接身に浴びたことで「この世全ての悪(アンリマユ)」に肉体を蝕まれ、5年後(本作開始の5年前)に士郎に看取られながら他界する。詳細と活躍については『Fate/Zero』を参照。
元々一般人である士郎に魔術を受け継がせる気などなく、せがまれて仕方なく教えたが「いつでも辞めていい」と言うなど、本気では指導していない。また、士郎の魔術自体もいびつで彼には把握できず、単純にセオリーに基づいただけの投影を無駄と評し、強化の魔術を習得する方を勧めた。ある程度の期間魔術を教えたにもかかわらず、一番の基本かつ肝心な部分で命の危険を伴う魔術回路については造ることしか教えていないのがなぜなのかは、本編では語られていないが、士郎に魔術を教えると決める前に大河と剣道をたとえ話にして問答したことがあり、その際大河から「わざと出鱈目を教えて、役に立たないから辞めたいと思うように仕向ける。それでも気づかずに続けるならその態度は立派で、その努力は最終的に剣道とは違う道に昇華するだろう」とアドバイスされており、その一環としてなのかもしれないとされている[19]。ほかにも、武術の真似事などを教えている。
遠坂時臣(とおさか ときおみ)
声 - 辻谷耕史(テレビアニメ第1作)[注 47]
  • 身長:177cm / 体重:68kg / 誕生日:6月16日 / 血液型:O型 / イメージカラー:深紅
故人。遠坂凛の父。前回の聖杯戦争で凛に家のことを任せて戦いへ赴き、そのまま帰らぬ人となった。凛はもちろん、言峰綺礼にとっても魔術の師匠である。凛の召喚の不備の原因である家中の時計が1時間早まってしまった現象は時臣の仕業で、「この程度の身近な狂いに気が付かないようなら聖杯戦争に参加するのはまだ早い」という趣向らしい。
10年前の聖杯戦争における本来のアーチャー(ギルガメッシュ)のマスターであり、実は弟子であった綺礼の騙し討ちに遭って殺害された。詳細と活躍については『Fate/Zero』を参照。
間桐臓硯(まとう ぞうけん)
声 - 津嘉山正種(青年期 - 立花慎之介
  • 身長:145cm / 体重:43kg / イメージカラー:群青
"Heaven's Feel"シナリオのみ姿を現す、慎二・桜兄妹の祖父にして間桐家の当主。本名はマキリ・ゾォルケン。キエフ公国(現在のウクライナ)出身。500年の時を生き、現在まで永らえてきたマキリ初代当主である。日本に根を下ろして以来、表の姓として名前のマキリを日本語に置き換えて間桐として名乗るようになる。
蟲を操る大妖術師(本来は、植物系の魔術と呪詛を扱う[20])で、元の肉体はとうに捨てており、仮初の不死を実現するため、人の肉を喰らわせた蟲たちで自分の体を形成している。本体である魂を宿らせた蟲を桜の心臓に寄生させているために、例え胴体を真っ二つにされても肉さえ確保できれば再生できる怪物であり、言峰からもその点を「妖怪」と称される。蟲による陵辱によって桜の肉体を作り替え、さらには聖杯に仕立て上げた張本人である。
冬木聖杯戦争を創始した当事者の一人で、英霊を使い魔にするサーヴァントシステムや令呪の考案者でもあった。元々はこの世の悪を根絶するために第三魔法を再現しようとし、魂の物質化による真の不老不死を求めた。しかし永い時の中で魂は劣化し、想いは腐敗して、ただの外道にして前述のような化け物に成り果ててしまう。好々爺めいた言動もほとんど表面だけで、血縁者含む他人の命を平然と自身の目的のために利用する悪辣な男である。同じ魔術師でもある士郎と凛にも嫌悪感を持たれ、さらに後述にある英霊への冒涜がセイバーの怒りを買うと共に、過去の経験に基づいたアーチャーも「妖物」と称して念入りに息の根を止めようとしている。
彼自身は今回の聖杯戦争は見送り、桜の子か孫の代で黒聖杯を完成させ、次回で勝負する考えであったが故に傍観者に徹し、"Heaven's Feel"シナリオ以外では表に出ることがないが、このシナリオでは黒聖杯の完成の兆しが現れたために好機とし、自らアサシンのサーヴァントを召喚して使役・暗躍する。このアサシンは上述の真アサシン(ハサン・サッバーハ)であるが、既にキャスターによって召喚された山門のアサシンを媒介とした、ルール違反にルール違反を重ねた非正規の召喚であるため、令呪は備わっていない。他にもサーヴァントシステムの考案者というだけあり、セイバーに倒されたキャスターの亡骸を能力をそのままにして利用するなどシステムの応用の技術は随一である。桜の命(心臓)を自分が握っているという自信から、彼女を利用して力を得ようと企む。
言峰とも因縁があり、『Fate/Zero』でそれが描写されている。出会った当時の言峰には頭を黒鍵で吹き飛ばされているが、前述した通り身体が蟲で構成されているために効果はない。
「FGO」によれば、間桐(ゾォルケン)家は、三千年以上続く冠位指定(グランドオーダー)の家系でソロモン王の子孫でもある。彼の知人は、パラケルススレオナルド・ダ・ヴィンチであり、またゼルレッチとは祖先が彼の師匠という関係から縁を持っている。
アトラム・ガリアスタ
声 - 福島潤
キャスターの召喚者にして、最初のマスター。年齢30代ほどの男性。生前の夫であるイアソンに似ているという容姿と人格がキャスターから嫌悪され、加えてキャスターの魔術師としての技量への劣等感から彼女と対立し、結果としてキャスターに殺害された。本編ではわずかに語られるのみだが、テレビアニメ第2作において初めて名前と、以下のキャラクター像が設定された。
魔術協会から派遣された魔術師。生贄を用いて魔力を生成するという魔術を得意とする金髪に褐色肌の中東系の青年で、かなりの資産家でもあり、魔術に文明機器を利用する。冬木においては高層ビルに工房を築き、常に多数の女魔術師を愛人としてそばに置いて、外部から持ち込んだ数十体の生贄用の少女と、複数の助手を率いて参戦した。自らの魔力結晶生成術に自信を持っており、それに裏打ちされたやや尊大な性格をしている。しかし太古の魔術を操るキャスターはそれを更に効率的な形で軽々とこなしてしまい、その劣等感からキャスターを切り捨てて新規にサーヴァントと契約し直そうと画策するが、キャスターには既に愛想をつかされており、あらかじめ宝具によって契約を断たれて令呪を無効化され、自らの工房で焼殺された。自らもキャスターを裏切ったにも拘わらず、死の間際に彼女を「裏切りの魔女」と蔑むなど、最期まで典型的な魔術師であった。
メディアの逸話を「恋敵を城ごと焼き殺した」と読んでいた。またキャスターには竜を召喚する宝具を期待していたが、彼女自身にはそういった逸話も竜の召喚と制御の知識も無いために「外れサーヴァント」と罵倒していた。『Fate/Zero』で聖杯戦争に「遊び半分で参加した」ケイネスと比較して自らを「真剣に勝ちに行く」と称していたが、協会で新参者である自らの家に箔を付けるという彼自身も動機の根本的な部分が同じであった。キャスターに竜召喚を期待していた件以外にもマナの生成で「ほかのマスターを圧倒する準備がある」と確信していたが、それ故にキャスターからは「始める前から結果を出そうとした」と死の間際に侮蔑された。
本作に繋がる世界軸の物語である『ロード・エルメロイII世の事件簿』にも登場し、作中人物に感心されるほどには魔術による戦闘力の良さが描かれており、ロード・エルメロイII世が参加を希望し、のちに辞退した第5次聖杯戦争の魔術協会からの参加枠を争っている。

一般人

藤村大河(ふじむら たいが)
声 - 伊藤美紀
  • 身長:168cm / 体重:53kg / スリーサイズ:不明 / イメージカラー:虎
士郎達が通う学園の英語教師で、弓道部顧問と士郎のクラスの担任も兼任する25歳の女性。士郎からは「藤ねえ」と呼ばれている。祖父・藤村雷画(ふじむら らいが)は「藤村組」という極道を仕切る、街の有力者。その祖父に衛宮家と古くからの縁があり、士郎の養子縁組や遺産相続も取り仕切った関係であることから、士郎とはプライベートでは幼馴染・姉貴分という間柄で、一人暮らしする士郎をいつも気遣っている。士郎を取られまいとセイバーに竹刀で挑み、当然のように返り討ちに遭った際には大げさに落ち込んだほどである。士郎も、彼女をかけがえのない家族と認めている[注 48]
衛宮親子とは10年前に屋敷を藤村組から購入した縁で知り合い、切嗣に一目惚れした。その後、道場もあるからと頻繁に通い、当時泣き虫だった士郎を良く思わず、切嗣を取り合っては対立していたが、後に和解して現在は保護者と称し、士郎や桜の作る料理を目当てに衛宮家に入り浸っている。若くして剣道五段という相当な腕前で「冬木の虎」の異名を持ち、学校でのあだ名は「タイガー」。本人は下の名前で呼ばれる事を嫌い、このあだ名で呼ばれると激怒する。[15]その一方で、虎のストラップを愛用の「虎竹刀」に付けていたりする。虎は「深く憎み、そして深く愛している」存在であり、その定義は「ヒゲが生えていること」らしい。
バッドエンド後のお助けコーナー「タイガー道場」の主としても登場するギャグ担当(自身こそ真の正統派ヒロインだと主張している)。本編でもシリアスな展開に絡むことはほとんどない。
公式設定では女性キャラで唯一スリーサイズの数値は不明。ルートやシナリオは存在していないが、公式サイトの人気投票の作者コメントでは彼女のルートがあるとすれば、「士郎、結婚しよー」、「いいよー」のやり取りで済んでしまうとされている。
美綴綾子(みつづり あやこ)
声 - 水沢史絵
  • 身長:162cm / 体重:50kg / スリーサイズ:B83/W58/H83 / イメージカラー:オレンジ
士郎達の同級生で弓道部主将。サバサバした性格の美少女で、薙刀をはじめとして数々の武道の達人。「美人は武道をしていなければならない」が信条。遠坂凛の数少ない友達(「殺すか殺さないかの関係」らしい)であり、士郎の友人でもある。ストーリー開始以前から主要登場人物全員と付き合いがあった珍しい人物。衛宮士郎や遠坂凛とは悪友同士で、間桐桜にとっては頼りになる先輩である。弓道部を辞めた士郎を部に戻そうと声をかけている。男勝りと思われがちな姉御肌でもあり、[15]副部長である慎二の後輩イジメを苦々しく思っている。
ルート次第では慎二の策略でライダーに吸血目的で襲われ、病院送りとなってしまう。
柳洞一成(りゅうどう いっせい)
声 - 真殿光昭
  • 身長:170cm / 体重:58kg / イメージカラー:オレンジ
士郎達の同級生で生徒会長。士郎の友人でもある。実直で真面目な好青年。また、柳洞寺の跡取息子でもある。遠坂凛の本質を見抜くなど鋭い洞察力を持ち、彼女と衛宮士郎が仲良くなることを警戒している。[15]独特の言葉遣いを持つ個性的なキャラクター。
柳洞寺に拠点を置くキャスターによって、住人は自分のことを探る人間を殺すように魔術をかけられている。その一人である一成も、士郎がキャスターのことを問いただした際にスイッチが入り、彼を殺害している。
氷室鐘(ひむろ かね)
声 - 中川里江
  • 身長:157cm / 体重:48kg / スリーサイズ:B84/W56/H85 / イメージカラー:鼠色
遠坂凛のクラスメート。冷静沈着な性格でメガネ美人。陸上部に所属している(専門は走り高跳び)が、本人は絵画が趣味。
蒔寺楓(まきでら かえで)
声 - 結下みちる
  • 身長:163cm / 体重:49kg / スリーサイズ:B72/W56/H78 / イメージカラー:褐色
凛のクラスメート。褐色肌で和服の似合う日本美人。凛とはいわゆる悪友で、凛が地を出しているのは美綴と蒔寺くらいらしい。大雑把な性格だが、趣味は風鈴集めと至って和風趣味。よく凛と骨董めぐりなどをしているらしい。
三枝由紀香(さえぐさ ゆきか)
声 - 中尾衣里
  • 身長:155cm / 体重:39kg / スリーサイズ:B75/W57/H78 / イメージカラー:赤茶色
凛のクラスメート。いつも友人の蒔寺楓や氷室鐘と一緒に行動している。凛に憧れに近い感情を持っており、手作りの弁当を引っさげて一緒に昼食をとろうと誘っているが、その天然で和やかな性格から、猫を被っている凛には警戒されている。本来は料理が好きだったのだが、蒔寺に誘われて陸上部のマネージャーをやっている。本人は至って運動音痴。
後藤劾以(ごとう がい)
声 - 葛城政典(テレビアニメ第1作) / 市来光弘(テレビアニメ第2作)
士郎のクラスメート。テレビの影響を受けやすく、最近は時代劇にはまっているために侍口調で話している。ややお調子者の一面を持ち合わせており、担任の藤村大河に「タイガー」と呼んで叱られたりしている。テレビアニメ第1作では『Fate/hollow ataraxia』で公開された設定画を基に設定されていたが、テレビアニメ第2作では変更され新規デザインになっている。
蛍塚音子(ほたるづか おとこ)
声 - 野田順子[注 49]
士郎のバイト先である新都の居酒屋コペンハーゲンの一人娘。士郎のことは「エミヤん」と呼んでおり、大河とも高校生の時からの付き合いだが、士郎は長くそうだとは知らなかった。
藤村雷画(ふじむら らいが)
大河の祖父。深山町一帯に顔を利かせる富豪の長。切嗣とは衛宮邸を購入した時からの付き合いで、養父を失った士郎の後見人としてしばしば面倒を見ていたらしい。邸宅には複数の強面の男たちがいる。
"Fate"ルートで最終的にイリヤを引き取り、イリヤを猫かわいがりしているらしい。
魃(ばつ)
マウント深山商店街の中華飯店・泰山の女性店長。非常に小柄な体格の中国人。口癖は「- アル」。非常に辛い麻婆豆腐を出す。

