紙本金地著色歌舞伎図とは? わかりやすく解説

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紙本金地著色歌舞伎図〈/六曲屏風〉

主名称: 紙本金地著色歌舞伎図〈/六曲屏風
指定番号 1973
枝番 0
指定年月日 2000.06.27(平成12.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 一双
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文:  元禄期における江戸歌舞伎活況描いた本作品は無款記であるが、作風からみて、延宝年間一六七三-八〇年)ころから元禄年間一六八八一七三年)にかけて江戸で活躍し江戸庶民絶大な人気博した菱川師宣ひしかわもろのぶ】(?-一六九四年)とその一派による制作とみて誤りがない。
 右隻に描かれ劇場櫓幕には中村座座元中村勘三郎定紋由来する銀杏の紋が認められる。これは五代将軍綱吉の娘が鶴姫名付けられたことから、元禄三年一六九〇)に町人の名と紋章使用することが禁止され従来舞鶴紋を避けたためと考えられ本図景観年代元禄三年禁令以降とする有力な説がある。
 また、鼠木戸掲げられ看板にはいずれも当時実在役者の名が書かれているが、櫓下看板登場する人気若女方谷主水【たにしまもんど】が上方から江戸へ下った時期が、歌舞伎評判記記載から元禄三年十一月遡らないことが指摘されている。
 すなわち、座紋と特定役者江戸下向時期両面において、景観年代の上限は元禄三年想定され得る。
 菱川派多様な画面形式をもって歌舞伎図の類品を多数制作しているが、なかでも本図は最も大作であり、表通り賑わいから舞台裏楽屋、さらに芝居茶屋にいたるまで、本図ほど歌舞伎の諸要素網羅する作例は他に知られない描写も際だって精緻で、芝居熱気をよく表現している。このように特別に丹念に制作されていることから、富裕な階層からの注文制作思われ流派棟梁である師宣直接監督下に制作され師宣自身彩管揮った可能性が高い。
 師宣没年元禄七年であり、師宣死後菱川派急速に衰退する師宣自身が関わっているとすれば元禄三年から七年の間が本図制作年代として蓋然性の高い時期いえよう
 本図近世初期風俗画から最も活力あふれた部分受け取りまた、この後登場する浮世絵諸派豊かな題材表現伝えた菱川師宣とその一派の最優作として、さらには浮世絵画派による歌舞伎図の代表作として指定にふさわしい作品である。



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