紙本金地著色日月松鶴図とは? わかりやすく解説

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紙本金地著色日月松鶴図〈/六曲屏風〉

主名称: 紙本金地著色日月松鶴図〈/六曲屏風
指定番号 1919
枝番 00
指定年月日 1993.06.10(平成5.06.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 一双
時代区分 室町
年代
検索年代
解説文:  草花の咲く水辺日月、六羽の真名鶴まなづる】、六という吉祥的な題材配し、背地を総金地とした花鳥図屏風である。右隻(向かって右側新芽をつけ、蒲公英たんぽぽ】・【すみれ】・躑躅【つつじ】の咲く春、右隻左側から左隻右側にかけてが藪柑子やぶこうじ】が咲き葦が伸長する夏、左隻左側が葦が枯れ始め穂を出す秋、という季節の推移示される。なお、右隻には、かつて襖に転用されたことを示す引手跡【ひきてあと】と本紙切り継ぎの跡がある。題材わりあいに並列的に配置する構図丸み帯びた形象輪郭線が控えめ金地濃彩の手法、金属板を貼っ日月表現する技法細く柔らかな墨線を重ねた岩の暈取りなどから、本図はやまと絵の画法になり、また、金泥塗って箔足を目立たなくする金地の処理などから、その制作時期室町時代であると判断される
 室町時代のやまと絵系屏風のうち、「四季花木図【しきかぼくず】」(重要文化財 平成三・六二一 出光【いでみつ】美術館)と本図とは、雌雄藪柑子、両隻にまたがる岩といった題材共有し松・岩波紋描法類似するので、同一の画系に属すると考えられる。ただし、「四季花木図」の非常に並列的構成較べて、両隻を並べたときの左右両端松・岩・土坡を寄せて重心作りまた、画面上端超えて伸長させ、外側か折り返す本図構図は、雪舟狩野元信かのうもとのぶ】ら漢画系の大画面花鳥図影響受けて構図整理進めたことをうかがわせる。さらに、「四季花木図」が雲母【きら】と金銀の砂子【すなご】・切箔【きりはく】で柔らかな雲霞表現をしているのに対し本図金箔押地で題材浮き出させる金碧画であること、そして前者よりも本図の方に、岩の形態などやや形式化認められることを考え合わせると、本図の方が制作時期が下がると思われるその時期は確定し難いが、およそ室町時代末期十六世紀中頃考えられよう。
 伝土佐光信筆「図」(東京国立博物館保管とともに背地を総金地とする室町時代のやまと絵系屏風絵稀少遺例であり、また日月を伴う花鳥図であることも珍しい。次代金碧障屏画源流考え上で重要な作品いえよう



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