その他の登場人物

リーゼリット(Leysritt
声 - 宮川美保
  • 身長:162cm / 体重:52kg / スリーサイズ:B92/W58/H84 / イメージカラー:白(黒)
イリヤの世話係。アインツベルン製のホムンクルス。通称・リズ。少々ぎこちなく片言でしか話さない特徴があるが[15]、どこか無邪気な性格をしている。聖杯戦争に当たってはイリヤやバーサーカー、セラとともに来日し、アインツベルン城で暮らしている。イリヤに対しては友達のような接し方をしているが、イリヤは別に気にしてはいないようである。
セラと違い、アインツベルンに伝わる魔術兵装「天のドレス」をイリヤに着せるためのホムンクルスである。
セラ(Sella
声 - 七緒はるひ
  • 身長:163cm / 体重:49kg / スリーサイズ:B75・W58・H79 / イメージカラー:白(黒)
イリヤの教育係。アインツベルン製のホムンクルス。生真面目な性格で表情を崩すことはない。誰に対しても丁寧に接する[15]。イリヤが淑女であらんと努めており、ややくだけた感じのリズに関してはいつも小言を言っている。一方で甘いもの(特に安物)が好きで、リズに深山町まで買いに行かせたりしている。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト(Luviagelita Edelfelt
声 - 田村ゆかり(Réalta Nua) / 伊藤静(テレビアニメ第2作)
  • 身長:160cm / 体重:49kg
"Heaven's Feel"のエピローグにのみ登場する。後にロンドンに渡った遠坂凛の時計塔でのライバルにして、士郎がアルバイトで執事を務めることになるフィンランド出身の名門魔術師。お嬢様口調で強気な性格。士郎のことを「シェロ」と呼び好意を持っている。結局は凛と似通った性格だったために、事あるごとに凛と衝突しており、大乱闘に発展したこともある。
テレビアニメ第2作ではエピローグで登場し、士郎との出会いはお互い道に迷っていた時だということが判明した。また凛とは、2008年のエイプリルフールネタを彷彿とさせる格闘技戦を繰り広げた。
ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン(Justeaze Lizrich von Einzbern
声 - 大原さやか(劇場版『Heaven's Feel』)
200年前、遠坂・マキリと協力して第三魔法の成就を達成させようと聖杯降霊を行ったアインツベルンの当主。通称・冬の聖女。元々は、9世紀末に第三魔法を実現した魔法使いの弟子によって作られたホムンクルス。
第三魔法を再現するために製造され、魔法使いと同等か、それを上回る性能を持っている。しかし、製造した弟子の魔術師達の技術や努力とは関係のない全くの偶然で生まれたモデルだったため、魔術師達は今度こそまぐれでない再現を目指して人工知能搭載型ゴーレム「ユーブスタクハイト」にユスティーツァモデルを量産させるが、それが成功する前に彼女は第三魔法を証明してしまう。
自らの限界を認めた魔術師達が城を去ってから500年後にアインツベルンはユスティーツァモデルを再製造できないことを認めた。代わりに彼女の第三魔法を量産する計画として大聖杯が企画され、これにユーブスタクハイトを除く全員が賛同する[22]。柳洞寺地下に置かれる大聖杯の基礎となった魔術回路はユスティーツァ自身であり、アインツベルンは第四次聖杯戦争以降、ユスティーツァと同型のホムンクルスを聖杯として冬木に送り込んだ。
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ(Kischur Zelretch Schweinorg
声 - 沢木郁也(劇場版『Heaven's Feel』)
西暦以前から活動している最古の魔術師の一人であり、ソロモン王の弟子の一人。時計塔の創設者の一人。魔導元帥。万華鏡(カレイドスコープ)の二つ名を持ち、宝石のゼルレッチとも呼ばれる5人の魔法使いのうちの一人で第二魔法「平行世界の運営」の使い手。また、遠坂永人の師匠であった関係から、その系統を受け継ぐ凛からは大師父と呼ばれている。ただし師匠と言っても、単に旅先で出会って宿代の代わりに魔術の筋を見た程度で、指導まではしていない。また凡人だが善人だから悪用しないし、ましてや絶対に作れないが目標として宝石剣の設計図を託している。200年前のアインツベルン・遠坂・マキリによる聖杯降霊の儀式にも立ち会っている。とあるルートでは聖杯戦争後の騒動に沸き立つ魔術協会に現れる。
死徒二十七祖の一角であったり、吸血種の王“朱い月”に喧嘩を売り滅ぼしたり、メインヒロインの爺やであるなど『月姫』と関わりが深い人物。弟子はほぼ確実に廃人になると言われているが、あくまで魔法使いであって魔術に関しては問題なく指導できる。
遠坂永人(とおさか ながと)
声 - 上田燿司(劇場版『Heaven's Feel』)
200年前、アインツベルン・マキリと協力して聖杯降霊を図った遠坂家当主。ゼルレッチの弟子の家系であり、聖堂協会にもある程度顔がきく。自身は武術の粋である無の境地を利用して根源への到達を考えていた。そのためか魔術の才能は娘に劣っていたらしい。
ディーロ
第五次聖杯戦争終了後、死亡した言峰綺礼の後任として暫定的に聖堂教会から派遣されてきた司教。温厚な性格の中高年の男性らしい。聖杯戦争後の混乱の収集などに従事した。
クラウディア
声 - 茅野愛衣(劇場版『Heaven's Feel』)
"Heaven's Feel"の回想にのみ登場する言峰綺礼の亡妻。『Fate/hollow ataraxia』に登場するカレン・オルテンシアの母でもある。
アルビノで免疫機能が欠如した女性で、15年前に言峰は異端審問のおりに彼女を娶ったため、神学校を自己退職し、正式な司祭職への道を断念する、言峰とは結婚生活2年目にして死別した。『Fate/Zero』では言峰の本性に気付かないままの病死であったが、『stay night』ではその内面の歪みを理解した上で、他人の苦しみで喜ぶ男ではないと考え、彼にも"人を愛せる心を持つ人"が存在することを証明する目的で自殺に至った。結局、言峰は彼女の死に意味を感じることこそできなかったものの、無価値なものにはしたくないという感情を抱かせ、自身の自害を思い止まらせた。
娘のカレンは彼女の“病魔に憑かれやすい”という在り方から受け継がれている、母方の姓を名乗っているため、旧姓はオルテンシアと思われる。
ロード・エルメロイII世
声 - 浪川大輔
魔術教会に所属する魔術師にして、時計塔の講師。魔術師として優れているわけではないが、指導者としては屈指の実力者で様々な異名を持つ。時計塔時代の遠坂凛の後見人であり、後に共に大聖杯を解体することになる。本名はウェイバー・ベルベットで、かつて第四次聖杯戦争に参加したマスターであり、現状冬木の聖杯戦争に参戦したことのあるマスターのなかで、健康体を保って生存している唯一の人物である。詳細と活躍については『Fate/Zero』を参照。
初登場は外伝・関連作品であり、本編においてはテレビアニメ第2作のエピローグにて初めて登場した[注 50]。同じく聖杯戦争を生き残った衛宮士郎とすれ違った際に「何のために時計塔へ来たのか?」と訪ね、士郎の「正義の味方になるため」の答えを馬鹿にせず納得する。

セイバーにまつわる人物

マーリンMerlin
声 - 小林勝也(テレビアニメ第1作) / 櫻井孝宏(Garden of Avalon[23]
ウェールズ王妃と夢魔との間に生まれた、混血の魔術師。アーサー王(セイバー)の時代において類稀な預言者として王宮の顧問役を務めており、ウーサー王と結託してアルトリアを生み出した。幼いアルトリアの未来を予見し、アルトリアが王の選定の剣カリバーンを引き抜こうとする時に警告を与えた。
セイバーはその飄々とした性格を苦手にしていたが、実際のところは神秘側の存在であるがため、表面こそ人間のようでありながら内面ではそれらしい感情に欠けている。キャスパリーグという使い魔を持っているほか、最高位の魔術師である証の「千里眼」によってあらゆる現在を見通すことができる。
「Réalta Nua」でのラストエピソードにも登場し、聖杯戦争を終えて元の時間軸へ帰還したセイバーと邂逅する様子が描かれる。
小説「Garden of Avalon」では語り手として登場。神秘の途絶えたブリテン島において、現代より未来永劫もアヴァロンに幽閉される生活を送っていることが明かされた。
Fate/Grand Order』においても登場。こちらでは主人公たちの協力者として、異例なまでの本格的な干渉に踏み切っている。
モードレッドMordred
声 - 桑島法子(テレビアニメ第1作) / 沢城みゆき(Garden of Avalon[23]
Fateルートでのみ男性として言及。アーサー王(セイバー)の子。円卓の騎士の一人。兜で素顔を隠しており、セイバーが自身に王位を譲らなかったことなどを理由に叛旗を翻す。セイバーに討たれるも、彼女の死の遠因を作った。
テレビアニメ第1作が初出でこの時点での表記は「モードレット」。TYPE-MOONによる同人誌『Character material』内の解説によれば、その正体はモードレッドの母「モルガン」(セイバーの姉)がセイバーから作ったクローン(ホムンクルス)で、その出生はセイバーを擬似的に男性に変え、魔術で幻惑して採取した精子を自らの子宮で育てた。そのため、セイバーの子供というのはあながち間違いではない。ホムンクルスであるために成長速度が人間より早く、短命であった。王位を狙うために父親のことを隠してセイバーの下へ送るも、彼女への憧れにより反逆心を抱こうとせず、真っ当な騎士を目指す。その態度に業を煮やしたモルガンは、セイバーとの不貞の子であることを暴露する。それでも父親がセイバーだという事実に歓喜してセイバーに詰め寄るが、彼女に拒絶されたため、その愛情は憎悪へと変わり叛旗を翻すことになる。ただし、最後まで本心では息子と呼んでほしかったことに変わりはなかった。素顔を隠すのはモルガンの言いつけであり、その素顔はセイバーとうり二つであるが、髪の毛の色は灰色がかった特殊な色合いをしている。
関連作品である『Fate/Apocrypha』に登場しており、Fateルート本編では「男」と表記されていたが、この作品からは女性という設定になっている(詳細は当該項参照)。『Garden of Avalon』からは『Apocrypha』に合わせた設定で登場している。
ベディヴィエールBedivere
声 - 能登麻美子(テレビアニメ第1作) / 宮野真守(Garden of Avalon[23]
アーサー王の忠臣である美青年。円卓の騎士の一人。王の命で、彼女に代わってエクスカリバーを湖の精に返還し、彼女の最期を看取った。また、最後まで王が女性とは知らないままだった。
『Fate/Grand Order』においては、セイバーのサーヴァントとして登場。
ケイ
声 - 小野大輔[23]
円卓の騎士の一人。騎士エクターの子であり、エクターの養子であったアルトリアは義妹に相当した。寝食を共にしていたため、父とともにアルトリアの性別を知る唯一の円卓の騎士であり、アルトリアは当初、彼の騎士見習いという立場であるとともに、最古参の騎士の一人でもあった。騎士としての実力はアルトリアなどに及ばなかったが、巧みな弁舌と政務能力で王を補佐し、カムランの丘の戦いまで王に従い続けた。性格は現実主義かつひねくれ者で、口論ではアルトリアが敗北を認めている。
『Fate/hollow ataraxia』でセイバーの口から初めて語られ、小説「Garden of Avalon」で本格的に登場。
ガウェイン
声 - 水島大宙[23]
円卓の騎士の一人。「太陽の騎士」の異名を持ち、エクスカリバーと対になる聖剣「ガラティーン」を所持する。アルトリアに対する心服は深く、同行したヴォーティガーンとの決戦の際には、その実力を改めて実感させられる。
サーヴァント・セイバーとしてのガウェインは「Fate/EXTRA」を参照。
ランスロット
声 - 置鮎龍太郎[23]
円卓の騎士の一人。元はフランスの領主であったが、アーサー王の噂を聞きつけてブリテンに渡る。眼前でその威容と邂逅してからは客将としてブリテンに留まり、円卓に加盟した後は最優の騎士と呼ばれるほどの高い評価を得た。円卓に不穏な空気が流れ始めると、ギネヴィアとともに王をいたわるが、後に情を通じてしまったことが露見して円卓を追われることになる。外様ゆえにブリテンの騎士たちの個人より国を優先する感情に違和を抱いているほか、アルトリアの気高すぎる理想に人ならざるものを感じていた。
『Fate/Zero』ではバーサーカーのサーヴァントとして、『Fate/Grand Order』ではセイバーのサーヴァントとして登場している。バーサーカーとしてのランスロットは「Fate/Zero」を参照。
エクター
声 - 屋良有作
ケイの父親にして、アルトリアの養父。円卓の騎士の一人であるエクター・ド・マリスとは同名の別人。マーリンによって5歳のアルトリアを預けられ、ケイの弟分の見習い騎士として厳しく指導した。騎士の理想の姿をアルトリアに教育しており、彼女の持つ国の理想像を育んだ。
トリスタン
円卓の騎士の一人。大陸の王侯・リヴァラン王の息子にして、アルトリアからの信認厚い騎士の一人。「悲しみの子」の異名を持つ。美貌で知られて女癖が悪いが、アルトリアからは「感性が人より詩的にすぎるため」と解釈されている。円卓一の弓の名手だが、使う弓は特殊な物であるらしい。「王は人の気持ちが分からない」と言って円卓を去った騎士でもある。
『Fate/Grand Order』においてアーチャーのサーヴァントとして登場。弓で打ち出すのが矢ではなく音の刃と判明した。
アグラヴェイン
円卓の騎士の一人。アルトリアの姉であるモルガンの子で、アルトリアの甥にあたる。「傷知らずのアグラヴェイン」との異名を持つ。寡黙な性格でマーリンからは「陰気で亡霊みたい」と称される。感情を表に出さない冷徹な性格はほかの騎士から多少疎まれているが、自身に不純な点がないために一目を置かれている。実はモルガンの影響力を濃く受けており、その刺客として、ランスロットの不義をモードレッドとともに暴き出した。
モルガン
ウーサー王の娘にして、アルトリアの姉。アルトリアがウーサーとマーリンによって人工的に神秘を受けつぐ者として生み出されたのに対し、モルガンは生まれた時から神秘を色濃く残していた。そのため、王位を運命づけられたアルトリアを恨み、息子のアグラヴェインをランスロットへの刺客として送り出したり、魔術を用いてアルトリアと自分の子であるモードレッドを産むなど、アーサーの王国に対して敵対行動をとり続けた。アーサー王の守護妖精・ヴィヴィアンと対極になる存在とされるが、モルガンも本来は王を守護する妖精の一人であるらしい。
ギネヴィア
アーサー王の妻。アルトリアが選定の剣を抜いた時から恋い慕っており、10年後に晴れて結婚することになったが、結婚後にアルトリアから性別の秘密を打ち明けられてしまう。そのことに苦しみながらもアルトリアに同情した上、国のために不可欠な処置であったと理解していたため、アルトリアに従順な姿勢を貫いた。だが、知らず堆積していた苦悩を理解したランスロットに惹かれ、国を揺るがすスキャンダルに発展させてしまうことになる。処刑寸前のところでランスロットに救出され、一度はフランスに渡るが、ランスロットとブリテンの間に和議が結ばれた際にキャメロットへ帰還した。
ウーサー・ペンドラゴン
アルトリアの父にして、ブリテン王の一人。神秘がかすかに残るブリテンにおけるその末裔。神秘の断絶を危惧するマーリンと結託し、竜の因子を用いて神秘の化身たるアルトリアを生み出した。神秘の終焉を図るヴォーティガーンと対立するが、及ばずに敗死した。
ヴォーティガーン
声 - 小山剛志
「卑王」の異名を持つ、ブリテンの王の一人。戦乱のブリテンに、大陸から流入してきたサクソン人を招き入れて統一を目指し、さらなる混乱を生み出した。城塞都市・ロンディニウムを制圧し、拠点都市やウーサー王をはじめとするブリテン諸侯と激しく敵対した。ブリテンにまだ辛うじて残っている神秘の時代の終わりを予見し、人間の時代の到来を受け入れようとしていた人物であったが、台頭するアーサー王との決戦に敗れて滅び去った。その実力はウーサー王を滅ぼし、ガウェインですら戦慄させるほどのものであった。

