難問化と合格率の低下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/26 04:01 UTC 版)
「歯科医師国家試験」の記事における「難問化と合格率の低下」の解説
近年、歯科医師国家試験の合格率は急激に下げられている。実際、近年の合格率は60%代(既卒者30%)であり、いわゆる一昔前の「資格試験」「確認試験」と言われていた合格率の高かった時代はすでに過去の話となっている。第103回から「医学英語を問う問題」、第107回から「法医学を問う問題」、第116回から「漢方の知識を問う問題」が導入されるなど出題範囲も年々拡大している。 第102回、多肢選択型(いわゆる「スーパーエックス問題(個数問題のこと)」)が新たに出題されることになり、その試験難易度はさらに増すこととなっている。第103回からは、必修問題の増加(50題→70題)、スーパーエックスの増加、Lタイプ、Cタイプなどの新タイプの問題の出現が予想されている。 第103回、「診療に必要な医学英語」が出題基準に新規導入。歯科医師国家試験に英語問題の出題が開始された。(医師国家試験は1回前の第103回医師国家試験から出題開始) 第105回、多肢選択型(スーパーX問題)を可及的に減じ、代わりに計算問題や多選択肢形式(7つの選択肢から正解を選ぶ)が出題される。 第107回、法医学(法歯学)が導入。合格率63.3%と過去最低となり、新卒既卒を分母とした場合に合格率90%を超えた国公立大学歯学部が1校もないという結果となった。 第109回は第90回以降で合格者数が初めて2000人を割り込んだ。 第116回、必修問題にA問題(5つの選択肢から1つの正解を選ぶ形式)に加え、X2問題(5つの選択肢から2つの正解を選ぶ形式)を導入。出題内容に「和漢薬を服用する高齢者や全身疾患を持つ者等への対応に 関する内容」追加となり「漢方薬」の知識を問う出題が開始。 歯科医師国家試験合格者推移回施行年受験者数合格者数合格率第90回 1997(平成9) 3,083 2,710 87.9% 第91回 1998(平成10) 3,017 2,655 88.0% 第92回 1999(平成11) 3,056 2,554 83.6% 第93回 2000(平成12) 3,014 2,102 69.7% 第94回 2001(平成13) 3,446 3,125 90.7% 第95回 2002(平成14) 2,956 2,462 83.3% 第96回 2003(平成15) 3,208 2,932 91.4% 第97回 2004(平成16) 2,960 2,197 74.2% 第98回 2005(平成17) 3,343 2,493 74.6% 第99回 2006(平成18) 3,308 2,673 80.8% 第100回 2007(平成19) 3,200 2,375 74.2% 第101回 2008(平成20) 3,295 2,269 68.9% 第102回 2009(平成21) 3,531 2,383 67.5% 第103回 2010(平成22) 3,465 2,408 69.5% 第104回 2011(平成23) 3,378 2,400 71.0% 第105回 2012(平成24) 3,326 2,364 71.1% 第106回 2013(平成25) 3,221 2,366 71.2% 第107回 2014(平成26) 3,200 2,025 63.3% 第108回 2015(平成27) 3,138 2,003 63.8% 第109回 2016(平成28) 3,103 1,973 63.6% 第110回 2017(平成29) 3,049 1,983 65.0% 第111回 2018(平成30) 3,159 2,039 64.5% 第112回 2019(平成31) 3,232 2,059 63.7% 第113回 2020(令和2) 3,211 2,107 65.6% 第114回 2021(令和3) 3,284 2,123 64.6%
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