第25 - 33編成(8 - 10次車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:44 UTC 版)
「営団05系電車」の記事における「第25 - 33編成(8 - 10次車)」の解説
車体構造は既存の05系と同様にアルミニウムの大形押出形材を組み合わせたものである。ただし、使用材料は廃車時におけるリサイクル性を向上させるために亜鉛の使用を少なくした材質に統一(本車両では6N01合金を使用)を図ったほか、側構体の溶接の一部に摩擦攪拌接合(FSW)を採用し、出来栄えの向上をさせている。 主回路はIPMの2レベルに変更したVVVFインバータ制御を採用した。制御装置は回路の簡略化・小型化が図られ、制御素子は高耐圧の3,300 V - 1,200 Aに増強、個別制御から1C2M2群制御に変更された。制御方式にはベクトル制御やファイン・ファジーコントロール(空転再粘着制御)を採用することでトルク制御の向上が図られている。また、騒音対策として高周波変調、特定周波を分散させるゼロベクトル変調方式を採用している。 主回路用の断流器、高速度遮断器(HB)には電磁接触器を採用しており、保守性の向上が図られている。空気圧縮機は従来のレシプロ式のC-2500LB形で変更はないが、除湿装置は吸着剤方式から中空糸膜式方式とすることで、装置の小型軽量化が図られている。 8次車以降では制御装置が小形化されており、外観では7次車の3分の2程度に小形化されている。以降の装置は2側に素子冷却装置を配置し、1側にゲート制御ドライブ(制御回路)を配置している。 8 - 10次車のVVVFインバータ装置 8・9次車用三菱製MAP-214-15V83形・写真は2側のドライパネル素子冷却部 10次車の日立製VFI-HR2420D形・2側の素子冷却フィン 10次車用で左写真の反対側・1側のゲート制御部 編成形態は6・7次車と同様の4M6T構成、主電動機出力は205 kW/台である。台車は6・7次車と基本的には同一のモノリンク式ボルスタレス方式だが、保守性の向上を目的に一部改良した。集電装置は従来車両と同様の菱形だが、同時期に千代田線用の6000系・有楽町線用7000系の先頭車より撤去したパンタグラフの台枠、鉤外し装置、下げシリンダなどの一部部品を改造し、本車両に搭載した。 客室内装は前述したが、座席周りでは袖仕切が大型の丸みを帯びた形状となった。 袖仕切りは同時期に製造された南北線用の9000系4次車と同様の形状のものであるが、以下のような相違点がある。 05N系は完全な片持ち式座席であるのに対し、9000系のものは小型化されながらも脚台が残っている。 同系列のものは荷棚の横に6000系以来の一体型袖仕切りの名残りともとれる成形品が取り付けられているのに対し、05N系では取り付けられておらず、袖仕切りの手すりと荷棚との接合部は一般的な構造となっている。 座席のバケット形状が異なり、クッションは硬めに設計している。 そのほか妻面は貫通扉の戸袋となっている個所へ妻面窓が設置された。また、座席の片持ち式化によりドアコックは座席下から側扉上部右側に移設した。合わせて暖房器も蹴込み内蔵の反射形から座席つり下げ式の輻射形に変更した。さらに側扉、連結面貫通扉について従来は化粧板を骨組みに強固に接着する、貼り替え不能式でドア本体の再利用不可能であったが、これを取り替え式に変更し、更新時にドア本体の再利用が可能なように変更した。
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