注釈

  1. ^ a b 2015年5月号にプレ連載。
  2. ^ 公式サイト等での表記は『フェイト/エクストラ』[8]
  3. ^ PC用アドベンチャーゲームの標準的なテキスト量は2MBだが、本作のテキスト量は4.3MBとなっている[9]
  4. ^ このエンディング後のタイガー道場ではトゥルーエンドだと冗談を言われる。
  5. ^ 大河が誘拐中はコーナーがお休みになる、凛の頭が吹き飛んだ時は「RIN」が飛頭蛮状態で登場するなど。
  6. ^ Type-Moon作品の多くが共有する世界観において、魔術によって引き起こされる現象は科学技術などのほかの方法を用いても再現しうるのに対し、魔法とは、その時代の技術レベルにおいて、どれほどの費用や労力を注ぎ込んでも達成不可能な本物の奇跡を実現する神秘であり、第一から第五までの5つが存在するのみである。それを扱える魔法使いは世界に現在4人しかいない。
  7. ^ アヴェンジャー(復讐者)」のように、上記以外のエキストラクラスが用いられた時もある。
  8. ^ 火災が終息した時点で、教会の地下室に拉致された子供たちの生存者がいる。
  9. ^ UBWルートでのデート中の台詞による。
  10. ^ 師である切嗣からは「なんて無駄な才能だ」と呆れられており、物事の核である中心を即座に読み取り、誰よりも速く変化させることに重点を置いた魔術師の戦いでは、物の構造を視覚で捉えている時点で無駄が多いとのこと。
  11. ^ セイバーと契約するまで、毎晩毎晩失敗続きの「強化」の練習の片手間に、気分転換として「投影」を行っていた。これはほかの魔術師なら考えられないことである。
  12. ^ 本来なら「投影」された物体はもともと世界に存在しない異物であるため、世界からの修正によりすぐに消滅してしまう。
  13. ^ 切嗣が士郎に「投影」ではなく「強化」を修得するよう勧めたのは、「強化」であれば器に通常の物体をそのまま利用するため、より無駄がないという理由による。「魔術師」として神秘を極めるのならより高度な「投影」を修得するべきところ、「魔術使い」を目指す生き方に「投影」は役立たないと判断したのである。
  14. ^ 初回特典集では「アーチャーが詠唱を守るため投影した」と書かれているが、『Fate/complete material III』では細かく述べられており、「天地乖離す開闢の星」から守ったのがアーチャーの仕業。これにより固有結界に記録されて投影が可能となり、士郎が詠唱中に投影した。また、「丘から盾を引きずり上げる」という描写は悟りを開けたからこその表現だとされる。
  15. ^ 無契約の場合は後者のセイバーがじかに接触するのみでしか回復は発動しない。回復の行程は回りくどく、まず筋肉を刀身に変換し、そこから穴が開いた部分を剣で縫い付けてから元に変換し直すというもので、本編中でも何度か傷口から剣が見えたという描写がある。剣としての強度があるため、ライダーの鉄杭が貫き通せなかった。また「約束された勝利の剣」で受けた傷は回復しない。
  16. ^ 通常、人体に霊体をつなげるとショック死は避けられない。そもそも、魂の蘇生・復元は魔術では扱えない神秘であり、異なる霊体同士の接続自体が禁呪である。それでも移植に成功したのは、後述の出自等の関係で士郎とアーチャーの霊的相性が非常に良かったため。
  17. ^ ただし、完全に使用できるわけではない。例えば固有結界「無限の剣製」は士郎とアーチャーの心象世界が異なるため継承できず、投影できるのは士郎が直接学んだものか、アーチャーが記録した宝具のみという制約がある。
  18. ^ 作中では「時限爆弾にスイッチが入る」と例えられている。
  19. ^ セイバーの身体を魔力で強化するスキルで、甲冑もそのスキルで纏った物でもあることから、彼女が甲冑を消すのは身体の強化だけに集中するためである。また、自身以外の対象も可能。
  20. ^ 本人によると「魔力の供給不足を補うため」だが、作中で士郎に疑問視されている。
  21. ^ 四次や五次では3体分に相当するギルガメッシュが存在するため、彼をくべることを絶対条件として儀式を成功させることはできる。
  22. ^ 本質は有名な聖剣を隠すものだが汎用性が高く、剣ではない対象も可能(広範囲の物でも可能)で不可視だけではなく風の防御壁を張ることもできる。また、纏わせた風を解放することで暴風として撃ち出す「風王鉄槌(ストライク・エア)」がある。使い方次第でロケットのように推進力としても使えるが、再び風を纏わせるには多少時間を要するために連発はできない。宝具扱いだが正しくは魔術であり、マーリンが施したとされる。
  23. ^ 精霊の加護に依り、水海を沈むこともなく足を付けることも可能。また、「Fate/side side matriale 3」のBLACKの漫画では瞬時に髪を結わえるのは髪結の精霊キューティクルとメデュラの加護に依るものと解説され、ほかに糧と仕立ての精霊もいるとも述べている。
  24. ^ 作中では名前が明かされていないが、初回特典のデザイン画にセイバー・オルタナティブと書かれており、外伝作品(『Fate/unlimited codes』など)および関連商品で正式に「セイバーオルタ」、または「セイバー・オルタナティブ」の名称がつけられた。
  25. ^ Fate/unlimited codes』での表記が初出。この時は表記のみでボイスは「エクスカリバー」であったが、『Fate/Grand Order』ではボイスも「モルガン」となっている。『劇場版Fate/stay night [Heaven’s Feel]』の公開を記念した『パズル&ドラゴンズ』内での当作品とのコラボでは、ゲーム内に実装されたセイバーの繰り出す武器(宝具)の名前として、通常セイバーでは「エクスカリバー」、オルタでは「エクスカリバー・モルガン」と区別がされている。
  26. ^ 当初の発表では2月4日だったが、後に訂正された。
  27. ^ この性分は父・時臣が死んだことで彼の魔術師としての冷酷な本性を知らなかったが故に形作られたものであり、もし時臣が生存していた場合は影響を受け、魔術そのものを忌避するか父同様の冷酷な魔術師となるかのどちらかだったとのこと。
  28. ^ UBWルートでの発言による。
  29. ^ 実際には袖と胸部を覆ったトップと腹部を飛ばしてボトムが別れているセパレートタイプのため外套には相当しないが、原作者は「『腰布をはためかせて』と描いても様にならない」などとして「外套」と表現している。
  30. ^ シナリオ原作者はこの聖人について『月姫』のシエルと示唆するコメントを述べている。
  31. ^ 材質や形状などの物理的な特性ではなく、儀式や積み重ねた歴史、語り継がれる伝承などにより付与された概念、すなわち魂魄の重みに依って特定の能力を発揮する強力な武装のこと。物理的な効果にとどまらず、空間や節理、対象の意味などにまで影響を及ぼすことができる。なお、宝具もその成り立ちから一種の概念武装であるということができ、例えば「熾天覆う七つの円環」は宝具の域にまで昇華した概念武装である。
  32. ^ PC版・アニメ第2作では声優は起用されず、サウンドエフェクトが使用されている。アニメ第1作と『Réalta Nua』では西前が起用され、咆哮と台詞を担当している。劇場版『Heaven's Feel』では咆哮はサウンドエフェクトが使用されているが、一部の台詞でのみ西前が起用されている。
  33. ^ "Heaven's Feel"ルートでは聖杯の泥により黒化してしまうが、それでもイリヤを護る意志が消えていないことが説明されている。
  34. ^ 作中で、一撃の下に5回殺した「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」のランクは不明だが、A++(「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」)より低く、かつAランク以上(「十二の試練」に通用)である。また、その特性上全ての宝具の原点を持つギルガメッシュと、強力な宝具を投影するアーチャーは相性が悪い。ただし、直接的な戦闘力という意味ではギルガメッシュとアーチャーの双方を遙かに凌駕している。
  35. ^ テレビアニメ第2作にてその詳細が明らかにされ、1画は警戒されマスターに宝具を使うなと命じ、その後残りの2画で自害を命じるも、事前に破戒すべき全ての符を自身に使い契約破棄により無効にし、マスターを殺害した。
  36. ^ 灰被りの花嫁。メディアが城を焼き尽くしたウェディングドレス。
  37. ^ ただし擬似的な令呪がキャスターに備わっている。
  38. ^ 関智一は後にアニメ版『ドルアーガの塔』でもギルガメスを演じている。
  39. ^ 史実におけるハサン・サッバーフイスラム教ニザール派の創始者の一人であり、アサシンという言葉の語源は彼自身ではなくこのニザール派であり、彼本人を元にした英霊として初代の「“山の翁”」が『Fate/Grand Order』に登場している。このゲームで多用される歴史・神話の独自解釈の産物である。詳しくは暗殺教団を参照のこと。
  40. ^ 悪を行い人々から呪われる存在でありながら、それが結果的に人々の救いとなって奉られた英雄を指す。英霊の分類の一つ。
  41. ^ 「トラぶる花札道中記」や「フェイト/タイガーころしあむ」シリーズでは別人となっており、両方のイリヤが共演することもある。ただし、ドラマCDなど一部の作品では同一人物だと思わせる発言があった。
  42. ^ 聖堂教会における異端審問員で、神の代行と称して教義に存在しない異端を狩る殺し屋。死徒と呼ばれる吸血鬼や禁を犯した魔術師を主な標的とする。
  43. ^ 心臓自体はもはや機能しておらず、損傷を受けても致命傷とはならない。
  44. ^ PC版原作においては綺礼自身がギルガメッシュの召喚者であった。
  45. ^ Fate/unlimited codes』『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』では石塚運昇が演じた。
  46. ^ 魔術行使をサポートするための特殊な武装。持ち主の魔力を増幅するもの、魔力を流し込むだけで特定の魔術を発動するものなど。
  47. ^ 『Sound Drama Fate/Zero』以降に制作された作品では速水奨が演じている。
  48. ^ fateシナリオでライダーの「鮮血神殿」の結界で弱りながらも一人だけ動けた彼女が、倒れていない慎二に生徒や同僚の救助のために、救急車を呼ぶよう頼んだ際に慎二が彼女を足蹴にして放置したと聞かされると、直前までの冷静さを失って慎二を本気で殺そうとした他、UBWシナリオでは、キャスターに大河が人質に取られた際に、直前まで凛とデートをしていたにも関わらず、不用意に動いて大河を危険に晒すならキャスターより先に凛を始末しようと考えており、さらにUBWのアニメ版一期最終話では、キャスターから士郎の令呪を奪うために、士郎の左腕を差し出せと要求された際にはほとんど躊躇うことなく差し出し、他人のためにそこまでする必要は無いと言う凛に対しても、自分の腕の一本や二本で大河が助かるなら安いものだと述べている。
  49. ^ 『Réalta Nua』ではノンクレジット。『Fate/hollow ataraxia[21]や、『衛宮さんちの今日のごはん』などの関連作品でのみ配役が表記されている。
  50. ^ 原作者の奈須きのこは『Fake/states night(Fate/strange Fakeに改名)』のコメントの際に自分がロード・エルメロイII世(ウェイバー)を描いたことがないことを不満に述べている。後に脚本を担当するドラマCDとテレビアニメ第2作で出すことが出来た。
  51. ^ Fate/hollow ataraxia』内の同名のミニゲームに、新たにシナリオとキャラクター音声を追加したもの。

出典

  1. ^ a b c d “[CEDEC 2018]FGOにまつわる3つの物語。「ディライトワークス,FGO PROJECTをプロデュースする。~ Fate/Grand Order 成長の軌跡 2015-2018 ~」レポート”. 4Gamer.net. (2018年8月24日). https://www.4gamer.net/games/266/G026651/20180824038/ 2022年3月10日閲覧。 
  2. ^ 『Fate/stay night+hollow ataraxiaセット 復刻版』発売前のデータ。
  3. ^ 「Fate/stay night Realta Nua PlayStation Vita the Best」が9月18日に発売。予約特典は「アナザージャケット」”. 4gamer.net (2014年7月28日). 2015年4月17日閲覧。
  4. ^ “「けいおん!は生きがい」最終回前に盛り上がり、実写版作るファンも”. ITmedia ニュース (ITmedia). (2009年6月16日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/16/news051.html 2015年7月3日閲覧。 
  5. ^ a b TYPE-MOON展を先行体験。奈須きのこ氏がルーズリーフに書いたオリジナル版『Fate』など貴重な資料を確認できる!” (2019年12月19日). 2019年12月22日閲覧。
  6. ^ a b Fateシリーズの15年間を体感できる「TYPE-MOON展」 冬木市のジオラマから高校時代のルーズリーフまで…【レポート】” (2019年12月19日). 2019年12月22日閲覧。
  7. ^ “Fate/stay night+hollow ataraxia セット”. TYPE-MOON. http://typemoon.com/contents/9ncnes/6kmkl7 2022年3月10日閲覧。 
  8. ^ 製品情報”. フェイト/エクストラ 公式サイト. ファミ通.com. 2015年9月27日閲覧。
  9. ^ まつもと (2012)
  10. ^ Type-Moon (2003)
  11. ^ a b c Fate/stay night[Unlimited Blade Works] BD Box IIのブックレットより。
  12. ^ a b c Fate/staynight 原画集 〜Production Drawings〜
  13. ^ 『コンプティーク』 2007年5月号
  14. ^ 『TYPE-MOONエース』 フェイト/エクストラロングインタビュー
  15. ^ a b c d e f g h i j 『Fate/stay night アニメスピリチュアル』角川書店、2006年8月8日、16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,頁。 
  16. ^ 『ゲーマガ』2007年2月号
  17. ^ Fate/complete material III World material.
  18. ^ 劇場版アニメ『Fate/stay night Heaven's Feel』第1部『presage flower』の特典冊子。
  19. ^ テレビアニメ版『Fate/Zero』BD-BOX II 特典ドラマCD IIより。
  20. ^ きのことたかしの一問一答 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」III.spring song編
  21. ^ PS Vita『Fate/hollow ataraxia』”. 野田順子オフィシャルブログ「NODA風呂」. 2014年4月19日閲覧。
  22. ^ 『Fate/stay night[UBW] Animation Elements』p.19-20より
  23. ^ a b c d e f Project「Fate/stay night」公式アカウントによる2016年1月15日のツイート2016年11月24日閲覧。
  24. ^ スマホでステイナイト!Fate/stay night[Realta Nua] iOS/Android版 公式サイト
  25. ^ 東 et al. (2007)
  26. ^ 前島 (2010)
  27. ^ 宇野 (2008)
  28. ^ ほの暗さ、辛さが漂う『Fate』シリーズの魅力とは ルールの中で正義を成すことの難しさ”. ダ・ヴィンチ. KADOKAWA (2014年12月8日). 2018年6月16日閲覧。
  29. ^ 『ヤングエース』 2015年6月号
  30. ^ 「Fate[UBW」森山大輔によるコミカライズ版が大王で開始、ほか新連載2本]”. コミックナタリー. ナターシャ (2021年12月25日). 2021年12月25日閲覧。
  31. ^ Fate/stay night anime spiritual
  32. ^ Project「Fate/stay nihgt」公式アカウントによる2016年1月15日のツイート2016年11月24日閲覧。
  33. ^ Fateシリーズを彩る主題歌コンピレーションアルバム『Fate song material』発売決定!”. PR TIMES (2019年8月3日). 2019年8月3日閲覧。
  34. ^ AnimeJapan 2015による2015年2月24日のツイート2016年11月24日閲覧。
  35. ^ 「マビノギ」と「Fate/stay night」がコラボ。サーヴァントがエイリフ王国に登場”. 4Gamer (2015年8月17日). 2015年8月23日閲覧。



fate/stay night

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/05/14 04:40 UTC 版)

登場キャラクター

の項ははテレビアニメ版 / [Réalta Nua] の順。相違しない場合は省略する。PCゲーム版はバーサーカーの咆哮を除きボイスは存在しない。

主人公

衛宮 士郎(えみや しろう)
声:杉山紀彰(幼少期:野田順子
身長:167cm / 体重:58kg / イメージカラー:赤銅
本作の主人公の少年。穂群原(ほむらばら)学園2年C組に在籍。口癖は「なんでさ」。
10年前に冬木市で起きた大火災の唯一の生存者。その際、魔術師である衛宮切嗣に助け出され、養子として引き取られる。切嗣に命を救われたこと、そして助かったのが自分だけであることが非常に強烈な心象として残っており、切嗣への憧れから、正義の味方となってみんなを救い幸せにするという理想を本気で追いかけている。養父からの「借り物の理想」を追いかけて正義の味方を目指し、人助けのためなら自らを省みないその生き方は、シナリオ原作者の表現によれば「一生懸命人間のふりをしているロボット」あるいは「人間になろうとしているロボット」。言峰綺礼が先天的な異常者であるとすれば、彼は冬木大火災に狂わされた後天的異常者である。
弓道部員(現在は退部)であり、その腕は文字どおり百発百中であったという。人助けが生き甲斐であり、他人から頼まれたことに対して基本的に嫌と言わない(言えないのではなく)ため、都合よく利用されることも多い。得意とするのは物を修理することと、家庭料理をはじめとする家事一般。
運命のその夜、サーヴァント同士の戦いを目撃してしまったために殺されそうになった彼は偶然召喚したセイバーに窮地を救われ、以後彼女のマスターとして聖杯戦争に参加することになる。
養父に無理に頼み込んで魔術の指導を受け、今も欠かさず鍛錬を続けてはいるものの、本来魔術師の家系ではない上、養父亡き今となっては完全な独学であり、初歩的な(ただし、極めるのは至難とされる)「強化」(物体に魔力を通し、その物体がもともと持っている性質を強化する魔術)しか使うことができず、しかも成功率は低い。また、魔術回路は一度造って蓄積されたものを起動させれば良いということを知らず、魔術の度に一から魔術回路を造るという死の危険を犯している。魔術師にはあまり役に立たない類のものだが、物体の構造を把握することにかけては一流で、この才能ゆえか凛にも不可能だった学園内に張られたライダーの「他者封印・鮮血神殿」の結節点の特定を易々とこなしている。
魔術を使わない純粋な喧嘩をした場合、それぞれの試合形式では専門家に劣るが“どっちが音を上げるかが勝負みたいなケンカ”なら学園最強だとされる[2]
魔術師としては知識も技量も半人前の彼だが、「強化」よりも遙かに高度な「投影」(イメージを元に、魔力で一時的に物体を作り出す魔術)を容易にこなし、さらに「投影」した物体がいつまでも消えないなど、特定の魔術に関しては普通の魔術師にはありえない特異な才能を発揮する。これは彼の体が、術者の心象風景によって世界そのものを塗り潰す「固有結界[注 14]と呼ばれる大魔術のみに特化した異端であるため。切嗣も凜も彼の使う魔術の異常さには気づいていながら、その正体を見極めることまではできず、彼を的確に指導することができなかったほどである。彼の固有結界「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)[注 15]」は「視認した剣(および剣と認識できるもの)の構成や本質を捉え、複製し貯蔵する」という能力を持つ。彼が普段用いている魔術や、物体の構造の把握、結界の存在に敏感であることなどは全て、そこから漏れ出た副産物に過ぎない。特に投影に関しては、固有結界内から引き出しているため、通常の魔術師の用いる投影とは全く異なるものである。通常投影では器分に加え内包分も魔力を注がなければならない上に効果は瞬間的だが、此方は心象世界から引き出す際の僅かな消費だけで成立されている。ただし、第五次聖杯戦争時点での士郎に投影できるのは武具、それも主に剣に限られ、近代兵器や機械は外見だけで中身が伴わない。鎧や盾など防具などに関しては瞬間的な効果で代償も大きい。それ故に彼が「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」を投影した際は4枚になっている(ただし、凛ルートでは7枚と完全に投影している[注 16])。また、魔術師として未熟なために魔力が足りず、自力で固有結界を展開することはできない。ただし、命の危機に瀕すると、自覚がないまま固有結界が体内で暴走を始める。最悪の場合、無数の剣を生み出して体の内部から彼を串刺しにし、命を奪うこともある。
彼は知らなかったが、切嗣に命を救われた際、体内にエクスカリバーの鞘である結界宝具「全て遠き理想郷(アヴァロン」を埋め込まれており、それが縁となってセイバーが召喚された。セイバーと契約中にある限り、セイバーとの距離に応じた強度の回復能力が発動する。セイバーが直に接触すれば、宝具の恩恵によってほぼ致命傷に近い傷からでも回復できる[注 17]。ちなみに回復の行程は回りくどく、まず筋肉を刀身に変換しそこから穴が開いた部分を剣で縫い付けてから元に変換し直すというもの[注 18]。長年体内に宿していたために、上記のような契約や接触もなく自力で恩恵を作動させられるなど容易に投影可能であり、「真名開放」も可能。だが、それはセイバーとのライン(契約ではなく因果線)がつながっているからこそであり、鞘単体では彼の魔術特性と起源を「剣」に変えていくものでしかない。そのため、固有結界に大きく関係している。そして本編の10年後に大聖杯が解体された時にはセイバーとのラインが切れ、鞘のイメージを失い投影できなくなる。
"Heaven's Feel"シナリオでは中盤の戦闘で左腕を失う重傷を負ったが、同じく瀕死の重傷を負い消滅寸前だったアーチャーの発案により彼の左腕を移植[注 19]され、彼の魔術や戦闘経験・技術を引き継ぎ[注 20]、黒化したバーサーカーやセイバーオルタといった強豪サーヴァントとも対等に戦えるほどの力を得た。しかし、英霊であるアーチャーの腕は人間の身で到底扱えるものではなく、一度でもアーチャーの腕を使用すると、その魔術行使に肉体が耐えられず内部から崩壊、次第に士郎の人格、意識、記憶を破壊してしまう(作中では「時限爆弾にスイッチが入る」と例えられている)。そのため、魔力殺し(マルティーン)の聖骸布を巻いて封じることになるが、それでも生きている限り魔力は肉体に通るものであるため、腕からの侵食は完全には止められず、十年ほどで完全に侵食されてしまう。それまでに腕と拮抗するほどの魔術師に成長しなければならず、少なくとも生活的に聖骸布を巻き直せるくらいにはと凛は述べている。また凛は魔術回路のオンオフは反って危険と判断して学ばせず、従来のままである。最終的に戦いのため聖骸布を解いてしまい、記憶が次第に薄れて廃人と化していき、投影の度に体内の固有結界が暴走し全身の内部から剣が串刺し状態になっていった。

