鉄道網の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 14:12 UTC 版)
「鉄道事業者」も参照 1872年(明治5年)に開業した日本最初の鉄道は、国による建設であり、日本の鉄道は国有国営を旨としたが、その後勃発した西南戦争による政府財政の窮乏により、幹線鉄道網の一部は日本鉄道などの私鉄により建設された。しかし、日清・日露の両戦争を経て、軍事輸送の観点などから鉄道国有論が高まり、1906年(明治39年)に鉄道国有法が制定され、日本の鉄道網は基本的に国が運営することとなった。一部の私鉄は民営のまま残ったが、一地方の輸送を担うのみとなった。その後も、鉄道敷設法に基づいて、私鉄の買収国有化が行われた。 このように、鉄道国有法以降、第二次世界大戦直後までは、国(鉄道寮→鉄道院→鉄道省→運輸省)が全国の主要路線(国有鉄道)を直接運営していたが、1949年(昭和24年)の公共企業体(日本国有鉄道)への改組を経て、1987年(昭和62年)には国鉄分割民営化により国鉄そのものが解体され、JRグループ7社に承継されている。 JRグループのほか、地域によっては私鉄も存在する。大都市圏にある大手私鉄・準大手私鉄は主に都心と郊外を結ぶ路線網を構築している。中小私鉄は主にJRの駅から離れた都市とJR駅を結ぶ役割のものが多い。大都市では地下鉄もある。日本では地下鉄はいずれも特殊会社または地方公営企業(公営交通)の形態をとっている。大都市圏には拠点駅と空港や郊外の住宅地を結ぶモノレール、新交通システムも存在する。地方部には、主に旧国鉄の赤字ローカル線を継承した、地元自治体等の出資による第三セクター鉄道が存在する。主に山岳部の観光地にはケーブルカーも存在する。 法規上路面電車は軌道法に準拠し、厳密には「鉄道」ではないものがほとんどである。戦後の高度成長期のモータリゼーションの進行の結果、路面電車は撤去が進んだが、現在でも一部の都市で運行されている。地方公営企業(公営交通)形態のものと民間企業(私鉄)形態のものが混在する。1990年代以降、バリアフリー、省エネや、高齢化社会対策としてコンパクトシティ化を図ろうという動きが本格化している。その政策の核として、路面電車の有効性が見直されている。既存路線に超低床車両が導入されたり、JRの在来線が路面電車に再編されたり(富山ライトレール)、さらには路面電車を新設する計画も本格化している(宇都宮ライトレールなど)。
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