カリバーンとは? わかりやすく解説

エクスカリバー

(カリバーン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/17 00:50 UTC 版)

エクスカリバー英語: Excalibur)は、アーサー王伝説に登場する、アーサー王が持つとされる剣。魔法の力が宿るとされ、ブリテン島の正当な統治者(=イングランド王)の象徴とされることもある。


注釈

  1. ^ ウァース『ブリュ物語』は『ブリタニア列王史』の翻訳[5]であり、伝承を概ね踏襲している。
  2. ^ ラヤモン『ブルート』は『ブリュ物語』の翻訳[6]であり、『ブリタニア列王史』の伝承を概ね踏襲している。
  3. ^ コルブランドは『頭韻詩アーサーの死』の前半部のみにみられる表記。
  4. ^ 『頭韻詩アーサーの死』におけるカリバーンの綴りについて、Brock校訂版 (Brock (1871)) では、本文は Calaburne (p. 125, 4230行目), Caliburne (p. 124, 4193行目), Calyburne (p. 125, 4242行目)という綴りにしているが、名称索引(p. 130, "INDEX OF NAMES")では Caliburn に寄せている。
  5. ^ マロリー『アーサー王の死』は、『後期流布本サイクル』の『メルラン続伝』(湖の乙女からエクスカリバーを受け取る伝承)[20]や、『ランスロ=聖杯サイクル』の『メルラン物語』(石に刺さった剣をエクスカリバーとする伝承)[1]、『八行連詩アーサーの死』(死の直前にエクスカリバーを湖に返す伝承)[16]の影響を受けているとみられ、表記もそれらの影響下にあると考えられる。
  6. ^ なお、ここでの鋼 achier という語は刃ないし剣も意味し、中世ラテン語の aciarium (鋭い acies の派生語)に由来する。
  7. ^ 「石に刺さった」部分の詳細な描写として、ロベール・ド・ボロンの『メルラン』では「石の上の鉄床に刺さった剣」、ランスロ=聖杯サイクルでは「石の上の鉄床を貫いて石にまで刺さった剣」として描かれている(小路 2006, pp. 73–74, 75)。
  8. ^ 『アーサー王の死』を抄訳した厨川文夫は、注で石に刺さった剣をエクスカリバーとしたのはマロリーの誤りだとしている[37][1]
  9. ^ 石から剣を引き抜く件は冶金術の暗喩ではないかとする説もある[39]
  10. ^ 2011年アメリカStarz局で放送が開始された『Camelot』では、滝の最上部の石に刺さった剣をアーサーが抜くが、それはエクスカリバーとは別物という設定になっている。後日、魔術師マーリンがエクスカリバーを入手してアーサーに届ける際、「湖の乙女に授かった」と報告するが、その乙女とは実は、マーリン自身が魔法を制御できずに溺死させてしまった、鍛冶屋の娘のことである。
  11. ^ BOOK I.CHAPTER XXV.の"be ye never so sore wounded" は、「どれほどひどく傷を受けても」という意味であると北村一真は解説する(『英文解体新書 2』p.236 研究社 2021年)。
  12. ^ BOOK II.CHAPTER XI.の "though ye have as many wounds upon you as ye may have."は「どんなにたくさん傷をうけても」という意味になる。