メインヒロイン

セイバー(Saber
声:川澄綾子
身長:154cm / 体重:42kg / スリーサイズ:B73 (B)[注 21]/W53/H76
誕生日:不明 / 血液型:不明 / イメージカラー:青 / 属性:秩序・善
パラメータ(士郎): 筋力:B / 耐久:C / 敏捷:C / 魔力:B / 幸運:B / 宝具:C
パラメータ(凛):筋力:A / 耐久:B / 敏捷:B / 魔力:A / 幸運:A+ / 宝具:A++
スキル:対魔力:A / 騎乗:B / 直感:A / 魔力放出[注 22] / A / カリスマ:B
本作のメインヒロインにして準主人公。士郎と契約した剣士の英霊。外見は美しく華奢な少女だが、サーヴァント中最も安定して優秀と謳われるクラス「セイバー」に召喚されたほどの英雄。ただし、未熟なマスターである士郎との契約が原因で魔力の供給が十分ではなく、思うままに力を振るえずにいる。性格は良く言えば実直で生真面目だが、悪く言えば融通の利かない頑固、そして負けず嫌い。凛とした表情を滅多に崩さないが、怒ると怖い。その一方で時折、年相応の少女らしさを見せることもある。
かなりの健啖家であり(本人曰く「魔力の供給不足を補うため」だが、作中で士郎に疑問視されている)、またの名を「腹ペコ王」。
人気投票では第1回、第2回共に1位に輝いた。そしてTYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では見事1位に選ばれた。Fate派生作品では様々なセイバーが登場。2013年エイプリルフール企画「路地裏さつき・ヒロイン十二宮編」では他のセイバー系ヒロインを討とうと画策した。
正体は世界的に有名なイングランドの伝説的英雄、アーサー王。作品中の設定では、選定の剣(カリバーン)を岩から引き抜いた「アルトリア」という少女が性別を男と偽って「アーサー」を名乗り、王になったとされる。肉体の成長はその瞬間から止まってしまった。実は前回の第四次聖杯戦争で、士郎の養父である切嗣によって、同じセイバーのサーヴァントとして呼び出されていた。生前国を護ることができなかった後悔と、前回の第四次聖杯戦争における経緯(詳細は『Fate/Zero』を参照)により「自分は王にふさわしい器ではなかった」と感じたことから、新たに王の選定をやり直すために聖杯を求めている。
実は彼女は他の英霊達と違ってまだ死んでおらず、死の寸前で「聖杯を手にすること」を求めて世界と契約し、生きている状態のまま様々な時空間に呼び出されている。聖杯を手にし、世界との契約が達成された暁には本来の時間に戻り、願いを叶えた後にそのまま死を迎え、はじめて正式に英霊となることになる。そのため、生者である彼女は霊体化することができない。
生前の時点で、選定の剣「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」は折れてしまっており、また、使用者を妖精郷に隔離することであらゆる物理干渉や魔術干渉、さらには魔法や平行世界・多次元からの干渉すらも遮断し、傷や病に老化をも癒す、ランクEXの結界宝具「全て遠き理想郷(アヴァロン)」も手元からは失われている。しかし、サーヴァントとしての彼女は、風を纏わせることで光の屈折率を変化させ武器を不可視にすることで間合いを測らせない第二の鞘「風王結界(インビジブル・エア)[注 23]、使用者の魔力を“光”に変換し究極の斬撃として放つ星の鍛えた聖剣「約束された勝利の剣(エクスカリバー」の2つの宝具を持つ。また、前述の「全て遠き理想郷」も、士郎の体内に埋め込まれる形で第五次聖杯戦争に存在しているため、ルートによっては士郎からセイバーに返還され、第三の宝具となる。宝具以外にも多数の精霊の加護を得ている。[注 24]
セイバーオルタ[注 25]
属性:秩序・悪
パラメータ:筋力:A / 耐久:A / 敏捷:D / 魔力:A++ / 幸運:C / 宝具:A++
スキル:対魔力:B / 騎乗:- / 直感:B / 魔力放出:A / カリスマ:E
"Heaven's Feel"シナリオにおいて黒化した姿。容姿も属性も完全に変貌し、半ば殺人マシーンじみた強敵として士郎の前に立ちふさがる。ステータス画面では明らかに別人として扱われており、存在しないはずの8人目以降のサーヴァントのうち10人目とする解釈もある。
遠坂 凛(とおさか りん)
声:植田佳奈
身長:159cm / 体重:47kg / スリーサイズ:B77/W57/H80
誕生日:2月3日[注 26] / 血液型:O型 / イメージカラー:赤
本作のヒロインの1人。士郎と同じ穂群原学園(2年A組)に通う女生徒で、魔術師。アーチャーのマスター。亡き父・遠坂時臣の遺志を継いで聖杯戦争に臨む。家訓「どんな時でも余裕を持って優雅たれ」を実践する。学校では男女問わず絶大な人気を誇る美少女であり、優等生を演じているが、その本性は士郎曰く「あかいあくま」。魔術師としての誇りや元来のプライドの高さゆえに誤魔化しているが、実はかなりお人好しな性格である[注 27]
アベレージ・ワンと呼ばれる五大元素使いの魔術師として高い実力を誇るも、肝心な所で凡ミスをする悪癖(先祖代々の遺伝らしい)がある。遠坂家の魔術である「力の転換」によって宝石などに魔力を貯めこんだり一気に開放したりすることや、相手を指差すことで人を呪う北欧の魔術「ガンド」を得意とする。また、言峰から指南されていた八極拳も用いる。
料理の腕前は、少なくとも得意の中華料理に関してなら士郎より上。趣味は士郎弄りと宝石磨き。寝起きはかなり悪い。遠坂の魔術の性質上、高価な宝石を多用する必要があるため、見た目とは裏腹にお金に細かい。士郎と共同戦線を張り、彼の魔術を指導するために衛宮邸へ居候するが、家主の士郎よりも権力を振るう。
人気投票では第1回、第2回共に2位に入った。TYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では4位と好成績ではあるが、アーチャーに抜かれる結果になった。
本編の10年後にロード=エルメロイII世と共に冬木の大聖杯を解体する。
間桐 桜(まとう さくら)
声:下屋則子
身長:156cm / 体重:46kg / スリーサイズ:B85/W56/H87
誕生日:3月2日 / 血液型:O型 / イメージカラー:桜
本作のヒロインの1人。間桐慎二の妹。穂群原学園に通う士郎の1年後輩で、士郎にとっても妹のような存在。弓道部所属。穏やかな性格の美少女。ある出来事をきっかけに、1年ほど前から毎日士郎の家に朝食と夕食を作りに来ている。以前は暗い雰囲気だったが、士郎や大河の影響で随分と明るくなり、笑顔を見せるようになった。今や洋食に関しては料理の師である士郎よりも上。士郎は気付いていないが、彼のことを恋い慕っている。
実は彼女も魔術師であり、ライダーの正式なマスター。更には凛の実の妹で、旧姓は遠坂桜。幼い頃間桐(マキリ)の家に、養女として迎えられている。遠坂の魔術刻印の継承者にして姉である凛に対しては、憧れと同時に強いコンプレックスを感じている。元々聖杯戦争に関わる意志が無かったため、最初の2つのルートではマスターとしての権利を最後まで義兄の慎二に委ねている。
身体に合わないマキリの魔術に無理矢理馴染ませるべく、長年に渡り蟲による調整を受け続けてきた。そのため、元は凛と同じだった髪や瞳の色が一変するほど体質が変化した。常人なら数日もたずに発狂するほどの蟲による凄惨な陵辱や義兄である慎二による虐待など、過酷な境遇に長年置かれていたために、その精神は極限まで追い詰められている。幼い頃の出来事については『Fate/Zero』を参照。
前回の聖杯の破片から作られた刻印蟲を心臓に植え付けられているため、今回の聖杯戦争におけるもう1つの聖杯でもある。ただし不完全であり本来なら完成に至ることはないのだがHeaven's Feelルートにおいて、士郎と恋人となったことによって「士郎を失いたくない」という恐怖心や間桐臓硯の策略もあり、鬱屈していたネガティヴな感情が噴出することで中身の成長を促し完成する。第三次聖杯戦争の時から大聖杯内に留まる復讐者(アヴェンジャー)のサーヴァント、この世全ての悪(アンリマユとの契約の影響で、人格まで変貌した禍々しい姿(俗に「黒桜」と呼ばれる)となり、冬木市で大虐殺を行った。
人気投票第1回は6位、第2回は5位と3人のヒロインの中では人気が低めであり、派生作品では「腹黒い桜」が定番となってしまっている。『まほうつかいの箱』女性キャラ投票で4位となるもTYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では8位を獲得し奈須きのこから「純心(真っ黒)後輩系ヒロイン」と評された。

