第2世代主力戦車
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第2世代主力戦車はイギリスで開発されたロイヤル・オードナンスL7 105mmライフル砲が西側戦車で一般化した。東側では西側に先駆け滑腔砲(115mm滑腔砲)を搭載した。中戦車の重戦車化によって重戦車は存在意義を失い、中戦車があらゆる局面において活用される主力戦車(英: main battle tank、MBT)として生き残った(ただし、ソ連では高性能で高価なT-64及びT-80と、廉価版のT-62及びT-72という、重量による区別とは別の異種類の戦車でそれぞれ部隊編成を行う、ハイローミックスの二本立てが存在した)。また、戦車の防御力が攻撃力に対し立ち遅れていたことから「戦車不要論」が主流となり、防御力を捨て機動力で生存性を確保する戦車も登場した。 対戦車ミサイルが発達し、随伴歩兵による携帯用対戦車兵器を持つ敵歩兵部隊の掃討がより重要視されるようになり、戦車部隊と機械化歩兵部隊がともに行動する戦術が生み出された。また、自走化された対戦車砲である駆逐戦車は存在意義を失っていったが、軽戦車や歩兵戦車などが果たしていた役割を担うための車輌として、歩兵戦闘車のような主力戦車よりも軽量の戦闘車輌が多数生み出された。 特徴として砲塔内容積と避弾経始を両立するため砲塔は横に広くなり、アクティブ投光器による暗視装置により夜戦能力を得た。 M60パットン、チーフテン、T-62、T-64、AMX-30、レオパルト1、Strv.103などが相当 ソ連製のT-72は2A46 125mm滑腔砲の搭載、2層のガラス繊維材を装甲板で挟み込んだ複合装甲(性質の異なる装甲素材を重ね合わせた装甲で単一素材の圧延鋼板装甲より強固とされる)の採用、軽量化によって当時の戦車の中では走・攻・守いずれにおいても優れていた。一方、豊富な戦車戦経験と戦車の改造技術を持つイスラエル初の国産戦車メルカバはその独自の設計と、1982年のレバノン内戦で初期型のT-72を破った事で注目を集めた。これら1970年以降に開発された戦車は西側では第3世代主力戦車で主流となる技術をいち早く採用していたり、第2世代主力戦車の多くが第1世代主力戦車の改良発展型であるのに対し、新規開発である点から第3世代主力戦車の方に分類されたり、技術的には第2世代と第3世代の中間的な観点から第2.5世代主力戦車と分類される事も多い。 T-72、74式戦車、メルカバ、CM11、96式戦車などが相当
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