設計値としての古墳の体積とは? わかりやすく解説

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設計値としての古墳の体積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:20 UTC 版)

古墳」の記事における「設計値としての古墳の体積」の解説

上記労働力推定研究にとって、体積把握大前提となっている。 一方で中国では、三国時代の魏の数学者劉徽が、著者不明紀元前数学書九章算術』の数学問題註釈本として263年著した九章算術』(※劉徽 註『九章算術』)の巻第5「商功」に、冥谷(地下式の墓室)の総体積・一人一日で運ぶ体積人夫数を求め例題がある。263年と言えば日本では古墳時代最初期相当する。 《 原 文》 ※字は旧字体約物現代補足。今有冥谷、上廣二丈、袤七丈、下廣八尺、袤四丈、深六丈五尺。問、積幾何。荅曰、五萬二千尺。載土往來二百步、載輸之間一里、程行五十八里。六人共車。車載三十四尺七寸。問、人到積尺及用徒各幾何。荅曰、人到二百一尺五十分尺之十三、用徒二百五十八一萬六十三分人之三千七百四十六。術曰、以一車積尺乘程行步數爲實。置今往來步數、加載輸之間一里、以車六人乘之爲法。除之、所得一人所到尺。以所到約積尺、卽用徒人數。 ──劉徽 註『九章算術卷第五「商功」 《書き下し文》 ※字は新字体、文は文語体。今、冥谷有り、上広二丈、袤七丈、下広八尺、袤四丈、深六丈五尺。問う、積は幾何ぞ。答え曰う五万二千尺。土を載して往来すること二百歩、載輸の間一里、程行五十八里。六人、車を共にす。車に載すること三十四尺七寸。問う、人の到す積尺及び用徒、各々幾何ぞ。答え曰う、人の到すこと二百一尺五十分尺の十三、用徒二百五十八一万六十三分人の三千七百四十六。術に曰う、一車の積尺を以て行歩数に乗じて実と為す。今の往来歩数を置き、載輸の間一里加え、車六人を以て之に乗じて法と為す。之を除すれば、得る所は即ち一人の到す所の尺なり。到す所を以て積尺を約せば、即ち用徒の人数なり。《口語解釈例》 ※文は口語体角括弧[ ]内は補足文。丸括弧( )内は解説文。今、冥谷がある。上は広(※東西長さ)2丈・袤(※南北長さ)7丈、下は広(※東西長さ)8尺・袤(※南北長さ)4丈、深さ6丈5尺。問う、体積如何ほどであるか。答えにいう、52000立方尺。[荷車に]土を積載して往復すること200歩、積み卸し分は1里、規程仕事量歩行距離58里である。6人で1台の荷車を共に使う。[1台の荷車の]積載量は34.7立方尺。問う、1人運び出す体積及び必要な人夫延べ人数は、それぞれ如何ほどであるか。答えにいう、1人運び出す体積.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}201+1350立方尺。必要人夫数258+3746⁄10063人。術にいう、荷車積載量規程仕事量歩数掛けて、実とする。今の往来歩数を置き、積み卸し作業分1里を加え、車6人をこれに掛けて、法とする。実を法で割ると、得られた値は、すなわち1人運び出す体積である。その体積で冥谷の容積を割ると、すなわち必要人夫数になる。 この内容から、古代中国では墳墓を築く際、その土木工事施工計画体積用い労働力計算実際に行っていたことを窺い知れる日本でも古墳築造時において、設計としての土量あるいは体積が、古墳計画的築造決定把握する上で非常に重要な数値であったとする考え方がある。

※この「設計値としての古墳の体積」の解説は、「古墳」の解説の一部です。
「設計値としての古墳の体積」を含む「古墳」の記事については、「古墳」の概要を参照ください。

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