サーヴァント

アーチャー(Archer
声:諏訪部順一
身長:187cm / 体重:78kg / イメージカラー:赤 / 属性:中立・中庸
パラメータ: 筋力:D / 耐久:C / 敏捷:C / 魔力:B / 幸運:E / 宝具:??
スキル:対魔力:D / 単独行動:B / 千里眼:C / 魔術:C- / 心眼(真):B
凛と契約した弓兵の英霊。キザで皮肉屋で現実主義者だが、根底の部分ではお人好し。弓兵のクラスでありながら弓よりも2本1対の陰陽の夫婦剣「干将・莫耶(かんしょう・ばくや)[注 28]」による白兵戦を好む。ステータス自体は平均的な能力だが、それでも剣戟は音速を超える模様(『Realta Nua』より)。
弓兵として弓を取ることもあり、「偽・螺旋剣(カラドボルグII)」(アーチャーがある宝具を改造した物でIIが指すとおりケルト神話に登場するカラドボルグとは別物)などを扱う。更には、ギリシャ神話のトロイア戦争にてアイアスが使用した盾で、投擲に対しては無敵とされる「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」なども使用する。凛による乱暴な召喚のせいで記憶が混乱し自分が何者か分からないと言い張り、マスターである凛もその真名を知らない。士郎を個人的に敵視しているようだが、その一方で彼に対して的確な助言を送ることもある。男性キャラの中では最高人気を誇り、人気投票では第1回、第2回共に3位に入り、TYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では月姫のアルクェイドや凛を押さえ再び3位に入った。
辿ってきた数奇な人生を語るかのような、その背中が印象的な漢。実際、『Fate/stay night』のほぼ半分は彼の物語でもあり、この作品のもう一人の主人公とも言える。
今回の聖杯戦争で唯一、未来から召喚された英霊。その真名は「エミヤ」、すなわち未来の世界において死すべき運命にあった百人を救うため世界と契約し、奇跡の代償として英雄化した衛宮士郎その人。優れた才能を持たない彼が、それでも自分の理想を貫き通し、厳しい修練と戦いをただひたすら耐え抜いて正義の味方に成ろうとした、そのなれの果て。皮膚や髪の色が作中時点の士郎と異なるのは固有結界の魔術による反動である[注 29]。本来なら契約したマスター以外がサーヴァントの過去を見ることはないが、士郎は元が同一人物のためか彼の過去(自分が辿るかもしれない未来の可能性)を幾度か見ている。
理想を追い続けたその生涯は報われることなく、自分が助けた相手の裏切りによって幕を閉じるが、それでも彼は誰一人恨まなかった。却って死後にその魂を英霊としてまで、見ず知らずの人々のために正義の味方になることをただ一途に望んだ。だが皮肉にも、英霊としての彼に与えられた役割は、一部の人々を虐殺することで人類全体を破滅から救う「守護者」[注 30]であった。拒むこともできないまま、その手で永遠に望まぬ虐殺を繰り返し、かつそれを通して人々の醜い面を延々と見せつけられた結果、彼の信念も遂には摩耗、抱き続けた理想に絶望し、自分のかつての生き方を憎むまでになった。そして、生前の衛宮士郎と同じ時間軸上に召喚された際に、士郎を自らの手で抹殺することで自分殺しの矛盾を起こし自身の存在を消滅させるという手段を思いつく。[注 31]だが結局彼は何度もチャンスが在ったものの士郎を一方的に殺そうとはしておらず、自身の悲願より聖杯戦争の最善の終結を優先しており、むしろ士郎に対して助言や手助けを与えている。士郎の殺害を行動に移した"Unlimited Blade Works"のシナリオでも、凜とセイバーとで勝ち残る算段が付いたと判断したからであり、そこに、彼が絶望してもなおやめられなかった正義の味方としての生き方、彼の信念を窺うことができる。
召喚の触媒になった品は、凛が父親から譲り受けた宝石のペンダント。凛が士郎の命を救うために用いたそれを彼は生涯大切に持ち続けていたため、召喚者である凛との縁となった。つまり、召喚の触媒を召喚者でなくサーヴァントの側が所持していたことになる。
召喚時の暴走のせいで記憶喪失というのは全くの嘘ではなく、生前の記憶自体が摩耗しているため、召喚直後の記憶は実際に曖昧で、現状を把握、推測することで急速に記憶を取り戻している状態である。その中で覚えていたことは、自身の名前と冬木の大災害の光景、切嗣に正義の味方になると誓った夜の思い出と、セイバーを召喚したときの光景だけである。ちなみにプロローグの独白は、彼のもの。
彼がどのような聖杯戦争を歩んだかは明確にされていないが、発言を総合すると"Fate"ルートに近いと推察できる。なおシナリオ原作者によれば「士郎は(作中の)どのルートでもエミヤにはならないが、可能性はある」。
錬鉄の英雄」という異名を持つ。今回の聖杯戦争において、未来の英霊である彼には知名度による恩恵がなく、特定の宝具も持たないため一番不利だが、鍛え上げた戦術と必勝の戦略、そして固有結界「無限の剣製(アンリミテッドブレードワークス[注 15]」を自在に操ることが彼を強者としている。複製した剣は宝具としてのランクが1つ落ちるが、魔術による剣の「強化」でカバーしたり、形状変化させ「矢」として射放ったりと、アーチャーの技能でカバーが利く他、剣に宿った意思・経験・記憶を読み取ることで本来の担い手の技量までも再現し、「真名開放」も可能(もちろんオリジナルには一歩及ばない)。更に代えが利く投影宝具の強みを利用し、宝具を敢えて破壊することでその魔力を爆発的に解放する、「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)」を使用することもできる。これらの能力から、ギルガメッシュ(後述)は彼を「贋作者(フェイカー)」と蔑む。
大抵の武器では傷すらつかないサーヴァントにとって、彼の固有結界の能力自体は大した脅威ではない。単純に相手の宝具や技量を複製しただけでは、それを極限まで使いこなす本来の「担い手」に及ばないためである。すなわち、他の英霊の宝具をいくつも記憶したうえでそれらを効果的に運用することにより、初めて他のサーヴァントに対抗し得る能力となる。ここに「心眼(真)」を初めとする、修練と経験とによって培われ鍛えあげられた技量が活きてくる。ただしギルガメッシュ(後述)に対しては、いくつもの利点を生かすことで常に先手を取ることができるため、天敵となり得る。
アニメ版では、原作では省略されたバーサーカー戦が描かれており、敗れはしたものの、全サーヴァント中最強と謳われたバーサーカーを五回殺害(原作では六回)するほどの実力を発揮した。
彼が万全の状態で全力を出すことは作中において無く、戦略的にわざと見逃すことや、マスター不在などで不利になる場面が多く、純粋に勝利することは無かった。また敵と言えど身内(凛、セイバー、イリヤなど)に対し非情になれきれない節があり、直接的に傷つけることはしなかった。
彼を象徴する赤い外套は「赤原礼装」と言い、ある聖人[注 32]の聖骸布から作られた概念武装[注 33]で、外敵ではなく外界からの守りである。
『Réalta Nua』追加エピソード"Réalta Nua"における士郎は、独白の内容や固有結界内の風景などから英霊エミヤであるとも解釈できる。
第五次聖杯戦争に関連しない作品では、外伝の『Fate/EXTRA』に主人公のサーヴァントの一人として登場している(詳細は当該項参照)。
バーサーカー(Berserker
声:西前忠久
身長:253cm / 体重:311kg / 誕生日:不明
血液型:不明 / イメージカラー:鉛 属性:混沌・狂
パラメータ: 筋力:A+ / 耐久:A / 敏捷:A / 魔力:A / 幸運:B / 宝具:A
スキル:狂化:B / 戦闘続行:A / 心眼(偽):B / 勇猛:A+ / 神性:A
イリヤと契約した狂戦士の英霊。身の丈2m半ばを超える巨漢。巨大な岩の剣を軽々と振り回す。第五次聖杯戦争で召喚されたセイバーが最優のサーヴァントなら、バーサーカーは最強のサーヴァントと評されており肉弾戦では敵無しとされる。バーサーカーのクラスの固有スキルである「狂化」により、理性や一部の技術を失う代償に能力が引き上げられており、その破壊力は圧倒的。通常バーサーカーのクラスは制御や維持の難しさから、「弱い」英霊を狂化し能力を高めて使役するが、今回のバーサーカーは元の英霊としての格も非常に高く、剣を叩きつければ衝撃で乗用車が跳ね上がる、地面が陥没するなど手のつけられない怪物となっている。狂化してなおマスターであるイリヤを護ろうとする意志を感じさせる描写がある[注 34]
正体はギリシア神話における大英雄・ヘラクレス。神の祝福(呪い)によって肉体そのものが常時発動型宝具「十二の試練(ゴッド・ハンド)」と化している。この宝具はBランクに満たない攻撃を無効化し、11回までの自動蘇生を行うことができる。さらに一度受けた殺害方法では二度と殺せないため、完全に倒すにはAランク以上かつ12種の攻撃か、強力な一撃で複数回殺す必要がある[注 35]。ただし、消費する魔力は桁違いで凡庸な魔術師ならば一生かかって蘇生一回分の魔力が用意できるかどうかである。逆に充分の魔力が有れば消費したストックも回復できる。
なお、英霊ヘラクレスにはキャスター以外の全てのクラスに該当する資質があり、数々の試練を知恵と機転で乗り越えたヘラクレスにはレンジャーでもあるアーチャーが特に相性が良く、バーサーカー以外のクラスだった場合には、生前に培った武技と「十二の試練」(自身の技能で一度見た技は見破れるため、より完璧になる)に加えて、状況・対象によってカタチを変える万能宝具「射殺す百頭(ナインライブス)」も用いる。この宝具はヒュドラを射殺した彼の弓の宝具(対幻想種用のホーミングドラゴンレーザー九発同時発射)を模した独自の流派であり、剣や盾などを用いた用途がある。その中の大剣による対人用の「射殺す百頭」は本編でアーチャーの腕を用いた士郎が斧剣共々投影し、九つの急所を瞬時に斬りつける「是・射殺す百頭(ナインライブズ・ブレイドワークス)」を黒化したバーサーカー自身に対して使用している。関連作品では士郎の大技にされている。ちなみに関連作品において彼自身が放った場合は、名の示すとおり百回斬りつける演出がなされる。同じ剣を用いた利用法として、地面を叩いてマルチレーザーを発射する対軍仕様がある。これらを犠牲にしてまでヘラクレスをバーサーカーとして召喚したのは、過去に幾度となく裏切られてきたアインツベルンにとって「無駄な知恵を付けず自分の言うことだけを聞く忠犬」のほうが制しやすかったためである。召喚に持ち得た触媒は、彼の武器である斧剣である。
ランサー(Lancer
声:神奈延年
身長:185cm / 体重:70kg / イメージカラー:青 / 属性:秩序・中庸
パラメータ: 筋力:B / 耐久:C / 敏捷:A / 魔力:C / 幸運:E / 宝具:B
スキル:対魔力:C / 戦闘続行:A / 仕切り直し:C / ルーン:B / 矢除けの加護:B / 神性:B
槍兵の英霊。高い瞬発力と白兵戦の能力を備え、紅い魔槍を持つ。マスターから偵察任務を命じられており、主に単独で行動する。根は実直で、口は悪いが己の信念と忠義を重んじる英霊らしい英霊と言える。物語の始まりにおいて、戦いを目撃した一般人として聖杯戦争の掟に基づき士郎を殺そうとした。
正体はケルト神話における大英雄で、アイルランドの光の皇子・クー・フーリン。死力を尽くした戦いを求めて召喚に応じた。彼の本来のマスター(バゼット・フラガ・マクレミッツ)は言峰綺礼に騙し討ちされて令呪を奪われ生死不明になっており、現在のマスターは綺礼である。令呪により、主の鞍替えへの賛同の強制と、「お前は全員と戦え。だが倒すな。一度目の相手からは必ず生還しろ」との二つを命じられているため、全力で戦い得た機会は全ルートを通して一度だけである。
宝具は、必中必殺の呪いの槍を使用して因果を逆転し、「敵の心臓に命中している」という事実(結果)を作った後に攻撃(原因)を放つ対人宝具「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク」と、この槍の呪いの力を最大解放し助走から高々と飛びながら投擲し、炸裂弾のごとく使用する対軍宝具「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)」。前者(通称・刺しボルク)は魔力消費も少ない上に避けるには高い幸運が必要という、一対一の決闘で非常に効率が良い宝具。本編曰く防ぐには純粋に槍の魔力を上回る防壁を用意するしかない。発動後の回避は不可能であり、アーチャーであろうと、発動されないよう間合いから「必死に下がるしかない」という。また、セイバーに使用した際は上記の令呪とセイバーの直感スキルや再生能力もあり致命傷とならなかったが、本来なら受けた傷を癒やすことすら許さない呪いも与える。心臓に命中した場合、呪いの棘が全身の血管と内臓を破壊し「槍+相手の最大HPダメージ」を与えて確実に死亡させる。これらの効果から、不死と言われる吸血鬼の真祖であろうと、「約束された勝利の剣」を耐える相手であろうと殺すことが可能である。後者(通称・投げボルク)は破壊力重視で本来の使用方法。マッハ2の速度で放たれ無数に鏃を撒き散らし標的の周辺を吹き飛ばす威力で、概念的に作用しないが因果を歪む呪いは健在で何度かわされようと標的を捕捉し続ける。その射程は40kmで、一度ロックオンすると地球の裏側まで追い続ける。本編では、アーチャーの「熾天覆う七つの円環」を完全に破壊し、アーチャーの片腕を負傷させた(劇場版では防がれている)。アーチャー曰くオリジナルであるグングニルを超えているとのこと。
魔術にも秀で、18の原初のルーンを習得しているが、直接的な戦闘を好むため、使用することは稀。作中では火、探索のルーンのみを使用した。コメントによると石化の魔眼を無効化やパラメータの上昇、全ルーンを使用することで上級宝具すら防ぐことが可能となるなど多様な能力を持ち、その腕前はキャスターとして召喚可能なほど。
なお、日本では知名度がないために恩恵は少ないが本来ならセイバー、バーサーカーにも並び立つ存在らしく、地元なら城と戦車(チャリオット)の宝具と不眠の加護などのスキルが追加され、イングランドやアイルランドではセイバーを上回る強さを発揮できるとされる。
また、戦闘続行スキルの恩恵により、勝つよりも生き残ることに特化したサーヴァントとも称され、本人曰く「セイバーとアーチャーの二人が相手でも、勝ちにいかなければ長時間は持ち堪えられる」とのこと。更にFateルートではギルガメッシュ相手に半日にも及ぶ戦いを繰り広げ、それ相応のダメージを与えている。
第五次聖杯戦争に関連しない作品では、外伝の『Fate/EXTRA』に登場している(詳細は当該項参照)。
ライダー(Rider
声:浅川悠
身長:172cm / 体重:57kg / スリーサイズ:B88/W56/H84
誕生日:不明 / 血液型:不明 / イメージカラー:黒 / 属性:混沌・善
パラメータ(慎二): 筋力:C / 耐久:E / 敏捷:B / 魔力:B / 幸運:D / 宝具:A+
パラメータ(桜):筋力:B / 耐久:D / 敏捷:A / 魔力:B / 幸運:E / 宝具:A+
スキル:対魔力:B / 騎乗:A+/ 魔眼:A+ / 単独行動:C / 怪力:B / 神性:E
桜がマスターとして召喚されるも戦闘を拒否したため、偽臣の書を通して慎二を代理マスターとして仮契約した騎兵の英霊。女性の英霊で、その名のとおり高い騎乗能力と機動力を持つうえに豊富な宝具を用いる。また、後述する神性に由来した魔術を扱うことも可能。常に目隠しを装着しており、武器は鎖の付いた鉄杭。長身で女神にも喩えられる妖艶な美貌と、それに似つかわしくない奥ゆかしく思慮深い性格なために人気は高く、専用ルートがないにもかかわらず人気投票では第1回、第2回共に4位に入る健闘を見せた。
正体はギリシャ神話に登場するゴルゴーン3姉妹の末妹・メドゥーサ。怪物に貶められたが本来の彼女は地母神の一柱であり、その名残りとして神性Eのスキルを所持している。最高クラスの石化の魔眼「キュベレイ」を有するが、普段は、強力な幻術結界であると同時に、相手の能力発露を封じる対人宝具「自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)」よって自ら封じている。石化の魔眼は常に魔力を消費するが、相手がサーヴァントであろうと高ランクの魔力や加護がなければ問答無用で石化、またたとえ石化が防がれても全ステータスを1ランク下げる重圧の効果を及ぼすという非常に強力な武器である。この効果は距離を置くと薄れるが、ライダーが認識せずとも相手がライダーを認識しただけで石化が始まる。その他に、内部の人間を溶解し魔力として使用者に還元する赤い結界を張る対軍宝具「「他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)」と、騎乗できるものなら幻想種をも御し、更にその能力を向上させる「騎兵の手綱(ベルレフォーン」といった、合計3つの宝具を扱う。また、彼女の仔とも言える天馬を血の魔法陣から召喚し騎乗することで戦う。特にベルレフォーンは攻守ともに破格の宝具であり、バーサーカーが相手であろうと1回は確実に殺すことができる。純粋な火力系ではなく、体当たりであるゆえに「突き穿つ死翔の槍」などとの相性が良くないとされる場合もあるが、どんな物量を相手にしても安全かつ瞬時に突破可能な点でやはり破格の対軍宝具である。マスターの魔力量によっては、これらの宝具を同時発動させることも可能。
触媒はエトルリアの古い神殿で発掘された鏡だが、実際にはサーヴァントを召喚する縁としては弱い。メドゥーサが喚ばれたのはむしろ召喚者である桜との共通点、すなわち「周囲の悪意による被害者であるゆえに次第に怪物へと歪んでゆく」という点で近い境遇にあった(触媒を用いずに召喚した場合は特に召喚者に近い英霊が選ばれる)ため。
この共通点のため、マスターである桜に対してかつての自分を見るかのような感情を抱いており、彼女を常に気遣い、その運命を案じ、誰であろうと彼女に危害を加える存在を許さない。ルートによっては士郎と協力し、アンリマユと契約した桜を救うために奮闘する。
キャスター(Caster
声:田中敦子
身長:163cm / 体重:51kg / スリーサイズ:B82/W57/H84
誕生日:不明 / 血液型:不明 / イメージカラー:紫 / 属性:中立・悪
パラメータ:筋力:E / 耐久:D / 敏捷:C / 魔力:A+ / 幸運:B / 宝具:C
スキル:陣地作成:A / 道具作成:A / 高速神言:A / 金羊の皮:EX
魔術師の英霊。ローブに身を包んだ女性の英霊で、魔法こそ習得していないものの、魔法に近いレベルの神代の超高等魔術を平然と扱い、魔術師としての能力は魔法使いと同等、もしくは上回るというレベル。現代で魔術師として比べるなら最強で、対人間では最大最悪の戦果を上げるサーヴァント。しかし大抵のサーヴァント、特に三騎士のクラスに召喚されたものは対魔力を備えているため、魔術が主な攻撃手段となるキャスターは全サーヴァント中最弱とされている。そのため、策略を巡らして着実に力を蓄えている。
人気投票では第1回、第2回共に10位に入るなど高い人気を誇っている。
正体はギリシャ神話に登場する裏切りの魔女メディア。宝具は裏切りの魔女である自身の象徴が具現化した、あらゆる魔術による生成物を初期化する短剣である対魔術宝具「破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)」。自身を召喚したマスターと性が合わず、下らぬ命令で令呪を消費させ殺害した。その後、現界を保てず消滅してしまう危機を葛木宗一郎に救われた。現在のマスターである葛木に寄せる想いは、単なるマスターとサーヴァントの関係以上である。
柳桐寺を自分の神殿とし、街中の人々から生命力を吸い上げて自分の魔力にしている。また、アサシンを召喚して正規のマスターとなるはずだった人物からサーヴァントの権利を奪い、アサシンを召喚している。
ルートによっては、真アサシン(後述)でもない限り感知されずに侵入することが不可能である衛宮邸の結界を掻い潜って魔力の糸を通したうえ、士郎の行動を操って殺す寸前に至ったり、結界自体を強引に断ち切ったりという芸当をやってのけた。ローブをの羽のように変化させて浮遊することができ、接近戦しか攻撃手段を持たない者に対してはかなりのアドバンテージを得ることができる。ファンディスクでは、ヘカティック・グライアー(灰被りの花嫁。メディアが城を焼き尽くしたウェデイングドレス)という、宝具に匹敵する威力の直径数mのビーム魔術を披露した。
金羊の皮(アルゴンコイン)というドラゴン召喚触媒(精霊つき)を所持しているが、竜を召喚・使役するスキルがないため、無用の長物と化している。仮にコルキスの竜とタッグを組んだ場合であっても、コルキスの竜はあまり強くないらしく、中堅がせいぜいだという。
アサシン(Assassin
声:三木眞一郎
身長:176cm / 体重:63kg / 誕生日:不明
血液型:不明 / イメージカラー:群青 / 属性:秩序・悪
パラメータ:筋力:C / 耐久:E / 敏捷:A+ / 魔力:E / 幸運:A / 宝具:なし
スキル:気配遮断:D / 心眼(偽):A / 透化:B+ / 宗和の心得:B / 燕返し:-
暗殺者の英霊。暗殺者のクラスでありながら侍姿をしており、剣技で他のサーヴァントと真っ向から渡り合う。得物は五尺余りの備中青江。何事にも動じないクールな性格の持ち主だが、花鳥風月を愛でる雅な一面もある。
キャスターのルール違反によって召喚されたサーヴァント。英霊であり、既に死んでいるキャスターがマスターとなってサーヴァントを召喚することは、「生者のみが死者を甦らせられる」という原則に違反するため、強引に土地を依り代にして「マスターが存在しない」状態で召喚した。その影響で、本来「アサシン」のクラスに呼び出される「ハサン・サッバーハ」以外の架空の英霊が「アサシン」のクラスに憑依してしまった(ただし擬似的な令呪がキャスターに備わっている)。
英霊としての真名は佐々木小次郎であるが、それは作中世界においては架空の人物であり、彼を演じるのに最も適した無名の剣士の亡霊が、佐々木小次郎という架空の英霊の殻を被った存在である。召喚の際の触媒にして依り代となった柳桐寺の山門を離れることができないため、もっぱら山門の護りを命じられている。
相手の攻撃の受け流しや「全てが首を落とすための攻撃」と評されるほど鋭い一撃必殺の斬撃を主眼に置いた戦法を得意とする。サーヴァントとして珍しく防性であるが、その防御方法は相打ち狙いの一撃必殺による牽制。英霊でないため宝具こそ持たないものの、ひたすら磨き抜かれたその剣技は「多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)」と呼ばれる魔法域(第二魔法の一種)の事象にまで高められ、「魔力を使わず」「まったく同時に」3つの斬撃を繰り出して敵を斬るという必殺の「燕返し」を編み出すに至った。彼の剣の技量は半ば身体が消えた状態でなお万全の状態のセイバーと互角以上に渡りあうほどである。公式で人類最強剣士の1人とされる。生前では山で修行をし続けて人間に剣を振るう機会がなく、老年にして燕返しをあっさり取得してそのまま息を引き取った。そのため、聖杯戦争においては強者相手に剣技を振るうことを期待している。
本来の「アサシン」ではない彼は暗殺者としての技能がないため、生前同様あくまでも剣士としての戦闘しかできないが、佐々木小次郎の高い知名度の恩恵からか五次サーヴァント随一の敏捷性を誇る。今回の聖杯戦争のサーヴァント中では最高の剣技を誇るも、「それが全て」なのが彼の弱点であるため「殺し合い」が苦手とされる。もっとも、これを補うかのように相手が剣の間合いに入るまでは気配遮断で姿を現さず、山門にはキャスターによる魔術や宝具の威力を削減する強力な結界が施されている。そもそも特殊な地形もあいまって、バーサーカー戦ではキャスターによる援護があったとはいえ、全サーヴァント(ギルガメッシュとを真アサシンは除く)を一度は撃退した。
ギルガメッシュGilgamesh
声:関智一
身長:182cm / 体重:63kg / 誕生日:不明
血液型:不明 / イメージカラー:金 / 属性:混沌・善
パラメータ:筋力:B / 耐久:C / 敏捷:C / 魔力:B / 幸運:A / 宝具:EX
スキル:対魔力:E / 単独行動:A+ / 黄金率:A / カリスマ:A+ / 神性:B(A+)
黄金色の魂を持つ、存在するはずのない8人目のサーヴァントで、正体が判明していない序盤では黄金のサーヴァントと仮称された。前回の聖杯戦争での「アーチャー」であり、いかなる手段によってか、そのまま現界し続けていた。一人称は"我(オレ)"。前回の聖杯戦争の折、セイバーを我が物にしようとして拒絶されているが、諦めていない。
人気投票では、第1回、第2回ともに10位以下だったが、TYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票では9位を獲得。
「王」を自称し、この世の全ては自分の所有物だと言って憚らないその言動は、まさに傍若無人の一言につきる。本来なら英霊1人につき多くて数個という宝具を無数に所有しており、それらを雨あられと射出するスタイルで戦う。ただでさえ一撃必殺の威力と厄介な効果を持つ宝具が無数に襲い掛かってくるため、その攻撃力は強力無比であり、サーヴァント5体以上の破壊効率を発揮して「戦闘」ではなく「戦争」で敵を圧倒する。
古代メソポタミアギルガメシュ叙事詩など多くの神話で、人類最古の英雄王として収められており、10年前の聖杯戦争では言峰綺礼と組んで戦った(その際の詳細は『Fate/Zero』を参照のこと)。その最終局面において聖杯の「中身」を浴びてしまうが、圧倒的な魂の強さを持つ彼は、本来なら汚染されて自我を失ってしまうというその強力な呪詛を逆に「飲み干す」ことにより受肉、現界し続けるための肉体を手に入れている。
自身の宝具として扱われる物は2つのみだが、かつて世界が一つであった時、世界の全てを手に入れた彼は、後の世に伝わる宝具の元になった「宝具の原典」を全て自分の宝物庫のなかに保管しており、それらを自身の宝具「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン[注 36]を通して空間から自由に取り出して扱うことができる。また、彼が「乖離剣エア」と呼ぶ無銘の剣の宝具によるEXランクの一撃「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ」は空間を切断し、セイバーの「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」と衝突した際は相殺されながらもこれを凌ぐ威力を見せた。
好んで使う対神宝具「天の鎖(エルキドゥ」(神を律する鎖。相手の神性が高いほど制約・拘束力が高まる。逆に神性を持たない存在にとっては少々頑丈な鎖程度になる。) をはじめ、全ての宝具の原型を有することからほぼ全ての英雄の弱点に付け入ることができる。また、最強の剣をも有するためにサーヴァント中最強の存在であり、油断や慢心が足を引っ張ることさえなければ敵無しとされている。
ただし、彼はあらゆる宝具の原型の「所有者」であり「担い手」ではないので、「真名解放」は言わずもがな宝具を「使いこなす」真似はできない。アーチャー並びに士郎が彼の天敵と呼べるのは、ギルガメッシュが担い手ではないということ、また、彼らの固有結界「無限の剣製」がその特性上、宝具を取り出すというタイムラグの必要な「王の財宝」よりも早く剣を用意でき、常に先手を取ることができるなど、いくつものアドバンテージがあるからである。ただし「乖離剣エア」については、「無限の剣製」をもってしても複製することができない。更に、対界宝具である「天地乖離す開闢の星」の一撃は固有結界を破壊できるため、本編で士郎は非常に危険視してこれを抜く暇を与えなかった。
前回の「この世全ての悪(アンリマユ)」の泥を飲み干したのに対し、"Heaven's Feel"シナリオで桜の影に呆気なく飲まれるが、それは本体から切り離された泥と本体につながった影の威力の差によるもの。それでも彼の強靱な魂を汚すことはできず、黒化できないどころか逆に影を飲み込もうとしたほどである。
前回の聖杯戦争からの10年間何も問題を起こさなかったのは、ある宝具で性格と姿を変えて過ごしていたからである。その詳細は『Fate/hollow ataraxia』を参照。なお、シルエットモデルは旧ナムコのゲーム『ドルアーガの塔』の主人公ギルガメスであり、所有している財宝の入手経路にも同作のパロディが盛り込まれている[注 37]
外伝の『Fate/EXTRA CCC』では敵ではなく主人公のサーヴァントの一人として登場している(詳細は当該項参照)。
真アサシン(しんアサシン)
声:稲田徹(Réalta Nua)
身長:215cm / 体重:62kg / 誕生日:不明
血液型:不明 / イメージカラー:白(月光)/ 属性:秩序・悪
パラメータ:筋力:B / 耐久:C / 敏捷:A / 魔力:C / 幸運:E / 宝具:C
スキル:気配遮断:A+ / 投擲(短刀):B / 風除けの加護:A / 自己改造:C
"Heaven's Feel"シナリオのみで暗躍する真の暗殺者の英霊。直接的な戦闘能力では他のサーヴァントに劣る分、暗殺者としての特殊能力を駆使して戦う。 作中では単に「アサシン」と呼ばれ、「真アサシン」という名称はシーンタイトルなどで用いられている。
真名はハサン・サッバーハ。山の翁、アサシンという言葉の語源となった人物[注 38]である。ただし、この「ハサン・サッバーハ」とは特定の個人ではなく、その名を継いだ歴代の山の王たちから成る英霊候補の亡霊の群れを指しており、本来なら毎回の聖杯戦争においてアサシンのサーヴァントには、19人いる「ハサン・サッバーハ」のうちの1人が召喚される。すなわち、先述の佐々木小次郎は本来ありえない異例のアサシンであったということである。
"Heaven's Feel"シナリオ開始後まもなく、間桐臓硯により、アサシンとして現界していた佐々木小次郎の肉体を利用して召喚された。召喚当初は知性も低くたどたどしい口調だったが、ランサーを破ってその心臓を取り込んだことで知性と能力が大幅に強化された。心臓からランサーの人格の影響を受けており、認めた主に対しては厚い忠誠心を見せる。
戦闘力は強化されても他のサーヴァントに比べれば劣るのは変わらず、愛用するダークという投擲用の短剣を使った付かず離れずの戦法を取る。宝具は相手の本物の心臓と共鳴する偽りの心臓を作り、それを握りつぶすことで相手を呪い殺す右腕「妄想心音(ザバーニーヤ」。
アヴェンジャーAvenger
復讐者の英霊。第三次聖杯戦争の折、勝利に固執したアインツベルンがルールを破り例外的なクラスで召喚した、喚んではいけなかった「反英雄[注 39]」。
真名はこの世全ての悪(アンリマユ)ではあるがアサシンと同じく作中世界において創作された悪魔であり、その正体は拝火教を信じる古代のある村で、「この世全ての悪性をもたらしている悪魔を仕立て上げることで、人間全体の善性の証明とする」という身勝手な願いのために、この世全ての悪を体現する悪魔「アンリマユ」の名と役割を強制的に背負わされ、人々に心から呪われ蔑まれ疎まれ続ける中で「そういうもの」になってしまった、ただの人間である。
サーヴァントとしては宝具も持たず力も人間並みという貧弱さで、当然のように真っ先に敗れさったが、英霊としての彼の在り方が人々の“願い”そのものであったゆえに、敗れて聖杯に取り込まれた際に「願望機」がその願いを叶えてしまい、以後聖杯戦争は狂っていくことになる。
第四次、第五次聖杯戦争においてその「この世全ての悪」という“願い”は、大聖杯の中に留まりながら聖杯に満ちる「力」を養分に現界しようとしており、「器」に応じて「泥」、「肉塊」、そして「60億の人間を呪う宝具を持ったサーヴァント」として、それぞれ現われようとする。
Fate/hollow ataraxia』も参照のこと。

