vs マルガリート
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「マニー・パッキャオ」の記事における「vs マルガリート」の解説
2010年5月、フィリピンの下院議員で初当選を果たす。 2010年11月13日、31歳でテキサス州のカウボーイズ・スタジアムでアントニオ・マルガリート(メキシコ)とWBC世界スーパーウェルター級王座決定戦で対戦。試合はスーパーウェルター級の規定体重154ポンドを4ポンド下回る150ポンドのキャッチウェイトで行なわれた。当初、試合の開催予定地はネバダ州ラスベガス及びカリフォルニア州で検討されていたが、マルガリートが不正石膏バンテージ問題を理由にボクサーライセンス交付を拒否されてしまう。そのためライセンス交付が許可されたテキサス州での開催となった。試合前には5月の下院選挙に当選して以来、国会議員としての仕事が多忙となり、練習に集中できていないパッキャオの様子が報道されていた。両選手の体格差が注目された試合でもあった、試合前日の計量時でパッキャオの144.6ポンドに対しマルガリートは150ポンドで5.4ポンドの差であったが、試合当日にはさらに差が広がりパッキャオの148ポンドに対しマルガリートは165ポンドと17ポンド(約8kg)もの体重差があった、身長もパッキャオの168cmに対してマルガリートは180cmで12cm差 があり、両選手の体格差が大きいため試合前には心配する声も挙がっていた。試合は6Rと8Rにマルガリートの強烈なボディをもらいぐらつく場面があったが、パッキャオは序盤から試合を通してスタミナを切らすことなく圧倒的なスピード差でパンチを打ち続け、終盤にマルガリートをKO寸前に追い込んだ末3-0で12回大差判定勝ちを収め、史上2人目となるメジャー6階級制覇を達成した。ジャッジのスコアは120-108、118-110、119-109で3者共にパッキャオ だった。試合後には、一方的な試合となったのにも関わらず試合を止めなかったレフェリーとマルガリートのセコンドへの批判が噴出した。パッキャオは試合中にパンチを打ちながら何度もレフェリーのローレンス・コールの方を向き「マルガリートの目を見てくれ」、「マルガリートの傷を見てくれ」と試合をストップするよう促していたが、試合後にも「マルガリートは酷い状態だった、レフェリーに試合をストップして欲しかった、彼に一生回復不能なダメージを負わせたく無かった」と話した。フレディ・ローチも「マルガリートのセコンドは最悪だった、彼らが試合をストップしなかったのでマルガリートのボクシングキャリアは恐らくお終いだろう、彼は二度と試合が出来ないかもしれない、余計なパンチをもらい過ぎた」とマルガリートのセコンドが試合をストップしなかったことを批判した。マルガリートの右目はパッキャオのパンチのダメージにより9Rまでにはほぼ塞がっており、試合後の記者会見に出席せず救急車で病院へ直行、右目の眼窩底骨折と白内障と診断された。眼窩底骨折は手術で回復したが、白内障は非常に重症で一時は引退も考慮された。その後、2度に渡る人工レンズ挿入手術やレーザー治療を受け一旦は引退の危機を回避したものの、この怪我が原因となりこのあと1試合をして引退した。この試合はPPVを115万件売り、6,400万ドルの売上げ、試合の観衆は無料チケットで招待されたスポンサーやメディア関係者を含め40,154人、その内チケット購入者は30,437人で、5,404,760ドルのチケット売上げがあり、マルガリートは300万ドル以上、パッキャオは1,500万ドル以上 のファイトマネーを獲得した。 また、試合直前のロッカールムでマルガリートのセコンドがマルガリートにHydroxycutを与えようとしていたのをローチの同僚のビリー・キーンが発見、Hydroxycutは禁止成分マオウを含む禁止薬物であったため、ローチはテキサス州ボクシング監査機関へ即時の尿検査実施を訴えた。試合前の公開練習ではマルガリートとブランドン・リオスがフレディ・ローチのパーキンソン病をからかった事が問題(映像)になるなど試合前後を通していくつかの騒動がみられた。
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