高機動型試作機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 23:42 UTC 版)
『MSV』で詳細な設定が掲載された(「設定の経緯」を参照)。 プロトタイプグフと競作の形で開発が進められた新型陸戦用MS。開発はのちのドムによって一躍名をはせるツィマット社によるもので、ザクII F型の基本設計を流用し、おもに接近戦やゲリラ戦を主眼に置いている。ラジエーターや装甲の強化、および機体の軽量化がなされ、背部と脚部には新開発の推進エンジンを装備し、短距離のジャンプ飛行も可能な設計となっている。 しかし、総合的にはザクII J型と大差ない性能であり、「ザクのリファイン版に過ぎない」ともいわれる。また、推進エンジンの出力不足で十分なジャンプができずに終わる。コストパフォーマンスも悪く、ツィマット社上層部と軍部の判断によって試作段階で計画中止となり、プロトタイプグフに計画が統合されたため、5機の生産に留まっている。しかし、本機で培われた技術はドムで結実する。なお、のちに連邦軍のガンダムのデータをもとに高機動化が図られるが、性能は期待されたほど向上せずに終わっている。塗装は黒を基調に、一部白とグレーで塗り分けられている。 設定の経緯 画稿の初出は『TV版ストーリーブック2』で、「ザクからグフへの改良過程の試作MS」とのキャプションが添えられていた。その後『講談社のポケットカード8』で「ザク→グフ発展型」の名称で掲載され、解説では頭頂部メイン・カメラや腰部の冷却器より、ガンダムの影響下にあることが指摘されている。背面画稿は『MSV』で新たに描かれた。 テレビ版『機動戦士Ζガンダム』に登場が予定され、ほかの『MSV』の機体とともにときた洸一によってクリーンアップ画稿(カラー、MSV版と同じ塗装)が描かれたが、劇中には登場しなかった。 ゲーム『SDガンダム GGENERATION-ZERO』を初登場とする同シリーズでは、『MSV』の設定とは逆に宇宙適性の高い機体とされている。攻略本の中には「宇宙用の試作MSで、グフと同型のフレームが用いられるが、同時期に開発されていた高機動型ザクIIとコンセプトが被るため、早期に開発が中断された」と解説したものもある。
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