薬用・実用とは? わかりやすく解説

薬用・実用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 20:32 UTC 版)

ナンテン」の記事における「薬用・実用」の解説

は、南天葉なんてんよう)または南天竹なんてんちくよう)という生薬で、健胃解熱鎮咳などの作用がある。含まれるシアン化水素猛毒であるが、含有量はわずかであるために危険性は殆どなく、食品防腐に役立つ。このため彩り兼ねて弁当などに入れる。熊本県飽田町(現熊本市)では、すり潰したナンテンの汁を濾したものを小麦粉生地加えた麺料理しるかえ」を作る。もっとも、これは薬用でなく、食あたりの「難を転ずる」というまじないの意味との説もあり、当初から、殺菌効果があると分かって赤飯添えられたり、厠(手洗い)の近く植えられたのかは定かではない。 実は、南天実なんてんじつ)または南天竹子(なんてんちくし)といい、11 - 12月から翌2月にかけて実が成熟したときに、果穂ごと切り取って採取し天日乾燥して脱粒する。果実含まれる成分としては、アルカロイドであるヒゲナミン・イソコリジン・ドメスチン(domesticine)・プロトピン・ナンテニン(nantenine:o- methyldomesticine)・ナンジニン(nandinine)・メチルドメスチンや、配糖体のナンジノシド(nandinoside)などの他、種子には脂肪油リノール酸オレイン酸フィトステロールや、プロトピンフマリン酸などが知られている。鎮咳作用をもつドメスチンは、温血動物に対して多量に摂取すると、大脳呼吸中枢麻痺作用があり、知覚運動神経にも強い麻痺引き起こすため、素人安易に試すのは危険である。また、近年の研究ナンテニン気管平滑筋弛緩させる作用があることが分かったまた、ナンジノシドは抗アレルギー作用持ち、これを元にして人工的に合成されトラニラスト抗アレルギー薬及びケロイド治療薬として実用化されている。脂肪油リノール酸は、コレステロール血管への沈着防ぎ動脈硬化予防に役立つ。赤い実も白い実も成分は同じで、薬効変わらない知覚神経局所麻酔運動神経麻痺作用があることから、鎮咳に有効とされていて、民間療法では、咳、百日咳二日酔い南天の実1日3 - 10グラムを、400 - 500 半量なるまで煎じ3回分けて服用する用法知られている。ただし、ぜんそくの咳には南天実だけでは止められないので、専門医指導漢方薬用い必要がある。のどの渇き黄色い痰の出る人に良いと言われているが、ナンテン毒性併せ持つため用量注意が必要となり、また身体冷える人への服用禁忌とされている。扁桃炎口内炎、のどの痛みには、うがい薬代わりに南天葉1日10グラムを、600 cc煎じた液でうがいに用いる。湿疹には、50グラムほどを布袋入れて浴湯料として風呂入れる。かつて、民間では船酔いナンテン噛んでいた。 毒成分 ナンテニンナンジニン、メチルドメスチシン、プロトピンイソコリジンドメスチシンリノリン酸、オレイン酸部位樹皮、実、新芽症状 痙攣神経麻痺呼吸麻痺

※この「薬用・実用」の解説は、「ナンテン」の解説の一部です。
「薬用・実用」を含む「ナンテン」の記事については、「ナンテン」の概要を参照ください。

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