第二次合戦、第三次合戦、第四次合戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 19:31 UTC 版)
「バリ島沖海戦」の記事における「第二次合戦、第三次合戦、第四次合戦」の解説
20日午前3時前、蘭巡洋艦1隻・米駆逐艦4隻がサヌール泊地に突入してバリ島沖海戦第二次合戦がはじまる。連合軍艦隊は、米駆逐艦4隻(スチュワート、パロット、エドワーズ、ピルスベリー)が単縦陣で先行し、その後方8000mにトロンプが続いた。0306、連合軍艦隊は一斉に魚雷を発射するが命中せず、最後尾のピルスベリーがエドワーズを見失い、単艦でレンボンガン島北方へ移動を開始した。0310、第8駆逐隊第1小隊(大潮、朝潮)は東にむけて航行中、南方から北上する巡洋艦2隻駆逐艦1隻(実際は米駆逐艦3隻)を右舷に発見、0315距離3200mで砲雷戦を開始、0323爆発音を確認して魚雷命中と判断した(実際には命中せず)。しかし魚雷を発射するため右に転舵(一時的に南下)した結果、敵艦隊を左舷側に見る格好となり、バリ島の山影に見失った。この時、トロンプも右後方を進む8駆1小隊に気付いていなかった。阿部司令は『我「ジャバ」型巡洋艦二隻ト激戦中「サヌル」沖 〇三一五』と報告した。米駆逐艦隊ではスチュワートが砲撃を受け舵故障を起こし、隊形が乱れた駆逐隊は北方への脱出を開始した。 連合軍艦隊を追撃してバダン海峡を東に航行していた第8駆逐隊第1小隊(大潮、朝潮)は0341にレンボンガン島北岸沖で左前方3200mにトロンプ型軽巡洋艦を発見、距離3000mで砲雷撃戦になった(第三次合戦)。被弾したトロンプは射撃指揮装置と探照灯の故障を起こしたが、反撃して0346に大潮の二番砲塔給薬室に命中弾を与えた。8駆1小隊(大潮、朝潮)は左砲戦、トロンプは右砲戦で双方が撃ち合う中、トロンプは突如左舷からも砲撃を受ける。これは戦闘発生を知り長良の下令に従ってバリ島へ戻ってきた第8駆逐隊第2小隊(満潮、荒潮)の攻撃で、2隻は0340ころバダン海峡東口に到達し、砲戦を確認して西進してきたのである(第四次合戦)。ところが8駆2小隊(満潮、荒潮)の右舷側には米駆逐艦3隻(エドワーズ、パロット、スチュワート)が東進中であり、さらにトロンプのそばにピルスベリーが迷い込んでいた。海峡南側を東進するトロンプ、ピルスベリーと海峡北側を東進する米側3隻(エドワーズ、パロット、スチュワート)の間に自ら突入した日本側2隻(満潮、荒潮)は挟撃される格好となり、0347に距離3500mで砲撃戦となった。満潮は戦闘開始2分で敵艦1隻の轟沈を確認(錯覚)したが、同艦の機関室にも命中弾があって航行不能、機関長以下64名の死傷者を出した。満潮は漂流しながらも『このまま漂流しつつ哨戒にあたる』と発信、その士気は衰えていなかったという。満潮に後続していた荒潮は左舷に巡洋艦2隻(駆逐艦ピルスベリーと巡洋艦トロンプ)を認め、反航戦となったが、双方とも決定的打撃はなかった。この時、荒潮は左舷のトロンプに命中弾を与え左舷探照灯を破壊している。ピルスベリーは1-2斉射を行ったのみで避退した。パロットは砲撃せず東へ避退、0350にラプアン湾沖で座礁したが自力で脱出した。 以上の戦闘で連合軍艦隊はすべて戦場を離脱し、海戦は終了した。第8駆逐隊はオランダ士官1名、下士官兵9名を収容し、第一次海戦兵力は蘭巡洋艦2、米駆逐艦2、蘭駆逐艦1であることを知った。弾薬の消費量は、大潮が12.7cm主砲217発(約36斉射)、朝潮が主砲310発(約52斉射)、満潮が主砲62発(約10斉射)、荒潮が73発(約12斉射)と記録されている。 オランダ魚雷艇は「TM4」、「TM5」、「TM8」、「TM9」、「TM10」、「TM11」、「TM13」、「TM15」が出撃したが、攻撃を行うことはできずに終わった。
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