背景となる奄美の文化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 06:27 UTC 版)
奄美群島における宗教は、現在神道とキリスト教が主流であるが、伝統的には女性が神であるという考えが根底にあり、ノロと呼ばれる司祭者や、ユタと呼ばれる霊媒師(シャーマン)による祈祷や指示が重要な位置を占める。このような宗教感が人と神と自然が共存しているとも評される。徳之島以北では本土と類似の墓石を立てて先祖を納骨するが、仏教寺院が管理する形式ではなく、また、琉球の習俗とも異なる 本作品で描かれている奄美群島の舞踊や民謡は、集落(シマ)毎に独自の様式を持っている。ちぢん(鼓)と呼ばれる楔締め太鼓を打ちながら集団で踊る八月踊りは集落毎に踊り方が異なり、唄う歌詞、節、リズムも異なる。人が集まれば三味線を弾きながらシマ唄が歌われ、即興で歌詞を付けながら交代で歌う歌掛けの形式で座遊びを行う。本作品の中でも歌われる行きゅんにゃ加那は最も知られたシマ唄の一つ。 奄美大島を含む奄美・沖縄は、中国の食文化の影響が強く、逆に、本土のような仏教の禁殺生の影響は少なかったので、ヤギ、黒豚、ニワトリを自宅近くで飼って、祭事の際には、家庭や集落で屠殺して食べることが伝統的に行われてきた。現在は「屠畜場法」、「食品衛生法」などの法令により、知事への届け出なしの屠殺、解体や、肉の譲渡等はできない。ヤギ汁は奄美・沖縄で広く食べられている他、喜界島のようにヤギ肉の刺身、ヤギの血液と肉や野菜をいっしょに炒めるカラジュウリという料理を食べる地域もある。 また序盤で、都会育ちで海を怖がる界人が、学校の制服のまま海で泳ぐ奄美育ちの杏子に「怖くないの?」と尋ねるが、奄美大島では日常的に学校の制服などで泳いでおり、2人の対比を際立たせるエピソードとして使われると同時に、ラストシーンの伏線にもなっている。
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