老ノ坂の子安地蔵とは? わかりやすく解説

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老ノ坂の子安地蔵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/26 06:50 UTC 版)

大枝山」の記事における「老ノ坂の子安地蔵」の解説

京阪京都交通老ノ坂峠バス停付近に子安地蔵尊」として地蔵菩薩祀られている。『一心二河白道』という物語によれば、この地蔵丹波国大長者の娘、桜姫であるとされる。以下が物語の概要である。 桜姫丹波国佐伯郡司あきたかという大長者の一人娘で、清水寺観音申し子であった才色兼備のこの姫が十五となったころ、姫に養子を取るに当たって清水寺親子三人参詣した宿坊逗留中の姫が乳母とともに音羽の滝のほとりに佇んでいたところ、清水寺住持弟子である式部卿清玄という若僧滝の上から姫を見かけ、姫に恋心抱いてしまう。清玄が歌をしたためた短冊姫の前へと落とすと、姫はそれを拾い上げて懐にしまった。あきたか夫婦と姫が参詣から戻って養子縁組祝言挙げたその夜、姫の寝屋近く天上から下がってきた光の中に「心」という字が現れて、美し若僧の首に変じた。それを見た聟は逃げ帰ってしまい、養子破談となる。二人目の聟にも同じ理由逃げられて、三人目に聟となった摂津国多田庄田辺みきのじょう吉長は、現れた首を何者かの執心見て斬りつけたところ、首は消え去った。姫に尋ねると「清水音羽の滝短冊拾ってから、その短冊主だという若僧夜な夜な夢に訪れてきます」と言う吉長清水寺住持会見して「私はあきたかの長男ですが、参詣虚しく妹の桜姫急病にて亡くなりましたので代参参りましたと言うと清玄寄って来てしきりに事情聞きたがる。そこで吉長「妹が死の間際もう一度逢いたがっていた若僧とはあなたのことだったのですね。今生の縁は切れたあきらめて供養しください。ご修行障りますから丹波お越し下さるには及びません」と言って清玄騙した。そう言われたものの清玄悲嘆のあまり丹波へと下り途中で宿を取ったところが、宿の亭主から今日佐伯郡司息女婿取り吉日聞かされ激怒する祝宴最中に斬り込んだ清玄吉長刀傷を負わせ、姫をも斬ろうとするが間一髪吉長首を刎ねられる。 吉長深手負ったが、山伏教えによって摂津国有馬温泉の湯につかると21日全快した大願成就した姫が新し湯屋寄進する諸国から人が集まった。あるとき現れ一人病人垢掻きを姫が手ずから行なうと、病人は「薬師如来背中掻いたことを他言してはならん。清玄地獄で、次いで畜生道苦しむ。汝の罪は重い、早々に仏道入れと言って虚空に昇っていった。姫は髪を下ろして手紙残し夜陰まぎれて忍び出た。姫はこのとき懐胎していた。 都に上って仏門入ろうとした姫は、摂津国呉服神社産気づいて動けなくなった。そこへ老僧現れて「社頭汚さないよう五丁ほど離れた里へ行って産をせよ。私は清水から来たものであると言って消えた。姫は社を立ち退いてある一軒家主人頼んでそこで産をした。男子出産すると、姫は自分身の上主人打ち明けてから死んだ一方身重の姫を案じて探しに来た吉長がたまたま宿を頼んだ一軒家こそ姫の宿った家で、吉長は姫の遺骸子供泣く泣く引き取った。 姫は中有の旅さまよっていた。畜生道には清玄が堕ちて苦しんでおり、姫を見つけるやいなや蛇身となって追ってきた。姫は逃げたが行く手には水火二河白道横たわっている。絶体絶命姫の前観音が姿を現し一心に念仏してその細道渡れと言う。姫がその通りにすると弥陀名号が剣となっての首を斬り落とした。姫は白道渡って極楽へと迎えられた。産褥死んだ姫は身重女性を救う誓い立てて子安地蔵となった丹波国老ノ坂の子安地蔵は姫の姿を写したのである。(網野善彦ほか(編)『人生階段』〈いまは昔 むかしは今 5〉福音館書店、pp. 28-35。)

※この「老ノ坂の子安地蔵」の解説は、「大枝山」の解説の一部です。
「老ノ坂の子安地蔵」を含む「大枝山」の記事については、「大枝山」の概要を参照ください。

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