継続中の調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 04:28 UTC 版)
ヘレン・パトックの遺体が発見されてから数時間のうちに、被疑者の合成画が被害者の姉の詳細な説明を元に新たに制作された。この合成画は瞬く間にスコットランドで最も有名なモンタージュ写真の一つとなった。ジョー・ビーティ (英: Joe Beattie) 警視は自分の知る人物に似ているかもしれないとして、この合成画をよく覚えておくように人々に求めた。被疑者の髪型は当時としては流行遅れな短さだったため、グラスゴーやその周辺にある450軒以上の床屋に新しい合成画が見せられた。また、グラスゴーやその周辺の全ての歯科医は、重なった切歯や右上の歯の欠損のある男性患者の記録がないか調べるように依頼された。どちらの調査も実りの無い結果に終わった。 この男が我々の手を逃れているのは非常に驚くべきことです。私はこの男がグラスゴーかその周辺出身であると確信しています。年齢は25から30歳、身長は5フィート10インチから6フィート、髪は淡い赤色、容貌は美形、目は青みがかった灰色、身なりは整っており当世風。私は男はそれほど信心深くないと思っていますが、聖書についての通常の知的な実用知識を持っており、それをひけらかすのを好みます。……この似顔絵に似た人物を知っている人が大勢いるはずです。 — ジョー・ビーティ警視によるバイブル・ジョン事件の第一容疑者についての説明 (1972) 100名以上の刑事がこの事件の捜査に割り当てられ、戸別訪問調査で5万件の証人陳述が得られた。結局、初年の捜査だけで5千人以上が被疑者として殺人事件との関係を尋問された。ジーン・ラングフォードは300回以上面通しへの参加が要求された。しかし、ジーンは面通しへの参加を要求された人々に被害者と一緒にいた人物はいないと断言し、全員事件とは無関係とされた。犯人が再び凶行に及ぶことを恐れ、16名の刑事の一団にグラスゴーの全てのダンスホールでダンスに加わるように指示された。特に、刑事たちはバローランド・ボールルームの木・金曜日の夜にある25歳以上向けのイベントにはよく訪れた。このイベントで被害者たちは犯人と出会ったと推定されているためである。 広範囲の捜査にも関わらず、さらなる進展はなく、3件の殺害事件の調査は次第に停滞していった。事件を担当した人々の多くが、犯人は死亡したか、無関係の犯罪で投獄されたか、精神病院で幽閉されているか、上司の警官が犯人の正体を知っているが、犯人であると証明することができないでいるのではないかと考えるようになった。グラスゴーから引っ越したか、別の地区で死亡したと推測する人もいた。この可能性から、警察は似顔絵のコピーをイギリスやヨーロッパ、中東、極東にあるイギリス陸軍、海軍、空軍の基地に配布した。それでも、この調査方法でも著しい進展はなかった。
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