RNA・DNAアプタマーとは? わかりやすく解説

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RNA・DNAアプタマー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/25 14:16 UTC 版)

アプタマー」の記事における「RNA・DNAアプタマー」の解説

核酸アプタマー進化工学的得られており、その手法in vitro selection法、もしくはSELEX法として知られている。有機小分子蛋白質核酸細胞細胞組織微生物といった様々な目標特異的に結合するものが存在する核酸アプタマー抗体代わる分子認識可能な生体物質として、生物工学応用薬剤への応用検討されている。核酸アプタマー試験管内化学的に、しかも短時間合成可能であり、免疫原性ほとんどない全くない点が抗体にはない利点である。 1990年2つ研究室独立人工核酸アプタマー開発し報告したゴールド研究室ではT4DNAポリメラーゼ選択的に結合するRNA配列決定し、その開発手法をSELEX法と名付けた一方ショスタック研究室では有機色素特異的に結合するRNA配列決定しin vitro selection法と命名したアプタマーという名はラテン語のaptusに由来しており、核酸ベースになった配位子としてショスタックが名付けたのである2年後、ショスタック研究室ギリアド・サイエンシズ社は独立に、in vitro selection法を用いそれぞれ有機色素トロンビンターゲットとするDNAアプタマー報告したアプタマーとしてRNADNAの間に本質的な違い存在しないが、DNAの方が化学的に安定だという特徴持っている。 大変興味深いことにin vitro selectionという観念は、20年上前Sol SpiegelmanによりQbeta複製システム呼ばれる自己複製分子進化システム登場している。更にin vitro selection法とSELEX法が登場する1年前に、ジェラルド・ジョイスがリボザイム開裂ヒントにしたdirect evolution法と呼ばれるシステム発表している。 核酸アプタマー発見されてから多数研究者様々なアプタマー選別挑戦し多く応用発見なされてきた。2001年にはテキサス大学エリントン(Ellington)研究室とSomaLogic社がin vitro selection自動化行い実験期間が6週間から3日へと劇的に短縮された。 核酸アプタマー人工的創製生物学生物工学分野大きな影響与えたが、自然界存在するアプタマー概念については、2002年にロナルド・ブレーカーがリボスイッチ呼ばれる分子認識を行う遺伝子調節因子発見するまで存在しなかった。RNAによる新し遺伝子調節機構発見は、RNAワールド仮説補強にも繋がったDNA及びRNAアプタマー両者とも、様々な分子に対して高い親和性特異性を示す。 例えば、リボザイム, トロンビン, ヒト免疫不全症ウイルスtat遺伝子産物 (HIV TAR), ヘミン, インターフェロンγ, 血管内皮増殖因子 (VEGF), 前立腺特異抗原 (PSA), ドーパミン等に対すアプタマーは、それぞれRNAアプタマーDNAアプタマー両者とも報告されている。 近年アプタマー関連医薬開発では、OSI Pharmaceutical社が加齢性黄斑変性症治療に関するアプタマーMacugen)を開発しアプタマー医薬として初めFDA承認され試験が行われている。またケンブリッジのMA-based Archemix社は血液凝固剤のトロンビンのような分子対すアプタマー手術後用いることで拒絶反応抑制したり、血小板由来成長因子原因糖尿病性網膜症治療への応用が可能かどうか調査している。 修飾されていない核酸アプタマーは、血流中では酵素ヌクレアーゼ腎臓働きによりすぐに分解除去されてしまう(半減期数分数時間)。修飾されていないアプタマー応用利用として血液凝固など一時的に必要になる症候や、目など核酸アプタマー直接投与可能な臓器治療などが注目されている。またin vivoでの画像診断への応用考えた場合生分解性良いという点が利点になりうる。Schering AG社はテネイシン(tenauscin)に結合したアプタマーガン画像診断応用する研究行っている。2'-フッ化ピリミジンPEG鎖などの様々な分子修飾導入により、核酸アプタマー半減期1日から週単位伸ばすことが可能となったin vitro selection法とSELEX法の実験に関するデータベースとして、エリントン研究室のアプタマーデータベースカタログがある。

※この「RNA・DNAアプタマー」の解説は、「アプタマー」の解説の一部です。
「RNA・DNAアプタマー」を含む「アプタマー」の記事については、「アプタマー」の概要を参照ください。

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