にゅうとう‐ふたいしょう〔ニユウタウフタイシヤウ〕【乳糖不耐症】
乳糖不耐症
牛乳を飲むと必ずおなかが痛くなるという人や、冷たい牛乳に限って下痢をするという人など、これらの症状を総称して、乳糖不耐症と呼んでいます。 昔から牛乳をたくさん飲む習慣があったヨーロッパやアメリカの人たちに比べて、日本人には多く見られ、10〜20%の人がこの乳糖不耐症だと言われています。 乳糖不耐症にならないためには、小さいときから牛乳を飲む習慣をつけるのが最もよい方法なのです。しかしそれが無理な場合は、牛乳を温めて飲むことをおすすめします。。温めることができない場合は、口の中で温めるようにゆっくり飲むとかなり効果があるようです。 それでもおなかがゴロゴロするという人は、ヨーグルトやチーズをおすすめします。これら乳製品は、乳糖の一部が分解されているので、牛乳より負担が軽く、症状を起こしにくいのです。 |
乳糖不耐症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 17:29 UTC 版)
乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう、英: Lactose intolerance)とは、乳糖(ラクトース)を体内で適切に消化(分解)できない結果、消化器に生じる諸症状[1]。世界的には乳糖不耐症はむしろ自然なことであり、決して病気ではないため、「乳糖不耐症」ではなく「乳糖不耐性」と表記すべきとの指摘もある[2]。ラクターゼ(消化酵素)が十分には働かない。
注釈
- ^ 乳糖はヒトの母乳をはじめとして哺乳類の乳汁に多く含まれる。また食用の植物ではサポジラの実にも含まれる。
- ^ 常温(25℃)における乳糖の水への溶解度は、0.216 [g/mL] である。参考までに、乳糖と同じ二糖類である蔗糖の水への溶解度は、20℃で2.039 [g/mL]、40℃で2.381 [g/mL] であり、おおよそ乳糖の10倍である。
- ^ ここで問題となるのは、ガラクトース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ、ガラクトキナーゼ、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼの3つの酵素である。この内、どれか1つが欠損してもガラクトース血症となる。
- ^ ガラクトース血症の中でも、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼが欠損しているタイプの場合は、それほど厳密な管理を必要としないこともある。より詳細な情報が必要な場合は、「ガラクトース血症」の記事を参照のこと。
- ^ 元々は酵母を投入することで牛乳中の乳糖を分解する方法が考えられたが、酵母を作用させた牛乳は味が悪く、広く市販されなかった。結局、牛乳にラクターゼを添加するなどして乳糖を加水分解した牛乳が市販されている。なお、乳糖醗酵性の酵母としては、Saccharomyces fragilis、Saccharomyces lactis、Candida spherica、Candida utilisなどが知られているが、これらの中で、牛乳の乳糖の分解をするために使用された酵母としては、Saccharomyces fragilisが知られている。
出典
- ^ a b c d e f “Digestive Enzyme Supplementation in Gastrointestinal Diseases”. Curr. Drug Metab. 17 (2): 187–93. (2016). PMC 4923703. PMID 26806042 .
- ^ a b ファン・フォーシュト 2023, p. 193, 訳註.
- ^ a b Swallow, D. M. (2003). “Genetics of lactase persistence and lactose intolerance”. Annual Review of Genetics 37: 197–219. doi:10.1146/annurev.genet.37.110801.143820. PMID 14616060.
- ^ “A worldwide correlation of lactase persistence phenotype and genotypes”. BMC Evolutionary Biology 10 (1): 36. (February 2010). doi:10.1186/1471-2148-10-36. PMC 2834688. PMID 20144208 .
- ^ “Lactose intolerance”. Genetics Home Reference. 2016年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月18日閲覧。
- ^ a b 八木 1992, p. 105.
- ^ 八木 1992, pp. 105, 114.
- ^ 中村禎子, 奥恒行、「ヒトにおける呼気水素ガス試験による発酵分解評価の有効性とそれに基づく各種食物繊維素材のエネルギー評価の試み」 『日本食物繊維学会誌』 2005年 9巻 1号 p.34-46, doi:10.11217/jjdf2004.9.34
- ^ a b c d 八木 1992, p. 107.
- ^ a b 左巻ほか 2003, pp. 88–89.
- ^ 八木 1992, p. 106.
- ^ 八木 1992, p. 109.
- ^ 八木 1992, p. 159.
- ^ 乳糖不耐症 Archived 2012年4月19日, at the Wayback Machine. (公益財団法人山口県予防保健協会)
- ^ 乳糖不耐症 (BIV-deCODEme社のサイトより)
- ^ 八木 1992, p. 103.
- ^ a b “乳糖不耐症の対処法”. 乳糖不耐症協会. 2019年12月27日閲覧。
- ^ “Yogurt--an autodigesting source of lactose”. N. Engl. J. Med. 310 (1): 1–3. (January 1984). doi:10.1056/NEJM198401053100101. PMID 6417539.
- ^ “第3回 腸内細菌による乳糖の発酵分解の差が乳糖不耐症を招く”. 一般社団法人Jミルク. 2024年1月13日閲覧。
- ^ “ウワサ32 乳糖不耐は改善できる?”. 一般社団法人Jミルク. 2023年12月26日閲覧。
乳糖不耐症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 03:56 UTC 版)
詳細は「乳糖不耐症」を参照 ミルクに含まれる二糖であるラクトースは、小腸で吸収するためには酵素のラクターゼによって構成をガラクトースとグルコースに分解されなければならない。しかし、すべての哺乳動物は乳離れの後にラクターゼの分泌が減衰する。その結果、多くの人間は成長後にラクトースを適切に消化できなくなる。ただしこれも人それぞれであり、ほとんどラクトースを消化できない人もいれば、ある程度は可能な者、さらにミルクや乳製品中に含まれるかなりの比率を問題無く吸収できる者もいる。人のラクターゼ分泌を制御する遺伝子はC/T-13910 である。 世界の5%程度の人々はラクトースを満足に消化できない乳糖不耐症を示す事が知られ、この傾向はアフリカやアジア系の人々の中でより顕著である。アメリカ人の3000-5000万が乳糖不耐症であると考えられており、その中にはネイティブ・アメリカンやアフリカ系アメリカ人の75%、アジア系アメリカ人の90%が含まれる。乳糖不耐症は北ヨーロッパ人にはあまり見られず、その他ではサハラ砂漠のトゥレグ族、西アフリカ・サヘル地域遊牧民のフラーニ、スーダンのベジャやカバビッシュ、ウガンダからルワンダ地域のツチ族などが知られる。他にも、北インドの人々も同様である。
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