法歯学
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法歯学(ほうしがく、英: forensic dentistry、英: forensic odontology、フォレンジック・オドントロジー)とは、法医学、社会歯科学の一種で法科学の中の一分野であり、犯罪捜査や裁判などの法の適用過程で必要とされる歯学領域の事項を研究、応用する学問である。歯科法医学、法歯科医学などとも呼ばれる。
用語
法科学(Forensic sciences)の諸分野において頭に付けられる「フォレンジック(“Forensic”)」(形容詞)は、ラテン語の“forēnsis”つまり「フォーラム(広場)」に由来している[1]。ローマ帝国時代、「起訴」とは、ローマ市街の中心にあるフォロ・ロマーノで聴衆を前に訴状を公開することであった。被告と原告はともに自らの主張を行い、よりよい主張をしてより広く受け入れられたものが裁判において判決を下すことができた。この起源は、現代における“forensic”という語の2つの用法のもとになっている。一つ目は「法的に有効な」という意味、そして2つ目が「公開発表の」という意味の形容詞である。
概要
主として、個人識別の際に用いられることが多い。歯牙硬組織は、他の組織に比べて残存している場合が多く、その治療痕や状態から識別作業を行う。状態からの場合、摩滅の状態や歯髄腔の状態、特定の職業に特徴的な磨耗症といったことから判別し、他にもDNA検査なども行われる。また、一般の歯科医師でも、日常の診療の過程で多くの処置記録を蓄積・保有しており、その情報は、確実性の高い個人識別情報である。その情報に基づいて識別作業を行うことも多い。
1897年5月4日に約130名の犠牲者を出した、パリの慈善バザー火災での身元判別を契機に法歯学が生まれた。日本においては、1985年に発生した日本航空123便墜落事故が契機となり、法歯学の重要性が社会的に認められるようになった[2]という。
出典
- ^ Shorter Oxford English Dictionary (6th ed.), Oxford University Press, (2007), ISBN 978-0-19-920687-2
- ^ “日本における法歯学・法人類学の過去,現在,そして未来 - 東京歯科大学法歯学・法人類学講座教授”. 東京歯科大学. 2019年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月3日閲覧。
参考文献
- 『法歯学』(鈴木和男著、永末書店、1988年)
関連項目
- 法科学/法医学
- 歯学/口腔解剖学
- 日本法歯科医学会
- 京都府立医科大学法歯学部門
- 日本航空123便墜落事故
- シェリダン・レ・ファニュ(アイルランドの小説家。作品集"In a Glass Darkly"所収の"The Room in the Dragon Volant"は法歯学的テーマを題材にしている)
- ドロシー・L・セイヤーズ(イギリスの女流作家。同名の短編集所収の「証拠に歯向かって」 <In the Teeth of the Evidence>は法歯学的テーマを題材にしている)
- 怪盗紳士ルパン(同書所収の「アルセーヌ・リュパンの脱獄」に、法歯学誕生の元になった慈善バザー火災の事が描かれている)
法歯学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 01:04 UTC 版)
詳細は「法歯学」を参照 歯学を応用し、歯形の確認などを行う。生前の顔写真や歯医者の診療履歴(レントゲン)と比較して白骨化した頭蓋骨の歯形から個人を特定したり、被害者の体に残された噛みついた痕の歯形から犯人を絞り込んだりすることもできる。また、特定の歯の使用状況から年齢や食生活の特定などに役立てられる。
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