輸出の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 15:46 UTC 版)
「アニメ (日本のアニメーション作品)」の記事における「輸出の歴史」の解説
1961年 - 東映動画(現:東映アニメーション)の初期長編作品がアメリカへ輸出される。大川博が「東洋のディズニー」を目指し設立した東映動画は当初から国際市場を意識していた。 1963年 - テレビアニメとして、初輸出された『鉄腕アトム』は、放送開始から8か月後に、アメリカのNBC系列のNBCエンタープライゼスによって、全米ネットワークでなく番組販売される形で放送された。続く『ジャングル大帝』は初めからアメリカ市場を意識して人種差別等を考慮して制作された。 1970年代前半 - テレビアニメの輸出が一般的になり、最初は香港と台湾向けに始まり、北東アジア圏、東南アジア圏で放送されるようになる。 1970年代後半 - 最初はイタリア、次いでフランスに向けに始まり、1980年代にかけてヨーロッパに大量に輸出される。その背景には、ヨーロッパにおける、テレビの多チャンネル化による需要と、日本製の作品が廉価で、本数の多さがあった。東映動画が制作したテレビアニメのうち全体の3分の2はヨーロッパ向けで、特にフランスとイタリア向けが多かった。アメリカ、アジア圏同様、内容が改変されることもあった。イタリアでは、最盛期には1日計7時間、日本のアニメを放送していた。 1980年代 - 中華人民共和国で放送される。 2013年 - 情報通信政策研究所の発表によると、2013年の日本の放送コンテンツ海外輸出額は約138億円であり、このうち、アニメが62.2%を占める。 現在、香港、タイ、台湾などでは、ほぼ1週間程度の差で日本で放送のアニメ作品が放送されている。またネットでは海外向けのアニメの配信が行われ、日本での放送の1時間後には全世界で日本のアニメが見られるようになった。 近年では海外を中心に「海賊版」と呼ばれる違法アニメ配信サイトが存在しており、海外への輸出展開を難しくしている。経済産業省の試算によると海賊版による損失は中国だけで年間5600億円、米国では2兆円を超えるとされ、2014年より海賊版を配信しているサイトへ削除要請をしていく取り組みがされている。 2020年代にはインターネットにより同時配信されるスタイルが普及した。
※この「輸出の歴史」の解説は、「アニメ (日本のアニメーション作品)」の解説の一部です。
「輸出の歴史」を含む「アニメ (日本のアニメーション作品)」の記事については、「アニメ (日本のアニメーション作品)」の概要を参照ください。
- 輸出の歴史のページへのリンク