vs ブラッドリー 第1戦
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「マニー・パッキャオ」の記事における「vs ブラッドリー 第1戦」の解説
2012年6月9日、MGMグランド・ガーデン・アリーナで1階級下のWBO世界スーパーライト級王者ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)の挑戦を受けた。試合前のオッズは1対5でパッキャオ有利と出ていた。序盤はパンチのヒット率で上回るパッキャオが優勢に試合を進め、左ストレートを時折クリーンヒットさせるが決定的なダメージを与えられず試合終盤にはスタミナが切れ失速した。一方のブラッドリーも巧みなディフェンスを披露するものの、決定打を打てないまま試合を終えた。試合を通してのパンチの統計は、パッキャオが751発のパンチを放ち253発命中(ヒット率34%)、ブラッドリーが839発のパンチを放ち159発命中(ヒット率19%)、強いパンチの比較はパッキャオの190発に対してブラッドリーは108発であった。試合結果は115-113でジャッジ1人がパッキャオを支持、113-115でジャッジ2人がブラッドリー支持、1-2でパッキャオの12回僅差判定負けとなり4度目の防衛に失敗し王座から陥落した。判定が告げられた瞬間、場内に大ブーイングが発生した。この不可解な判定に対する批判は多く、「ボクシング史上最悪な判定の一つ」と評する声もあり、多くのボクシング関係媒体はパッキャオの大差〜中差判定勝ちとスコアをつけた(試合のスコアカード)。両者のプロモーターであるトップランク社のボブ・アラムは「ブラッドリーは讃えたいが、ボクシングに関わってこんな恥ずかしい思いをしたのは初めてだ。ジャッジは採点の仕方を知らないとしか言いようがない」「今日の試合は接戦ではない(明白なパッキャオの勝ちだった)」と激怒した。試合を放送したHBOの非公式ジャッジを務めたハロルド・レーダーマンとリングサイドに座ったESPN.comの記者はともに119-110でパッキャオの勝ちと採点。アラムは、ブラッドリーのマネージャーであるキャメロン・ダンキンですらも116-112でパッキャオ勝利と採点し、ブラッドリー本人からもリング上で公式採点が発表される前に「精一杯やったけど勝てなかった」 と告げられたと、報道陣に話した。(しかし、この報道を見たブラッドリーは「絶対にそんなことは言わなかった。自分が勝ったと思ったのに、勝てなかったなんて言うわけ無いだろう」とアラムの話を否定。キャメロン・ダンキンも「このような事は絶対に発言していない。僅差だが115-113でブラッドリーが勝っていた」と激怒してアラムに猛抗議した)。なお、ブラッドリーが勝利した場合、11月10日に再戦を行うことが事前に契約で結ばれていたこともあり、ブラッドリーは試合前の記者会見において再戦をアピールするために「俺が今回の試合で勝つことは間違いないから、もう第2戦に備えてこれを作ったよ」と言って「11月10日 会場: MGMグランド・ガーデン・アリーナ ブラッドリーvsパッキャオ 第2戦」と書かれた宣伝ポスターを独自に作成、さらに独自に作成した第2戦のリングサイド特大チケットを妻にプレゼントするなどのパフォーマンスを行っていた。ライバルのフロイド・メイウェザーが6月1日に暴行罪で収監されたこともあり、パッキャオの今後の相手候補が枯渇し始めていたなかでこの試合を迎えたため、ESPN解説者のテディ・アトラスは「再戦をビッグビジネスとするために、ジャッジの誤り以外に別の意思が働いたのではあるまいか」とまで語っている。ブラッドリーは試合後の記者会見に車イスで現れ、2ラウンドにレフェリーのロバート・バートの足を踏んだとき足首を負傷したと語っていたが、その後レントゲン撮影で右足をねんざ、左足は骨折していたことが判明している。 2012年6月21日、WBOは国際ジャッジ5人によるビデオ検証の結果、5人全員がパッキャオ勝利を支持したことを発表。しかしWBOに判定を覆す権限がないため再戦を促した。 詳細は「マニー・パッキャオ 対 ティモシー・ブラッドリー第1戦」を参照
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