防腐・防蟻処理
防腐処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:42 UTC 版)
かつて王侯貴族に楽器の秘密は何かと尋ねられると、ストラディバリは「新鮮な木材をそのまま使っているからです」と答えたとされる。これを疑問に思った後世の研究者は、楽器に使用されている木材について調査を行った。その結果、木材から灰汁の成分が検出されたと報告し、木材の下処理によって硬くしているのが音色の秘密であるという報告を行っている。 2021年、ストラディヴァリウスを含むオールド楽器の木材についての研究でいくつかの化学物質が検出されたことが報告された。この調査では、ホウ素、亜鉛、銅、鉄、アルミニウム、カルシウム、カリウム、硫黄が検出された。これらの化学物質はガルネリやアマティの楽器でも検出された。またストラドの楽器であっても検出される楽器や全く検出されない楽器もあり、また検出される元素はまちまちであった。テストに使用されたアマティ2本からは共にホウ酸と鉄が検出されたが、用意されたストラド(チェロやビオラを含む)にホウ酸と鉄が両方とも検出された楽器は8本中2本のみであった。またガルネリからはストラドやアマティから検出されないカルシウムが強く検出された。当時は虫食い被害が深刻であり、これらの薬剤は殺菌や防腐のために使用された食塩・石灰・ミョウバンに由来すると考えられている。この研究者はその処理によって木材の音響的特性が影響を受けている可能性があり、これらのクレモナ製作者がそれに気が付いていたかもしれないと推論した。使用された木材についても検討が行われ、今日使用されている同じ木材であることが確認された。経年変化によるセルロースの結晶化が音質向上の要因であるという仮説を唱える人もいるが、この研究のX線回折ピーク解析では新作楽器の木材とストラドの木材でのセルロースの結晶化度に明らかな違いは認められなかった。
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