増光
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 15:28 UTC 版)
ふたご座U星は、普段は14等台だが、時々5等級くらい明るくなり、明るい状態が1週間から3週間程度続く。この大幅な増光は、平均すると大体100日くらいの周期で繰り返されるが、それぞれの増光の間隔は大きくばらついている。増光には持続時間が1週間強の短いものと、持続時間が2週間前後になる長いものとがあり、それらは交互に現れることが多いが、どちらかのパターンが連続する場合もある。1985年には、明るい状態が42日間と通常より大幅に長く続く増光(スーパーアウトバースト)が発生した。 増光量及び増光している期間の長さは、新星には及ばないので、ふたご座U星のような天体は矮新星と呼ばれる。ふたご座U星は、矮新星の原型であり、矮新星のことをふたご座U型星と呼ぶ場合もあるが、現在は矮新星も細分化が進んでおり、ふたご座U星は矮新星の小分類のうち、はくちょう座SS型星に分類されている。 ふたご座U星は、黄道に近い方角にあるため、6月から8月にかけては観測がほぼ不可能であるので、これまでに見逃された増光もあると考えられている。
※この「増光」の解説は、「ふたご座U星」の解説の一部です。
「増光」を含む「ふたご座U星」の記事については、「ふたご座U星」の概要を参照ください。
増光
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 16:27 UTC 版)
「いっかくじゅう座V838星」の記事における「増光」の解説
2002年1月6日、いっかくじゅう座で新星と思われる増光現象が観測された。新しい変光星として、命名規則に従い「いっかくじゅう座V838星」(いっかくじゅう座で838個目の変光星)と命名された。発見当初の光度曲線は新星に似ていたので、近接連星系を形成する白色矮星の表面で、相手の恒星から降り積もった水素が熱核反応を起こす、新星爆発と思われた。そのため、いっかくじゅう座V838星はいっかくじゅう座新星2002とも呼ばれる。いっかくじゅう座V838星は、2002年2月6日には視等級が最も明るくなり6.75等級に達すると、その後は予想された通り急激に暗くなっていった。ところが、3月上旬になると再び明るくなりはじめ、今度は特に赤外線でかなり明るくなった。可視光では最初の増光前の水準まで暗くなっていた4月上旬になっても、赤外線では明るい状態が続いた。爆発後の光度曲線は、既知のどのような天体とも似ていない。 この星は、太陽光度のおよそ100万倍まで明るくなり、極大時の絶対等級は-9.8となって、銀河系内で最も明るい星の1つとなった。この増光は、星の外層が急激に膨張することで起こった。パロマー試験用干渉計でも観測され、角直径は1.83±0.6ミリ秒と測定された。太陽からの距離を仮定してこの見かけのサイズを長さに換算すると、その半径は、観測された赤外線のスペクトルと計算で再現したスペクトルを比較して求めたサイズと整合性がある結果となった。より精度を上げて推定した距離6,100pcに当てはめると、測定された角直径は、太陽半径の1,200±150倍に相当する。増光した時から膨張したとすると、たった数ヶ月でここまでサイズが大きくなったのは、異常な速さである。熱力学の法則により、膨張するガスは冷却されるので、恒星も膨張すると温度が低下し、赤くなる。実際、この星のスペクトルは短期間でG、K、Mと変化し、ついには褐色矮星を示すL型に似ていると報告された。本当にL型だとすると、いっかくじゅう座V838星は史上初めて見つかったL型超巨星となる。
※この「増光」の解説は、「いっかくじゅう座V838星」の解説の一部です。
「増光」を含む「いっかくじゅう座V838星」の記事については、「いっかくじゅう座V838星」の概要を参照ください。
- >> 「增光」を含む用語の索引
- 增光のページへのリンク