出典

  1. ^ a b c d 小路 2006, p. 82.
  2. ^ a b 小路 2006, p. 72.
  3. ^ a b ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 75(項目「エスカリボール」)
  4. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 432.
  5. ^ a b c 小路 2006, p. 70.
  6. ^ a b c d e f g h 小路 2006, p. 71.
  7. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 434.
  8. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 450.
  9. ^ 小路 2006, p. 73.
  10. ^ a b 小路 2006, p. 75.
  11. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 438.
  12. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 446.
  13. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 459, 出典では「13世紀初め」の表記。
  14. ^ Brock 1871, p. 63(2123行目), p. 65(2201行目); p. 130("INDEX OF NAMES" (名称索引)).
  15. ^ a b ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 429.
  16. ^ a b c 小路 2006, p. 84.
  17. ^ Brock 1871, p. 130("INDEX OF NAMES" (名称索引)).
  18. ^ Malory & Rhys (ed.) 1893, vol. 1, pp. 15, 55, etc..
  19. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 460.
  20. ^ 小路 2006, p. 81.
  21. ^ R. Bromwich and D. Simon Evans, Culhwch and Olwen. An Edition and Study of the Oldest Arthurian Tale (Cardiff: University of Wales Press, 1992), pp.64-5
  22. ^ 中野節子訳『マビノギオン』JULA出版局、2000年 p.164
  23. ^ 同 p.206
  24. ^ 同 p.225
  25. ^ ジェフリー・オブ・モンマス『ブリタニア列王史』第9巻147章など
  26. ^ Bryant, Nigel (trans., ed.), Perceval: The Story of the Grail, DS Brewer, 2006, p. 69 ("Qu'il avoit cainte Escalibor, la meillor espee qui fust, qu'ele trenche fer come fust.")
  27. ^ Loomis, R. S., Arthurian Tradition and Chretien de Troyes, Columbia, 1949, p. 424 ("c'est non Ebrieu qui dist en franchois trenche fer & achier et fust")
  28. ^ Vinaver, Eugene (ed.), The works of Sir Thomas Malory, Volume 3, Clarendon, 1990, p. 1301 ("the name of it said the lady is Excalibur that is as moche to say as cut stele.")
  29. ^ Alliterative Morte Arthure, 2123行
  30. ^ 小路 2006, pp. 73–74.
  31. ^ 小路 2006, pp. 74–75.
  32. ^ Merlin: roman du XIIIe siècle ed. M. Alexandre (Geneva: Droz, 1979)
  33. ^ 小路 2006, p. 75 ただしこちらの出典では『メルラン物語』の方とされている。
  34. ^ Lancelot-Grail: The Old French Arthurian Vulgate and Post-Vulgate in Translation trans. N. J. Lacy (New York: Garland, 1992-6), 5 vols
  35. ^ 小路 2006, p. 78.
  36. ^ トマス・マロリー『アーサー王の死(キャクストン版)』第1巻9章、第2巻3章
  37. ^ 厨川文夫・圭子編訳 『中世文学集1 アーサー王の死』 ちくま文庫
  38. ^ 剣と魔法の博物館(2010年11月閲覧)等
  39. ^ デイヴィッド・デイ著/山本史郎訳:『アーサー王の世界』原書房 46頁
  40. ^ The Project Gutenberg eBook of Le Morte D’Arthur, Volume I (of II), by Thomas Malory”. www.gutenberg.org. 2021年5月2日閲覧。BOOK I.CHAPTER XXV. How Arthur by the mean of Merlin gat Excalibur his sword of the Lady of the Lake.
  41. ^ The Project Gutenberg eBook of Le Morte D’Arthur, Volume I (of II), by Thomas Malory”. www.gutenberg.org. 2021年5月2日閲覧。
  42. ^ トマス・マロリー『アーサー王の死』第4巻14章
  43. ^ The Project Gutenberg eBook of Le Morte D’Arthur, Volume I (of II), by Thomas Malory”. www.gutenberg.org. 2021年5月2日閲覧。



カリバーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 23:06 UTC 版)

円卓生徒会」の記事における「カリバーン」の解説

キャメロフォードで発見され伝説の剣。これを抜くものはブリタニアの王となることができるとの伝説があった。亜砂が抜くことに成功したが、ラーンスロット戦ったさい折れてしまった。その後トリスタンインスマウスたちに剣の破片投げて渡したのを最後に存在確認されていない

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カリバーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/22 14:12 UTC 版)

ソニック・ザ・ヘッジホッグ (漫画)」の記事における「カリバーン」の解説

伝説の聖剣。口うるさい厳格な性格で、ソニックとは非常に仲が悪く喧嘩ばかりしている。手荒に扱われるのが嫌い。第11話まで登場

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