OECDによる対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 01:12 UTC 版)
「タックス・ヘイヴン」の記事における「OECDによる対策」の解説
OECDはG20加盟国とともに、国際的な取り組みとしてこうした政策をさらに広げようとする方針にある。 導入済み:日本、イギリス、アメリカ合衆国、ドイツ、中華人民共和国、韓国 2013年、15のアクションプランを特定した2013年の「BEPS行動計画」を発表(BEPS=税源の侵食と利益移転、Base Erosion and Profit Shifting)。これは、越境活動に影響を及ぼす国内ルールへの整合性導入、課税と経済活動及び価値創出との一致を確保するための既存の国際基準における実体要件の強化、企業・政府の透明性及び確実性の改善という3つの指針をもつ。OECD租税委員会が立ち上げたプロジェクトで、外国子会社に対する合算税制の強化、租税条約濫用の防止などの行動計画を持つ。 2015年8月13日、OECDとG20加盟国40カ国余りが、タックス・ヘイヴンを利用した企業の過度な節税策を防ぐ税制を全面的に導入していく見通しとなった。既に日英米が採用している課税の仕組みをインド、オランダ、スイスなど10カ国以上が導入する方針。また、加盟国以外の国にも導入を促していく方針だが、シンガポール、マレーシアなどは税制優遇策を企業誘致戦略の重要な柱と位置づけているため、今後応じるかどうかは不明であり、今回の税制導入後の抜け道となる可能性がある。 2015年10月、上記方針にのっとり、OECDは国際租税ルール改革に関する措置の最終パッケージを提示した。BEPSによる税収の損失を、「控えめに見積もっても年間1,000〜2,400億米ドル、世界全体の法人税収の4〜10%に達する」と推計。また「開発途上国では税収の多くの部分を法人税収により依存している現状に鑑みると、BEPSが開発途上国に与える影響は特に大きい」とあらためて問題提起した。そのうえで、1世紀間中に、最も抜本的な措置として、二重非課税に終止符を打ち、課税と経済活動及び価値創出との一致を促すことで、BEPSを引き起こしているタックスプランニングの仕組みを無効化することを目指すと発表した。なおBEPSは各国への勧告という形式であり、法的拘束力はない。
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