エムティー‐サット【MTSAT】
MTSAT
分類:人工衛星
名称:運輸多目的衛星/Multi-functional Transport Satellite(MTSAT)
小分類:地球観測衛星
開発機関/会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/運輸省/スペースシステムズ・ロラール社
運用機関/会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))/運輸省
打ち上げ年月日:1999年11月15日
打ち上げ国名/機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:H-II(8号機)
打ち上げ場所:種子島宇宙センター (TNSC)
MTSATは、気象観測と飛行機の位置測定という2つの役割を兼ね備えた、多目的衛星です。本体の形は約2m四方の箱型で、前方に長いブームを突き出し、後方には太陽電池パネルを備え、また本体の左右には地上との交信に使う円形のアンテナを装備するものです。打ち上げられた後は、高度約36,000kmの静止衛星軌道に乗り、日本や北大西洋上の各種データを集める予定で、まず気象観測については、日本近海の雲の分布や高さ、風、海面の温度分布を測定して地上に送り、位置測定については、太平洋上を飛ぶ飛行機の位置を正確に測定してパイロットや空港の管制室に送ることで飛行機の安全な飛行を手助けする役割を果たすものです。
MTSATは、気象観測を約5年、位置測定を10年にわたって行う予定で平成11年11月15日に打ち上げられましたが、H-IIロケット第1段エンジンの燃焼の異常停止により衛星の軌道投入に失敗しました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
本体は約2.4m×約2.2m×約3.0mの四角い直方体をしており、重さは2トンです。本体の前に約18mの長い棒(ブーム)を突出し、その先端には円筒形のソーラーセールが付いています。また本体の両脇には、円形のアンテナを装備しており、これで地上と電波で気象データや位置測定データをやりとりします。さらに本体の後方には長さ約10mの太陽電池パネルが付いており、全長は約33mにも達します。
2.どんな目的に使用されるの?
MTSATには、気象観測と位置測定の2つの役割があります。気象観測については、これまでの静止気象衛星「ひまわり」の気象観測を受け継ぎ、赤外線センサなどによって、雲の分布・高さ、風の状況、海面の温度分布などの情報を測定して地上に送ります。また、飛行機や船、山など交通手段の不便な観測地点で観測された気象データや地震の情報などを中継して地上の観測所に送ることが可能になります。一方、位置測定の役割については、北太平洋をはじめとするアジア太平洋地域において、飛行機の位置を正確に測定して、空の交通安全に役立てたり、飛行機と空港の管制室との通信を中継したりする役割も果たします。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
打ち上げ後、H-IIロケット第1段エンジンの燃焼の異常停止により衛星の軌道投入に失敗しました。
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