第2世代-個人からチームへ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 04:22 UTC 版)
「クルー・リソース・マネジメント」の記事における「第2世代-個人からチームへ」の解説
1986年、NASAは再度ワークショップを開催した。この頃になるとCRM訓練はアメリカのみならず、日本を含む世界中の航空会社へ広がりを見せた。このワークショップの中で出された結論の一つには、もしCRM訓練が他の飛行訓練などに有機的に組み込まれたなら、独立した一つの「CRM訓練」というものは認識されなくなるだろうというものがあった。 第2世代のCRM訓練は、航空機の運航を意識した内容に一歩進んだ。実践的にCRM訓練を行うため、フライトシミュレーターでライン運航(乗客を乗せた商業運航)を再現するLOFT (Line Oriented Flight Training) 訓練が本格的に取り入れられた。 また、第1世代のCRMは個人の行動様式に焦点を当てていたが、第2世代では、コックピットの乗員が協力して問題解決にあたれるよう、チーム力を重視するものへ変化した。新しいCRMを表現するため、Cの意味は "Cockpit" から "Crew" へ、すなわち「クルー・リソース・マネージメント」となった。 第2世代では、チーム形成、状況認識、説明や指示、ストレスマネジメントなどに関する座学が行われた。さらに、事故に至る負の連鎖を断ち切る意思決定戦略も扱われるようになった。この頃の演習課題は、まだ航空と直接関係しないものが多かった。デルタ航空が開発したCRM訓練プログラムは、第2世代の典型的なものだった。第2世代のCRM訓練は、第1世代のものよりも受け入れられやすくなったが、難解な心理学用語が飛び交い、受講者には優しくなかった。
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