競馬場の施設変遷
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「パリロンシャン競馬場」の記事における「競馬場の施設変遷」の解説
開設時は木造だったロンシャン競馬場のスタンドが老朽化したため、1904年に石造で建てなおされた。また、1908年には新コースと呼ばれるポケットから大外回りコースの最終コーナーに合流する5つ目のコースが完成している。1936年の凱旋門賞の数日前には、グラディアトゥールの銅像が現在と同じ正門前に設置された。 1957年から1958年まで開催期間外である冬季に最終コーナーの改修が行われる。これにより直線コースの最初の標識柱が370mから600mに延長された。この新直線コースは芝が定着した1960年9月11日まで使用されなかった。続く1961年、12月5日の奨励協会の役員会において新スタンドの改築が決定され、1962年11月から工事が開始された。1964年には観客の間を横切らずにすむ新しいパドックと、全馬が同じ方向に向いてスタートできる新しい発馬機が設置されている。1966年4月3日に新メインスタンドが開場された。そのときは別館スタンドを引き続き使用していたが、老朽化のため1977年に閉鎖されている。 2015年の凱旋門賞終了後にグランドスタンド、パドック、入場門などの施設の改修、及び馬場の改修が行われた。総工費として1億4500万ユーロを投じられ、施設のデザインはパリ国立図書館を設計した建築家ドミニク・ペローによって行われた。当初の予定では2017年の凱旋門賞が除幕レースとなるはずであったが、工事の遅れ等により半年後の2018年3月に竣工、翌4月より供用開始となった。メインスタンドとなる観覧席のある建物は5階建てに改築され、レストランやVIP席などの他に展覧会やセミナーなどのイベント会場としても利用可能なサロンスペースやテラスも充実しており、自然採光、LED照明、自然空調、地熱エネルギーの利用や太陽光電池パネルの設置といったエコロジーへの配慮も施されるようになった。また、パドックから本馬場への導線も整備され、パドックからスタンドを突っ切る形で専用の馬場通路が新設され、観客がより競走馬を間近で見られるよう配慮されている。その他に馬場通路を挟んだ4コーナー側に旧メインスタンドの一部が解体されず残され、荘厳と評された旧スタンドと近代的な新スタンドのコントラストを際立たせるデザインとして設計されている(なお、競馬場のシンボルとも言うべき鉄格子の正門(Grille d'Honneur)は改修前のまま残されている)。本競馬場は2024年開催予定のパリオリンピックの馬術競技で供用されることが決定している。
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