HAWK30
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/27 02:50 UTC 版)
2019年4月UAV「HAWK30」を用いたHAPS事業の展開が発表された。これは通信基地局としたUAV「HAWK30」を高度20キロメートルの成層圏まで飛行させ、成層圏から直径200キロの範囲に通信を提供する計画である。UAV「HAWK30」は全長約78mで10個のプロペラを備えており成層圏を時速約110kmで8の字旋回や円旋回する。ソーラーパネルと蓄電池を搭載し太陽光発電した電気を動力として1度のフライトで6カ月の連続稼働が可能とされている。機体にはカーボンパイプを用いて軽量化とコストダウンが行われており1機あたりの製造費は「フェラーリ10台分くらい」と紹介されている。ユーザーへのサービスリンクは2.1GHz(Band1)を用いるがWRC-23に向けて450MHz~2.6GHzまで標準化活動を行い、地上からのフィーダリンクはWRC-19に向けて6.5GHz・28GHz/31GHz・47GHzの全世界拡張、21GHz・26GHz・38GHz追加の標準化活動を行っている。この標準化活動にはFacebookやAirbusも参加している。UAV「HAWK30」は太陽光の発電角度の都合上、赤道から緯度±30度まで飛行可能という制約があるため当初は赤道付近の国々を対象に2023年頃のサービス提供開始を予定している。また、バックアップにOneWebのLEO衛星の活用も想定している。 UAV「HAWK30」は日本全体を40機程度でカバーできるが、前述の緯度の制約により「日本上空では日照時間が長い8月の1カ月前後のみ飛行可能」という限られた運用しかできない。通年で利用するため発電能力を向上させ北緯50度まで飛行可能にする次世代機UAV「HAWK50」を計画している。また、日本では航空機として扱われるため航空法により型式証明など国土交通省の認証が必要であったり、地上ゲートウェイからUAVまでの通信帯域利用のため総務省との調整や法整備が必要とされている。これらの理由により日本向けは2025年頃のサービス提供開始を予定している。 2019年8月南アフリカ共和国オーツホーンでFacebookが行った成層圏通信プラットフォーム「HAPS」の実証飛行デモンストレーションに参加。Facebookの通信システムを搭載したHAPSを高度4キロメートルで飛行させ、地上のゲートウェイから26GHzおよび38GHz帯の電波を発信してペイロードを経由して地上の端末で電波を受信する実証実験を行った。 2020年2月通信用の成層圏気球で実績があるLoonと共同でHAWK30用の通信機器を開発した。ミリ波を使用する通信システムで機体と地上の通信を確立するだけでなく、HAWK30間の通信機能として最大700kmの距離を最大1Gbpsのデータ通信が可能とされている。
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