聖杯戦争に参戦したマスター達

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(Illyasviel von Einzbern
声:門脇舞以
身長:133cm / 体重:34kg / スリーサイズ:B61/W47/H62 / イメージカラー:銀
本編のサブヒロイン。バーサーカーのマスター。「雪の妖精」を思わせる小柄な少女。愛称はイリヤ。聖杯戦争のためだけに育てられた、マスターとして最強の存在。基本的には素直で無邪気、天真爛漫な性格だが一般的な常識や倫理観が乏しく、特に殺人に抵抗がない(ただしあくまで敵として認識した相手に対してであり、無関係な民間人を手にかけるほど残忍ではない)。夜に出会えば危険極まりないマスターであるが、昼の商店街に現れたときは人との触れ合い方を知らない臆病な面も見せている。魔術師としては余り洗練されていないが、肉体が魔術回路そのものであり特別製の令呪仕様のため、最高のマスター適正と魔力を持つ。士郎を「お兄ちゃん」と呼んで慕い、戦争開始直後より執着する。バーサーカーは最強の従者であると共に冬の城で孤立したイリヤにとっての父親のような存在でもあり、普通のサーヴァントとは一線を画す絆がある。 普段の立ち居振る舞いは幼いが魔術師・貴族の姫として威厳のある一面もあり実年齢は士郎よりも上であるため、「妹」ではなく「姉」としての顔を垣間見せる時もあるなど、様々な側面を併せ持つ。
本来は専用ルートがあったが、時間の都合でカットされたという経緯がある。バッドエンド後のお助けコーナー、「タイガー道場」の弟子一号「ロリブルマ」としても登場する[注 40]
衛宮切嗣とアインツベルンのアイリスフィールとの間に生まれた実娘。実年齢は18歳であり、士郎にとっては非血縁の姉にあたる。母のアイリスフィールはアインツベルンの錬金術が生み出したホムンクルスであり、彼女もまた母の胎内にいる時からアインツベルンより様々な魔術的調整を施されており、その影響で肉体の成長が二次成長で止まっている。ユーブスタクハイトの偏った入れ知恵により、切嗣が自分と母を捨て[注 41]最後の最後でアインツベルンを裏切ったと吹き込まれたことで切嗣を憎んでいるが、故人と知った時に悲しむなど内心複雑な模様。士郎のことは最後の家族としても見ており、彼を失い再び孤独になることを何よりも恐れている。士郎を直接手に掛けないのは、自分自身で最後の家族を消すのが怖いためである。
今回の聖杯戦争の聖杯であり、同じく聖杯である桜をどことなく苦手としている。アインツベルンから失われた第三魔法「魂の物質化」、"天の杯(ヘブンズフィール)"に至るための器(願望機)の身体(正確には心臓部分)でもあり、魂を取り込むことで魔術は理論を省略して「結果」のみを現出でき、それがイリヤの魔力で叶うことならばイリヤ自身はそのために必要な魔術理論を知らなくとも行使できる。
間桐 慎二(まとう しんじ)
声:神谷浩史
身長:167cm / 体重:57kg / イメージカラー:群青
間桐桜の兄で弓道部副部長。士郎とは同級生で、中学からの数年来の友人。一見秩序と公平を重んじる優等生であり、女生徒にも優しいので人気があるが、実際にはプライドが高く他人をすぐに見下す悪癖があり、口も悪い。士郎のことも何かと馬鹿にし、時には便利屋同然に扱うも、家に士郎を頻繁に招くなど彼なりの一本筋や友情を持っている。士郎は慎二の性格をそれなりに理解しており、交友関係が今に至るも続いているのは彼が「歪んではいても腐ってはいない」ためらしい。後輩部員をイジメで退部させるなどの問題を起こしている。漫画版の番外編では、士郎にこっそりと協力する形で、桜をいじめていた先代の弓道部主将を、取巻きを脅迫して懐柔するなどして追い込んでいる。
桜から偽臣の書(本の形をした仮の令呪)によってライダーへの命令権を借り受け、ライダーの仮マスターとして聖杯戦争に参加した。間桐の家は数代前に魔術師として枯れており、彼自身に魔術回路はないので、ライダーに命じて学校に結界を張らせ、無差別に生徒や教師から生命力を奪おうと画策する。偽臣の書で借りた桜の影を魔術として行使するが、威力は弱い。士郎や凛などの聖杯戦争参加者と比較すると格段に浅はかで弱く、窮地に陥ると戦意喪失するなど、臆病な面も見受けられる。
士郎と出会った頃は歪んでおらず、魔術回路を持たずとも由緒正しい魔術師の家系に生まれ、魔術に関する知識を持っていることを誇りにしていた。しかし、養子に来た桜が次期後継者だと数年前に知ってしまい、彼にない魔術素養を全て持っていたことと、彼が桜に向けていた憐みは実際は桜から向けられていたと思い込んで以降、強い劣等感や強迫観念を抱きながら歪んでいった。
言峰 綺礼(ことみね きれい)
声:中田譲治
身長:193cm / 体重:82kg / 誕生日:12月28日 / 血液型:B型 / イメージカラー:黒
冬木の言峰教会の神父。今回の聖杯戦争の監督役を務め、神秘の隠匿や退場者の保護などを行い聖杯戦争を円滑に進める役目を持つ。聖堂教会の人間でありながら魔術師でもあり、凛の兄弟子かつ第二の師にしてその後見人である。不遜かつ余裕ぶった態度で、他人の心の傷を炙り出し、いたぶることを好む。心霊医術と八極拳の達人であり、以前は代行者[注 42]として活動していた。故に代行者を象徴する概念武装「黒鍵」と呼ばれる魔力で編まれたレイピア状の退魔の投擲剣を愛用する。近所の中華料理店、「紅洲宴歳館・泰山」の激辛麻婆豆腐が好物。
教会の思惑を受けて10年前の第四次聖杯戦争に参加しており、その最中に監督役の父から保有していた預託令呪と監督役を受け継いだ後、自らの師であり共闘関係にあった凛の父・遠坂時臣を裏切って殺害している。衛宮切嗣と最後まで争い、彼に心臓を撃たれるも、契約していたサーヴァントを通して流れ込んだ聖杯の中身を心臓代わりに蘇生した(心臓自体はもはや機能しておらず、損傷を受けても致命傷とはならない)。当時の出来事に関しては『Fate/Zero』を参照のこと。
生まれつき善より悪を好み、万人が美しいと感じるモノを愛せず、万人が醜いと感じることにしか“幸福”を感じられない欠陥者であり、表に出ない部分では様々な悪行を行っている。欠陥者でありながら道徳を信じ、善であることが正しいとする良識を持っていたため、かつては常識から外れた自分を正し、人並みの幸福を得ようとひたすら苦行や試みを繰り返していたが結局どうあっても正すことはできず、第四次聖杯戦争を機に悪しか愛せない自身を受け入れ、悪を行い快楽を求めながら、同時に悪である自身が生まれた理由を探すようになる。
表向きは真っ当な監督役を装っているが、前回の聖杯戦争でサーヴァントとなったギルガメッシュを今も現界させており、今回の聖杯戦争ではランサーのマスターは知人であり魔術協会所属の魔術師バゼット・フラガ・マクレミッツ(Fate/hollow ataraxiaを参照)と知り、魔術協会に聖杯の真実を知られるのが厄介という理由で騙し討ち令呪を奪い、2体のサーヴァントを使役して暗躍する。彼自身は聖杯にかけるべき願いを特に持ち合わせないので、自分の嗜好にあった願望者が聖杯を使うことを望んでいるが、悪として生まれついた自身と「この世全ての悪(アンリマユ)」とを重ねて見ており、"Heaven's Feel"シナリオにおいては、自身や聖杯では出せない「答え」を「この世全ての悪」が出すことを願ってその誕生を見届けようとする。アーチャーとは違った方向から衛宮士郎の歪みを暴く人物である。
次回の聖杯の体現により絶命する。その状態は"Heaven's Feel"のラストで現れ、『hollow』でどんなことをしても逃れられない絶対の事柄だと語られている。詳しくは『Fate/hollow ataraxia』を参照。
間桐 臓硯(まとう ぞうけん)
声:津嘉山正種(Réalta Nua)
身長:145cm / 体重:43kg / イメージカラー:群青
本名はマキリ・ゾォルケン。 五百年の時を生き、現在まで永らえてきたマキリ初代当主。蟲を操る大妖術師。元の肉体はとうに捨てており、仮初の不死を実現するため、人の肉を喰らわせた蟲たちで自分の体を形成している。魂を宿らせた本体は桜の心臓に寄生した蟲。桜を陵辱してその肉体を作り替え、さらには聖杯に仕立て上げた張本人。
冬木聖杯戦争を創始した当事者の1人で、元々はこの世の悪を根絶するために第三魔法を再現しようとし、魂の物質化による真の不老不死を求めた。しかし永い時の中で魂は劣化し、想いは腐敗してただの外道に成り果ててしまう。
彼自身は今回の聖杯戦争は見送り、桜の子か孫の代で黒聖杯を完成させ、次回で勝負する考えであったが故に傍観者に徹し"Heaven's Feel"シナリオ以外では表に出ることがないが、このシナリオでは黒聖杯の完成の兆しが現れたために好機とし、自らアサシンのサーヴァントを召喚して使役・暗躍する。このアサシンは上述の真アサシン(ハサン・サッバーハ)である。ちなみに、召喚は正規のものではないため、令呪は備わっていない。桜の命(心臓)を自分が握っているという自信から、彼女を利用して力を得ようと企む。
葛木 宗一郎(くずき そういちろう)
声:中多和宏
身長:180cm / 体重:70kg / イメージカラー:無色
士郎達が通う学園の社会科教師。生徒会顧問。実直、寡黙な人物で生徒からの評判は悪くない。柳洞寺に居候している。
キャスターのマスター。魔術師ではなく、聖杯戦争に関係のない人間だったが、柳洞寺の前で行き倒れていたキャスターを助け、彼女に頼まれるままに力を貸すことになった。ただし彼は魔術回路を持たないために令呪は授かっておらず、正規のマスターというわけではない。
親はなく、とある暗殺集団にただ一度の暗殺だけのための凶器として育てられた。暗殺達成後は即自決するよう命じられていたがそれをせず、冬木市に流れてきたところを柳洞寺の住職に気に入られそこに居候し、暗殺のために与えられた教職という地位を利用して普通の生活を送っていた。しかし、訓練により『感動する心』はなくなっている。
特殊な軌道を描き幻惑する奇襲必殺の暗殺術・"蛇"の達人で、キャスターに魔術で拳を「強化」して神秘を付与してもらうことにより、サーヴァントであっても彼の技を初見する相手であれば互角以上に戦うことができる。ただし、あくまで通用するのは初見の相手に限られ、二度目以降は相手が達人クラスであれば容易に見切らてしまう。彼の背景や能力は、『月姫』と本作が同一世界であることを示す演出の1つである。
また、魔術回路こそ持たないが、彼の呼吸自体が魔術回路の役割を果たす特殊な呼吸法であり、外界と内界を接続して「オド(小源)」を生み出している。この呼吸法を後天的に身に付ける場合、通常ならば一生をかけて習得する必要がある。このことからも彼の生まれの特殊性が伺える。
衛宮 切嗣(えみや きりつぐ)
声:小山力也
身長:175cm / 体重:67kg / 誕生日:11月11日 / 血液型:AB型 / イメージカラー:灰色
故人。衛宮士郎の養父で、士郎は彼の雰囲気から「じいさん」と呼んでいる。大河とも親しかった。10年前士郎を災害から救い、身寄りのない彼を養子に迎えた。その際に自分を魔法使いと名乗る。実際に魔術師であり、士郎に魔術の知識を与えた。士郎を救出した際の彼の安堵の顔が、まるで救われたのは彼の方だとばかりに思えたことが、士郎が彼に憧れを抱くきっかけとなる。
当時は名高い「魔術師殺し」で、機械文明を嫌う傾向のある魔術師としては珍しく銃器を好んで自らの魔術礼装[注 43]とし、「固有時制御 (タイムアルター)」(自らの肉体に流れる時間の速さを外界のそれと切り離して制御する魔術)という特殊な魔術を駆使した殺し屋。己の正義のためには手段を選ばない「反英雄」的存在だった。
士郎は知らなかったが、10年前の聖杯戦争に参加した魔術師の一人。アインツベルンに雇われる形でマスターとなり、セイバーのサーヴァントとしてアルトリアを召喚した。最終的に勝者となったが、聖杯の危険性に気付き、セイバーに令呪で命じて強制的に聖杯を破壊させた。セイバー召喚の際に使用した「全て遠き理想郷(アヴァロン)」を、火事で瀕死の重傷を負った士郎を救うために彼の体内へ埋め込んでいる。聖杯から溢れた泥を直接身に浴びたことで「この世全ての悪(アンリマユ)」に肉体を蝕まれ、5年後(本作開始の5年前)に士郎に看取られながら他界する。詳細と活躍については『Fate/Zero』を参照。
元々一般人である士郎に魔術を受け継がせる気などなく、せがまれてしょうがなく教えたが「いつでも辞めていい」と言うなど、本気では指導していない。また、士郎の魔術自体もいびつで彼には把握できず、単純にセオリーに基づいて投影を無駄と評し、強化の魔術を習得する方を勧めた。ある程度の期間魔術を教えたにもかかわらず、一番の基本かつ肝心な部分で命の危険を伴う魔術回路については造ることしか教えていないのが何故なのかは本編で語られていないが、士郎に魔術を教えると決める前に大河と剣道を例え話にして問答したことがあり、その際大河から、『わざと出鱈目を教えて、役に立たないから辞めたいと思うように仕向ける。それでも気づかずに続けるならその態度は立派で、その努力は最終的に剣道とは違う道に昇華するだろう』とアドバイスされており、その一環としてなのかもしれない[3]。他にも、武術の真似事など教えている。
遠坂 時臣(とおさか ときおみ)
声:辻谷耕史(テレビアニメ版)
身長:177cm / 体重:68kg / 誕生日:6月16日 / 血液型:O型 / イメージカラー:深紅
故人。遠坂凛の父。前回の聖杯戦争で凛に家のことを任せて戦いへ赴き、そのまま帰らぬ人となった。凛はもちろん言峰綺礼にとっても魔術の師匠である。ちなみに、凛の召喚の不備の原因である時計が1時間早まっていたのは時臣の仕業で、「この程度の身近な狂いに気が付かないようなら聖杯戦争に参加するのはまだ早い」という嗜好らしい。
本来のアーチャー(ギルガメッシュ)のマスターであり、実は弟子であった綺礼の騙し討ちに遭って殺害された。詳細と活躍については『Fate/Zero』を参照。

