金銀調度類とは? わかりやすく解説

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金銀調度類

主名称: 金銀調度類
指定番号 2566
枝番 00
指定年月日 1996.06.27(平成8.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 硯箱手拭掛などの調度品香盆香炉・〓空入【たきがらいれ】・灰道具などの香道具茶碗釜・風呂などの茶道具手拭掛・盆などの調度品あわせて三四からなる金銀調度類(金器二七種、銀器七種)である。
 その技法は、金・銀鋳造あるいは木製素地金・銀薄板着せ蜀江文【しよつこうもん】、唐唐草文からはなからくさもん】、亀甲文【きつこうもん】、雷文らいもん】など各種文様葵紋を、打ち出し彫金などによってきわめて精緻表している。
 近世初期は、金銀産出量の飛躍的増大権力者への財力集中背景とし、金銀調度類や飲食器が盛んに製作されていたようで、豊臣秀吉黄金の茶室をはじめ、尾張徳川家初代藩主である義直家康より相続した一〇四点金器や、寛永十年一六三三加賀前田家四代光高に嫁した徳川家光養女亀姫持参した一一〇件もの金銀器の例などが諸史料から知られている。しかしその現存遺例きわめて少なく本件除けばわずかに醍醐寺などに伝わる金着茶碗久能山東照宮の銀着手拭掛・耳盥などが確認されているにすぎない
 本件のうち、沈箱【じんばこ】・阿古陀形香炉あこだなりこうろ】・皿・薬鍋四種は「御本丸小天守御物置金銀御道具帳」(江戸時代後期 徳川黎明会)に「霊仙院様御道具」と明記されており、尾張徳川家二代藩主ある光友の夫人千代姫用いたものであったことが知られ、またこれに記載される他の金器についても霊仙院所用とはないが、その道具帳の記載内容重量からして遺存する金銀器に比定できる。何よりも各種文様彫金技法同一、あるいは同時代性示しており、霊仙院所用はおくとしても、総体として霊仙院千代姫婚礼が行われた寛永十六年(一六三九)ころの作と判断される。これは銀器についても同様で、三四種におよぶ金銀器が今に遺存する稀有な例としてその存在意義大きい。
 さらに金銀という材質貴重性だけではなく彫金巧緻技術意匠表現の的確さにおいて、江戸時代初期の高度な金工技術水準を示す優品として重要である。



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