糞と名の付く食べ物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 00:29 UTC 版)
食材名 本来忌避されるはずの糞の名を含む語が名称となっている食材がある。日本語では、よく獲れる食用ウニ(海胆)の代表的な2属に「馬糞(ばふん、まぐそ)」の名が付いており、海鮮料理や江戸前寿司のネタとして供されることの多い高級・高額の海産物におよそ相応しくない名称として、人々が疑問に思うようなこととなっている。具体的には、「バフンウニ(馬糞海胆)」とその古名である「マグソガゼ(馬糞甲贏)」、そして「エゾバフンウニ(蝦夷馬糞海胆)」がそれであり、これらの名は、「バフンウニ」と「マグソガゼ」は形状が馬糞を連想させるウニ(ガゼはウニの古名)であることから、「エゾバフンウニ」はバフンウニに似た蝦夷(北海道)で多産の近縁属であることから、大昔の庶民によって誰彼となく呼ばれ始めたか、あるいは、江戸時代の本草学者もしくは近代の分類学者によって命名されたものと考えられる。 タイ王国では、トムヤムクンなどに用いられる大小さまざまな葉唐辛子が売られているが、その中でも一番小さく世界有数の辛さを誇る青唐辛子の一品種は、色・形が似ていることから「プリック・キー・ヌー(Prik Kee Noo. 他の日本語音写形:プリッキーヌー、プリッキーヌ。意:ねずみのうんこ)」と呼ばれている。世界でも稀なケースである。 商品名 奈良市では、野生のニホンジカで溢れかえる奈良公園を中心とした地域で、「鹿のフン」あるいはそれに類する名称の菓子を土産物として販売している。これは、奈良市出身のお笑いタレント・明石家さんまが、1986年(昭和61年)にテレビのバラエティ番組『笑っていいとも!』や『オレたちひょうきん族』の中で面白おかしく紹介しながらギャグにも取り入れて広めたたことがブームにつながった吉永小百合の歌謡曲「奈良の春日野」の歌詞内容に因んで開発・発売された商品である。テレビ発のブームは去って久しく、この菓子とその名の直接的由来が吉永の歌謡曲にある事実を知らない世代も増えたが、鹿の糞を模した形状の菓子というのはそれ自体が面白く、しかも安価で、かつ、本物の鹿の糞がそこここにある地域を擁する如何にも奈良らしい土産物であるため、修学旅行生や若年層を中心に人気があり、すっかり奈良土産として定着している。わざわざ糞に似せた食品を作って販売している例の一つである。 沖縄県では、「イリオモテヤマネコの運幸ウンコ」「ヤンバルクイナの運幸ウンコ」「シーサーの運幸ウンコ」という“運幸ウンコ”シリーズ展開をする一連の菓子(小球形の黒糖入りチョコレート菓子)を、八重山地方発の土産物として販売している。 鳥取県倉吉市の銘菓「天女のわすれもの」は、商品名に糞のことを婉曲的に採用している一つの例である。これは、同市が「トイレからのまちづくり」を謳って推し進める地域おこしのコンセプトに適う商品として開発されたもので、天女が浮世に忘れていった物とは、すなわち「うんこ」である。ちなみに、ビデオゲームの『妖怪道中記』にも、「天女のフン」と呼ばれる謎のアイテムが登場する。
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