一般人

藤村 大河(ふじむら たいが)
声:伊藤美紀
身長:168cm / 体重:53kg / スリーサイズ:不明 / イメージカラー:虎
士郎達が通う学園の英語教師で、弓道部顧問と士郎のクラスの担任も兼任する25歳の女性。士郎からは「藤ねえ」と呼ばれている。祖父・藤村雷画(ふじむら らいが)は「藤村組」という極道を仕切る、街の有力者。その祖父に衛宮家と古くからの縁があり、士郎の養子縁組や遺産相続も取り仕切った関係であることから、士郎とは幼馴染・姉貴分という間柄で、一人暮らしする士郎をいつも気遣っている。士郎を取られまいとセイバーに竹刀で挑み、当然のように返り討ちに遭った際には大げさに落ち込んだほど。士郎も、彼女をかけがえのない家族と認めている。
衛宮親子とは10年前に屋敷を藤村組から購入した縁で知り合い、切嗣に一目惚れした。その後、道場もあるからと頻繁に通い、当時泣き虫だった士郎を良く思わず、切嗣を取り合っては対立していたが、後に和解して現在は保護者と称し、士郎や桜の作る料理を目当てに衛宮家に入り浸っている。若くして剣道五段という相当な腕前で「冬木の虎」の異名を持ち、学校でのあだ名は「タイガー」。本人はこのあだ名で呼ばれると激しく怒る一方で、虎のストラップを愛用の「虎竹刀」に付けていたりする。虎は「深く憎み、そして深く愛している」存在であり、その定義は「ヒゲが生えていること」らしい。
バッドエンド後のお助けコーナー、「タイガー道場」の主としても登場するギャグ担当(自身こそ真の正統派ヒロインだと主張している)。本編でもシリアスな展開に絡むことはほとんどない。
ちなみに、公式設定では女性キャラにもかかわらずスリーサイズの数値は不明、バストはセイバーや凛より大きくライダーよりは小さいそうであるが、PS2版の説明書では十の位の数が9のようになっている(ただし、『フェイト/タイガーころしあむ』の入浴シーンや武内崇が描いた水着姿は明らかに90を超えているようには描かれていないため、正確な数字とは限らない)。
美綴 綾子(みつづり あやこ)
声:水沢史絵
身長:162cm / 体重:50kg / スリーサイズ:B83/W58/H83 / イメージカラー:オレンジ
士郎達の同級生で弓道部主将。サバサバした性格の美少女で、薙刀をはじめとして数々の武道の達人。「美人は武道をしていなければならない」が信条。遠坂凛の数少ない友達(「殺すか殺さないかの関係」らしい)であり、士郎の友人でもある。ストーリー開始以前から主要登場人物全員と付き合いがあった珍しい人物。弓道部を辞めた士郎を部に戻そうと声をかけている。副部長である慎二の後輩イジメを苦々しく思っている。
ルート次第では慎二の策略でライダーに吸血目的で襲われ、病院送りとなってしまう。
柳洞 一成(りゅうどう いっせい)
声:真殿光昭
身長:170cm / 体重:58kg / イメージカラー:オレンジ
士郎達の同級生で生徒会長。士郎の友人でもある。実直で真面目な好青年。また、柳洞寺の跡取息子でもある。遠坂凛の本質を見抜くなど鋭い洞察力を持ち、独特の言葉遣いを持つ個性的なキャラクター。
柳洞寺に拠点を置くキャスターによって、住人は自分のことを探る人間を殺すように魔術をかけられている。その1人である一成も、士郎がキャスターのことを問いただした際にスイッチが入り、彼を殺害している。
蒔寺 楓(まきでら かえで)
声:結本ミチル
身長:163cm / 体重:49kg / スリーサイズ:B72/W56/H78 / イメージカラー:褐色
凛のクラスメート。褐色肌で和服の似合う日本美人。凛とはいわゆる悪友で、凛が地を出しているのは美綴と蒔寺くらいらしい。大雑把な性格だが、趣味は風鈴集めと至って和風趣味。よく凛と骨董めぐりなどをしているらしい。
三枝 由紀香(さえぐさ ゆきか)
声:中尾衣里
身長:155cm / 体重:39kg / スリーサイズ:B75/W57/H78 / イメージカラー:赤茶色
凛のクラスメート。いつも友人の蒔寺楓や氷室鐘と一緒に行動している。凛に憧れに近い感情を持っており、手作りの弁当を引っさげて一緒に昼食をとろうと誘っているが、その天然で和やかな性格から、猫を被っている凛には警戒されている。本来は料理が好きだったのだが、蒔寺に誘われて陸上部のマネージャーをやっている。本人は至って運動音痴。
氷室 鐘(ひむろ かね)
声:中川里江
身長:157cm / 体重:48kg / スリーサイズ:B84/W56/H85 / イメージカラー:鼠色
遠坂凛のクラスメート。冷静沈着な性格でメガネ美人。陸上部に所属している(専門は走り高跳び)が、本人は絵画が趣味。
後藤 劾以(ごとう ガイ)
声:葛城政典(テレビアニメ版)
士郎のクラスメート。テレビの影響を受けやすく、最近は時代劇にはまっているために侍口調で話している。ややお調子者の一面を持ち合わせており、担任の大河に「タイガー」と呼んで叱られたりしている。
蛍塚 音子(ほたるづか おとこ)
声:野田順子
士郎のバイト先である新都の居酒屋コペンハーゲンの一人娘。士郎のことは「エミヤん」と呼んでおり、大河とも知り合いである。
藤村雷画(ふじむら らいが)
大河の祖父。深山町一帯に顔を利かせる富豪の長。切嗣とは衛宮邸を購入した時からの付き合いで、養父を失った士郎の後見人としてしばしば面倒を見ていたらしい。邸宅には複数の強面の男たちがいる。
"Fate"ルートで最終的にイリヤを引き取り、イリヤを猫可愛がりしてるらしい。
魃(ばつ)
声:田村ゆかり(Réalta Nua)
マウント深山商店街の中華飯店・泰山の女性店長。非常に小柄な体格の中国人。口癖は「- アル」。非常に辛い麻婆豆腐を出す。

その他の登場人物

リーゼリットLeysritt
声:宮川美保(Réalta Nua)
身長:162cm / 体重:52kg / スリーサイズ:B92/W58/H84 / イメージカラー:白(黒)
イリヤの世話係。アインツベルン製のホムンクルス。通称・リズ。やや感情に欠けた話し方をするが、どこか無邪気な性格をしている。聖杯戦争に当たってはイリヤやバーサーカー、セラとともに来日し、アインツベルン城で暮らしている。イリヤに対しては友達のような接し方をしているが、イリヤは別に気にしてはいないようである。
セラと違い、アインツベルンに伝わる魔術兵装「天のドレス」をイリヤに着せるためのホムンクルスである。
セラ(Sella
声:寺田はるひ(Réalta Nua)
身長:163cm / 体重:49kg / スリーサイズ:B75・W58・H79 / イメージカラー:白(黒)
イリヤの教育係。アインツベルン製のホムンクルス。生真面目な性格で表情を崩すことはない。イリヤが淑女であらんと努めており、ややくだけた感じのリズに関してはいつも小言を言っている。一方で甘いもの(特に安物)が好きで、リズに深山町まで買いに行かせたりしている。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト(Luviagelita Edelfelt
声:田村ゆかり(Réalta Nua)
身長:160cm / 体重:49kg
とあるルートでロンドンに渡った遠坂凛の時計塔でのライバルにして、士郎がアルバイトで執事を務めることになるフィンランド出身の名門魔術師。お嬢様口調で強気な性格。結局は凛と似通った性格だったために、ことあるごとに凛と衝突しており、大乱闘に発展したこともある。
ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン(Justeaze Lizrich von Einzbern
200年前、遠坂・マキリと協力して第三魔法の成就を達成させようと聖杯降霊を行ったアインツベルンの当主。通称・冬の聖女。柳洞寺地下に置かれる大聖杯の基礎となった魔術回路はユスティーツァ自身であり、アインツベルンは第四次聖杯戦争以降はユスティーツァと同型のホムンクルスを聖杯として冬木に送り込んだ。
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ(Kischur Zelretch Schweinorg
声:西前忠久(Realta Nua)
魔導元帥。万華鏡(カレイドスコープ)の二つ名を持ち、宝石のゼルレッチとも呼ばれる五人の魔法使いのうちの1人で第二魔法「平行世界の運営」の使い手。また、遠坂永人の師匠であった関係から、その系統を受け継ぐ凛からは大師父と呼ばれている。ただし師匠と言っても、単に旅先で出会って宿代の代わりに魔術の筋を見た程度で、指導まではしていない。また凡人だが善人だから悪用しないし、ましてや絶対に作れないけど目標として宝石剣の設計図を託している。200年前のアインツベルン・遠坂・マキリによる聖杯降霊の儀式にも立ち会っている。とあるルートでは聖杯戦争後の騒動に沸き立つ魔術協会に現れる。
死徒二十七祖の一角であったり、吸血種の王“朱い月”に喧嘩を売り滅ぼしたり、メインヒロインの爺やであるなど『月姫』と関わりが深い人物。ちなみに、弟子はほぼ確実に廃人になると言われているが、あくまで魔法使いのであって魔術に関しては問題なく指導できる。
遠坂 永人(とおさか ながと)
200年前、アインツベルン・マキリと協力して聖杯降霊を図った遠坂家当主。ゼルレッチの弟子の家系であり、聖堂協会にもある程度顔がきく。自身は武術の粋である無の境地を利用して根源への到達を考えていた。そのためか魔術の才能は娘に劣っていたらしい。
クラウディア
13年前に死亡した言峰綺礼の亡妻。元より死病に憑かれていた女性であり、言峰との結婚生活2年目にして他界した。その死は病死ではなく自殺であり、言峰の愛情を肯定するためのものであったが、言峰は彼女の死に意味を感じる事はできなかったが、無価値なものにしたくないという感情も抱いている。娘のカレンは母方の姓を名乗っているため、旧姓はオルテンシアである。
マーリンMerlin
声:小林勝也 / 諏訪部順一
アーサー王(セイバー)の時代の魔術師。幼いアルトリアの未来を予見し、アルトリアが王の選定の剣カリバーンを引き抜こうとする時に警告を与えた。セイバーはその飄々とした性格を苦手にしていた。
モードレットMordred
声:桑島法子(テレビアニメ版)
身長:154cm / 体重:42kg / スリーサイズ:B73/W53/H76 / 血液型:不明 / 誕生日:不明
アーサー王(セイバー)の子。円卓の騎士の1人。兜で素顔を隠しており、セイバーが自身に王位を譲らなかったことなどを理由に叛旗を翻す。セイバーに討たれるも、彼女の死の遠因を作った。
アニメが初出で、TYPE-MOONによる同人誌『Character material』内の解説によれば、その正体はモードレットの母「モルガン」(セイバーの姉)がセイバーから作ったクローン(ホムンクルス)で、その出生はセイバーを擬似的に男性に変え、魔術で幻惑し採取した精子を自らの子宮で育てた。そのため、セイバーの子供というのはあながち間違いではない。ホムンクルスであるために成長速度が人間より早く、短命。
王位を狙うために父親のことを隠してセイバーの下へ送るも、彼はセイバーへの憧れにより反逆心を抱こうとせず、真っ当な騎士を目指す態度に業を煮やしたモルガンはセイバーとの不貞の子であることを暴露したが、それでも父親がセイバーだという事実に歓喜しセイバーに詰め寄るが、セイバーは彼を拒絶した。そのため、セイバーへの愛情は憎悪へと変わり叛旗を翻すことになるが、それでも最後まで本心では息子と呼んでほしかったことに変わりはなかった。
素顔を隠すのはモルガンの言いつけであり、その素顔はセイバーとうり二つである。
関連作品である『Fate/Apocrypha』に登場しており、今まで不明だった性別[注 44]も女性と判明した(詳細は当該項参照)。
ベディヴィエールBedivere
声:能登麻美子 / 真殿光昭
アーサー王(セイバー)の忠臣である美青年。円卓の騎士の1人。王の命で、彼女に代わってエクスカリバーを湖の精に返還し、彼女の最期を看取った。また最後までセイバーが女性とは知らないままだった。



[ヘルプ]

