OECDによる研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:16 UTC 版)
「トリクルダウン理論」の記事における「OECDによる研究」の解説
OECD(経済協力開発機構)は、2014年12月に貧富の格差と経済成長に関する実証研究を発表した。 OECDの実証研究によれば、貧富の格差が拡大すると経済成長を大幅に抑制することが示されている。所得格差は経済成長を損ない、所得格差を是正すれば経済成長は活性化されるとして、トリクルダウン効果を否定している。とりわけ教育や医療などの公共サービスを充実させるよう提言している。 OECDの実証研究では、以下のことが結論づけられている以下にその結論を引用する。 富裕層と貧困層の格差は今や大半のOECD諸国において、過去30年間で最も大きくなっている。このような所得格差の趨勢的な拡大は、経済成長を大幅に抑制している。 上位10%の富裕層の所得が、下位10%の貧困層の所得の9.5倍に達している。所得格差の全般的な拡大は、他の所得層を大きく引き離している1%の超富裕層によって牽引されているが、成長にとって最も重要なのは、置き去りにされている低所得の世帯である。 また、所得格差による経済成長に対するマイナスの影響は、貧困層ばかりでなく、実際には下位40%の所得層においても見られる。 租税政策や移転政策による所得格差への取り組みは、適切な政策設計の下で実施される限り、経済成長を阻害しない。 所得再分配の取り組みについては、特に人的資本投資に関する主要な決定がなされる対象である子供のいる世帯や若年層を重視するとともに、生涯にわたる技能開発や学習を促進すべきである。これは、とりわけ社会的背景の貧しい人々は、教育に十分な投資をしないためである。
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