糾弾に関する裁判例とは? わかりやすく解説

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糾弾に関する裁判例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 05:44 UTC 版)

確認・糾弾」の記事における「糾弾に関する裁判例」の解説

解放同盟は「確認・糾弾」の法的根拠として、下記判決前段だけを引用することが多い。 「今日なお部落差別実態には極めて深刻かつ重大なものがあるにもかかわらず差別事象対す法的規制若しくは救済制度は、現行法上必ずしも十分であるとはいいがたい。そのため、従来から、差別事象があった場合に、被差別者法的手段訴えことなく糾弾ということで、自ら直接或いは集団による支援のもとに、差別者にその見解説明自己批判とを求めるという手法が、かなり一般的に行われてきたところである。この糾弾は、もとより実定法認められ権利ではないが、憲法14条平等の原理実質的に実効あらしめる一種自救行為として是認できる余地があるし、また、それは、差別対す人間として堪えがたい情念から発するのであるだけに、かなりの厳しさを帯有することも許されるものと考える。しかし、そこには自ずと一定の限度があるのであって個々糾弾行為につきその違法性有無検討する当たっては、当該行為動機目的のほか、手段・方法等の具体的状況更には、これによって侵害され被害法益との比較など諸般の事情考慮し法秩序全体見地から見て許容されるかどうか判断すべきものである。そして、右の見地から見て許容されないものについては、刑法上それが正当行為に当たるとも、また可罰的違法性を欠くともいえないのである八鹿高校事件等の刑事裁判大阪高裁判決1988年3月29日) しかし、八鹿高校事件刑事裁判最終的に確定したのは大阪高裁判決ではなく神戸地裁一審判決である上、そもそも法務省は「本判決は、一般的包括的に糾弾行為自救行為として是認したものではないことに留意しなければならない」「本判決は、前記のとおり、「糾弾する権利」を認めたものではないから、もとより糾弾を受けるべき義務」を認めたものでもない」と解説しており、「確認・糾弾」に法的根拠存在しない。 なお、部落解放同盟八鹿高校事件刑事裁判における上掲控訴審判決を受け、「糾弾対す画期的判決をふまえ、完全無罪判決を勝ちとるまで、断固闘いぬく決意」と豪語していたが、上告審では「糾弾」の主張放棄した。このことは、部落解放同盟がみずからに迎合的控訴審判断最高裁否定されることを恐れたための狡猾な戦術と見る向きもある。八鹿高校事件民事裁判第二審判決も「被告主張糾弾なるものは実定法何ら根拠のないものである」(神戸地裁豊岡支部1990年3月28日)と糾弾主張退けた矢田事件刑事裁判における大阪地裁大阪高裁判決被差別者による抗議一定の理解を示す内容となっていたが、1981年3月10日大阪高等裁判所は 「いわゆる差別に対してその見解改め自己批判求めるだけであれば本件如き糾弾集会』が唯一無二方法であったとは認めがたく、本件行為真にやむを得ざるに出でたるものとは到底認定できない。また糾弾が『他人へのみせしめ』の目的なされるということになれば、糾弾集会という形の糾弾きわめて有効な手段ということになるかもしれないが、それはいきおい過酷となり、も早私的制裁の域に入るのであり、法の到底容認し得ないところである」 と訓示し、結論としては糾弾否定している。 戸手商業高校事件対す判決でも、裁判所話し合い具体的なルール規定して糾弾認めなかった。 これまで部落解放同盟糾弾正当性主張して無罪争った刑事事件では、一部一審段階無罪判決出た事例があるものの、最終的にはいずれ最高裁有罪確定している。1996年最高裁は、直接暴力伴わない糾弾」による恐怖精神的苦痛に対しても、慰謝料支払い認めている。

※この「糾弾に関する裁判例」の解説は、「確認・糾弾」の解説の一部です。
「糾弾に関する裁判例」を含む「確認・糾弾」の記事については、「確認・糾弾」の概要を参照ください。

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