注釈

  1. ^ この作品から離れた本来の意味での聖杯、すなわちキリスト最後の晩餐の際に使ったとされる聖遺物の杯とは全く別の物である。
  2. ^ Type-Moon作品の多くが共有する世界観において、魔術によって引き起こされる現象は科学技術などの他の方法を用いても再現しうるのに対し、魔法とは本物の奇跡(その時代の技術レベルにおいて、どれほどの費用や労力を注ぎ込んでも達成不可能なもの)を実現する神秘であり、第一から第五まで五つが存在するのみである。それを扱える魔法使いは世界に現在四人しかいない。
  3. ^ 物質界において唯一永劫不滅でありながら肉体という枷に引きずられる魂を、それ単体で存続できるよう固定化する魔法。本来物質世界では存在できない = 三次元世界上の法則に従わない「魂」の次元を上げる、言わば、「高次元の魂」を創造する。これにより魂は物質界より次元が高い概念世界である星幽界に属することになり物質世界からは絶対に手出しできない無敵状態となる。肉体は星幽界からラジコン操作のように操ることになる。1つの魂が一度に操れる肉体は1つだけ、他の魂を宿している肉体を強引に奪うことはできないなどの制約はあるものの、要は魂が寿命を迎えるまで死ぬことがないようにする魔法。
  4. ^ 魔術師などが体内に持つ、魔力を精製するための疑似神経のことをいう。
  5. ^ 願いは言わば設計図なので、使用者の知り得る手段でしか願いは叶わず、知り得ない方法での願いは叶えられない。
  6. ^ 名前に反して必ずしも「戦争(武力闘争)」であるとは限らず、例えば「聖杯」が売りに出され、それを買うためにオークションなどを行うことも「聖杯戦争」と呼ばれる。
  7. ^ 聖杯により与えられるマスターの資格で、自らのサーヴァントに対する絶対命令権。腕のどこかに三画の聖痕として現れ、三回までの命令が有効。形状は個人によって差異がある。使用するたびに一画ずつ消えていく。膨大な魔力が込められている。命令が具体的なものであればあるほど強制力が大きく、また、場合によっては本来なら不可能な行為(例:数キロの瞬間移動)を可能にすることもできる。令呪を使い果たしたとしてもサーヴァントが裏切らなければ契約自体は維持できるが、もし裏切れば自分のサーヴァントに殺害されることもあるので、基本的に使い果たすのは推奨されない。ただしそれも方便で本当の意味は別にある。
  8. ^ そのマスターが最も認識しやすい形。
  9. ^ 過去・現在・未来の全時系列のどこかに存在した英雄たちの霊。実在したか否かを問わず、神話や伝説・歴史において偉大な功績をあげ、死後もなお人々からの信仰の対象とされた英雄の霊格が精霊神霊聖霊(何れも人よりも高位とされる)の域にまで昇華され、世界の外側にある“英霊の座”と呼ばれる領域に押し上げられることで、輪廻の輪からも因果の枠からも外れて不変の現象となった存在。
  10. ^ 英霊は基本的に神話伝承に語られる英雄であり、その物語の中には彼らの最期や弱点なども含まれてもおり、それらの伝承が宝具のように弱点として備わっている。死因につながった宝具(宝具の紛失など)は備わらないのもある。
  11. ^ 人間の幻想を骨子にして作り上げられた武装のこと。英霊は、生前彼らが持っていた武器や固有の能力・魔術・特徴や、あるいは彼らを英霊たらしめる伝説や象徴が具現化したモノとして、伝承由来の宝具を持つ。宝具には、具体的な武具の形を取らず、身体能力として常時発動するようなものも含まれることがある。ひとりの英霊が持つ宝具の数は、その英霊の伝承の数や種類によって異なる。基本的に宝具には魔力を注ぎ宝具の真名を口にすることで宝具に秘められた真の力を発現させる「真名開放」がある。この攻撃は、英霊より格上である存在(時には、幻想種最強の竜種)を倒すことも可能とされる。ちなみに、全ての宝具に真名開放があるわけではない。能力の発動は任意の発動から使用条件といったものもある。膨大な魔力の詰まった宝具を爆弾として破裂させる「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)」という大技もあるが、宝具の修復は容易いことではないため、こちらはまず使われない。また、武器などの現存する宝具もあるが、それらは一種の概念武装ではあるが宝具としての能力はなく、あくまでもその武器を象徴する使い手のサーヴァントが手にすることでのみ、宝具と成り得る。
  12. ^ 自然や空間に存在する魔力。大源とも。これとは別に生物の体内で精製される魔力はオド(小源)と呼ばれる。
  13. ^ 世界の外側にあるとされる領域で、「あらゆる事象の発端」「万物の始まりにして終焉」。全ての魔術師にとっての絶対的到達目標である。
  14. ^ 自分の心象世界を侵食させることで、一定範囲内を現実世界とは異なる法則の支配する異界に変える、魔術や能力。個々の術者の心象世界がそれぞれに異なる以上、発現の仕方もさまざまである。世界からの修正を常に受け続けるため、その展開と維持には莫大な魔力が必要になり、人間の術者にはせいぜい数分程度の維持しかできない。最も魔法に近い魔術で、魔術師たちの目指す到達点の一つ。
  15. ^ a b 複製された無数の剣が、さながら墓標のように大地に突き立つ剣の丘の心象世界。内部はあらゆる剣を構成する要素で満ちており、目にした剣を瞬時に読み取り複製、結界内に記憶する。ただし複製品はオリジナルより宝具としてのランクが一つ落ちる。また、盾や鎧の投影は剣投影の2倍から3倍の魔力が必要。なお、結界形成時に用意された武装は魔力を消費しないが結界の形成から維持まで魔力を消費し続ける。さらに破壊されたものを修復する又は結界形成時に存在しなかったものを新たに投影する場合は激しく魔力を消費する。また、セイバーの「約束された勝利の剣」やギルガメッシュの「乖離剣エア」などの神造兵器は複製は不可能である。ただし「約束された勝利の剣」に限ってはセイバーオルタのものを投影しており、アーチャーは「完璧ではないにしろ真に迫る物ならできる」と述べている。外伝ではあるが『Fate/EXTRA CCC』でアーチャーが永久に遙か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)を投影している。ちなみに、両者の心象は違いがあるために詠唱と光景が違っており、アーチャーは世界側の存在でもあるため、世界の修正もなく行使できる。投影物は必ずしも宝具というわけではない(例として干将・莫耶が該当する)。
  16. ^ 初回特典集では「アーチャーが詠唱を守るため投影した」と書かれているが、『Fate/complete material III』では細かく述べられており、「天地乖離す開闢の星」から守ったのがアーチャーの仕業。これにより固有結界に記録されて投影が可能となり、士郎が詠唱中に投影した。また、「丘から盾を引きずり上げる」という描写は悟りを開けたからこその表現だとされる。
  17. ^ 無契約の場合は後者のセイバーが直に接触するのみでしか回復は発動しない。また「約束された勝利の剣」で受けた傷は回復しない。
  18. ^ 本編中でも、何度か傷口から剣が見えたという描写がある。剣としての強度があるため、ライダーの鉄杭は貫き通せなかった。
  19. ^ 通常、人体に霊体をつなげるとショック死は避けられない。そもそも、魂の蘇生・復元は魔術では扱えない神秘であり、異なる霊体同士の接続自体が禁呪である。それでも移植に成功したのは、士郎とアーチャーの霊格が同じだったため。
  20. ^ ただし、完全に使用できるわけではない。例えば固有結界「無限の剣製」は士郎とアーチャーの心象世界が異なるため継承できず、投影できるのは士郎が直接学んだものか、アーチャーが記録した宝具のみという制約がある。
  21. ^ 「TYPE-MOONエース」Vol.4のフェイト/エクストラロングインタビューより。
  22. ^ セイバーの身体を魔力で強化するスキルで、甲冑もそのスキルで纏った物でもあることから、彼女が甲冑を消すのは身体の強化だけに集中するためである。また、自身以外の対象も可能。
  23. ^ 本質は有名な聖剣を隠すものだが汎用性が高く、剣ではない対象も可能(広範囲の物でも可能)で不可視だけではなく風の防御壁を張ることもできる。また、纏わせた風を解放することで暴風として撃ち出す「風王鉄槌(ストライク・エア)」がある。使い方次第でロケットのように推進力としても使えるが、再び風を纏わせるには多少時間を要するために連発はできない。ちなみに宝具扱いだが正しくは魔術であり、マーリンが施したとされる。
  24. ^ 精霊の加護に依り、水海を沈むこともなく足を付けることも可能。また、「Fate/side side matriale 3」のBLACKの漫画では瞬時に髪を結わえるのは髪結の精霊キューティクルとメデュラの加護に依るものと解説され、ほかに糧と仕立ての精霊もいるとも述べている。
  25. ^ 作中では名前が明かされていないが、初回特典のデザイン画にセイバーオルタナティブと書かれており、外伝作品(『Fate/unlimited codes』など)および関連商品で正式に「セイバーオルタ」、または「セイバーオルタナティブ」の名称がつけられた。
  26. ^ 当初の発表では2月4日だったが、後に訂正された。
  27. ^ この性分は父・時臣が死んだ事で彼の魔術師としての冷酷な本性を知らないが故に形作られたものであり、もし時臣が生存していた場合は影響を受け魔術そのものを忌避するか父同様の冷酷な魔術師となるかのどちらかとのこと。
  28. ^ 作中に彼の宝具と言われることがあるが、宝具ではない。ただし、れっきとした「干将・莫邪」を持つ英霊が召還した物なら怪異に絶大な効果がある対怪異用宝具となるという。そして性質と投影を駆使した干将・莫耶の究極技ともいえる「鶴翼三連」がある。本作では"Heaven's Feel"ルートのとある展開で彼ではなく士郎が移植したアーチャーの腕より引き出しセイバーオルタ相手に自壊覚悟で倒した技で、2対の投擲と斬撃の重ね×切りのコンビネーション技である。アニメ版では彼自身が使用し、更に刀身を強化することで鳥の羽のような巨大な剣「干将・莫耶オーバー・エッジ」にて斬撃する。「干将・莫邪」に刻まれている詩が発動呪文でもある
  29. ^ 体の変色は衛宮士郎にも見られ、"Fate"ルートで「勝利すべき黄金の剣」の投影際に皮膚の一部が変色している。
  30. ^ 英霊の中には、人間という種を守るための究極の力として存在する者たちがいる。彼らは「抑止の守護者(カウンターガーディアン)」「霊長の守護者」と呼ばれ、「『人類の自滅』が起きる時にその場へ現界し、そこに存在するすべての人間の殺戮を以ってそれを阻止する」という役目のため、自由意志を持たぬまま世界に使役される存在である。信仰や神性の低い者、そして世界との契約により英霊となった者にはもっぱらこの役割が割り振られる。
  31. ^ 実際には英霊となった時点で因果を外れ、既に士郎とは別の存在となってしまっているため、望みが叶えられる可能性は低い。むしろこれは彼自身も認めている通り単なる八つ当たりに近く、また何らかの変化があると信じないと自分を許容できないとも語っている。
  32. ^ シナリオ原作者はこの聖人について『月姫』のシエルと示唆するコメントを述べている。
  33. ^ 材質や形状などの物理的な特性ではなく、儀式や積み重ねた歴史、語り継がれる伝承などにより付与された概念、すなわち魂魄の重みに依って特定の能力を発揮する強力な武装のこと。物理的な効果にとどまらず、空間や節理、対象の意味などにまで影響を及ぼすことができる。なお、宝具もその成り立ちから一種の概念武装であると言うことができ、例えば「熾天覆う七つの円環」は宝具の域にまで昇華した概念武装である。
  34. ^ Heaven's Feelルートでは聖杯の泥により黒化してしまうが、それでもイリヤを護る意志が消えていないことが説明されている。
  35. ^ 作中で、一撃の下に5回殺した「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」のランクは不明だが、A++(「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」)より低く、かつAランク以上(「十二の試練」に通用)である。
  36. ^ この宝具は宝物庫を開く鍵剣こそが本体でそれ自体に脅威はなく使用者が財が無ければ只の鍵でしかない。それ故に全ての財を所有するギルガメシュだからこそ意味のある宝具と言える。鍵剣を使わなくても財を取り出すことはできるが、乖離剣を呼び出す際にはしばしば鍵剣を使用している。なお、ヘラクレスの「十二の試練」など、英雄の生涯における逸話や技などが基になった形のない宝具までは所有していない。『Fate/EXTRA CCC』では、より定義が明解にされており、曰く英雄の伝承は人類最古の英雄であるギルガメッシュの伝説から派生したものであるために英雄の宝具の原典は彼に行き着き、そしてその原典は人類の知恵の原典にしてあらゆる技術の雛形である。ゆえに宝物庫には人類が生み出すものであれば過去未来の時間軸問わず全てを保有している。逆に所有してない物は基本的に全く別の新人類または別天体の知的生命体の文明技術よって生み出す全く別の概念によるものである場合、また存在こそしても使用した伝承がない物は原典が何に当たるかわからないため収蔵されていない。
  37. ^ 関智一は後にアニメ版『ドルアーガの塔』でもギルガメスを演じている。
  38. ^ 史実におけるハサン・サッバーフイスラム教ニザール派の創始者の1人であり、アサシンという言葉の語源は彼自身ではなくこのニザール派である。このゲームで多用される歴史・神話の独自解釈の産物である。詳しくは暗殺教団を参照のこと。
  39. ^ 悪を行い人々から呪われる存在でありながら、それが結果的に人々の救いとなって奉られた英雄を指す。英霊の分類の一つ。
  40. ^ 「トラぶる花札道中記」や「フェイト/タイガーころしあむ」シリーズでは別人となっており、両方のイリヤが共演することもある。ただし、ドラマCDなど一部の作品では同一人物だと思わせる発言があった。
  41. ^ 実際は切嗣は第4次聖杯戦争終了後に何度かイリヤに会いに行こうとしたが、アインツベルンの結界に阻まれて会えなかった。
  42. ^ 聖堂教会における異端審問員で、神の代行と称して教義に存在しない異端を狩る殺し屋。死徒と呼ばれる吸血鬼や禁を犯した魔術師を主な標的とする。
  43. ^ 魔術行使をサポートするための特殊な武装。持ち主の魔力を増幅するもの、魔力を流し込むだけで特定の魔術を発動するものなど。
  44. ^ ただしFateルート本編では「男」と表記されている。
  45. ^ Fate/hollow ataraxia』内の同名のミニゲームに、新たにシナリオとキャラクター音声を追加したもの。
  46. ^ 2009年9月19日アニメイト秋葉原店でも限定発売された。

出典

  1. ^ Type-Moon 『フェイト/ステイナイトプレミアムファンブック』 宙出版、2003年、47頁。ISBN 4776790084
  2. ^ コンプティーク』2007年5月号、角川書店2007年4月10日[要ページ番号]
  3. ^ テレビアニメ版『Fate/Zero』BD-BOX II 特典ドラマCD IIより。
  4. ^ 東浩紀・佐藤心・更科修一郎・元長柾木 「どうか、幸せな記憶を。」『批評の精神分析 東浩紀コレクションD』 講談社、2007年、217頁・274-279頁。ISBN 978-4062836296
  5. ^ 前島賢 『セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史』 ソフトバンククリエイティブ、2010年、178頁。ISBN 978-4797357165
  6. ^ 宇野常寛 『ゼロ年代の想像力』 早川書房、2008年、122-123頁。ISBN 978-4152089410
  7. ^ PS Vita版『Fate/stay night [Réalta Nua]』オープニングムービーに携わっているほか、劇場版『空の境界』では第六章の監督を務めた。
  8. ^ 「Fate/stay night 」公式サイト”. ufotable. 2014年1月1日閲覧。
  9. ^ 月刊ニュータイプ』2013年10月号、KADOKAWA2013年9月10日
  10. ^ TYPE-MOONエース』Vol.9、KADOKAWA2014年1月30日
  11. ^ TYPE-MOONエース』Vol.9、KADOKAWA2014年1月30日
  12. ^ 竹箒日記 2014年1月31日
  13. ^ TYPE-MOONエース』Vol.9、KADOKAWA2014年1月30日






固有名詞の分類

プレイステーション2用ソフト 月は切り裂く 〜探偵 相楽恭一郎〜  タイムクライシス2  Fate/stay night  MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES  ストライカーズ1945
2004年のアダルトゲーム 最終試験くじら  こいじばし  Fate/stay night  はなマルッ!  ANGEL BULLET
テレビアニメ化されたアダルトゲーム あかね色に染まる坂  FORTUNE ARTERIAL  Fate/stay night  処女はお姉さまに恋してる  桃華月憚
角川書店のゲームソフト FORTUNE ARTERIAL  召喚少女 〜ElementalGirl Calling〜  Fate/stay night  ロードス島戦記  GIRLSブラボー
日本の漫画作品一覧 獣神演武  愛してナイト  Fate/stay night  伊賀野カバ丸  ラヴ・バズ
漫画作品 ふ プピポー!  ふらいんぐ・人魚姫  Fate/stay night  ぷくぷく天然かいらんばん  ふたごのプリンセス
UHFアニメ 生徒会役員共  ホイッスル!  Fate/stay night  シゴフミ  桃華月憚
アニメ作品 ふ 福島民話館 ねぇみんな…  BREAK-AGE  Fate/stay night  プルートの仲直り  ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!
2006年のテレビアニメ けろけろけろっぴ  姫様ご用心  Fate/stay night  ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!  桜蘭高校ホスト部

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Fate/stay night」の関連用語

Fate/stay nightのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Fate/stay nightのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのFate/stay night (改訂履歴)、fate/stay night (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS